片桐くんはじいちゃんが遺した猫たちと暮らしはじめます。初めはてんやわんやだった彼らとの生活も徐々に慣れ、自分の人生にもある変化が訪れます。猫の仕草ひとつひとつが可愛くて癒される、猫好きには堪らない作品です。スマホの無料漫画アプリで読むこともできますよ。
亡くなったおじいちゃんの家に猫の様子を見にいった片桐くんは、なりゆきで彼らのお世話をすることにしました。最初は猫たちも片桐くんも不慣れな部分が多々ありましたが、何とか仲良くやっているようです。
ペットボトルのキャップで遊んでいたり、箱という箱に入っていったり、高いところに登って下りられなくなったりと、なにかとかわいすぎる猫たちに悶絶してしまうでしょう。
猫を飼っている人は思わず「あるある」と言ってしまい、飼いたくても飼えないという人は悶々としてしまう作品です。
また続編として『猫とふたりの鎌倉手帖』が発表されています。結婚し、鎌倉へ転勤になった片桐くんは、叔父さんが鎌倉で住んでいた家へ移り住むことに。
初めての引っ越しでドキドキながらも、新居で騒ぐ猫たちの様子と、片桐夫婦の新たな生活が描かれているので、気になった方はこちらも読んでみてください。
- 著者
- 吉川 景都
- 出版日
- 2010-02-09
じいちゃんが遺していった猫たちとの共同生活をしていくなかで、主人公の片桐くんの仕事関係や人間関係、恋愛模様など描いた日常動物コミックです。
最初は3匹だった猫ですが、1匹、もう1匹と増え、全部で5匹の猫たちと片桐くんの生活が描かれています。
自由気ままに過ごす猫とそれに振り回される片桐くんがもたらす、癒したっぷりの作品です。
ぶち模様の「ハツ」はちょっとおバカさんな子。だけど人が良いならぬ猫が良く、他の猫に対してもやさしく接します。ハツがいるだけで中和が取れ、猫社会全体で良い関係が築けるのです。ゴーイングマイウェイでマイペース、すぐに何をしているか忘れちゃう姿がたまりません。
「ぎあら」は甘え下手で、ちょっと感情表現が乏しい子。一匹オオカミのようで、他の猫たちが片桐くんに甘えているときや遊んでいるときは隅っこの方で眺めていますが、気が付くと横にいたり、片桐くんがくつろいでいると、触れているかいないか微妙な位置でくっついていきて、なんとも猫らしい甘え方に癒されるでしょう。
「ミノ」はちょっと神経質で、女王様気質な子です。姉御肌でもあり、他の猫たちの面倒も見ますが、基本的には自分の思いどおりにならないと怒り狂います。
そんな彼女のお気に入りの場所は、なんと片桐くんの肩。怒った時には「したーんしたーん」と尻尾を振りますが、機嫌がよい時はマフラーのように片桐くんの首周りにからむ姿がキュートです。
この3匹が、片桐くんのじいちゃんが飼っていた猫たち。ここに「ユッケ」と「サンチュ」が加わるのですが、彼らはまだ子猫でやんちゃ盛りの育ち盛り。毎日走り回っています。
ユッケとサンチュが先住猫たちと初めて会うとき、それぞれどんな行動をするのか見どころです。最後には家族として受け入れてもらい、読者も片桐くんと同じように親心のような気持ちをもって感情移入してしまうでしょう。
「猫は自由気のまま」というのは周知の事実ですが、面倒くさいとタオルをマフラー代わりに巻いて外へ出てしまうくらい、片桐くんも負けず劣らずのマイペース人間です。しかしもともとは几帳面な正確なので、猫たちのお世話に関してはとてもきっちりしており、愛情をもってかわいがっています。
ミノは頭がよく、引き戸を開けるのが得意です。ある日彼女が開けた窓からぎあらが出てしまいました。家の外でちょうど帰宅してきた片桐くんとばったり会うものの、そのまま逃げてしまいます。
片桐くんはぎあらの好きな「焼いた鮭の皮」と「丸めたチラシ」を持って探しまわりますが、いつまでたっても見つかりません。夜になり、家を明るくしていてあげようと、窓際でずっと待つ片桐くん。しかしぎあらはなかなか戻ってこなくて、ちょっと心が弱ってきたところ……目の前で鮭の皮にかぶりつく姿が。
思わず目に涙を受かべるも、すぐに窓の戸を閉める片桐くんから愛情が感じられます。
片桐くんは、同じ職場の先輩・加藤さんによくごはんに誘われますが、じいちゃん家に移り住んだ時は猫たちの世話で大忙しだったので、彼女からのお誘いをすべて断っていました。
加藤さんはそんな片桐くんに「萌え」らしく、くじけずに毎日声をかけてきます。
同僚のゆうたを間に入れながら、少しずつ距離が近づける片桐くんと加藤さん。はっきりとした言葉はなくてもお互いに惹かれあっているのは確かで、猫たちもそれを歯がゆい感じで見守っています。
片桐くんの親がお見合い話を持ってくるなど、2人の間に邪魔も入りますが、片桐くんは自分でも気づかぬ間に加藤さんへの想いが募っているようです。
風邪で寝込んでいる片桐くんのところへ、加藤さんがお見舞いにやって来ます。実は最近ゆうたが泊まりに来て、修学旅行のようなテンションでお酒を飲みながら恋バナをしたところなので、片桐くんもついつい意識してしまいます。
動けない片桐くんの代わりに、加藤さんは猫のごはんやトイレ掃除などをし、おかゆを作ってくれました。そんな彼女に、片桐くんも安心感を抱いているようです。
これまで結婚などは特に考えていなかった片桐くんですが、風邪で弱っていたせいか、口をついて出た言葉はなんとプロポーズ!突然の展開に恥ずかしいやらなんやらで、加藤さんは気まずいまま帰っていきましたが、少しして彼女らしいメールが届きます。
一気に急展開でドキドキ満載なプロポーズ。猫たちもそこにちゃんと参加していて、結婚に賛成してくれているようです。
- 著者
- 吉川 景都
- 出版日
- 2013-12-09
その後片桐くんと加藤さんは晴れて結婚することになり、片桐家で婚約パーティーが開かれて、これまで関わってきた人達が勢ぞろいで2人をお祝いしてくれます。そこで猫たちがまたもややらかしてくれますが、それを見ている2人の掛け合いがほのぼのとして、癒されます。
お付き合いを始めるよりも先にプロポーズをした片桐くん。ずっと片思いをしてきて、やっと実った加藤さん。順番が逆なので、これからいろいろと始まりますが、ペースが合う2人はとてもお似合いではないでしょうか。
加藤さんが加わって、猫たちとのこれからの生活がどうなるのかも楽しみです。
読んでいるとついつい顔がににやけてしまう、猫好きにはたまらない作品です。猫のあるある話から、新たに発見するようなことまで、いちいちかわいくて癒されまくりです。飼いたいけど飼えない人は、生殺し状態になるかもしれないので注意してくださいね。