『マネーファイト』全巻ネタバレ紹介!元ひきこもりニートの格闘技漫画

更新:2021.11.10

人生に絶望していたひきこもりニートが、ある出来事をきっかけに格闘家へと転身⁉ニートだった主人公がボクシング界のトップを目指す格闘漫画『マネーファイト』の見どころを紹介していきます。

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漫画『マネーファイト』が面白い!主人公の成長が熱い格闘漫画をネタバレ紹介!

 

主人公の御手洗昇太郎(みたらいしょうたろう)は自分の人生に絶望し、自ら死ぬことを望んでいました。

そんな彼はある出来事をきっかけに、とてつもない力を手に入れてしまいます。それは、拳の力、圧倒的なパンチ力でした。

この力を使い、まず彼は街中の不良たちを倒すストリートファイター「DQNハンター」へと変身。さらにはその実力と秘めた力を買われ、賭け試合をおこなうアマチュアボクサーに転身しました。そして、最終的には世界チャンピオンにも挑戦できるほどの実力を持つプロボクサーへと成長していくのです。

絶望的な状況から一気に表舞台へと駆け上がっていくサクセスストーリーを楽しめるのが、『 マネーファイト』の魅力です。

今回は、多くの格闘漫画ファンを唸らした各巻の内容や見どころを紹介していきます。

 

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ニートからファイターへ!【1巻ネタバレ注意】

主人公の御手洗昇太郎はひきこもりのニートです。人生に絶望した彼は、自殺志願者が集まるサイトで同じような悩みを持つ人たちと知り合い、彼らとともに樹海に集まりました。

樹海を歩いていると、突然昇太郎の肩に痛みが走ります。見るとそこには、ボウガンの矢が刺さっていました。

その矢を放ったのは、自分の背後を歩いていた自殺志願者たち。一緒に命を絶つと信じていた彼らは、実は自殺者ハンターだったのです。

樹海を逃げまわる昇太郎でしたが、必死の逃亡劇も虚しくハンターに捕まってしまいます。ボコボコになり、とどめを刺されそうになった瞬間、昇太郎は覚醒し、握りしめた彼の拳がハンターを大きく吹き飛ばしたのです……。

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昇太郎が手に入れた力、それは「圧倒的なパンチ力」でした。そして彼は自らの拳を使い、街にはびこる不良や暴走族を壊滅させる「DQNハンター」へ変貌することを決意します。

街の不良たちを次々と殴り、一躍有名になった「DQNハンター」。昇太郎は自主トレーニングをはじめ、樹海にいた時とは比べものにならないくらい精悍な顔つきになります。

ある日、自分を学生時代にいじめていた高久が、振り込め詐欺集団に所属していることを知った昇太郎。事務所へ乗り込み不良を次々と撃破していきますが、そんななかである人物と出会いました。号刀龍樹というその男は、ボクシングの元スーパーフェザー級の王者です。

これまで相手にしてきた不良たちとはまったく違う、技術と反応速度。昇太郎は成す術もなく追い込まれ、ついに敗北してしまいました。

敗れた彼の前に現れたのは、号刀や高久の元締めである獅子戸です。彼はこれまでDQNハンターに受けた被害として300万円という大金を昇太郎に請求しますが、もちろん昇太郎は支払うことができません。そこに号刀が、ある提案をしてきます。

数日後、昇太郎はある試合会場に立っていました。「第一回SENGOKUサバイバルトーナメント」と銘打たれたそれは、獅子戸が経営する地下格闘団体が開催する大会でした。300万円を支払うことができない昇太郎は、号刀の提案によりこのトーナメントに出場することになったのです。

持ち前のパワーで次々と相手選手を撃破し、トーナメントを勝ち進む昇太郎。そして、昇太郎を使いさらなる金儲けをするため暗躍をする獅子戸。互いの思惑が複雑化するSENGOKUサバイバルトーナメントです。

物語の冒頭は樹海からスタートし、巻末では裏社会の格闘技トーナメントへと参加するといった怒涛の展開の1巻。特に、昇太郎がひきこもりニート状態からDQNハンターになり、精神的にも肉体的にも大きく変貌していくストーリー展開には目が離せません。

果たして彼は、トーナメントを生き残ることができるのでしょうか。

サバイバルトーナメント開幕!【2巻ネタバレ注意】

遂に迎えたSENGOKUサバイバルトーナメントの決勝戦。相手は加納寅生(かのうとらお)、SENGOKU第2代バンタム級チャンピオンです。

試合開始と同時に幸先のよいスタートを切った昇太郎ですが、強打を決めるため勢い良く踏み出したその時、昇太郎はダウンしてしまいました。

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実は、昇太郎が戦っている相手は加納寅生ではなく、双子の兄にである辰生だったのです。兄の辰生は元東日本バンタム級新人王という経歴の持ち主でした。その技術と経験を使って、昇太郎に徐々にダメージを蓄積させていたのです。

この状況で密かに微笑んでいたのが、もちろん獅子戸です。試合上での拳の打ち合いと、裏での騙し合いが交差する展開には、独特の緊張感があります。

加納辰生は相手の死角を射抜くスネークブラストなど、元プロボクサーだからこそできる圧倒的な技術とスピードを用いて昇太郎を追い込んでいきます。
 

しかし、昇太郎も負けてはいません。持ち前の打たれ強さと卓越した学習能力で、新しい戦術を2つ獲得しました。号刀が得意としていた技とスピードの「ドラゴンスタイル」、そして右構えから左構えへのファイトスタイルに変化する「スイッチ」です。

これらを使って昇太郎が反撃へと転じるきっかけ作り出すのは、弟の拓海でした。彼の声援で息を吹き返す昇太郎の姿は、王道のバトルマンガそのもの。「兄弟愛」で逆境を跳ね返していく展開には爽快感があります。

また優勢と劣勢が激しく入れ替わる試合展開と、新しい戦術を身に付け続ける昇太郎の試合展開は、格闘漫画ファンにはたまらない流れではないでしょうか。

果たして昇太郎は辰生を倒し、トーナメントを優勝することができるのか。次巻に期待が膨らみます。

激闘の決勝戦!【3巻ネタバレ注意】

前巻から続く激しい攻防戦。ドラゴンスタイルとスイッチ戦術、そして拓海の声援を受けた昇太郎は、優勝を目指し辰生へと凄まじいラストスパートをかけます。

一方の辰生もプロ時代に持っていたボクサーとしての誇りを取り戻し、真正面からぶつかり合う試合を展開します。

そんななかで、試合が大きく動きました。昇太郎がフィッシュを決めようとした瞬間に、彼を激しい腹痛が襲ったのです。カウンターを試みた辰生でしたが、腹痛で体勢が崩れた昇太郎の撃が偶然顔面にヒットし、辰生がリング外へ吹き飛んでいきました。

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腹痛がきっかけで放ったいわゆるラッキーパンチでしたが、これが必殺技「ライジングマグナム」となります。今後も登場するであろう多彩な技に期待が膨らむ展開ではないでしょうか。

試合は完全に決着したと思われましたが、精神も身体もすべてがボロボロな状態の辰生が、まるでゾンビのように立ち上がりました。実は獅子戸がレフェリーを使い、辰生にある薬物を投与していたのです。

「ZOMBIE」と呼ばれるそのドラッグは、投与された者は脳のリミッターが開放され尋常ではない力を発揮することができるという危険な代物でした。

しかし、怯え逃げまわる昇太郎に襲い掛かろうとした瞬間、辰生がリングに倒れてしまいます。増強された筋力に骨が耐え切れず、身体中の骨が軋みながら崩壊したのです。そこへ弟である寅生がタオルを投入、昇太郎は遂に勝利し、SENGOKUトーナメントで優勝を果たしました。

薬物を投与されたゾンビ状態の辰生との試合展開は、まるでホラー漫画のようなスリルと怖さがあります。

辰生との試合に勝利し、栄光を掴んだ昇太郎ですが、物語はさらに急展開をみせます。獅子戸が、勝利の余韻に浸っている号刀と昇太郎、そして弟である拓海を始末するよう、部下に命じたのです。

宇賀神祐介(うがじんゆうすけ)という獅子戸の親衛隊隊長を務めるその人物は、圧倒的な体格とパワーを持っており、さらに昇太郎が戦ったことのないファイトスタイルである「日本拳法」の使い手で、昇太郎は為す術もなく敗北してしまいました。

しかし彼の意識が消えると同時に謎の人物が乱入、宇賀神を撃破してしまったのです。その人物は1巻で登場した暴力団組長、紅神の部下なのですが、ここではまだ名前が明らかにされません。

また圧倒的な実力を示した強敵である宇賀神が、ものの数ページで謎の人物に撃破される噛ませ犬的な展開に、驚く読者も多いのではないでしょうか。

意識を取り戻した昇太郎に号刀は、「日本タイトルを獲ったらボクシングを教える」という提案をしてきました。そしてここから昇太郎はプロボクサーを目指し、号刀に紹介されたタチバナボクシングジムへと足を運ぶようになります。

1巻から続いていた裏社会での戦いに、ピリオドが打たれました。次巻からはプロボクサーを目指す昇太郎の戦いが始まります。

表社会へ復帰!目指せ世界の頂点!【4巻ネタバレ注意】

表社会へと復帰した昇太郎。これまで描かれていた裏社会でのダーティーな雰囲気は消え、プロボクサーを目指し、タチバナボクシングジムに入会しました。

そんななか、人気と実力が上昇しつつある彼に目をつけたのが、テレビプロデューサーの木羽将宗です。木羽は、昇太郎とある人気ファイターをぶつければ、一気に金と視聴率を稼ぐことができると考えたのでした。

4巻では、タチバナボクシングジムのメンバーとの関係性や、新たなライバルの登場、そして昇太郎がひとりの男としてある出会ったある女性とのラブストーリーにも注目です。
 

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木羽が昇太郎にぶつけようと考えている人気ファイターは、金矢拳王という男。父である金矢拳士郎のもと、弟の大王とともにボクシング界を盛り上げてきた人物です。

しかし最近は疑惑の判定や金矢兄弟の反則技などもあり、人気が低迷しつつありました。そんな拳王を昇太郎にぶつけれ、巨額の金を稼ぐという野望を叶えるべく、木羽は金矢拳士郎と接触します。

実際のボクシング業界をモチーフにしているようなストーリー展開。関西感を強烈に押し出している金矢親子のインパクトは強烈なものがあり、『マネーファイト』に登場する人物のなかでも特に印象的な「ヒール」として描かれています。

さらに、拳王との試合が決まった昇太郎のスパーリングの相手として、八車総司が新登場。今まで戦ってきたファイターのなかでも抜群の実力を持つ男です。すべての技術が高い水準を満たしている選手でしたが、彼がまず構えたファイトスタイルは、金矢拳王とまったく同じものでした。

実はこのスパーリング、昇太郎に勝利への糸口を掴ませるために、号刀が仕掛けたものでした。

昇太郎は八車の完璧な金矢スタイルに圧倒されますが、持ち前の打たれ強さと自身の腕力を使用した粘り強いボディブローを展開。八車の足が崩壊した瞬間に顔面に強打を放つことで、勝利を収めました。

今回の対戦はあくまでもスパーリングであり実際の試合ではありませんでしたが、次はリング上で決着をつけることを約束する2人の関係性は、ライバルそのものです。スパーリングではまだ実力を出し切っていない八車の本当の力はどれほどのものなのでしょうか。昇太郎との再戦に期待が膨らみます。

スパークリングで勝利に大きく近づいた昇太郎でしたが、さらにここで思わぬ展開が描かれます。

ある日のバイト中に、若菜ひよりという中学時代の同級生で初恋の相手と再会しました。元ニートでひきこもりだった昇太郎、テンションがあがってしまい、この日を境に彼の心は、ボクシングよりもひよりへと傾いていくのです。

遂にひよりの部屋へと赴いた昇太郎。再びテンションをあげますが、あることをきっかけに、ニート時代に抑圧されていた感情が気に爆発!そこで彼の淡い恋物語は終了を迎えるのでした。

昇太郎が誘惑に苛まれながらも抵抗する展開には、目を見張るものがあります。彼の身にいったい何が起きたのか、ぜひ皆さんの目でご確認いただきたいです。

この後悲しみを乗り越えた昇太郎は、打倒金矢を胸に抱きながら、タチバナボクシングジムのメンバーと拳王との決戦場である大阪へと降り立ちます。

決戦の地、大阪!【5巻ネタバレ注意】

遂に始まる昇太郎と金矢拳王との一騎打ち。5巻では『マネーファイト』のなかでもっとも長く激しい戦いが描かれています。

プロボクサーとして大きく成長した昇太郎の前に立ちはだかる拳王。果たして昇太郎は彼に勝利することができるのでしょうか。1巻から始まったサクセスストーリーの盛りあがりは、最高潮を迎えます。

第1ラウンド、まずはじめに攻撃を仕掛けたのは拳王でした。特有のノーモーションライトが、昇太郎の顔面に炸裂します。ダメージはさほど高くないと想定していましたが、第1ラウンド終了直後に異変が起きました。昇太郎の左目が大きく腫れていたのです。

橘会長や試合を観戦していた号刀は、拳王のグローブに固い何かが仕込まれているという結論へ辿りつきました。

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ついに始まった昇太郎と拳王の決戦。冒頭から妨害工作や仕込みグローブを使用する、金矢陣営の悪役ぶりが冴え渡ります。作中ここまで徹底した妨害工作をおこなう人物はこれまで存在しませんでしたが、彼の勝つことへの執着心にはある意味目を見張るものがあります。

拳王がなぜそこまで勝ちにこだわるのか、その理由も本巻で明らかになるのですが、この物語で彼への見方が大きく変わり、拳王のファンが増えるのではないでしょうか。

試合中、焦った昇太郎は橘会長の指示を無視し、さらに厳しい状況へと陥ってしまいました。そんななか、セコンドにいた加納のひと言で状況が一変します。加納の言葉を聞いた昇太郎は過去の試合を思い返し、サウスポースタイルにスイッチしてからのスネークブラストを放ちました。

過去にSENGOKUトーナメントで加納が使用していた技を拳王の顎に大きくヒットさせ、さらに八車戦で編み出したボディブローを放つことで、拳王から2回のダウンを奪うことに成功。これまで登場してきたライバルたちの技を駆使して拳王を追い込む昇太郎の姿は、非常に感慨深いものがあります。

焦る金矢陣営は、勝つために手段を選ばない作戦をとりはじめます。金的攻撃や頭突きなど、プロボクサーとしては考えられないラフプレイをおこなうようになったのです。そして遂に、死仕込みグローブで昇太郎の右拳を破壊したのでした。

昇太郎は破壊された右拳をフェイントに使いながら善戦しますが、決定打となる一撃をくり出すことができません。また試合前の減量によってスタミナとパワーも低下し、徐々にダメージを蓄積させながら最終ラウンドへと到達します。

一方の拳王側もダメージは深刻で、すでに根性のみで戦っているような状態。お互いがボロボロになりながらも激しい打ち合いをみせますが、ここで昇太郎の身体に異変が現れ、試合は大きな展開を迎えます。

果たして昇太郎は拳王に勝利することができたのか⁉衝撃の結末は、ぜひ皆さんの目で直接ご確認ください。
 


いかがでしたでしょうか。絶望的な状況だった主人公が紆余曲折の果てに世界の頂点を目指して走り切る物語である『マネーファイト』。格闘技やボクシングが大好きな方や、王道のスポ根マンガが好きな方など、熱い展開が大好きな人にぜひ1度読んでほしいです。

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