「裏サンデー」で連載中の『間宮さんといっしょ』は現在長期休載中ですが、当初は圧倒的な支持を得て、異例の即連載化という実績を残しています。この記事ではサイコパスな一面を持った主要人物5人を、ネタバレを含みながら紹介していきましょう。
ガオシが描く『間宮さんといっしょ』は、発表当時、圧倒的な支持から即連載化したという実績を持つ作品です。
最大の魅力は、登場人物のほとんどがサイコパスなメンバーで構成されていること。しかもキャラクターごとにまったく違ったタイプのサイコパスさを持っていることから、今までにない世界観を飽きずに楽しむことができるのです。
この記事ではサイコパスな一面を持った主要人物5人を、ネタバレを含みながらご紹介していきます。
- 著者
- ガオシ
- 出版日
- 2014-10-17
主人公である佐々良(ささら)と、その恋人である間宮涼(まみやりょう)は、幽霊をはじめ、相手の考えていることまでも視えてしまう体質の持ち主です。間宮はその体質のため、佐々良があるキャラを演じて生活を送っていることを見破り、興味を持ってもらうために自ら命を絶ちます。
そして、幽霊となった間宮は佐々良に恋人として認められ、ともに生活を送ることになるのです。
彼女ら2人を含め、クレイジーでサイコパスな人物たちがおりなす学校物語です。
「死んでくれるならいいですよ!」
「おかしいくらい好かれたいんです
私はそういうのが好きなんですほんとそういう感じの死んじゃうお話とか大好きなんです。
好きなんですほんと本当に好きなんです大好きなんです嘘じゃないです好きなんです!!
ごめんなさい何かついテンション上がっちゃって!!」(『間宮さんといっしょ』1巻より引用)
1巻の冒頭から自分のために何の意味もなく死んでくれるくらい愛して欲しい、と目を輝かせて言うのが主人公の佐々良です。
彼女は他人よりも多くのことが視えてしまう体質の持ち主。それは、お化けや幽霊だけでなく、生きている人間の考えていることまでもが視えてしまうのです。
そのため、基本的には相手の気持ちを察して、常に相手の望むようにふるまうことにしています。
本作では当初、普通になりたいけど普通になれない少女というキャラクターでしたが、間宮が霊体となり素の性格の方が良いと言われてからは、それまでとはまったく違う、一種の中二病のような性格に変わります。
自分のために死んでほしいと思う性格もかなりサイコパスな一面ですが、素の性格では死に関して無関心。霊が視えるため、生と死には宇宙的に考えれば違いはないと考えているようです。
従来の作品にはない新たなサイコパス的思考が、佐々良の1番の魅力となっています。
- 著者
- ガオシ
- 出版日
- 2015-04-10
間宮も霊や人の心を視ることができる体質を持っています。佐々良の中二病的でサイコパスな性格を知り、自分と同じ体質にも関わらず普通に生活を送っていることに対して驚きます。
その興味関心がしだいに愛へと変わり、佐々良に命を捧げてまでも付き従うサイコパス少女です。
「私の周りで、一番よく見えて一番自己中で冷たいのがあなただったからあなたが一番好き。」(『間宮さんといっしょ』1巻より引用)
好きな相手に告白し、「死んでくれるならいいよ」と言われ、その日のうちにためらいもなく死ぬというのはまさに生粋のサイコパスだといえます。間宮も、生と死にそれほど大きな違いはないと考えているのですが、それを考慮しても同じ行動をとる人はまずいないでしょう。
佐々良に対して命を絶つほどの愛を抱いているためか、対等な恋人関係を望んでいるわけではなく、崇拝や信仰といった一方的な愛の形に満足している点に関しても、サイコパス的な性格がみてとれます。
作中では唯一霊体であるため、壁や物をすり抜ける描写などが多々あり、それがどこか可愛らしく描かれているのは間宮の隠れた魅力です。
「あなたがいなければあの日もちゃんと涼の後つけられたのに!!全部全部あんたのせいなのに隠してんじゃねーよブスが!!」(『間宮さんといっしょ』1巻より引用)
春日先輩は、間宮のストーカーをしていました。彼女がいなくなる前日に佐々良と会っていたことを目撃していたため、佐々良に話を聞きに行きます。
お互いに初対面なのですが、その高圧的な態度に佐々良も素の性格が出てしまうほどです。しかし、不意に褒められると弱いという何とも可愛らしい弱点も持っていて、憎みにくいキャラクターでもあります。
間宮をストーカーしていた理由のひとつに、彼女の妹が幽霊の視える体質なことがあげられます。妹は友達ができないため、同じ体質の持ち主である間宮なら友達になれると考えていたのです。
妹思いの優しい姉のようにも見えますが、ストーカーをするというそのやり方が結果的には妹をさらに孤独にさせていることには気づきません。
間宮や佐々良と比べるとアホで感情的な女の子といえるので、違ったヤバさを感じられるでしょう。
間宮や佐々良とは異なり、相手の心は視えないけれど霊だけは視える体質を持った少女です。
春日先輩の妹として初登場しますが、姉の言動により友達ができないことを不快に思っていて、もっとしっかりして欲しいと思っているようです。
姉が渡したお金を返してもらうため、佐々良に会いに行きますが、当初は自分と同じような体質を持っているにもかかわらず友達が多い彼女に対して嫉妬していました。しかし友達を作るために協力してもらうなかで、徐々に佐々良のことも友達だと思えるようになります。
佐々良からお金を返してもらい、もう姉からお金を受け取らない約束を交わしたにも関わらずまたやりとりをする彼女たちの思考についていけてない姿もうかがえます。
春日恋が登場してからは彼女を中心に描くように物語が構成されているので、本作の第2の主人公ともいえるでしょう。
一見普通の女の子のようにも見えますが、ところどころで暴力的な一面を秘めており、今後の彼女の行動はもっとも注目するべき点です。
佐々良の古くからの友人関係にある女の子です。佐々良の素の性格や、多くのものが視える体質についても理解のある、数少ない人物でもあります。
春日恋が佐々良に対する接し方に困っていた時にも、的確なアドバイスを施すことで関係を持たせていました。
作中でもはもっとも常識があるようにみえる女の子ですが、昔の美之は、佐々良の体質をもってしても心の中を見ることができない相手だったそう。今は他の人と同じように考えていることなどが佐々良から視えるようになったみたいですが、彼女についても、今後何かしらの秘密やサイコパスな一面が現れる可能性が、十分にありえます。
黒髪の美少女・佐々良が、学校の廊下である男子から告白されるシーンから始まる本作。一見するとモテる少女を中心に学園ドラマがくり広げられていきそうな予感を漂わせながら、告白を受けた佐々良から衝撃的な一言が発せられるのです。
「いいよ 死んでくれたら。」(『間宮さんといっしょ』1巻より引用)
死んでしまえるほど、自分のことを好きになってくれる人がいい、と力説します。意味不明な発言に、告白した男子は困惑して逃げてしまいます。可愛い顔からは分かりませんが、佐々良は平気で恐ろしいことを言ってしまうサイコパスな人物だったのです。
- 著者
- ガオシ
- 出版日
- 2014-10-17
少し(だいぶ)変わった子である彼女に、次に近づいてきたのが間宮涼。男性のような名前ですが、美しい長髪と切れ長の目が魅力的な女子高生です。間宮は「ずっと好きだったんだ」と告白。それに対して佐々良は懲りずに「死んでくれるなら!」と嬉しそうに答えます。
この時の彼女の表情が非常に恐ろしいのです。瞳孔が開いた状態で、嬉々として「自分のために死んでくれたら好きになる」という自分の恋愛観を熱弁する様子は、頭がおかしいとしか言いようがないでしょう。
ただ間宮と別れたあと、一旦冷静になって、「相手を傷つけてしまっただろうか」と反省する場面も描かれています。サイコパスな少女ではありますが、常識的な考えが残っているところにギャップを感じられます。
間宮さんと佐々良は付き合うことになります。しかし、間宮さんは幽霊の状態。佐々良に「言われたとおり、死んできたよ」と言うのです。
おかしな2人のいびつな恋はどのように進んでいくのでしょうか?彼女たちの他にも、1巻ではヤバいキャラが続々と登場していきます。
佐々良と間宮以外の人物もフォーカスされるのが本作の見どころのひとつです。2巻の最初では、間宮のストーカーである春日先輩の妹・恋(れん)の胸のうちが明かされます。
彼女は、姉の狂人っぷりに振り回され、学校で友達がいませんでした。姉のせいだけでなく彼女自身、霊が見えるという体質だったため、変わった子と認知されていたことも要因のひとつです。
そんな彼女は、なぜ変わった性格の佐々良に友達がいるのか、と疑問を持つのです。本心は、自分には友達ができないのに、なぜ?といったところでしょうか。
負け惜しみのようにもとれる恋の発言。佐々良の隣で聞いていた間宮は、このように言います。
「佐々良さんは普通の輪に居ても、誰にどう合わせても、どんな風に変わっても…
誰より強い自己を持っているから素敵なの。」(『間宮さんといっしょ』2巻より引用)
このやりとりの後、図星をつかれたように「友達欲しいって話?」と佐々良に言われた恋は突然激怒。本人曰く自分がおかしいのではなく、姉がおかしいせいだと主張するのです。
- 著者
- ガオシ
- 出版日
- 2015-04-10
春日姉妹が複雑な関係性であることは否めませんが、可哀想な子なのだと自分を特別視することが、彼女が人間関係をうまく構築できない大きな理由のひとつでしょう。
この後、佐々良と間宮が付き合っていることをカミングアウトされ、恋はますます混乱してしまいます。情緒不安定なキャラにも見えますが、さも当たり前のように幽霊と一緒にいる佐々良を前にして、ぞっとするのも無理はありません。
「どうして死んでまで、愛するの?」(『間宮さんといっしょ』2巻より引用)
本作の主題を提示しているように感じられる、恋の独白シーンです。
今後、間宮と佐々良、そして周囲の人物との関係はどのように進展していくのでしょうか?ますます見逃せない展開となっていきます。ぜひ手にとって読んでみてください。
- 著者
- ガオシ
- 出版日
- 2014-10-17
登場人物が全員サイコパス?というほど強烈な個性を出している作品です。
私のことが好きすぎて、死んでくれるくらいの人しか愛せないという佐々良、好きな人に死んでと言われ、本当に死んで霊になってまで佐々良を愛する間宮。
さらに、間宮のストーカーをしている暴力的な女子の春日先輩や、そんな姉に振り回される妹など、とにかく一癖も二癖もあるキャラクターばかりで構成されているのです。
一見常識人かと思われたキャラクターもどこかおかしな部分があるなど、独特の物語設定でグイグイ引き込まれてしまうでしょう。
サイコパスな学園百合もの、とてんこ盛りの要素が魅力の本作をぜひ楽しんでみてくださいね。
『間宮さんといっしょ』の主要人物5人を紹介しました。この他にも一風変わったサイコパス気質の少年少女たちが登場しますので、今後の展開にもご注目ください!