積極的でかな~りエッチな邪神ロキの魅力に惑わされる女勇者、陽色の使命は、ロキを倒すこと!?陽色は修行の旅に出たのに、なぜかアルバイトとロキに振り回される日々を送っています。勇者なの?嫁なの?主人公はどっちの道を選ぶ?と展開が気になる作品です。
世界を滅ぼそうと目論む邪神ロキを倒す勇者として選ばれたのは、孤児院育ちの少女、陽色(ひいろ)です。しかしロキが突然現れて、いきなりプロポーズ……さらには拉致されてしまいます。
積極的なロキにメロメロにされてしまう陽色は、この先本当に彼を倒すことができるのでしょうか?
- 著者
- 冬織 透真
- 出版日
- 2016-07-26
『邪神の花嫁』は、北欧神話をモチーフに、エッチな邪神ロキが勇者の陽色に積極的にからんでいく様子が描かれるラブエロファンタジー。スマホの漫画アプリ「マンガワン」で連載され、多くの女性から支持されている人気漫画です。
2017年10月現在、単行本は4巻まで刊行されており、連載が進むごとにロキの積極度がアップして、キュン死にさせられるファンが続出しています。
あらすじや作品の魅力を紹介する前に、登場人物について簡単にご説明しましょう。
【陽色】
邪神ロキを倒す勇者であるものの、そのロキから溺愛され振り回されています。積極的な彼の攻めに、敵と認識しながらも心を奪われはじめてしまい……。
【ロキ】
ロドゥルという少年に変身して、陽色にあんなことやこんなことをしているエッチな邪神。ただ実は人間界を滅ぼそうとしているため、世界から命を狙われています。
【ヨルムンガンド】
ロキの息子のひとりで、普段は竜のような姿でロキの側に仕えています。陽色のことを嫌っているようで、冷たい態度を取っています。
主人公の陽色は、孤児院の子供たちの願いを背負い、ロキを倒して世界を救う選ばれた勇者……のはずでした。孤児のロドゥルと、フクロウのレヴィとともに旅に出てから半年、ロキには一向に会えず、それどころか旅の資金も尽きてアルバイトに追われる日々を送っていたのです。
ある村では「何でも屋」として便利がられ、ロキという名前すら知らない平和さに、勇者であることも信じてもらえません。彼女自身も勇者としての使命を忘れかけた頃、やっと目の前に魔物が現れました。
陽色は、レヴィを大剣に変え、あっさり魔物を倒すことに成功し、村人からやっと本当の勇者だと信じてもらえることができたのです。賞賛の声が心地よく感動した陽色でしたが、その頃からロドゥルの様子に変化が現れはじめて……。
1巻では、勇者である主人公の陽色が、孤児院の子供たちの願いを背負い、邪神ロキを倒すための旅に出ることから物語がはじまります。
本作は北欧神話をモチーフとしており、敵である邪神ロキが陽色に好意をもって、彼女の挙動にいちいち萌えるといった面白い設定の、ちょっとエッチなファンタジーが描かれています。
- 著者
- 冬織 透真
- 出版日
- 2016-07-26
陽色は、真の勇者と認められた者だけが授けられる、レヴィという剣に変身するフクロウとともに、ロキを倒す旅に出ます。道中で孤児の少年ロドゥルと知り合い、彼も旅に同行することになりましたが、実はこの少年、邪神であるロキが変身した姿だったのです。
ロキを倒すとはいいながら、どこの村に行っても平穏そのもの。ロキの名前すら知らない村人もいるほどです。敵はいないし、誰も勇者だと信じてくれないし、所持金も底をついたため、もはや屋根の修理も業者レベルにまで達した「何でも屋」状態で日銭を稼いでいました。
自分はなぜ勇者やっているのか……と自信をなくしていた時、村に魔物が現れます。初めてレヴィを剣に変え、魔物を退治した彼女は村の人々から勇者と認められましたが……実はこの魔物、ロキが意図的に仕掛けたものでした。
ここから、少年ロドゥルという立場を利用したロキのセクハラが始まっていきます。ロキは陽色を溺愛し、自分の嫁にしようとしていて、彼女はそんなロキに振り回されていくのです。
本作は少女漫画だからということもありますが、基本的にバトルシーンは少なく、ギャグ要素満載のラブコメディです。
ところどころにシリアスシーンも描かれていますが、ロキが少年ロドゥルの姿のまま、陽色にあんなことやこんなことをして……。ただ彼女はロキがロドゥルに変身していることは知らないので、ロキはセクハラし放題だし、陽色も相手が子供のため文句を言えません。
またロキは陽色にかなり執着していて、息子であるヨルムンガンドの忠告も一切聞かない様子です。その詳しい理由は明かされていませんが、彼の独占欲の強さというのが伏線になっています。
2巻では、旅先の村で発生した疫病により、悪事を働く領主を陽色が成敗する物語が中心に描かれています。
また、北欧神話ではロキと一番仲がいいといわれている雷神トールも登場し、華やかさも増してきました。
- 著者
- 冬織 透真
- 出版日
- 2016-11-25
ロキと結ばれた瞬間に世界が終わりを告げると知り、
「おねがい…あたしにもう触らないで…!優しくしないで…あたしが…っ あなたを倒せなくなってしまう前に…っ」(『邪神の花嫁』2巻から引用)
と陽色が涙を流す展開を期待していたロキ。
しかし残念なことに、ロキへの想いと勇者としての使命を天秤にかけた陽色は、勇者の使命を選びます。彼の期待していたような展開にはなりません。そんなとき、旅先の村で救いを求める依頼が舞い込んできました。
領主の悪事により、苦しめられている村人を救う役目を背負った陽色は、踊り子として領主の家に潜入するのですが、ロキもまた変身して陽色に同行するのです。
ロキには「なりきりレパートリー」というものを持っていて、1巻から登場している少年ロドゥルはそのひとつ。2巻では、妖艶な「肉食系巨乳美女トゥク姐さん」に変身しました。
また陽色は、当初から陽色に冷たく接していたヨルムンガンドから、「ロキが愛しているのはあなたではない」と言われてしまいます。いったいロキは、陽色の「何」を愛しているというのでしょうか。
そして新たに現れた雷神トールは、主神オーディンに次ぐ力を持っているといわれている神。しかしここでは難しいことは分からない、ボーっとした脳筋バカというキャラ設定です。ただこの先彼は、その優しい性格でロキや陽色を癒してくれたり、助けになってくれたりする、重要なポジションといっていいでしょう。
トールがロキに仕えている理由ですが、俺はバカだから難しいことは聞かされていないとのこと。しかし、彼が物語に加わったことで、陽色の嫁キャラ設定がさらに濃くなってきました。
3巻では、陽色の幼馴染の灰人が現れて、ロキと対峙するところから物語が始まります。また、城塞都市アールヴヘイムでは、邪神討伐を目指す勇者たちが集まっており、国をあげての「勇者の力比べ大会」の様子が描かれています。
- 著者
- 冬織 透真
- 出版日
- 2017-03-24
ここでは、陽色の幼馴染の灰人とロキが、彼女を巡って壮絶なバトルをくり広げます。また、陽色が危険を顧みずに勇者をやっていることを不満に思う灰人が、レヴィを剣に変身できないように封印してしまうという超過保護ぶりを発揮しているのです。
城塞都市アールヴヘイムでおこなわれている大会では、敗者となったものは勇者の資格を剥奪されることになっていました。レヴィを封印された陽色は、自分のすべてを否定されたという思いと、灰人を悪く思いたくない気持ちで葛藤し、逃げ出したいと感じてしまいます。
そこでロキがとった行動は、陽色をなじることでした。そうすることで、陽色の本当の思いを引き出そうとしているのです。灰人は陽色を女の子としてしか見ていない一方で、ロキは陽色をちゃんと勇者として見ていました。彼女の勇者としての誇りを大切にしてくれているロキに、胸がキュンとしてしまいます。
これまでも何度もロキに助けられていて、心のなかでは彼を認めているのにその想いを言葉に出せない陽色……。こちらまで切なくなってしまいます。
そんななか、ラストではロキが何者かわからない子供に突然刺されてしまう事件が起こります。
陽色の目にはロドゥルのように映りましたが、彼はロキが変身した姿なので、本当のロドゥルではないでしょう。右目に黒の眼帯をつけた少年、彼の正体は一体……?
4巻では、ロキを刺した少年の正体や、ロキの過去が描かれています。
一方で陽色が「ママ」になったり、ロキのもうひとりの息子が現れたりと、シリアスな展開だけではありません。
- 著者
- 冬織 透真
- 出版日
- 2017-08-25
ロキを刺した少年は、陽色がずっと崇めていた神でした。かつて、その少年とロキは兄弟のように仲が良かったのですが、ある出来事が2人の間に溝をつくり、少年はロキを憎むようになってしまったのです。
少年の正体は、戦争と死の神オーディンでした。彼の役割は、戦争で亡くなった人の魂を迎え、英雄としてもてなすこと。しかし彼はそれを利用して暴走し、余命がある人間をも殺していたというのです。
ロキはオーディンの暴走を止めるため、彼の神格を剥奪しようとして失敗し、何百年も暗い洞窟に囚われていました。いまも2人の間にある溝は、深く広がっています。
一方で、刺されて意識を失っていたロキが目覚めると、陽色が優しく接してくれたため、なんとロドゥルの姿だと勘違いしてしまい、そのまま彼女に甘えてしまいます。その姿がすごく可愛く、陽色がロキに優しいなんてありえないと、思ってしまうところもいじらしいです。
しかし一転、陽色をベッドに押し倒すと……。
ロキ「とうとう…君が僕のモノになる日が来たんだね…」
陽色「マズい ヤる気だ」(『邪神の花嫁』4巻から引用)
ロキの積極性は、当初の比ではありません。隙あらば乳を揉み、隙あらばキスをし、隙あらばすぐに押し倒す……エロ度も順調に成長しています。
そしてついに、豊穣の神フレイが登場。ヨルムンガンドもロキの「息子」フェンリルを連れて再登場します。息子といっても本当の子どもではなく、動物や命のないものに力と肉体を与えることで下僕にした者を指し、従者もしくは息子や娘と呼んでいます。
フェンリルは、陽色のことをママと呼びすぐに懐いていますが、ヨルムンガンドは一向に彼女を認めようとしません。ヨルムンガンドがそうまでして陽色を嫌う理由とは一体……?
4巻では、多くの経験したことによって成長した陽色の姿も描かれています。当初の彼女から比べると、雲泥の差で大人になっているのです。ただ、積極的すぎるロキの手からは、毎度逃れることはできていません。
陽色の勇敢さが存分に表現されたこの巻。ロキを止めるため、彼女は地獄の女王・ヘルに会いに行くことにします。自分だけでは行くことができないため、やはりロキに頼むのですが、彼は了承しながらも、何か考えているところがあるようです。
少しロキの様子を疑問に思いながらも、陽色はやっと今までの彼の行動をただの性欲からじゃなく、気持ちがあってのことだということを受け入れます。
そして「こっ…これからはっちゃんと…ちゃんと受け止めるからっ!!」と言ってしまうのです。もちろんロキにそんなこと言ったらどうなることか、読者の方はお分かりでしょう。
彼は「ゆっくりでいいよ 待ってるから」と言いながら、ベッドに腰掛け、「僕からは何もしないって約束するから 安心して陽色のペースでおいでよ」と、自分のとなりをポンポンと叩いて呼んできて……。
- 著者
- 冬織 透真
- 出版日
- 2017-12-26
このあとのふたりのいちゃいちゃは最高!緊張で動けなくなってしまう陽色をあおり、近くに来てからは「陽色がしたいことしてみて?」と優しく、しかし確実に退路を奪っていくやり方は秀逸。もっとイチャイチャしてくれー!と叫びたくなります。
しかしこの展開では、あることにしびれを切らしたヨルムンガンドによって、その展開はストップ。ついに陽色にロキが執着する理由が明かされてしまいます。しかも地獄の女王にロキがそれについて不安になることを言っている場面も描かれ……。
詳しい内容は作品でご覧ください。イチャイチャからの急天下の展開に驚かされること間違いなしです。過去世の自分に会うことになった陽色は彼女とどんな会話をするのでしょうか?
いかがでしたでしょうか?読んだらあなたもロキの虜になるかもしれません。