「月刊LaLa」連載の『水玉ハニーボーイ』は、侍系女子とオネエ系男子がくり広げるラブコメディです。スマホアプリ「マンガPark」で無料で読むことができますよ。
『水玉ハニーボーイ』は、剣道が得意な男前女子・仙石芽衣と、女子力の高いオネエ男子・藤司郎という異色の2人がくり広げる、一体どっちがヒロインなの?とツッコまずにはいられない斬新な学園ラブコメディです。
芽衣と藤の甘酸っぱい恋愛模様はもちろん、個性的なキャラクターたちの織り成すギャグも見どころです。今回はそんな本作の魅力をご紹介していきます。
- 著者
- 池ジュン子
- 出版日
- 2014-11-05
仙石芽衣は文武両道で人望も厚い人気者ですが、恋愛には関心がありません。オネエ男子として有名な藤司郎に告白されましたが、当然のごとく断ります。
しかし簡単にあきらめる藤ではありません。まっすぐに自分の気持ちを伝えたり、手作りのお菓子や小物をプレゼントしたりと、積極的にアピールします。また芽衣がピンチの時に守ってあげるなど、男らしい一面を見せるところも。
女の子扱いをされることに戸惑う芽衣ですが、しだいに彼に惹かれていくのです。
- 著者
- 池ジュン子
- 出版日
- 2017-02-03
仙石芽衣は、周囲から武士や侍と言われるほど剣道が強く、さらに困っている人がいれば自分のことは顧みずに手助けをする優しい一面も持ち合わせている、人気者。特に同性からの人気が高く、彼女自身もそれを自覚しています。強さを追求することに熱心で、自分は守られる対象ではないとしているのです。
侍のように強く、誰かのために強さを発揮する芽衣ですが、実は雷が苦手。自分がどんなに強くとも自然という圧倒的強さには敵わないからだと言いますが、雷に怯える意外な姿はとても可愛らしいです。
ストーカーや刃物を持った男から藤にかばってもらった時は、「自分で何とかできるはずなのに」と悔しさや戸惑いを滲ませます。自分を女の子扱いしてくる彼に対し、どうしていいかわからず、あたふたして赤面してしまうなど、調子が狂わされっぱなし。そんな芽衣の反応は、普段の凛とした姿とは異なり可愛い女の子そのものです。
また、藤といると無意識のうちに気が緩むのか笑顔を見せることも多く、めったに見られない彼女の満面の笑みには、藤はもちろん周囲の人たちも思わずドキッとさせられます。
藤といることで引き出されていく、芽衣の可愛らしい表情は必見です。
- 著者
- 池ジュン子
- 出版日
- 2015-10-05
本作のヒーローである藤司郎は、女性のような口調や仕草をするオネエ系男子です。家庭科部に所属しており、お菓子作りや裁縫が得意で、周りの女の子たちより女子力が高く、「藤が女だったら俺惚れてた」と言う男子もいるほどです。芽衣も、料理や裁縫は藤に敵わないと認めています。
この女子力の高さは、彼の家庭環境が大きく影響していました。藤は幼い頃から母親によって3人の姉たちと「同じように」育てられたため、おのずと女性らしい仕草が身に付いてしまったのです。
時にはノリノリで女装することもあり、チアガールの衣装やウエディングドレスを着ては芽衣を驚かせています。そのため男の人が好きなのではないかと誤解されがちですが、恋愛対象は女の子です。
また運動が苦手で、ちょっと動いただけで筋肉痛に見舞われるなど頼りないですが、女の子を守ろうとする男らしい一面もあります。その方法は、もちろん芽衣のように力で解決するわけではありません。
女の子が男子に絡まれた時は、わざとオネエらしい言動で目立って視線を自分に逸らせることで、さりげなくその子を守ります。女の子の気持ちをよく理解している藤だからこそ、女の子のために行動できるのでしょう。
「守る対象は侍」と言われる芽衣に対しても、例外ではありません。彼女がストーカーに襲われた時は、ストーカー男に気がある振りをして迫り、撃退しました。
学校に侵入した窃盗犯が刃物を持ち芽衣を人質にしようとした時は、咄嗟に身代わりになります。窃盗犯もまさか自分がオネエを人質にとるとは思わず動揺し、その隙に芽衣が窃盗犯を成敗。一見芽衣が藤を救ったように見えますが、これは彼なりに芽衣を危険から遠ざけていたのです。
芽衣は非力なはずの藤が恐れることなく自分を助けてくれることを不思議に思いますが、彼はあっけらかんとこう言います。
「仙石さんのことしか頭にないから あたしの力の源♡」(『水玉ハニーボーイ』1巻より引用)
好きな子を思う気持ちこそが、彼の強さの秘訣なのです。
主役の男前女子とオネエ男子だけでも十分インパクトがありますが、『水玉ハニーボーイ』には個性的なキャラクターが他にもたくさんいます。なかでも異彩を放っているのが、七緒学です。
芽衣や藤のひとつ上の先輩なのですが、以前剣道で芽衣に敗れてから、なぜか山に籠り1年間も修行をしていたため、復学して藤と同じクラスに入りました。
彼も芽衣と同様に強さを追求しており、自分より強い芽衣に好意を抱いています。復学早々に再戦を申し込み、自分が勝ったら付き合えと条件を突きつけました。
藤がその一方的な勝負に反対すると、芽衣が勝ったら自分が藤と付き合うという条件を付け加え、その後勝負に負けて実際に藤と付き合うことになってしまいます。このわけのわからない行動をとる七緒に、芽衣も藤も振り回されるのです。
ことあるごとに2人に絡んでくるトラブルメーカーで、芽衣と藤がいい雰囲気になったときに突然姿を現して場の空気を変えてしまったり、芽衣が着替えているところを見てしまい返り討ちに遭ったりと、厄介なことばかり引き起こします。
本当は芽衣のことが好きなのに、自分は藤の恋人だと公言して憚らないため、誤解を生むことも多々。とはいえ、彼女への想いは真剣です。
「仙石には警戒心が無さ過ぎるな あんなに強いくせに目が離せんだろ」(『水玉ハニーボーイ』4巻より引用)
と語っていることから、一見適当な男のようで、実は芽衣のことをよく見ていることがわかります。
芽衣は、七緒が自分の強さに対して称賛をしてくれるものの、わかりやすく好意を伝えられることが少ないため、彼の想いは恋愛感情ではないのではないかと疑います。七緒は改めて自分の気持ちを伝え、これによって芽衣もようやく彼が本気であることを認めたようです。
- 著者
- 池ジュン子
- 出版日
- 2017-09-05
しだいに藤に惹かれていった芽衣は、彼が自分にとっていかに大切な存在か気づき、自分の持つ感情が恋であることを知ります。
しかし彼には、七緒という恋人がいます。もちろん藤自身は否定しているものの、七緒が頑なに恋人と言い張る以上はこの問題を解決しなければなりません。
そんななか藤の3番目の姉である珊瑚が、教師として芽衣の前に現れました。普段は不思議な雰囲気を漂わせて何を考えているかつかめない彼女は、授業になると明るく気さくになるという二面性を持ったクセのある人物。芽衣は調子が狂ってしまいますが、珊瑚は彼女なりに藤の恋を応援してくれました。
しかし芽衣には、まだ気持ちを伝える勇気がありません。彼女が告白できるまでの道のりは、まだまだ長そう……今後の展開に注目です。
『水玉ハニーボーイ』は男前女子とオネエ男子の恋愛という異色の設定と、個性が強い登場キャラクターたちのくり広げるコメディが魅力の作品です。笑いあり胸キュンありの濃厚な作品をぜひ読んでみてください。