「変態宇宙人」の異名を持つ完璧超人×生真面目で男勝りの生徒会長!? ヒロイン、ヒーローともにツンデレ、かつちょっと変わったキャラ設定が楽しいラブコメ漫画が、『会長はメイド様』。お互いだけにうまく接することができない可愛らしい恋愛模様や、学園生活を経て成長していくキャラたちの姿を描いています。 ツンデレ好き、学園ラブコメで胸キュンしたい方には絶対おすすめしたい本作。この記事では個性豊かな登場人物からその魅力をご紹介します。 最終回までの見所を説明し、ネタバレを含む恐れがあるので、気になる方は無料で読めるスマホの漫画アプリでご自身でお読みください。
『会長はメイド様』は星華高校の生徒会長である鮎沢美咲と、同じ大学に通う完全無欠のスーパー高校生、碓氷拓海の恋愛を描いた作品です。2010年にはアニメ化もされ、多くのファンがいます。
この作品の何よりの魅力は主人公2人のキャラクターに尽きるのではないでしょうか。
鮎沢は真面目で努力家なのに碓氷に対してはツンデレな態度をとってしまい、一方の碓氷も物事に関心を持たない性格なのに彼女が絡むと感情が表に出てしまいます。
彼らがお互いにだけ見せる表情やセリフは必見です!
- 著者
- 藤原ヒロ
- 出版日
星華高校の生徒会長を務める鮎沢は責任感が強く、成績も優秀な努力家です。その努力が認められ、男子の割合が8割の星華高校で初の女性の生徒会長を務めていました。
一方の碓氷は、素性の知れない超イケメン高校生です。鮎沢に好意を持ち、常に側にいるようになります。
ひょんな事から鮎沢の秘密を知った碓氷ですが、このことにより2人はどんどん距離を縮めていくことになるのです。
主人公の鮎沢美咲は星華高校の生徒会長を務める女子高生です。勤勉で成績優秀、そして責任感と腕っ節の強い男勝りのリーダーとして、男子が8割を占める高校にいながら、その乱れた風紀を正すべく日々努力しています。
表向きは逞しくみんなに頼られる彼女でしたが、家庭環境は複雑でした。過去に父親が借金を残して家庭を捨てたことから、男性に対する不信感が強く、家計も厳しい状況だったのです。
そのため学校から少し離れた「メイドラテ」というメイド喫茶でアルバイトをしていました。武骨なイメージや男勝りな態度が逆に人気を呼び、お店でも非常に人気があります。
ただ普段厳しい態度を生徒たちに取っている会長として、アルバイトをしていることがバレてしまうと威厳を失うと考えていた彼女は、これを頑なに秘密にしているのです。
そんな時、鮎沢について回る碓氷と、たまたま店の近くに来ていた同じ高校の白川、更科、黒崎に「メイドラテ」で働いていることがバレてしまいました。校内に広まってしまうと焦る鮎沢でしたが、碓氷は彼女のことを思い、秘密を守ります。
また白川たち3人も、「メイドラテ」で見せる鮎沢の普段と違う表情にどハマりしてしまい、秘密を守りながら常連になっていくのです。
こうして、学業とバイトを両立しながら、日々の会長職に邁進していきます。
- 著者
- 藤原 ヒロ
- 出版日
- 2007-02-05
碓氷から自身の欠点を指摘されたり、溢れんばかりの愛情を受けたりするうちに、鮎沢は彼のことが気になりはじめます。男勝りな性格から恋愛に対しての免疫がなく、碓氷のことが気になる自分に困惑するなど、可愛らしい一面も。
物語の中盤では、星華高校が文化祭を迎えます。準備や当日の運営に追われる鮎沢でしたが、突如碓氷と2人きりになり、お互いの気持ちを伝え合いました。恋愛をする自分自身に困惑し、照れながらも彼への気持ちを自覚していく鮎沢の姿に成長を見ることができます。
関係を進展させた2人でしたが、碓氷の素性が明らかになっていくと、彼があまりに別世界の人間なので距離を縮めていいのかわからなくなります。
しかし、そんななかで迎えたクリスマスでは手編みのマフラーを渡し、思い切って告白するのです。碓氷からの「おれの恋人になってくれませんか?」という問いかけに対し、彼女はこう答えます。
「私がお前を守りたいから告白したんだ」(『会長はメイド様!』13巻より引用)
作中でも屈指の胸キュンシーンですが、ここでも彼女は男前でした。ツンデレっぷりがよくわかるシーンです。
また鮎沢は、その一本気な性格から目標を決めるとぶれることがありません。碓氷がイギリスで拉致された際には、彼を救出すべく現地に乗り込みます。
上流階級の人間である碓氷に釣り合うように、苦手だった社交場でのマナーや英語も、ハードな特訓を重ねて習得します。さらには碓氷と一緒に通うために最難関レベルの大学受験にも挑戦!センター試験では失敗したものの、不断の努力で合格を勝ち取るのです。
迷いながらも、目標に対して一直線に進む強さも、彼女の魅力のひとつでしょう。
物語の後半では世界を飛び回り、評価される外交官としてその力を存分に発揮します。本作には綺麗な女性キャラクターもたびたび登場しますが、完璧超人の碓氷とともに過ごせるのはやはり鮎沢しかいない、と思えるキャラクターです。
碓氷拓海は本作の主役のひとり、数ある少女漫画のキャラクターのなかでも、もっとも高いスペックを持った人物だと言えるでしょう。
その美貌から男女問わず人気があり、成績も鮎沢と1、2を争うほどです。スポーツも万能で、学校行事で彼が参加した競技はほとんど勝ってしまいます。
さらに英語も堪能、料理もプロ級、そして格闘技もかなりの腕前と、ため息が出るほど完璧なキャラクターとして描かれています。
そんな彼ですが、一本気で頑張る鮎沢のことが徐々に気になりはじめ、常に彼女の側に現れるようになりました。そして鮎沢がメイド喫茶で働いていることを知り、ますます興味を持つと、彼女のことをからかいながらも自分だけの楽しみとして常連になります。
ある日、メイド喫茶の企画でおこなわれたトランプのスピードゲームで勝利し、その景品としてメイド姿の鮎沢とツーショット写真を撮ります。高校の屋上でその写真を鮎沢に見せながら迫る碓氷でしたが、風に吹かれてその写真が飛んでいってしまうのです。
なんとしても秘密を守りたい鮎沢は狼狽しますが、なんと碓氷は屋上から飛び降り、写真をキャッチ!プールに着地して事なきを得ました。それにしても屋上から飛び降りて無傷とは……碓氷の超人っぷりが発揮されたシーンです。
- 著者
- 藤原ヒロ
- 出版日
- 2013-08-05
碓氷はメイド喫茶に通ううちに、人手不足の際に臨時で厨房に入るようになります。彼の作る料理がまた絶品!お客さんからも大好評でした。
物語の後半では、プロの料理人である鮎沢の父が出てくるのですが、碓氷の料理は彼をも凌ぐほど。料理をさせても相変わらず完璧なのです。
そんな碓氷ですが、あまりに完璧なそのハイスペックをすべて鮎沢に捧げるため、彼女から「変態宇宙人」という異名をつけられます。最初は多少の嫌味を込めてそのあだ名を口にしていた鮎沢でしたが、時間が経つにつれて、ある意味愛情を含んだ意味合いに変わっていきました。
ただ作品を読んでいると、本当に宇宙人じゃなかろうか、と疑うほどの能力を持っているので、この愛称は彼にぴったりです。
そんな碓氷ですが、なんと由緒あるイギリスの公爵夫人の隠し子というとんでもない素性の持ち主でした。それが分かった時の別世界の人感が半端じゃありません……。幼少期から英才教育を受けていたため、あらゆる能力が常人離れしているのでした。
物語の後半では、碓氷の腹違いの兄セディが登場します。彼は健康状態が悪く、碓氷を後継者として公表しようと画策していました。城に閉じ込められ、追い込まれる碓氷ですが、鮎沢とともにピンチを乗り越えます。
その後日本に帰国した碓氷は、自ら考え、家系の問題と向き合うべく再度イギリスに渡ることを決意するのです。鮎沢との愛を誓いましたが、2人は離れ離れに……。
物語の最後は、イギリスでウォーカー家のお抱え医師として活躍します。あっさりと名家の医師になれるあたりもスペックの高さを感じますね。
その時鮎沢との関係はどうなっているのでしょうか。愛のゆくえにも要注目です!
幸村祥一郎は、星華高校の副会長として日々頑張る少年です。鮎沢を支えるために奮闘しますが、見た目が愛くるしすぎるのがコンプレックスでした。
星華高校の体育祭で仮装競争をおこなった際に女装をするのですが、はたから見ると男性か女性か区別がつかないほどです。
- 著者
- 藤原 ヒロ
- 出版日
- 2007-08-04
いつも鮎沢に助けられてばかりいるため、自身も彼女のことを助けたいと思いながらも、なかなか思いどおりにいきません。しかしそんな様子も愛くるしく、常に見守っていたいキャラクターになっています。
それゆえ、碓氷からちょっかいを出されることもしばしばで、なんと1度は唇も奪われてしまいます。鮎沢以外に碓氷の変態性を味わったのは、作中では幸村だけではないでしょうか……。その後は一時、碓氷に対して怯える様子をみせていました。
物語の序盤では自らをより男らしくするために、「執事喫茶」で働くスタッフを募集するフットマンオーディションに参加。終盤の選考まで残っていたので、実は表に出る機会が少ないだけで基本的な能力は割と高そうです。
物語が進むにつれ、催眠術師の叶と仲良くなり、公私問わず常に行動をともにするようになります。登場する男性キャラのなかでもっとも可愛い人物となっているのでぜひ実際に読んでみてください!
花園さくらは鮎沢と仲のいい女子高生。もうひとり、同じ学年の加賀を交えた3人で行動することが多く、なかでも1番女子高生らしいキャラクターです。
他の登場人物のなかに埋もれがちですが、実は体育祭の競技の景品として彼女のキスが賭けられるほど、校内ではモテています。ファンの男子生徒からは100回も告白されていました。
- 著者
- 藤原 ヒロ
- 出版日
- 2010-08-05
そんなモテモテの彼女ですが、ヴィジュアル系バンド「U×ミシ(ユメミシ)」の大ファンで、なかでもボーカルの空我の追っかけをするミーハー。
彼らはファンにちょっかいを出すことで有名なバンドで、直接会った鮎沢や加賀もあまりいい印象は抱きませんでしたが、そんな反対も押し切って彼女は空我を応援しつづけ、最終的には妻となります。彼のために頑張る姿には心打たれるでしょう。
真面目すぎる鮎沢と加賀とのバランスを取ってくれる、唯一無二のキャラクターです。
加賀しず子は、鮎沢、花園と仲のいい女子高生。見た目は地味で性格もお堅いですが、メガネに対しては並々ならぬこだわりを持っています。
時には生徒会長の鮎沢にも意見を言い、考えを正すことができる貴重なキャラクターです。
- 著者
- 藤原 ヒロ
- 出版日
- 2010-08-05
そんな彼女は花園に振り回されっぱなし。しかし空我に恋する彼女にブレーキを掛けたり、「U×ミシ」のメンバーに臆することなく意見を言ったりします。
堅実な性格で冷静ですが、物語の最後では妊娠した花園の面倒を見てあげるなど、友達想いの一面があるキャラクターです。
白川直也はいつもメイド喫茶に訪れる3バカのうちのひとり。最初は不良だった彼ですが、メイド喫茶で働く鮎沢の虜になり、常連となりました。
- 著者
- 藤原 ヒロ
- 出版日
- 2007-12-05
「メイドラテ」のみが憩いの場所となっていく彼ですが、お店の手伝いをさせられるなど、途中からは都合のいい要員のように使われはじめます。
鮎沢と碓氷の交際を知った際のショッキングなシーンも、注目の場面のひとつでしょう。
一途に「メイドラテ」のことを想う、憎めないキャラクターです。
更科郁斗は、白川と黒崎とともにメイド喫茶に訪れる3バカのうちのひとり。しかし彼は他の2人とは違い、実は彼は隠れオタクだったのです!
- 著者
- 藤原 ヒロ
- 出版日
- 2008-05-02
店に通うようになった葵というネットアイドルのことも知っていたり、絵が非常にうまかったりと、意外な一面を持っています。
その隠れた才能を生かしてグッズの製作に関わるなど、「メイドラテ」を盛り上げてくれます!
黒崎龍之介は白川、更科と行動する3バカのひとり。他の2人と同様メイド姿の鮎沢のギャップの虜となり、「メイドラテ」の常連になりました。
- 著者
- 藤原 ヒロ
- 出版日
- 2009-09-04
3人のなかでもっともエロに対して貪欲で、「メイドラテ」の企画でおこなわれた七夕祭りの際には、短冊に「色気(エロ)は正義」と書いたほどです。
大事なお笑い要員として、物語を盛り上げてくれます。
叶爽太郎は、催眠術が使えるという特殊な設定を持ったキャラクターです。
もともとは、女子生徒を増やそうと活動する鮎沢の邪魔をすることを目論み、行動していました。彼は過去のトラウマから極度の女性嫌いになっていたため、女子生徒が増えることに反対だったのです。
- 著者
- 藤原 ヒロ
- 出版日
- 2010-06-04
催眠術にかかりやすい鮎沢に「碓氷のことが嫌いになる」という催眠をかけ、2人の仲を引き裂こうとします。
結局その策は破られ、罰として生徒会の活動をしていくことになるのですが、そのなかで各メンバーと親しくなっていきます。特に幸村とは公私問わず一緒に行動するようになりました。
そんな彼は、学校での行事を機に女性への苦手意識を克服しはじめ、さらには生徒会の仕事にも興味を持つようになります。物語の中盤では生徒会長を決める選挙に立候補をし、鮎沢と1票差まで迫るなど、意外と人望も厚く周りからも慕われる存在です。
鮎沢が卒業した後は、新たな生徒会長となって学校をよりよい環境にすべく尽力するのでした。
深谷陽向は、突如田舎から星華高校に転入してきた転校生です。
その正体は、なんと鮎沢の幼馴染。幼いころ鮎沢に恋をし、転校してきた際も一途に彼女のことを思い続けていました。
とても人懐っこい性格で食いしん坊の彼は、瞬く間にクラスの人気者となります。
- 著者
- 藤原 ヒロ
- 出版日
- 2010-04-05
鮎沢を狙う碓氷にライバル意識を燃やし、ことあるごとに勝負をくり広げます。しかし鮎沢の気持ちはどんどん碓氷に傾いていってしまい、最後には友達としてしか見れないことを告げられました。
しかしその後もずっと彼女のことを一途に思っている、真っすぐな性格の少年です。明るい性格とは裏腹に、この作品で1番切ない思いをしたのは深谷かもしれません。
幼馴染として鮎沢家にお世話になるうちに、鮎沢の妹の紗奈が深谷に恋をし、最終的には彼女とゴールインします。明るく元気でムードメーカーで、物語を彩ってくれるキャラクターです。
最終回では高校卒業シーンと、それぞれの10年後が描かれます。卒業の場面ではみんなに暖かく見送られる鮎沢ですが、最後に全校生徒にあることを打ち明けます。
そして10年後、彼女は世界を飛び回る外交官として、ハードスケジュールの生活を送っていました。一方の碓氷は、ウォーカー家のお抱え医師として働いています。
- 著者
- 藤原ヒロ
- 出版日
- 2014-02-05
ウォーカー家のお城で鮎沢と碓氷の結婚式を挙げることになり、そこに高校で仲の良かったメンバーも駆けつけます。しかしそれぞれ驚きの展開に……?
さらに最後のシーンでは、さすが碓氷!と言わんばかりの派手な演出をかまして物語は幕を閉じます。感動の最終回は必見です!
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この作品はなんといっても鮎沢と碓氷の無敵コンビが魅力的な作品となっています。何をやらせても一流な2人が恋愛だけは決定打をつかめず、悩むさまに人間的な魅力を感じるでしょう。ようやくお互いの気持ちが伝わった後も、碓氷のシリアスな家柄問題もあり、彼らの恋の行方から最終巻まで目が離せません。変態宇宙人こと碓氷の完璧ぶりは、数々の少女漫画のなかでもトップ級。ぜひ読んでみてください。