知る人ぞ知る、突っ込みどころ満載の『オレ達のパーティーは間違っている』。今回はこちらの作品のキャラと2巻までの見どころを、徹底的にご紹介したいと思います。
- 著者
- エヌシ
- 出版日
- 2017-04-12
『オレ達のパーティーは間違っている』は、魔王が支配する世界が舞台となっています。ナイトをはじめとした、魔王討伐のために組まれたパーティーの冒険物語です。しかし、その内容は、普通の冒険物語とは一風変わって、突っ込みどころ満載の斜め上をいくもの。
魔王に呪いをかけられてしまったナイトたちパーティー一行の、珍道中にいつの間にか目が離せなくなってしまう、そんな物語となっています。ここでは、パーティーのキャラたちと、彼らにかけられたおかしな呪いなど、キャラたちの魅力をご紹介します。
さらに、そのおかしな呪いをかけられたキャラたちをめぐって、物語がどう展開していくのかを、2巻までのネタバレ込みで徹底的に見ていきましょう。
『オレ達のパーティーは間違っている』の物語は、魔王と戦ったパーティーが敗北し、呪いをかけられてしまうところから始まります。呪いをかけられて別々の場所へとバラバラにされてしまったパーティーのメンバーたち。
そのメンバーが呪いをとくために再び集います。そして、再び魔王を倒すために立ち上がろうとするのです。しかし、戦いの後、魔王が一年間の封印の眠りについてしまったため、世界はそれまでの秩序を失い、職を失う人も出てくる展開に。魔王がいる世界秩序を維持しようとする勢力が、パーティーのメンバーに立ちふさがっていくという物語です。
『オレ達のパーティーは間違っている』のパーティーの中心人物でもあり、魔王の攻撃すらも無効化できる、最強の盾の騎士、ナイト。誠実な正義感の強い、一見優男風の彼。魔王討伐のために、国王から伝説の「鋼の騎士」の称号を授かり、同時にヒメとも婚約をします。
しかし、魔王の呪いを受けて彼の性格は一変。彼が受けた呪いとは、なんと、「オトコ好き」になる呪い。
呪いを受けたナイトは、魔王の討伐などどこへやら、手当たり次第、目にうつる男性を口説くようになってしまったのです。彼の目的は、好みの男と寝ること。そのために、仲間ですらも襲う始末。魔王討伐の目的も失い、ヒメとも別れると言う彼のダメっぷりには、おかしさすら覚えます。
本来の彼ならば非常に頼りがいのある騎士なのに、呪いをうけた後のナイトは、むしろ邪魔者にも思えてくるほど。パーティーの中心人物でありながら、ことごとく邪魔をしてくるナイトの行動に、思わず突っ込みたくなる場面が多数あります。
パーティーで最も攻撃力の高い戦士である、モンク。魔王討伐の一年前、ナイトに誘われてメンバーになった彼は、25歳の若き戦士でした。当初は魔王討伐の目的など、興味がなかった彼ですが、ナイトの鋼の身体と強さの前に敗北し、それからナイトと行動を共にします。
この物語の最初の語り手でもある彼が受けた呪いは、子供になるという呪いでした。12歳ほどの少年の姿に変えられてしまったモンクは、その強さも半減。このままでは魔王を倒すことはできないと、バラバラになってしまったパーティーのメンバーを探すのです。
そんなモンクは、まだパーティーのなかでは常識人のひとりと言えるでしょう。ただ、物語が進んで行くにつれて、女性の裸を前にしても無反応であるなど、どこか天然っぽい行動も増えていきます。強さを求める彼が、子供の姿ゆえに苦戦する姿や、まじめな言動などは、応援したくなるような気持ちにもなるでしょう。
王国の王子であり、ヒメと兄弟でもあるクロマ。線の細い優男然とした彼でしたが、魔道士としての実力は国王お墨付き。ヒメを守るため、ナイトたちに同行して、パーティーのメンバーになる彼。どこかつっけんどんな性格の彼が受けた呪いは、まさかの女体化でした。
童顔でナイスバディな女性に変えられたクロマ。彼自身は不服なようですが、そのおかげで合流したナイトには狙われないですむ、というメリットもあります。男性のときはそうでもなかったのですが、女性になったとたんに、そのつっけんどんな性格が「ツンデレ」属性になったクロマ。
本作では、敵に服を破かれたりと、何かとお色気担当になっています。見どころは、女性になったクロマと、子供の姿のモンクの間のロマンスではないでしょうか。
女性の姿になったために、モンクにときめいてしまったクロマ。まさかの男同士のロマンス発生に、笑ってしまうと同時に、期待してしまうこと、間違いありません。
この世界の国王の娘であるヒメ。純粋で可愛らしい彼女は、魔王討伐のために立ち上がったナイトに恋をし、危険な冒険に同行することを願い出る勇敢な少女でした。そんな彼女にナイトも求婚して、魔王討伐前は、順風満帆で幸せそうなヒメ。
ですが、そんな彼女がまさかの展開を引き起こすのが、『オレ達のパーティーは間違っている』の見どころのひとつとなっています。彼女が魔王にかけられた呪いは、「闇落ち」。本来の彼女の明るさは失い、ナイトを探し求めて徘徊する恐ろしい人物になってしまうのです。
魔王にも匹敵するほどの魔力を持っていた彼女は、本来は怪我を治癒する能力を持っていました。しかし、闇落ちしてからは人を攻撃するようになってしまうのです。そんな彼女が闇落ちした最大の原因は、ナイトの裏切り。
呪いのせいで男好きになり、ヒメと別れると公言してはばからない彼に、ヒメは裏切られたと怒り、ナイトを殺そうとするのです。彼女はどうなってしまうのかという点は、物語の大きな見どころとなっています。
1巻では、まず呪いをかけられてバラバラになってしまったパーティーのメンバーが再集結する展開となっています。モンクを語り手に、男好きになってしまったナイトと、萌要素満載の女性になってしまったクロマと合流し、ヒメを探すというのが、1巻の主軸となっている展開でしょう。
- 著者
- エヌシ
- 出版日
- 2017-04-12
男と見れば見境なく襲いかかろうとするナイト。そんな彼を連れて、ヒメを探すクロマやモンクたちの前に現れる、ナイトの命を狙うニンジャという一族との攻防。そして、クロマの叔母で、魔王の呪いを解くことができるという呪術師の登場。
一見すれば、正当な冒険物語のような展開なのですが、そうではないのが『オレ達のパーティーは間違っている』です。ニンジャ一行を撃退した要因など、絶対に間違ってるだろう、と突っ込みたくなるような展開に笑ってしまうこと間違いありません。
その一方で、闇落ちしたヒメをめぐって巻き起こされる騒動は、シリアスで先の読めない方向へと展開していくのです。婚約までしたナイトに裏切られたヒメが、人を攻撃した結果、どうなってしまうのか。予想外のその展開が1巻の見どころと言えるでしょう。
ヒメの闇落ちで混乱するパーティー。ヒメは、回復の魔法を使える国内唯一の人物。そんな彼女がいなければ、魔王と戦うことは困難であると、クロマやモンクたちは焦ります。なんとかして、彼女の闇落ちの原因であるナイトの呪いを解こうとします。
魔王の呪いを解く方法として、ナイトが持っていたエクスカリバーを持つことだと気付いた一行は、ナイトにその行方を尋ねますが……。
- 著者
- エヌシ
- 出版日
- 2017-08-18
ヒメを助けるために、ナイトの呪いを解こうとする一行。しかし、そんな彼らに立ち向かったのは、なんと味方であるはずの王国の人間だったのです。ナイトがヒメと婚約したことに不満を抱いていた人物が、ここにきてナイトたちの命を狙って動き出してくる展開が、2巻の最大の見どころでしょう。
王家の人間であるクロマもまた、その騒動に命を狙われることになったりと、予断を許さない状況へと展開していくのです。そんななかでも、どこかずれた笑いが隠されているのも、2巻の魅力となっています。
どこかずれていて、突っ込みどころ満載のパーティーの冒険物語、『オレ達のパーティーは間違っている』。王道な物語なのに、異端な設定に、思わず笑いがこみあげてくる物語です。一方でその笑いのなかで進む、シリアスな展開にも今後、目が離せません。ぜひご一読して頂きたい、オススメの漫画です。