魔王と勇者が戦火を交える世界でアイドルが立ち上がる……『ドルクエ!』は、そんな異色な設定が魅力のファンタジー作品です。奇妙なキャラクターたちが冒険の旅へと出発します。ぜひチェックしてみてください。
- 著者
- はら まさき
- 出版日
- 2016-12-12
アイドルが魔王討伐へ!?本作は、そんな一風変わった奇抜な設定です。とはいえ、王道のバトル展開も見逃せません。
アイドルとその用心棒のアイドルヲタクたちが、剣や魔法を使いこなし、世界を救うための冒険をしていきます。
『ドルクエ!』はスマホの漫画アプリ「マンガワン」で掲載されている作品です。すでに最終話が公開され、完結しました。
この記事では、作品の魅力を4巻の内容まで紹介していきます。ネタバレも含みますので、ご注意ください。続きが気になった方は、ぜひアプリで読んでみてくださいね。
魔王が存在し、魔物が村を襲う世界で、アイドルとして活躍していたコーニャ。魔王軍討伐に足を運ぶ兵士が少ない状況を知って、自ら名乗りをあげます。
魔王軍討伐の冒険へと向かうため、彼女はアイドル活動を引退することになりました。コーニャファンのなかでも四天王と呼ばれるアイドルヲタクの4人は、これからも彼女を支えていきたい一心で、冒険に用心棒として参加することになるのです。
こうしてアイドルと4人のヲタクたちが、世界の運命をかけて冒険の旅へと出発します。
メインヒロインであり、元アイドルでもあるコーニャですが、正式にはコーニャ・レオーネという名前です。数十年前に魔王討伐へ挑んだ勇者一行のひとり、大魔法使いマリアの娘であり、強い魔力を操る才能を有しているため、勇者候補となっています。
ただ、それ以上に非常に魅力的な容姿をしており、作品の萌え要素を独り占めしているのではないかと思わせるくらいに可愛い存在になっています。さらに魅力は容姿だけにとどまらず、周りの人から見ると気持ち悪がられるようなアイドルヲタクたちの言動にも、優しい笑顔を振りまくほど快活な女の子なのです。
彼女が魔王の息子のひとりであるロズと一緒に閉じ込められてしまったとき、コーニャに父親がいないことを知ったロズは、同情して涙を流してくれます。その経験から彼女は、武力的な制圧ではなく、和解や共存という道を模索することを決めました。
アイドルとして納得の可愛さと、誰からも親しまれる性格、そして勇者としての才能を持ち合わせたコーニャは非常に魅力あふれるキャラクターとなっています。
- 著者
- はら まさき
- 出版日
- 2017-04-12
魔王討伐のために立ち上がったのはアイドルだった!というキャッチコピーだけでも興味がそそられますが、物語の中身はギャグ要素が満載となっています。
特に注目してもらいたいのは、コーニャのマネージャーを務めているベッソンです。彼も数十年前に魔王討伐へと挑んだ勇者一行のひとりだったため高い戦闘力を誇っているのですが、現在はヘルニアで腰の痛みがひどく、過去のようには戦うことはできません。しかし魔族が予想以上に強いという現状を知り、ヘルニアを治すことを決意します。
魔王と勇者が登場する世界観でこれほどヘルニアについてふれている作品は他にはないでしょう。これまでに感じたことのない新たな面白さが隠れていること間違いなしです。
その反面、コーニャの母親であるマリアの死や、これからの冒険に対するベッソンの苦悩など、シリアスな描写が絶妙なタイミングで描かれているため、面白要素に飽きることなく読み進めることができます。
もちろん剣と魔法が使える異世界ファンタジーならではのバトルも、熱い展開が盛りだくさんとなっています。
アイドルヲタクのひとりであり、本作の主人公であるウッド・ハリーウッドは、非常に高い戦闘センスの持ち主。彼が果敢に戦うシーンには要注目です。傭兵としての経験を考慮しても常識を逸脱した強さと、コーニャに匹敵しうる魔力適正の持ち主であるため、今後勇者候補として並び立つ可能性も十分に考えられます。
また、魔族にも階級が存在し、倒すたびにさらに強い敵が登場するなど、まさに王道展開がくり広げられています。
1巻では、コーニャ率いるアイドルヲタクとベッソンが魔王討伐の冒険へと旅立つところから、魔王の息子である魔族との戦闘までが描かれています。バトルシーンも魅力的ですが、1番の見どころはアイドルヲタクたちがコーニャの用心棒になるまでのストーリーです。
ベッソンの発案で、コーニャだけでは旅に不安があるということで用心棒を雇うことになりました。彼女がアイドルを辞めてしまうことに気を落としていたヲタクたちでしたが、用心棒として今後も近くにいられることを知り、ベッソンから試練を受けることになります。
ウッドは高い戦闘力を持っていますが、他のヲタクたちは下級の魔物に手も足も出ないほど弱いです。そんな彼らがなぜ用心棒として雇われることになったのか……気になる方はぜひ1巻をチェックしてみてください。
2巻は、新たな登場人物である暗殺者のティノを中心に描いた内容になっています。
ティノは暗殺の技術を学ぶ施設に閉じ込められていたのですが、そこで出会ったミラと施設を脱出します。その後は2人で生活をともにしていたのですが、ある理由からミラは魔族に捕まってしまうのです。
ミラの命と引き換えに金銭を要求され、暗殺の技術を利用して用心棒や盗みをくり返していたティノに、ベッソンの大切な鞄も盗まれてしまいました。鞄を取り返すためにティノと接触したコーニャたちは、ミラが魔族に捕まっていることを知るのです。
1番の魅力はティノとミラの行くすえ……ではなく、ミラを捕らえている魔族についてです。ブラドという名前で彼も魔王の息子のひとりなのですが、実は誰にも知られてはいけない秘密があり……。
なぜ魔族なのにティノに対して金銭を要求するのか?まさに奇抜な設定のキャラクターたちから目が離せない内容になっています。
- 著者
- はら まさき
- 出版日
- 2017-07-19
3巻では、魔王の息子のひとりであるブラドがミラを捕らえる必要があった理由や、ティノがミラのために金銭を集めなければならなくなった経緯、新たな敵となる魔王の娘、クリアについて描かれています。
1番の見どころとなっているのはクリアとの戦闘シーン。今までは魔族に対して対等もしくは勝っているかのような戦闘をくり広げてきたウッドでしたが、突如現れたクリアに対してはまったくと言っていいほど歯が立ちませんでした。
クリアとブラドが対立したために窮地を免れたコーニャたちでしたが、自分の弱さにウッドはひとり嘆きます。それを知ったティノは、何か助けになれることはないかと自らの鍛冶スキルを活かし、サイリウムを武器として完成させるのです。
サイリウムとは、アイドルのコンサートでよく使われている光る棒のこと。これを武器にしてしまうなんて……。この設定から、本作がいかに異色なファンタジーものであるか感じられることでしょう。
クリアとの戦闘シーンは、迫力のある描写が多く、目が離せない展開となっています。そして、魔族として対立するという道を選んだブラドの結末にも注目です。
ティノの作り上げたサイリウムの武器については、今後のウッドの戦闘で重要になってくることは間違いないでしょう。
- 著者
- はら まさき
- 出版日
- 2017-10-19
4巻では、コーニャやウッドに魔法の修行をさせる場面や魔族の内部構成について描かれています。魔王の息子や娘が続々と登場するため、彼らの強さや階級などについても詳しく知ることができます。
1番の見どころは、勇者一行のひとりであるフォアマンの魔法使いとしての凄まじい戦闘力と、意外すぎる本職について描かれているシーン。彼は魔法使いとして活動しているわけではなく、まったく違う分野に腰を据えているため、弟子を取ることを拒んでいました。しかし、そこにはフォアマンなりの深い考えや思いがあったのです。
また、彼の自称弟子を名乗るキューブリックについても、魔族でありながらも魔族を憎む苦悩などが描かれていて、シリアスな描写もあり、ストーリーに引き込まれてしまうでしょう。
フォアマンの本業や圧倒的な戦闘力が気になる方はぜひ4巻をご覧ください。
- 著者
- はら まさき
- 出版日
- 2016-12-12
可愛いアイドルが、アイドルを卒業して魔物征伐の旅にでる……!?という衝撃的な展開スピードで描かれる本作。熱狂的なドルオタが、彼女のお供をすることになり、彼らの旅がはじまります。
ファンタジーとしては王道の展開で物語が進んでいきますが、なんせヒロインが元アイドル。今までに類を見ない奇抜な設定となっていて、ハマる人が続出しているのです。
コンサートに欠かせないドルオタグッズのサイリウムが強力な武器になるなど、ギャグ要素が満載になっています。アイドルへの愛の深さが、彼らに力を授けてくれるのでしょう。
ギャグ展開が多いなかでも、ところどころでシリアスな描写をまじえているのが本作の魅力のひとつ。笑いだけでなく、ファンタジーとしてまとまりのある作品といえます。
本作は、スマホのアプリ「マンガワン」で配信されていますので、未読の方はぜひ試しに読んでみてくださいね。
『ドルクエ!』の魅力についてご紹介しました。今回紹介しきれなかった他のアイドルヲタクたちや魔族も、個性と奇抜な設定が溢れる魅力的なキャラクターとなっており、面白さが満載となっています。