バーニア600がイラストを手掛けるラノベおすすめ4選!

更新:2021.11.11

個性的な名前が印象に残る、イラストレーターのバーニア600。緻密で硬質なイラストと爽やかなイラストの両方を描きます。今回は、バーニア600がイラストを手掛けたライトノベルを4作品ご紹介しましょう。

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バーニア600とは

バーニア600は、イラストレーターとしてライトノベルやコラムの挿絵を手掛けるほか、漫画家としても活躍しています。細かなところまで描き込んだ乗り物などの硬質な絵と、爽やかな印象の残るキャラクターが魅力で、ライトノベルでは電車や戦闘機などを多く描いています。

その写実性のあるイラストがほどこされた表紙は、書店で並べられていても目を引き、鉄道マニアも思わず手を取ってしまうかも。緻密な描写にぜひ注目してみてください。

女子高生の鉄道愛がハンパない!!バーニア600が機関車を精巧に描く

志賀真(しがまこと)は、碓氷峠鉄道文化むらでアルバイトをしている、女顔と華奢な体つきがコンプレックスな普通の男子高校生。いつものようにアルバイトに励んでいた真が見たのは、学校でも有名な美少女・浅間夏綺(あさまなつき)が、機関車の運転席から降りてくる光景でした。

思わずカッコイイと声をあげた彼に気が付いた夏綺は、自分は昔からこの「ロクサン」の運転の仕方を教わっていると言い出して……?

著者
阿羅本 景
出版日
2015-08-29

鉄道を愛する高校生たちが、伝説の電気機関車を廃線となった線路に再び走らせようと奮闘する物語です。そんな壮大なプロジェクトを企画するのは、通称「しぇるぱ部」。正式名称は、「碓氷観光開発コンソーシアム・女子学生鉄道プロジェクト」といいます。

女子学生鉄道プロジェクトなので、主人公の真以外はみんな女の子。どうして真が仲間に加わっているのかというと、夏綺と同じ学校に通っていて誘われるまま手伝いはじめたからでした。

しぇるぱ部には彼らのほかに、男嫌いでリーダーシップを取りたがる白鳥明日香(しらとりあすか)、釜めしで有名な「はぎのや」の娘の萩野朱鷺音(はぎのときね)、根っからの「音鉄」の丸池みすず(まるいけみすず)がいます。

年齢も通っている高校も別々の彼女たちですが、それぞれ役割を担っていて、機関士の夏樹をはじめ、整備士はみすず、後方が朱鷺音、そしてリーダーが明日香です。

キャラクターの配置を見ると、ライトノベルによくあるハーレムものであることに間違いはないのですが、本作はそれ以上に、この機関車を中心にくり広げられる青春物語と言っていいかもしれません。

タイトルにもなっている「ロクサン」というのは機関車のことで、かつて碓氷峠のきつい勾配を登るために作られた専用のもの。しぇるぱ部はこれを走らせようとしています。

最初はちょっと手伝いをしていただけの真も、彼女たちの熱い思いや夢を知り、しだいに本気に取り組むようになっていくのです。

細かな部品に至るまで書き込まれた機関車のイラストをはじめ、キャラクターたちの鉄道愛が描かれるので、ライトノベルファンでなくても鉄道好きなら絶対に楽しむことができるでしょう。もちろん鉄道の知識がなくても、青春ものとして十分に楽しむことができます。

可愛らしさを前面に出した女子高生のイラストと、緻密な機関車のイラストとのギャップも魅力のひとつ。ぜひチェックしてみてください。

国鉄ファンにはたまらない!?

桐生鉄道高校に通う2年生の高山直人は、子供の頃からの鉄道好きで、運転士になることを夢見ています。念願の日本國有鉄道への入社を目指して学生OJTに応募したところ、見事学校でただひとり、選ばれました。

運転士志望の直人はもちろん運転課への配属を希望しますが、彼が配属されたのは鉄道公安隊のほうで……!?

著者
豊田 巧
出版日
2012-01-16

2012年に1巻が発売されて以降、アニメ化や漫画化、ゲーム化などもされている人気シリーズです。

物語の舞台は、日本の鉄道が民営化されていないという設定のパラレルワールド。国鉄という名称は若い世代には馴染みがないかもしれませんが、JRになる前に国が運営していた鉄道のことです。

作中の鉄道は国のもの、つまり國有鉄道として存在しており、主人公の直人は運転士を志して國有鉄道への入社を目指しています。子供の頃から鉄道好きで、性格はやや優柔不断、事なかれ主義なところがありますが、いざとなったら果敢に物事と向き合う一面もあります。

そんな彼がOJTの研修先で出会ったのが、桜井あおい、岩泉翔、小海はるかという仲間たち。桜井あおいは本作のヒロインで、見た目は華奢な可愛らしい女の子ですが、実は大の男嫌い。公安隊を希望したのも痴漢を撲滅するためでした。

岩泉翔は根っからの筋肉マニアでマッチョな高校生。いわゆる脳筋キャラで、格闘に関してはピカイチですが勉強はからきし駄目です。

一方で勉強が得意なのが小海はるか。本作のもうひとりのヒロインでもあります。華奢なあおいに対してグラマラスな女の子で、抜群の記憶力を誇る才女です。

作中に登場する電車は、現実の日本にあるJRのものをモデルにして描かれているので、鉄道好きの心をくすぐるポイントでしょう。国鉄時代を知っている世代の方には懐かしさを覚えるような描写もあり、ライトノベルではあるものの、幅広い世代がいろいろな側面から楽しめる作品になっています。

緻密に描き込まれた、リアリティ溢れる電車のイラストも必見。各巻の表紙にはキャラクターと一緒に電車が描かれており、写真を思わせる綺麗な電車のイラストは、鉄道好きならずとも思わず目を引かれます。読後は、いつもの電車がちょっと違うものに見えてくるかもしれませんね。

突き抜け過ぎてる天才女子高生の戦闘機作り

私立笹島明桜高校の天文部に所属する葛城奈緒子、片桐千鶴、神楽木芹香の3人は、優秀ですが問題児。常に知的好奇心をうずうずさせています。

夏休みの直前、彼女たちは生徒会からある提案を受けました。それは、部費の使い込みを許す代わりに、ある仕事をしてほしいというもの。その仕事とは何と戦闘機の修理で……!?

著者
南井 大介
出版日
2009-09-10

物語の舞台は、「環太平洋戦争」という争いが終結した後の世界。現代の日本よりもずいぶん身近に戦争が感じられるようになっています。私立笹島明桜高校は、さまざまな好待遇を受けることができる制度があるため、多くの優秀な生徒が集まる学校です。

物語のメインとなる3人組もその例に漏れず、優秀な頭脳を持った女子高生。しかし彼女たち、頭はいいものの、いろいろな意味で飛びぬけていて問題アリな存在でもあります。

一見すると和風美少女の葛城奈緒子は、メカニックとエンジニアの天才。眼鏡っ子の片桐千鶴はマッドサイエンティストで、ボーイッシュでサバサバしたタイプの神楽木芹香はあらゆる乗り物を乗りこなす運転狂いです。

そして揃いも揃ってルールというものを重要視しておらず、自分たちの知的好奇心を満たすためならばルールは無視、あるいは利用して無茶をするなど、かなりアウトローなのです。

そんな彼女たちが生徒会長からの依頼でおこなうことになったのが、戦闘機の修理。好奇心旺盛な3人は嬉々として、戦闘機の修理と開発をするための秘密の合宿をおこなうことにしました。

天才である彼女たちは会話も突き抜けていて、専門用語も多用されるため、読者は時折付いていけなくなることもあるかもしれません。しかし、夢中になって語り合っている雰囲気はヒシヒシと伝わってくるので、そこまで詳しく分からなくてもストーリーを楽しむ分には問題ないでしょう。

本作のイラストは、一見するとまるで青春小説のキャラクターのような爽やかさで、表紙買いをすると内容とのギャップに少し驚くかもしれません。また、リアリティのある戦闘機のイラストの緻密さには驚くばかりです。

ひと癖あるキャラクターたちとテンポのよいストーリーで、一気に読めてしまう面白さ。彼女たちの秘密の合宿がどういう形で結末を迎えるのか、ぜひ確かめてみてください。
 

好きなあの子を妊娠させたのは……主人公!?バーニア600が描く青春ミステリーの世界

病院を実家に持つ湯佐俊紀は、受験を控えた高校3年生。ある日の放課後、彼は幼馴染の水野美佳から呼び出されました。

実は美佳は、幼い頃から俊紀が片想いをしていた相手です。期待せずにはいられない俊紀でしたが、彼女の口から発せられたのは予想もしていなかった内容で……!?

著者
早狩 武志
出版日
2008-09-20

高校を舞台にした青春ミステリー作品ですが、どちらかというと謎解き要素よりも青春ドラマ寄りの物語です。

主人公の湯佐俊紀は、実家が病院で親からも期待されている、優しい性格の少年。そんな彼が、ずっと片想いをしていた美佳からある告白をされて、思わぬ濡れ衣を着せられてしまうところから物語は始まります。

なんと美佳は妊娠を告白し、しかもその責任を俊紀が取れと言ってきたのです。しかしまったく心当たりのない俊紀は、当然困惑します。

そんな彼の前に現れたのが、ミステリー研究部の佐倉井綾でした。彼女は俊紀に、美佳の相手の男を探すつもりなら手伝うと持ち掛け、2人は一緒に美佳の相手の男探しを始めるのです。

長く片想いをしていた女の子が妊娠していたという事実だけでもショックなのに、そのうえ自分がまったく心当たりのない責任を追及され、それでも助けになりたいという俊紀の複雑な心境が丁寧に描かれています。

綾はミステリー好きの普通の少女で、特段に名探偵というわけではありません。その普通さが彼女の一生懸命さを引き出していて、好感の持てるキャラクターになっています。
 

そんな彼らを描いたイラストも、軽やかな青春の印象と、ミステリーものらしい落ち着いたトーンになっています。青春ミステリーの結末をぜひ手に取って確認してみてください。

いかがでしたか?電車や戦闘機など、乗り物のイラストが重要な作品が多いですが、青春小説やミステリーにもイメージがピッタリのイラストです。バーニア600はライトノベルの挿絵のほか、雑誌の表紙にイラストを描き下ろしたりもしているので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

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