四季童子がイラストを描くラノベおすすめ5選!手描きと思えない鮮やかさ!

更新:2021.11.11

「このライトノベルがすごい」で女性イラストレーター部門に選ばれたこともある人気イラストレーターである四季童子。そんな彼女が手掛けるライトノベル作品の中でも、今回は特におすすめの5作品をご紹介します。

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四季童子とは

四季童子(しきどうじ)は、女性のイラストレーターです。ライトノベルの挿絵を始め、ゲーム、画集の販売など幅広く活躍しています。

2008年には、「このライトノベルがすごい」の女性イラストレーター部門で4位に選ばれました。女性ならではの鮮やかな画風が人気のイラストレーターです。

高校生エージェントが少女を守るため戦う!!

陣代高校に転校してきた1人の男子生徒・相良宗介。無表情で無口な彼は、校内で銃を打ち道路を爆破するとんでもない大ボケくんでした!

しかし、その正体は、実はある少女を守る極秘任務を与えられたエージェントで……!?

著者
賀東 招二
出版日
1998-09-18

陣代高校の平和を破壊した転校生で本作の主人公の宗介は、実は世界最強の武装集団「ミスリル」のエリート戦士という顔を持っています。その実力は、幼い頃からゲリラや傭兵として働いてきただけあって相当なもの。しかし、常に戦場に身を置いていたために一般常識には疎く、高校へ転校してきてからはすっかり世間知らずの大ボケ扱いされていました。

そんな宗介がどうして高校へ転校してきたのかというと、1人の少女――千鳥かなめを守るという任務があったから。一見ごく普通の女子高生に見えるかなめですが、実は宗介が守らなければならないほどの秘密を持っていたのです。

無口で無表情で無敵の宗介がツンデレヒロインのかなめを守るというシチューエーションのため、当然本作ではバトルがたくさん繰り広げられます。それだけではなく、学園でのドタバタラブコメ、犯人とのハラハラする駆け引きなど、様々な要素が含まれ、最後までワクワクドキドキしながら読むことができるでしょう。

かなめや宗介を始めイラストで描かれるキャラクターも、それぞれの個性がとらえられていてイメージを膨らませてくれます。特に主人公の宗介は、基本的に表情の出ないキャラクターですが、微妙な表情の変化も描きこまれていてとても魅力的です。文章も読みやすいので最後まで一気に読むことができる作品です。

美少女を奴隷にしたいならコレ

生きることに興味を失った加賀道夫は、ある日、怪しげなウェブサイトでキャラメイクをしているといきなり異世界へ転移されてしまいました。気がつくと、そこは田舎の村。しかも突然、盗賊が襲ってきて……!?

著者
蘇我捨恥
出版日
2012-12-21

小説投稿サイト「小説家になろう」で人気ランキング1位を獲得した作品で、その後、書籍化されました。

主人公の加賀道夫は、生きることに興味を失った男子高校生です。異世界の村に転移された道夫は、襲ってきた盗賊を転移される前にキャラメイクをしていた際に手にしていた武器で撃退することに成功します。つまり、この世界では道夫が作成したスキルや武器を使うことができたのです。

また、その世界には魔物がうようよと存在する迷宮も存在することがわかりました。そんな中、道夫はロクサーヌという美少女と出会い、彼女を手に入れるために魔物と戦うことになります。

と、一見すると派手な魔物とのバトルが期待できそうなあらすじなのですが、実はそうでもなく、大きな事件、派手な事件などはあまりなく、どちらかというと地道にモンスターを倒してはロクサーヌや他の美少女とイチャイチャするシンプルな話です。

タイトルにハーレムとある通り、主人公はロクサーヌの他、複数の美少女を手に入れることになります。しかも奴隷として手に入れるので、その点に関しては読者にとって少し好みがわかれるかもしれません。

とはいえ、奴隷といっても道夫は奴隷のことを大切にするので、感覚としてはとてもソフトなのでご安心を。もちろんイラストもそこまで過激ではありません。ですが、美少女達の雰囲気を自分のイメージだけでなく視覚的に捉えることができるので、読者の想像はさらに膨らむこと間違いなし。派手じゃないけど面白い、そんな物語を読みたい方はチェックしてみてください。

世界中の天才達が怪物級の天才に挑む

「ルール・オブ・ザ・ルール」――それは、怪物とまで呼ばれる天才プログラマー・果須田裕杜(かすだゆうと)が開催した究極のバトルゲーム。

夏休み直前、高校1年生の鈴藤小槙(すずふじこまき)は、突然そのゲームに巻き込まれてしまいました。パートナーでありクラスメートの春野祥(はるのさち)と共に困難なイベントをクリアしていかなければならず……。

著者
岩井 恭平
出版日
2002-11-30

角川学園小説大賞で優秀賞を受賞した作品で、主人公の小槙や祥を始め、キャラクター達がイベントをクリアしながらいろいろなことに不安になったり葛藤したり、壁を乗り越えていく様子は青春小説のような面白さがあります。

主人公の小槙は、学校での成績は悪いのですが、それは脅威的な頭脳を持つために考えが先走ってしまったためで、実は脅威的な頭脳を持っています。しかし、性格は受け身であまり感情を表に出さない少女。一方、そのパートナーでクラスメートの祥は小槙とは正反対の性格の元気な少年です。彼もまた、小槙には一歩およばないものの天才肌です。

ゲームに巻き込まれた2人は、「防御人(ディフェンダー)」と呼ばれる殺人集団に襲われながら、何とかそれをかいくぐってゲームをクリアしていかなければならないのですが、小槙と祥の2人はパートナーでありながら基本的に離れ離れで一緒にいることはあまりありません。

しかし、だからこそ見えてくる2人の関係性も良くて、キャラクターの魅力に引き込まれていきます。2人を含めてキャラクターのイラストがやや古い印象を覚える方もいるかもしれませんが、クセのない雰囲気なので幅広い方に受け入れやすいのではないでしょうか。どことなく少女漫画を連想するようなヒロインのデザインも作品のイメージに合っています。

読みやすい文章で描かれたバトルアクション、謎解き、少年少女による青春ストーリーなどいろいろな要素を楽しめる作品です。

その堕天使、少女の全てをお見通し

15歳のマリア・チェトケルは、優秀な召喚士の父と兄を持つ少女です。彼女自身も立派な召喚士になることを夢見ているのですが、彼女は父や兄と違って召喚術の初歩もできない落ちこぼれ。

一念発起したマリアは、一人前の召喚士になるまで戻らないと家を飛び出しますが、ひょんなことから堕天使と魂を共有することになってしまい……!?

著者
北沢 慶
出版日
2004-07-16

主人公のマリアは、元気で真っ直ぐな性格をした女の子。優秀な召喚士の血筋を継いでいるはずなのですが、なぜか彼女自身は落ちこぼれで、立派な召喚士になり家へと戻るまでの間、傭兵稼業をすることにしました。

その仕事の途中、ある爆発に巻き込まれ生死の境をさまよってしまうのですが、その過程で堕天使フレイムと魂を共有することになってしまったのです。フレイムは男の堕天使ですが、美少年好きのひねくれもの。そんなフレイムが自分の体を自由に出入りして考えていることも全て筒抜けなのですから、マリアはたまったものではありません。フレイムに振り回され、マリアはいろいろなトラブルに巻き込まれてしまいます。

おまけに、彼女は魔物フェロモンという魔物を引きつけてしまう特異体質の持ち主で、それによるトラブルも多々発生。そんなトラブルが読みやすい文章でコミカルに描かれ、時にはハラハラするバトルなどもあり、最後まで飽きることなく一気に読むことができるでしょう。

イラストのマリアも元気いっぱいな雰囲気がとても伝わってきて、躍動感にあふれています。カラーのイラストでは、マリアは青色の髪、フレイムは赤色の髪になっていますが、他のキャラクターも含めて勢ぞろいするととても賑やかな色合いになり、作品のコメディらしい雰囲気に一役買っています。気軽に読める楽しい召喚ものファンタジーコメディな1冊です。

始まりはギャルゲー!? スペースファンタジーラブコメ

「bioクラフト」――それは、人類の抱くイメージとは全く違う地球外生命体、意識を保有した宇宙船でした。

そんな地球外生命体と人類が出会ってから20年。平凡な高校生の大空広大は、ある日目覚めると、なぜかそこにはティセと名乗る謎の美少女がいて……!?

著者
庄司 卓
出版日
2006-08-29

ある日、目を覚ますとそこには謎の美少女がいて……というところから始まるラブコメ作品です。物語の始まりはまるでギャルゲーのような、馴染みのあるものではありますが、次第にスケールは大きくなり、ラブコメはラブコメでも壮大なスペースラブコメになっていきます。

メインのヒロインは、広大の前に現れた美少女・ティセと、もう1人、広大の幼馴染の恵子です。冒頭ではこの2人が鉢合わせて修羅場になるという展開が繰り広げられ、少し進むと、今度は、ドタバタな学園コメディへと進んでいきます。さらに進むと、シリアス展開もあり、アクションバトルもありと、次々に起こる展開に最後まで一気に読むことができます。

もちろんキャラクターも魅力的で、不思議系で天然なところもあるティセとツンデレキャラの恵子を始めとした広大を取り囲むキャラクター達はいずれも個性的。イラストもそんな個性を捉えつつ、SFっぽさと美少女の可愛さも感じることができ、作品の世界観ととてもよくあっています。他の作品ではちょっと少女漫画っぽさのあるイラストもありますが、本作では燃え要素を感じることができるのもいいですね。

ところで、この時点でティセの正体は「bioクラフト」だと思う方も多いかもしれません。でも、「bioクラフト」の正体は宇宙船。では、どうしてティセが人の姿をしているのか……それはぜひ、実際に作品を読んで確認してみてください。

いかがでしたか? 同じイラストレーターでも、ストーリーにはいろいろな世界観のものがあります。イラストレーターを追いかけることで新しい小説に出会うこともあるので、ぜひ試してみてくださいね。

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