『新宿D×D』の見所全巻ネタバレ紹介!アウトロー医師が最高!

更新:2021.11.12

欲望渦巻く新宿歌舞伎町で生きる人々と、彼らを救うために奔走する闇医者を描いた医療サスペンス『新宿D×D』。裏社会で生きる人々の懸命な姿に引き込まれること間違いなしのこの作品の魅力を全巻紹介します。

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『新宿D×D』の見どころを全巻ネタバレ紹介!裏社会を生きる医者の生きざまとは?

著者
彭 傑
出版日
2014-07-09

歌舞伎町に生きる人々を救うために奔走する一人の闇医者・伊達を描いたこの作品。しっかり描き込まれた医療シーンと、裏社会で次々と起こる謎解きを楽しみながら、濃厚な人間ドラマも味わえる......という欲張りな構成になっています。

殺された水商売の女性に、服役を命じられたヤクザなど、裏社会に生きる人々が懸命に生きようとする様子にぐっと心を掴まれるのです。今回は、そんな『新宿D×D』の魅力を全巻徹底的に紹介していこうと思います。

『新宿D×D』の悪徳?医師が超かっこいい!【あらすじ】

『新宿D×D』の悪徳?医師が超かっこいい!【あらすじ】
出典:『新宿D×D』1巻

新宿歌舞伎町で小さな診療所を営んでいる主人公・伊達戌亥(だていぬい)は、新宿の街に蔓延る「病気」、すなわち援助交際・闇金など歪んだ事情を抱えた人々に手を差し伸べるため、日々奔走しています。

あるとき、マンションの屋上から女性が落下してくるのを目撃。その女性は息絶える間際、伊達にある鍵を託すのでした。それをきっかけに、伊達は様々な事件に巻き込まれていくことに……。

歌舞伎町の町医者・伊達【1巻ネタバレ注意】

歌舞伎町で診療所を営む伊達は、落下してきた女性から鍵を託されたことからその事件の真相を追い始めます。

一方、自殺に見えるこの事件を殺人事件だと見破った、伊達の卓越した観察眼を目の当たりにした新米刑事の醍醐。彼女は、謎多き伊達に戸惑いながらも、真相解明のために伊達と行動を共にすることを決めたのでした。歌舞伎町にはびこる、人々の欲望が生む「病気」を治すために伊達たちは動き出します。

著者
彭 傑
出版日
2014-07-09

一見して飄々としたキャラクターに見える伊達。しかし、軽く見えるのに広い視野で他人を思うことができたり、情に厚かったり、平気で自分の命をかけたり、異常なまでに腕っぷしが強かったりと場面によって様々な表情を覗かせます。 

彼を魅力的に見せているのは、フットワークの軽さにあるかもしれません。人に対して大きな情を持っていて接する人に強く印象を残していくけれど、深く関わることはなく颯爽と立ち去る......そんな大人の余裕が多くの読者の心を掴むのでしょう。伊達は謎めいていて掴みどころがない、なぜか追いかけたくなるような魅力の持った主人公なのです。そんな魅力たっぷりの伊達が、新宿歌舞伎町の人間と生きる中で、どんな活躍を見せるのか目が離せません。

人をモノとして扱う人種【2巻ネタバレ注意】

黒幕の差し金で鍵を追ってきたヤクザと契約を交わした後、犯人の手がかりを掴むため、張り込みを開始した伊達と醍醐。そこで伊達は「なぜすぐにヤクザに自分の身元が割れたか」ということに目をつけ、犯人を割り出すことに成功。その犯人とは、伊達が言うところの「人をモノとして扱う人種」だとか。その驚くべき人物とは一体……?

著者
彭 傑
出版日
2014-11-07

今回気になってくるのはメインの事件として扱われてきた落下事件の真相でしょう。しかし、それと並んで必見なのが事件のからくり。鍵はそもそも何にかけられたものなのか、そしてそれは何を隠しているのか、など数多くの謎が細かく用意されていて、トリックが緻密に組み立てられています。

一つ一つの謎を追いながらテンポよく読み進めることができ、そうしているうちに犯人に関する大きな謎の真相にたどり着いているのです。登場人物と一緒に謎解きをしているかのような感覚で、一時たりとも飽きさせない展開といえるでしょう。

また、この作品の魅力を増しているのは、何と言っても事件の裏の人間ドラマ。歌舞伎町の人間たちが苦しい環境に身を投じながらも、やっと手に入れた小さな幸せを守ろうともがく姿に心を動かされます。読んだ後には自分の周りの人の小さな温かさを大事にしたくなる、そんな一冊です。

絶体絶命の小さな命【3巻ネタバレ注意】

事件後、上司から伊達に密着することを言い渡された醍醐。伊達は、思いつめた顔で包丁を購入する男に目をつけますが、不審な動きをするその男を追っている途中、その男とその多数名とともにエレベーターの中に閉じ込められてしまいます。そんな中乗客の中の1人の妊婦が突然の破水、そして出血。危篤状態の妊婦を目の当たりにしてパニックに陥るエレベーター内で、伊達が出した決断とは……?

著者
彭 傑
出版日
2015-02-09

この巻では医療モノらしさが存分に味わうことが出来ます。力強い絵のタッチから伝わる、緊迫感に溢れる医療シーンは圧巻。しかしひと味違うのが、伊達は命を救うことを通して、周りの人間の心も救っていくところです。普段医療行為を目にする機会のない一般人が自分にできることを任されて必死になる姿に共感しているうちにどんどん話に引き込まれていきます。医療行為を通して人の本気と真っ直ぐな気持ちがぶつかり合い、少しずつ人の心に変化をもたらしていく胸熱展開をぜひ目撃してください。

消えかけた命の灯火、消そうとしたのは......?【4巻ネタバレ注意】

いつものように診療所にやってきた醍醐刑事にその場を任せ、外出する伊達。しかしたちまち物々しい雰囲気の男達に囲まれ、無理やり連れていかれてしまいます。連れていかれた先で待っていたのはヤクザの組長とその愛人、そして切羽詰まったように周りを囲む組員たちでした。伊達は治療を頼まれ、危篤状態にある組長の応急措置を始めるも、組員たちは何かを隠している様子。

新宿D×D(4)

彭 傑
講談社

この巻の見どころは、なんといっても医療モノの醍醐味である救命措置シーン。実際に人の命がかかった場面に直面しているかのような緊張感に溢れる表現には圧倒されます。通常のやり方に囚われない奇抜な、しかし的確な方法で患者を救う伊達の手つきは鮮やかとしか言いようがありません。普段の余裕のある表情から一変、伊達の必死な一面も見ることができます。

犯人の憎しみ、悲しみの記憶【5巻ネタバレ注意】

組長を意図的に心停止に追い込んだ犯人がこの場にいると踏んで、カマをかけ始める伊達。組員の話によれば、組長が健康を害したことで別の勢力が台頭し、組は分裂状態にあるがゆえに、組長を失うわけにはいかないというのです。伊達は組の事情を知り、手術のために組員たちに機材を集めさせます。しかし、伊達の背後には銃を突きつける影が忍び寄っていて......?

新宿D×D(5)

彭 傑
講談社

ここではこの事件の犯人と動機が明かされます。犯人がかなり意外な人物でとても驚かされるのですが、さらに興味深いのがそのトリック。巧妙にじわじわと被害者を追い詰めていった手口には、鳥肌が立つほど鋭い犯人の深い執念が込められています。また、犯人の暗い過去と犯人なりの苦しみも描かれ、何とも胸が締め付けられるような思いになるのですが、その中に小さな救いもあるので読み終えた後は切なさと共に温かい気持ちもわいてくるでしょう。

どれほど過酷な状況に置かれようと、残った人情が人を救っていく様子を見て少し前向きになれる、そんな作品です。

スリルある医療サスペンスと共に、深い人間ドラマを感じることのできる欲張りな作品『新宿D×D』をぜひ手に取ってみてください。

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