漫画『私のおウチはHON屋さん』では、父が経営する本屋のひとり娘の日常が描かれています。が、この本屋、ただの本屋ではありません。いろいろな意味でギリギリなハートフルコメディを楽しんでみてください。スマホの漫画アプリで無料で読むことができますよ。
『私のおウチはHON屋さん』は、横山知生の作品。2010年からおよそ3年間「月刊ガンガンJOKER」で連載され、単行本は全8巻が発売されています。
本作の魅力は、とにかく主人公のみゆがかわいいこと!まだ小学生ですが、家業の本屋を手伝って、お店を訪れるお客さんとコメディをくり広げていきます。
彼女のほかにも、かわいい女の子がたくさん登場するのも特徴です。
この記事では、そんな本作の魅力をくわしくお伝えしていきます。ネタバレを含むのでご注意ください。
- 著者
- 横山 知生
- 出版日
- 2010-09-22
父親が営む本屋を手伝う主人公のみゆ。物心つく前から本に触れてきたせいか、小学生ながら知識はプロ並みです。ニーズに的確に応える本をチョイスするため、お客さんからも大人気。
しかし当の本人は、本屋の手伝いを辞めたがっています。なぜならこの店で取り扱っているのは、主に青年向けの本、いわゆる「エロ本」だからです……!
母親は6年前に家を出ていて、現在は別居中。その原因も、このエロ本にあると思っています。
はたして、みゆが店の手伝いから解放される日はくるのでしょうか……?
みゆの祖父の代から営んでいる本屋「中沢書店」は、エロ本専門店。常連客はいるものの、経営状態はけっしてよいとはいえません。看板娘であるみゆが店番をしなければ、客足が遠のいてしまうという状況です。
そこで、店主であるみゆの父・しげるは、お客さんを呼ぶためにさまざまな企画を考えます。しかしそれは実質的にはみゆ頼みなものが多いため、彼女は事あるごとにエロイベントに巻き込まれ、恥ずかしい思いをすることになるのです。
そんな日々に耐えながらも、掃除や棚整理、接客などはしっかりとこなすみゆの姿が印象的です。
1話では創業50周年を記念して、「現役●学生メイドさんが君の一部をお出迎え」というイベントが。みゆの顔写真にメイドの体をコラージュしたポスターまで作られ、彼女は赤面してしまいます。
怒ったみゆは、店番もせず、部屋にこもりっきり。徐々にお客さんの数も減ってしまいました。
そんな時、しげるが「明日看板降ろすからそのつもりでな」と言ってくるのです。とうとう店仕舞いをすることになったのかと思ったみゆ。これでいいんだと自分を納得させますが、翌日、来店したお客さんが店の状況をバカにしているのを聞いて、我慢できなくなりました。
「お探しの本はこちらでしょうか ご主人様…(はーと)」(『私のおウチはHON屋さん』1巻より引用)
メイド服に着替えたみゆは、おっぱい絵師の魔法少女作品集や、胸の谷間を撮ると右に出るものはいないと言われる写真家のグラビア、巨乳アイドルが民族衣装に身を包んだ自伝集など、次々と本を提案していくのです。
そのおかげもあってか売り上げは上々。しげるが言った「看板を降ろす」というのは修理に出すだけだったことも発覚し、みゆは恥ずかしがりながらも父の喜ぶ姿を見て満足するのです。
このほかにも、中沢書店にはさまざまな珍客が訪れてはトラブルを引き起こしていき、彼らの諸問題を解決するためにみゆが当事者に寄り添ったエロ本を紹介していきます。
一見ちょっとエッチなコメディにも思えますが、彼女が自分の努力でお客さんの信頼を得ていき、人間関係の輪を広げて、それが大なり小なり中沢書店にプラスの影響を与えていく流れは、少し感動的ですよ。
みゆの両親は6年前から別居中。しげるは男手ひとつで子育てをしています。しかししげるはマイペースな性格で、肝心なことをみゆに伝えないままキャンペーンを始めてしまうなど、彼女を怒らせてしまうこともしばしば。
一方で、みゆが宿題に苦戦している時には、店にいるお客さん静かにしてもらうよう頼むなど気遣いをみせることもあり、どこか憎めないキャラクターになっています。
ではなぜそんなしげるの元から、みゆの母は離れていってしまったのでしょうか。みゆはその原因が、自分にあると思い込んでいます。
まだ小学生にもなっていないころ、「父さんと母さんどっちが好きだ?」と聞かれたとき、「えろほん」と笑顔で答えたことがありました。当時は何もわからないまま絵本がわりにエロ本を読んでいましたが、あの時あんなバカなことを言わなければ、お母さんは出ていかずにすんだと思っているのです。
そして、その根本的な原因はエロ本。つまり店がつぶれてしまえば、お母さんが帰ってくるのではないかと考えていて、彼女が店の手伝いを辞めたがっている最大の理由はそこにあります。
しかし実際には、両親が別れることになった原因は違うところにありました。そのとんでもない真実は、物語の終盤で分かります。
本作の最大の魅力は、何といっても主人公のみゆです!
幼いころからエロ本に囲まれて育った彼女は、小学5年生にしてエロ本を熟知。お客さんからおすすめのおっぱい本を求められると、「そんなもの自分で探してください!」と言いながらもばっちりニーズに沿った本を差し出し、常連客からも絶対的な信頼を得ています。
また店では取り扱っていないBL本について尋ねられると、その世界を少しでも深く知ろうと寝る間を惜しんで猛勉強。そんな書店員の鑑のような一所懸命な姿がいじらしくてかわいいのです。
さらに、しげるがコスプレ好きなこともあり、彼の企画するイベントでさまざまな衣装を着ることになります。ある時はスクール水着を着てエロ本の案内をするなど、見ごたえ十分。萌えカワな姿にも注目してみてくださいね。
また、エロ本のエロスにはある程度慣れているみゆですが、現実のエロスにはまったく耐性がありません。そのためリアルに性的なものを目の当たりにすると、ショックで幼児退行してしまうことも。エロ要素を盛り込んだおままごとをして周囲を振り回してしまう様子も必見です。
- 著者
- 横山 知生
- 出版日
- 2013-08-22
実家がエロ本屋さんという、現実に置き換えて考えると不憫でならない設定ですが、経営を支えるために懸命にがんばるみゆの姿は、萌えでかわいくて、ときどきエロい。そんな彼女に振り回されてみてはいかがでしょうか。
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