崎谷はるひのおすすめBL小説5選!数多くのヒット作を生んだ作家

更新:2021.11.12

濃密で刺激的なBLの世界を描き、数々のヒット作を生み出してきた作家、崎谷はるひ。そのリアルな描写には、思わず胸が高鳴ってしまいます。ここでは、そんな崎谷はるひのおすすめ小説を、厳選してご紹介いたします。

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数多くのヒット作を生んだBL小説家崎谷はるひ

熊本県出身の崎谷はるひは、ジュエリー会社勤務を経て、1998年、『楽園の雫』で小説家デビューを飾りました。BLジャンルの中でも指折りの人気作家で、シリーズ化された作品も多数存在しています。

サスペンス色の強いものから、コミカルな作品まで、崎谷の描く世界観は様々。多彩なストーリー展開や甘い世界観もさることながら、キャラクターを深く掘り下げた心理描写にも定評があり、多くのファンから高い評価を得ています。

屈折した愛を描く濃密なBL小説!

システムエンジニアとして働く主人公の柳島千晶は、ホストクラブのオーナーである柴主将嗣と同棲関係にあります。

大学時代、千晶は偶然参加した飲み会で、当時すでに「王将」という源氏名のホストだった将嗣と出会いました。あることがきっかけで、将嗣と行動を共にするようになった千晶は、ある時将嗣から強引に体の関係を迫られ、それ以来12年もの間、複雑な関係が続いています。

将嗣からの愛情を感じることができず、たびたび別れを切り出しては、将嗣から濃密な凌辱行為を受け、うやむやにされてしまう千晶。勤めている会社が移転することを機に、今度こそ将嗣との別れを決意するのですが……。

著者
崎谷 はるひ
出版日
2009-10-13

こちらは、コミックも含めた人気「バタフライ・シリーズ」の中の一作。物語は全編通して、千晶の視点から描かれていきます。

千晶に対して異常な執着を見せる、将嗣のサディスティックなキャラクターが印象深く、苦悩する千晶の心理描写には痛々しささえ感じてしまうでしょう。

臨場感たっぷりに描かれる、暴力的な性行為の数々は、好みが分かれるところかもしれませんが、お互いに惹かれ合いながらもすれ違う、青年2人のラブストーリーは読み応え十分。泥沼とも言えるような状況から、どのようにストーリーが展開していくのかと、先が気になって仕方なくなってしまいます。

決して読後感の悪い作品ではなく、卓越した性描写をたっぷりと堪能できる作品ですから、気になった方はぜひ読んでみてくださいね。

魅力的な2人の高校生が織り成す正統派ラブストーリー

本作では、高校生2人を主人公として、甘酸っぱい青春物語が展開されていきます。

宇佐見葉は、可愛らしいルックスの高校生。ナンパをしたりクラブに通ったりと、派手に遊んでいた過去がありますが、実は中学時代に、幼馴染の矢野智彦と冗談で交わしたキスが忘れられずにいるのです。

同じ高校に進学するも、矢野は剣道部のエースとして活躍し成績も優秀。宇佐見との接点はほとんど無くなっており、しかも、学校一の美少女が矢野に告白したことを知り動揺を隠せません。ところが、そんな宇佐見の元に矢野が訪ねてきました。告白を「断る」と言う矢野は、宇佐見に意外な真実を告げ……。

著者
崎谷 はるひ
出版日
2005-04-28

真面目で硬派な矢野と、可愛い今時の高校生宇佐見のキャラクターに、とても愛着の湧く作品です。2人の恋愛模様だけでなく、彼らの学園生活もとてもリアルに綴られており、すでに学生を卒業した方は懐かしさを感じるのではないでしょうか。

作品はシリーズ化されており、高校生の純粋な想いが描かれた、正統派ラブストーリーとなっています。読みやすく、感情移入しながら楽しむことができ、テンポの良い展開となっているので、最後まで飽きることがありません。

切なさや寂しさ、嫉妬や葛藤などの心理描写も素晴らしく、胸がキュンとするような物語を読みたい方には、おすすめの一冊になっています。

舞台はジュエリー業界!甘い大人の恋愛が楽しめる一冊

こちらは、崎谷はるひによる人気「不機嫌」シリーズ第1弾。ジュエリー業界を舞台として、まったく性格の違う2人の青年が、徐々に心を通わせていく様子が、ドラマチックに描かれています。

大手宝飾会社の営業企画部に勤める羽室謙也は、同性愛に対して密かな興味を持っていました。そんな時、妙に色っぽく美しいフリーのジュエリーデザイナー、三橋颯生が「ゲイ」だという噂を聞き、気になって仕方なくなってしまいます。

一方、颯生もまた、真面目な謙也のことを気に入っている様子。颯生を意識するあまり、態度の変わってしまった謙也に、複雑な心境を抱いていました。ある日、とうとう颯生に告白した謙也でしたが、その告白をただの興味本位だと勘違いした颯生は、謙也を投げやりに挑発し、そのまま体の関係を持ってしまいます。

著者
崎谷 はるひ
出版日
2009-07-15

この作品では、謙也と颯生の視点を、交互に変えながら物語が進んでいきます。お互いを思いやりながら、徐々に心の距離を縮めていく2人の様子には、極上のドキドキ感を味わえることでしょう。体の関係から始まった恋とはいえ、その真摯な態度にはとても好感が持てます。

ジュエリー業界についても詳しく描かれており、仕事や恋を通して成長していく2人の姿から、目が離せなくなってしまいます。ストーリーが進むにつれて、登場人物の意外な一面を垣間見ることもでき、そのギャップも魅力となっている物語です。甘い世界観を堪能してみたい方は、ぜひ1度読んでみてくださいね。

胸キュンの王道ラブロマンス!

濃密すぎる性描写が苦手、という方におすすめなのが、本作『心臓がふかく爆ぜている』。この作品を第1作目とした「グリーン・レヴェリー」シリーズでは、安心感のある王道ラブストーリーを、思う存分満喫することができます。

リラクゼーションを目的とした、アロマやハーブなどを取り扱う会社「グリーン・レヴァリー」の社員、齋藤弘は、内気で人付き合いが大の苦手。恋愛でも悪い男に引っかかってばかりで、まったく自分に自信が持てません。

そんな斎藤が勤める会社に、大企業から自信家で容姿端麗な営業マン、降矢信仁が転職してきます。当初は彼に苦手意識のあった斎藤ですが、一緒に仕事をしていくうちに意外な一面を知ることになり、どんどん降矢に惹かれ始めていきました。そしてある日、なんと降矢から、つきあわないかという告白を受けたのです。

著者
崎谷 はるひ
出版日
2009-10-15

それまで女性を恋愛対象としてきた降矢が、自分を好きだということが信じられず、どうしてもネガティブな考え方になってしまう斎藤の心理描写には、思わず切なさを感じてしまいます。2人のキャラクターもごく普通の青年として描かれているため、リアルな世界観が広がっており、安定感のある物語に浸れることでしょう。

主役の2人の他にも、斎藤の幼馴染みで会社の社長である綾川の、女装キャラクターが非常に印象深く、作品に絶妙な色を添えています。美容や健康を意識するロハスや、ハーブ、オーガニックについてなども詳しく綴られているので、興味のある方はより楽しめるのではないでしょうか。

様々な問題を乗り越えながら絆を深める一気読みBL小説

本作もシリーズ第1作目に当たる作品。恋に臆病になった主人公の揺れ動く心が、繊細な文体で描かれています。

とある美術専門学校のアニメ科に通う北史鶴は、同じ専門学校のファッション科に通う、冲村功と出会います。元々はアニメ科を目の敵にし、横柄な態度で嫌がらせばかりしていた冲村でしたが、あることをきっかけに状況が一変。史鶴に懐くようになり、好意を向けるようになりました。

戸惑いながらも、徐々に冲村の魅力に惹かれていく史鶴でしたが、過去の恋愛にトラウマを抱えているため、どうしても積極的にはなれません。しかも、冲村にその過去を知られたくない史鶴は、様々なことに葛藤するようになるのです。

著者
崎谷 はるひ
出版日
2008-11-17

作品内には、アニメの制作に関する知識や、PCの専門用語が頻繁に登場しますが、馴染みのない方でも十分楽しんで読むことができるでしょう。

眼鏡をかけた地味な装いで、心の内を隠すようにクールに振る舞う史鶴と、派手なパンクスタイルでありながら、誠実で純粋な一面を見せる冲村。この2人が、すれ違いながらも一所懸命に本音をぶつけ合う姿は、大変微笑ましく心に残ります。

周りを固めるキャラクターにも様々なタイプが揃い、飽きることなく最後まで夢中になれる物語です。ある大きな事件が起こり、ハラハラとするストーリー展開となっていますが、重くなりすぎず、どこかやわらかい雰囲気が味わえる作品になっています。

崎谷はるひのおすすめBL小説をご紹介しました。様々なタイプの登場人物が揃っているので、お好みのキャラクターに出会うことができるのではないでしょうか。どの作品もシリーズ化されていますから、その世界観をたっぷりと堪能することができるでしょう。

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