本作はダッチワイフが主人公の作品となっております。ダッチワイフだからこその魅力ある女の子が織りなすエロコメディです。
- 著者
- ["萩尾 ノブト", "原田 重光"]
- 出版日
- 2006-08-29
『モトヨメ』や『ゆりきゃん』などの作品も手掛けている原田重光原作の作品です。 お馬鹿とエロが混じった作品で、エロさの中でしっかりと笑いを届けてくれる作品となっております。
男の欲望を果たすべく、秋葉博士によって開発されたのがダッチワイフのユリア100式です。 そんな彼女は最初に性交(作中ではインプリンティングと表記されている)した人の専属ダッチワイフとなるという性質を持っていました。
彼女は秋葉博士から逃れ、主人公の久保瞬介の家に転がり込みます。
ユリア100式(以下ユリア)は先述の通り、ダッチワイフです。といっても周囲から見れば可愛らしいどこにでもいる女の子。しかし、生活の中のあらゆる動作でダッチワイフとしての本領を発揮してきます。
例えば、白濁のものを見ると異常に興奮するので、かき氷に練乳を1チューブ使い果たすほど夢中になってしまいます。(第3巻参照) 他にも無人島に遭難してしまったときに、近くを通る船に対するSOSを送ろうにも大きな声でなければ聞こえません。このとき、ユリアは自分の喘ぎ声で気づいてもらうために瞬介の手を使って各部を弄り始めます。(第5巻参照)
さらに極めつけは、瞬介の許嫁のまりあと対面したときのことです。普通の女の子だとしたら、緊張で物も言えなくなってしまうような場面です。しかし、ユリアはやはり他の女の子とは異なります。酒に酔ったまりあと話していたのですが、その時に瞬介がまりあの家を訪れます。実はこの日、ユリアは家で大人しくしておくように瞬介に言われていました。
ユリアは慌てて隠れるのですが、隠れた場所はまりあのスカートの中だったのです。ソファーに座ったのですが、上半身はまりあ、下半身はユリアという不思議な状態が出来上がります。(このとき、瞬介からはまりあが座っているだけに見えます。) そして、まりあでは考えられない足技のテクニックに瞬介は驚きつつも、まりあと信じて挿入しようとします。実際はユリアに挿入しようとしているのですが。 ここで、酔ったまりあがギリギリで横に寝転びネタばらしとなります。さすがの瞬介も呆れた様子を隠せませんでした。(第2巻参照)
このように、基本的に性行為のための能力のみが備わっているユリアは、他にもたくさんの異常行動を見せますが、そのたびに単純なエロさよりも面白さを読者に感じさせてくれます。そして、まっすぐに瞬介を思う姿とすぐに性行為に走ってしまうというおかしさには普通の女の子ではまず感じられない魅力があると言えるでしょう。
そんな可愛らしいダッチワイフであるユリアからたび重なる誘惑を受ける瞬介は必死にプロレス技で応戦していきます。しかし、ユリアも負けじと、巧みな技やあの手この手を使い瞬介とシようとします。
例えば、瞬介の友人と瞬介とユリアでキャンプに行った際のお話。 ユリアは温泉の成分が弱酸性であったことによりサビが生じてしまいそうになっていました。ダッチワイフにとっては死活問題で、体調不良を訴えます。
しかし、ここでユリアは、もて余した性の知識から、精子が弱アルカリ性であることに気づきました。そして、瞬介にお願いして流れで精子を流し込ませようとするところまで持っていくのです。(第4巻参照) 他にも、瞬介が岩場で足を滑らせ股間を強打した際には「吐精」(第11巻引用)と称して行為に持ち込みます。
この時、普段の元気もない瞬介はかなり深くまで入れてしまいました。(第11巻参照) このように、どうにかしてプリンティングしようとするユリアと必死に抵抗する瞬介の攻防がこの作品の大きな魅力となっているのです。
『ユリア100式』には他にも108式や1000式など様々なライバルのような存在が登場します。 このうちのユリア1000式との戦いが終わったのち(その戦いの全容や戦い方はこの漫画らしいものでしたが、気になる人はぜひご自身でお手にとってみてください。)ひと安心かと思えば、まりあが部屋を訪ねてきて次のように言いました。
「日本を離れて国外へ移り住みましょう!」(『ユリア100式』第12巻より引用)
戦いの中でかなりの悪評が巷に流れてしまい、まりあは日本では外も歩けないと考えたのです。実際かなりの悪評が立ってしまいました。急な話でオランダに向かうという展開に、ユリアは瞬介に付いていき、オランダへと向かいます。
- 著者
- ["萩尾 ノブト", "原田 重光"]
- 出版日
- 2010-03-29
ここで、見どころなのが許嫁のまりあと瞬介の関係にダッチワイフであるユリアがどのように関わっていくのかというところです。付いていったはいいものの、やはりダッチワイフと仲良くしながら妻と暮らす旦那という構図はあまりにも不自然です。
このような、異常な状態をまりあは許すはずもないのです。ましてや、ユリアのことは以前から瞬介の友人などからの情報や自身の目でも確認しており、厄介に思っていたのも事実です。ここで、ユリアの立ち振舞いに変化が見られるのか、それともいつも通りのユリアなのか、最終回ならではの話が展開されます。
- 著者
- ["萩尾 ノブト", "原田 重光"]
- 出版日
- 2006-11-29
『ユリア100式』はただのエロ漫画ではありません。適度にエロくて、適度に面白い、そんな作品となっております。
ただ、やはり下ネタがメインとなっておりますので、下ネタが苦手であるといった方にはあまり向かない作品でしょう。 しかし、ドロドロとした下ネタというよりも、コメディなのでテンポ良く読むことができる作品であると言えます。
可愛らしいダッチワイフによる誘惑と瞬介の理性の戦いが織り成すそのエロ面白さについつい時間を忘れて読みいってしまう作品と言えるでしょう。くれぐれも公共の場で読む際には注意しましょう。