『パステル家族』は、とある仲良し家族を中心に、彼らの周りに集まる人々の日常をほのぼのと描いた漫画作品です。そのなかでも笑いあり、涙ありのお話となっているので、名作といえる面白さです。
『パステル家族』はとある家庭の3兄弟を中心に、彼らの両親や友人たちとの日常を描いた作品です。
作者はセイで、詳しいことは不明。ただ一人称が「僕」だということから男の作者ではないかと予想されます。
本作の魅力はなんといっても1つ1つの話がよく練られている点でしょう。笑える話はもちろんのこと、泣ける話や感動する話まで描かれているのです。人と人との繋がりの尊さを再認識できます。
- 著者
- セイ
- 出版日
- 2015-10-10
今や人気の『パステル家族』ですが、連載当初から人気作品だったというわけではありませんでした。そんな本作が「神回」と呼ばれるエピソードを経て一躍脚光を浴びたのです。そのエピソードについてご紹介します。
21話~24話の「福引の回」とタイトルづけされているエピソードで、主人公のマヨが福引でゲームをあて、そのゲームを家族一丸でプレイしてクリアを目指すというもの。単純にゲームをプレイするだけであるならば神回には至りませんが、このエピソードはマヨたちのゲームをプレイする側と並行して、ゲームの製作者側の視点も描かれているのです。
そして、最終的に2つの視点が重なった時に「感動」が生まれます。この物語でゲームに対する姿勢や見方が変わった人もいるのではないでしょうか。また、その感動を引き出す立役者となったゲーム製作者側のキャラが魅力を有していたことも一因でしょう。
さて、今回は『パステル家族』の魅力を主要キャラの紹介からお伝えしていきましょう。「癒し」を提供してくれる本作はまさに一見の価値あり!
- 著者
- セイ
- 出版日
- 2016-04-12
元気いっぱいの女子高生・明河原マヨは、ゲーム好きで隠れオタクだけれどれも頼りになる兄・タクオと無口で無表情だけどれも心優しい弟・ホノメと日々平和に楽しく暮らしています。
家族でバーベキューに行ったり、友達の家に泊まりに行ったり、イベントは盛りだくさん。そして、マヨの周りはいつだって笑顔が溢れているのです。
そんな彼女たちの日常を少し覗いてみませんか?
本作の主人公。明河原家の長女で、とても家族思いの優しい女の子です。とても好奇心旺盛で、何事にも挑戦しようとする姿勢を持ちます。しかし、たいていのことが人並みにできず、失敗を繰り返してしまいます。
それでも単に失敗するだけではなく、失敗から学ぶことができ、何事もできるようになるまで努力を積み重ねる気力を持った強い子です。ただ、人以上にこなしてやっと人並みなので、要領がやや悪いことは否めません。
そんななかで得意なことが掃除と片づけ。これだけは多くの人が驚くほどのスキルを持っており、どんな場所でもピカピカにしてしまいます。
- 著者
- セイ
- 出版日
- 2017-04-12
彼女の不器用ながらも努力家な姿が描かれるのが「アルバイト」をするエピソード。これは1巻から始まりちょくちょくと描かれるようになります。
友人の紹介でとある料理屋のウエイトレスとして短期で働き始めたマヨ。最初はいくら教えてもらってもまともな接客ができませんでした。それでも必死に接客を続けることで立派なウエイトレスへとなっていくのです。
特に後述のしおりと一緒に働いた時は、不測の事態に対するフォローもしっかりとできるようになっており、彼女の成長と友達に対する優しい思いやりが感じられます。
マヨが成長していく姿は読者に安心と笑顔を与えて、まるで親になったような気分になるでしょう。
明河原家の頼りになる長男。大学に通いながらアルバイトもしています。ゲームが好きで、その腕前はプロ級。さらにはアニメも嗜んでいるオタクです。ただ、オタクだということは後述のコウ以外にはひた隠しにしています。
しかし、オタクながらも意外とアウトドアにも精通しており、さまざまな場面で頼りになる姿をみせてくれます。家族思いで、特に妹と弟に優しいまさに兄の理想といえる人物です。
そんなタクオでも苦手なものが恋愛。同大学に好きな人物がいるのですが、なかなかお近づきになれません。その姿は、立派ながらもタクオが男の子だと思い出させます。
- 著者
- セイ
- 出版日
- 2017-11-10
さて、多くの頼りになる姿をみせてくれるタクオですが、時には冷静さを欠いた熱い姿もみせてくれます。そのエピソードが6巻に収録されている「家庭教師の回」。
バイトとして家庭教師を始めたタクオでしたが、その生徒がゲームばかりしていて言うことをきいてくれません。しかし、生徒が頑なにゲームに熱中するのには、弟のテニスが褒められるのに、自分がゲームの大会で1位を獲っても褒められないという不満があったのです。
そんな生徒に、タクオは本来のゲームの楽しさと周囲との付き合い方を諭します。そのためにとあるゲーム大会に参加するのですが、相手を貶す参加者にタクオの怒りが爆発するのです。
その姿からタクオのゲームに対する愛がひしひしと伝わってきます。
- 著者
- セイ
- 出版日
- 2016-10-12
明河原家の次男で小学4年生。いつも無表情のうえ、作中でセリフをほとんど描かれたことがないほどに無口。しかし、感情表現が下手なだけで非常に心優しい少年です。
そんな彼の優しさ、そして勇敢さがわかるエピソードが「捨て猫の回」。捨て猫をただ単に拾うという安易な展開ではなく、なんと自分よりもはるかに年上の高校生たちが捨て猫をいじめているのを見てたった一人で立ち向かうのです。
その姿は非常に勇敢で、ホノメの優しさが強く伝わってきます。そして、家族もそんなホノメをしっかりと褒めてやるので、すくすくと良い子に育つでしょう。
- 著者
- セイ
- 出版日
- 2016-04-12
マヨたちの幼馴染で、マヨと同じ高校に通う女子高生。非常に幼い顔立ちと体型をしているので、頻繁に小学生と間違われます。
しかし、小柄ながらもとても食いしん坊な一面があるのです。特に甘い物には目がなく、ほっぺたを膨らませるほどパンパンにものを詰め込みます。
そんな彼女が食べる姿は非常に幸せそうで、見ているだけで癒されるシーンです。作中でも彼女がおいしそうに何かを食べていると、周りが感化されて同じものを注文するといったことが起こります。
- 著者
- セイ
- 出版日
- 2018-02-10
しおりの兄で、同じく明河原家の幼馴染。タクオの一番の親友でもあり、唯一タクオのオタク趣味を知っている人物です。自身もオタクであり、タクオとディープなアニメ議論を交わします。
コンビニ、戦闘、遊園地とアルバイトを3つも掛け持ちしており、大学の学費の一部も自分で払っている苦労人です。しかし、本人はあらゆるアルバイトを楽しそうにこなします。
本作のなかではややぞんざいに扱われるキャラでオチ担当ですが、周囲のみならず読者も笑顔にできる存在です。不憫ではありますが、おいしいポジションともいえますね。
- 著者
- セイ
- 出版日
- 2016-04-12
マヨ、しおりと高校から友人となった女の子。家庭の事情で喫茶店でアルバイトをしながら一人暮らしをしています。そのため、マヨやしおりが頻繁に家をたずねてきます。
やや暴走気味のマヨや抜けているしおりを抑えるストッパー的な役割で、作中で1番の常識人。しかし、家事全般がダメであったり、真面目そうな外見ながらも実は成績があまりよくなかったりと意外と欠点が目立ちます。
しかし、細かいところがなくいい意味で適当な人物なので、マヨやしおりと付き合えているのでしょう。マヨ、しおり、ケイと可愛らしいトリオはみていて非常に癒されます。
さて、ほのぼの日常漫画である『パステル家族』の魅力は伝わったでしょうか。