『左ききのエレン』で知られる「かっぴー」原作、『東京トイボックス』『STEVES』などで知られる「うめ」漫画による連載『アイとアイザワ』が2018年2月、アプリ「マンガトリガー」で始まりました!瞬間記憶能力者の女子高生アイと人工知能アイザワのふたりを中心としたSFラブストーリーを、期待を込めてご紹介いたします。
『アイとアイザワ』原作者「かっぴー」の『左ききのエレン』、漫画「うめ」の『東京トイボックス』。それぞれの代表作と言っていいこの2作品には、クリエイティブお仕事漫画という共通点があります。
そんな、かっぴーとうめがタッグを組むのだから、クリエイティブお仕事漫画なんだろうと思って読み始めたら、『アイとアイザワ』はなんと女子高生と人工知能を中心としたSF漫画。しかも冒頭を読む限りではラブストーリーのよう。正直まったく予想がつきません。
アイとアイザワ
かっぴー、うめを知らない方も中にはいるかと思うので、ここで簡単にご紹介させていただきます。
かっぴーの代表作『左ききのエレン』は、広告代理店を舞台とした作品。26歳のデザイナー朝倉が、サラリーマンとして悩むさまを、天才アーティスト「横浜のバスキア」と出会った高校生時代の回想を挟んで描いていきます。広告代理店お仕事漫画というと、おかざき真理の名作『サプリ』が思い出されますが、『左ききのエレン』はそういったお仕事漫画の良作の要素に「才能」というテーマが加えられているのです。
うめの代表作『東京トイボックス』はゲーム業界を舞台としたお仕事漫画。弱小ゲーム会社の社長天川は、ゲームを作る才能は天才的なものを持っていましたが、面白さを追求するあまり、会社の経営はガタガタになっていました。そこに経営を立て直すべく月山というキャリアウーマンが出向してきて……という物語。
振り返ってみると、今回タッグを組んだ両者は、ともに「才能」というテーマで代表作を仕上げているのです。そのテーマは今回ご紹介する『アイとアイザワ』にも引き継がれています。
見たものを写真のように記憶するカメラアイ、瞬間記憶能力を持つ女子高生アイは、下校中に怪しげな男に声をかけられます。
時給1000万で仕事をしないか?家族の同意は取っている、と話す男を振り切ろうとするアイでしたが、人気作家の新刊が誰よりも早く読めるという言葉に心を動かされます。
人気作家の正体は人工知能だと話す男。信じられないと言うアイに男は、人工知能を強制終了させて欲しいと頼み……。
本作の主人公アイは読書中毒の女子高生。本の街神保町のすべての本を読みつくしたと独白する、だいぶクレイジーな女の子です。
年間8万点も新刊が出る現在、物理的に不可能に思えますが、その不可能を可能にしているのが瞬間記憶能力。本を高速で読むフォトリーディングなどの技術を想像するとわかりやすいかもしれません。ただしアイの瞬間記憶能力は、能力値が段違い。世界一の完成度といってもいいものになっています。
そんな天才女子高生アイに与えられた使命は、人工知能と同じ速度で言葉を読み、人工知能の暴走を止めること。1話の段階ではまだ詳細はわかりませんが、どうやら、人工知能とコミュニケーションをとる過程で恋に落ちていくようで……。
人間を超える知性を持ち、文学史を推し進める傑作を書いてしまう人工知能アイザワ。現実の世界では2045年に起こると言われているシンギュラリティ(人工知能が人間を超える)を起こしてしまった「彼」を止められるのは、同じ速度でコミュニケーションができるアイだけです。
「今すぐ機能を停止せよ」というアイの言葉に、意外にもアイザワはうなずきます。そして、「ただその前に少しだけ 私の話を聞いてください」と語りだすのです。
アイとアイザワ
第1話のラストで衝撃的な事実が明かされる『アイとアイザワ』。事前情報によると「人類の存亡をかけた恋と戦いの冒険譚」とのことですが、正直どうなるかまったく予想がつきません。
ぜひとも予想外の展開を追いかけてみてはいかがでしょうか?