『花よりも花の如く』が無料!魅力と最新17巻の見どころをネタバレ紹介!

更新:2021.11.13

若手能楽師の成長と古典芸能の奥深さを描いた漫画『花よりも花の如く』。素人には敷居の高いように思われる能楽の世界ですが、繊細な絵と詳しい解説でわかりやすく表現されていて、入門書や副読本としても重宝されています。もちろんストーリーも抜群の面白さ。真面目で純粋すぎる主人公と、個性的な家族や関係者たちが織りなす人間ドラマを楽しむことができるでしょう。スマホの漫画アプリで無料で読むことができるので、気になった方は試してみてくださいね。

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『花よりも花の如く』が無料で読める!知られざる伝統芸能の世界がおもしろい!

 

青年能楽師が能にかける情熱と成長を描いた本作。2001年から「月刊メロディ」で連載を開始し、実に15年以上も続くロングヒットの人気作です。作者は『CIPHER』『NATURAL』などで有名な成田美名子。彼女自身も大の能楽ファンなのだとか。

一見難しい能楽の世界が、美しい絵と斬新な解説でいきいきと描かれていて、実は誰でも気軽に楽しめるものだとわかります。本作を入門ガイドとして能楽に興味をもった人も多数いるそう。

今回は、そんな『花よりも花の如く』の魅力をお伝えしていきます。ネタバレを含むので未読の方はご注意ください。

著者
成田 美名子
出版日
2003-07-05
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『花よりも花の如く』のあらすじ

『花よりも花の如く』のあらすじ
出典:『花よりも花の如く』1巻

 

主人公の榊原憲人(さかきばらのりと)は、3歳から舞台に立ち続けている能楽師。この道20年以上ながら、奥深い能を極めるにまだまだ厳しく、ひたすら稽古に励んでいます。

イケメンで何事も器用にこなす弟の西門(さいもん)にコンプレックスを抱きながらも、そんな自分の嫌な部分を冷静に見つめ、役作りに没頭しています。

内弟子時代を経て玄人(プロ)になった憲人は、テレビへの出演やNPO法人など、舞台の外でも活躍するように。

紆余曲折を経て結ばれた恋人の葉月や、能楽関係者などとの出会いを通じて、仕事とプライベートの両面で大きく成長していきます。

『花よりも花の如く』の魅力1:能楽の世界が斬新で面白い!

著者
成田 美名子
出版日
2006-04-05

 

能楽などの伝統芸能や古典芸能は、独特の世界観や言葉づかいなどが難しく思え、とっつきにくいものです。しかし本作を読むと、これまでに知らなかった見どころや楽しみ方を学ぶことができるでしょう。

これだけは最低限知っておくべき、という専門用語やあらすじは、しっかりポイントを踏まえて解説されています。また作者が能楽に詳しいため独自の目線も生かされていて、これまで抱いていたイメージも覆されるはずです。

実は能楽の魅力は多々あって、ストーリーや登場人物、舞いや動作の意味、能面や衣装などさまざま。楽しみ方も人それぞれでよいのです。

また一歩踏み込んで、能面をつけた状態では息をするのも歩くのも難しいなど、舞台裏の苦労話や、通常では見ることのできない舞台袖やリハーサル風景など貴重なシーンも多数描かれています。初心者だけでなく、能楽ファンにも嬉しい魅力がたっぷり詰まっているのです。

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『花よりも花の如く』の魅力2:「のび太」な主人公の成長がアツい!

著者
成田 美名子
出版日
2012-03-05

 

主人公の憲人は、彼自身もそこそこのイケメンなのですが、弟と妹が美形すぎるのためコンプレックスを抱いていました。眼鏡をかけていることからも、当初は「のび太」などと呼ばれ、地味キャラ扱いに苦笑しています。

物語の途中でコンタクトを使用するようになってからは内面も変わったようで、しっかりとした存在感を発揮するようになりました。

性格は真面目で純粋、人との関わりを大切にしている面倒見のいい好青年です。痴漢に間違われて冤罪をかけられた際も、相手の女性に自身が出演する舞台のチケットを渡すほど……。

「能こそ芸能」という超一流のプロ意識と愛を持ち、所作や役作りを深く追求しています。またファンや次世代へのサービス精神も旺盛。

短所はマジメでこだわりがありすぎるところでしょうか。悩みや課題に取り組みはじめると、悶々とした葛藤からなかなか抜け出すことができません。

それでも「自分の裏面を知る者が真実を演じられる」と信じ、遠回りしてでもひとつひとつの演目に真剣に向き合っていくのです。

大人しそうに見えて実は熱い彼の生きざまは、優雅に見えて実はハードな動きを要求される能楽そのものを体現しているかのよう。彼の成長が本作の1番の見どころなのではないでしょうか。

『花よりも花の如く』の魅力3:人間ドラマにドキドキ!西門とのわだかまりや葉月との恋など

著者
成田美名子
出版日
2014-09-05

 

本作では、主人公以外の登場人物の感情の機微も丁寧に描かれ、さまざまな人間ドラマを楽しむことができます。なかでも憲人にとって大きな存在なのが、何でもソツなくこなせるイケメンの弟、西門でしょう。

憲人は弟のことを「出来過ぎたいい奴」だと可愛がる一方で、8歳のころ叔父の家へ養子へ出るのが彼だと知り、喜ぶのです。そしてそのことをずっと後悔しています。

ちょっとしたトラブルがあり、西門が実家で再び一緒に暮らすようになると、その苦い記憶が鮮明に蘇り、憲人は自己嫌悪に陥るのです。一方の西門も兄の気持ちを何となく察しているようで、2人の仲はなんとなくギクシャクしてしまっていました。

中盤からは兄の憲人が歩み寄り、少しずつ失われた時間と絆を取り戻しています。

また、狂言師の宮本芳年(みやもとほうねん)の妹で、ジャズピアニストをしている葉月にひとめぼれした憲人は、不器用ながらも誠実に愛を育んでいきます。

プライベートでさまざまな喜怒哀楽を経験することが、舞台での表現力の向上に繋がっていく展開もドラマチック。2人の恋の行方にも注目ですね。

『花よりも花の如く』最新17巻をネタバレ紹介!

著者
成田美名子
出版日
2017-09-05

 

プロの能楽師として活躍中の憲人。地方公演、稽古、子ども能教室の指導と大忙しです。ただでさえ仕事が忙しいのに、ついつい他人の世話を焼いてしまう彼は、久しぶりに会った葉月から「人が良すぎる、誰にでもかまうのはやめて」と怒られてしまいました。

そんななか、子ども能で「後見」役の練習に励んでいた渚という少女の母親が、発表会を見に来ることができなくなってしまいます。憲人は自分がどう振る舞うべきなのか悩みますが……。

まだ幼い子どもたちの成長に目を輝かせたり、指導者としてどこまで踏み込むべきか悩んだりする姿が印象的。どんなに忙しくしていても、きちんと心で人と付き合う憲人のあたたかさを感じることができます。

しかしそんな彼に対し、葉月の乙女心がさく裂。もっと構ってほしいと思ってしまう彼女の気持ちもよくわかるのが辛いところですね。後半は、渚の成長をとおして仲直りをしていく憲人と葉月を見ることができます。

もちろん定番の舞台シーンもたっぷり。「土蜘蛛」「清経」「隅田川」の稽古や本番の様子を、臨場感たっぷりに楽しむことができます。

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奥深い能楽の世界と、夢や恋を謳歌する青春ストーリーが同時に楽しめる『花よりも花の如く』。とにかく作者の能楽に対する愛情があふれていて、美しい絵やユニークなセリフもあいまって身近に感じることができるでしょう。本作を通じて能楽の世界の扉を開いてみませんか?

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