わがままなお嬢さまが恋した中年クズ親父は、実は彼女に仕える真面目な執事だった……!?別人と間違われたままのクズ執事が、目の前のお嬢さまと近いようで遠いギリギリの恋愛をくり広げる物語です。
真面目で有能な執事という顔と、女好きの中年親父という裏の顔を使い分ける和巳。仕事中の彼が仕える箱入り娘の椿お嬢さまは、わがままで生意気な16歳の女子高生です。
クズ執事は外出中に別人として彼女に出会い、ひと目惚れをされてしまいました。とりつくろってバレはしなかったものの、その日から恋する女子高生とお嬢さまの間で板挟みになります。
屋敷の中でも外でもくり広げられる2人の恋の行方は……?
作者の桜田雛は、美しい絵と絶妙なギャグを得意とする漫画家。表紙を見てもわかるとおり、男女ともに美しい登場人物たちが華麗かつ愉快に活躍します。
今回は、そんな異色の年の差恋愛の魅力と各巻の見どころをご紹介していきます。ネタバレを含むのでご注意ください。
- 著者
- 桜田 雛
- 出版日
- 2016-11-25
有能な執事として働く和巳は、16歳の椿お嬢さまのわがままっぷりに手を焼いていました。そんな彼のストレス発散方法は、派手な女遊びやパチンコに煙草……そう、品行方正なはずの執事の正体は、ただの中年クズ親父だったのです。
ある日街中で偶然出会ってしまった2人。慌てる和巳ですが、椿はそんな彼をまったくの別人だと思い込み、あまつさえひと目惚れをしてしまいました。
和巳にとって彼女は、幼い頃から見守ってきた大切な存在。自分のようなクズ親父に惚れさせてはいけません。思わず飼い猫の名前と同じ「歳三」と名乗った和巳は、椿に嫌われるための作戦を開始します。
しかし恋する乙女になった彼女を見て、しだいにトキメキを感じるようになってしまい……。
わがままに育ってしまった社長令嬢の椿。和巳は彼女が幼いころから世話をしている執事です。しかしその正体は、中年にもなって派手な女遊びとパチンコが大好きというどうしようもない男でした。
ある日、ボサボサ頭に眼鏡をかけて遊んでいた和巳。街で椿がピンチに陥っているところに遭遇し、救い出します。彼女は救世主の正体がまさか自分の執事だとは気づかず、ひと目惚れ……。翌日から、出会った場所で再会できるのを待ち続ける健気な様子を見せます。
和巳はわざと嫌われようとするのですが、恋する椿がかわいすぎて思わずキスをしてしまい……。
- 著者
- 桜田 雛
- 出版日
- 2016-11-25
1巻の見どころは、なんといっても和巳と椿のギャップでしょう。クールで完璧な執事を演じていた和巳は、大人の色気を持つクズ男。ただ元の顔が美形のため、どちらの人格もかっこよく見えます。
また家ではかなりの傍若無人っぷりでわがままなお嬢さまの椿は、「歳三」にだけ見せる乙女の顔を持っています。とても同一人物とは思えないそのキュートさに、和巳がたじろいでしまうのも無理はありません。
ラストでは鍋をひっくり返した椿のことを、和巳がお嬢さま抱っこでバスルームに連れ込み……ドキドキの展開に注目してください。
歳三のためにと女子力アップに燃える椿。風邪をひいた和巳の自宅に押しかけて、「看病の練習」と称して甲斐甲斐しくお世話をします。不器用ながらも頑張る彼女の姿を見て、幼かったころを思い出し、椿の成長をしみじみと感じるのでした。
一方の椿は、恋する歳三と和巳の顔が似ていることにようやく気付きます。思わず和巳にまでときめいてしまい、そんな自分に焦るのです。
- 著者
- 桜田 雛
- 出版日
- 2017-02-24
2巻では看病のシーンがあり、ご飯を食べさせる「あーん」や、添い寝など、甘い場面が目白押し!椿の無防備すぎる天真爛漫さは、反則レベルのかわいさです。
和巳の心も、ギャップのある彼女の態度に四六時中かき乱されるばかり。思わずまたキスをしそうになってしまったり、普段の敬語を忘れてしまったりと、クールでデキる執事の影はどこへやら……。こんなガキに自分がときめくわけがないと思いつつ、いちいちペースを乱されてしまうのです。
歳三として椿とデートをした和巳。その最後、彼女のためを思って別れを告げました。
帰宅した椿はフラれたショックを隠しきれません。そんな彼女を和巳は執事として抱きしめます。泣きじゃくる彼女によしよしするシーンには、読者も思わずキュンとしてしまうでしょう。
ただ彼女は寝ても覚めてもふさぎこんでばかり。見かねた和巳は後日椿を呼び出し、歳三として告白をするのです。
- 著者
- 桜田 雛
- 出版日
- 2017-06-26
3巻にして早くも付き合うことになった2人。しかしデートの最中に椿の屋敷に行くことになってしまいました。そこには、彼女を心配するあまり父親が取り付けた監視カメラが多数仕込まれています。
その結果、なんと歳三は、和巳が着用している執事の服を着て、髪型も和巳のようにセット。まさかの、本人が本人のコスプレをしている状態になってしまいました。誰がどう見ても同一人物なのですが、その姿を見た椿は「歳三さん、かっこいい」と浮かれています。
これには和巳も茫然。あまりに天然なのか、恋は盲目とはこういうことなのか、いろんな意味で目が離せない展開です。
せっかくの箱根旅行を、自分の腹痛のせいで台無しにしてしまった椿。ただでさえ落ち込んでいたところに、風俗嬢と歩く歳三を見てしまい、ショックを受けてしまいます。
その様子をそばで見ていた和巳は、仕方なく歳三に変身して学校前で待ち伏せ、励ましにいきました。「あれはオレの姉さんだ」という言い訳を素直に信じる椿。会えただけで大喜びして笑顔を見せます。わがままだけど純粋なところが、彼女の最大の魅力かもしれませんね。
しかしそこへ、幼馴染の白鳥スワンが登場。海外から3年ぶりに帰国した彼は、いきなり熱烈な告白をしてきました……。
- 著者
- 桜田雛
- 出版日
- 2017-09-26
歳三の言動にますます激しく一喜一憂する椿。それを誰よりも近くで見ている和巳の悩ましさも深まるばかりです。
歳三に対してはうるうると恋する瞳で魅了してくるくせに、和巳に対しては子どものように甘えてくるので、もはやたじたじ。
どう扱うのが正解なのか、自分はどうしたいのか、彼の悩みは尽きませんが、とにかくどちらの椿も可愛くてたまらないことは確かです。
きっぱりフラれたにもかかわらず、白鳥はまだ椿の周りをうろついていました。その存在に嫉妬をし、和巳は歳三の姿で椿を押し倒してしまいます。
手や耳にキスをされ、椿もうっとり。しかし途中で「助けて和巳……!」と泣きながら逃げ出してしまいました。残された和巳は、ひとりで自分の強引な行動を反省します。
その数時間後、屋敷に呼び出された和巳は、「パパには内緒で、セックスの練習させて」と下着姿の椿に押し倒されてびっくり!
- 著者
- 桜田雛
- 出版日
- 2018-01-26
ついに椿と歳三が結ばれるかと思いきや、まだ心の準備ができていなかったようです。ただ、単純に初体験を恐れる思いとは別に、どこか和巳への想いがあるようにも見えます。
また和巳も椿に対し、このまま子供でいてほしいような、早く大人になってほしいような、複雑な感情を抱えていました。
そんな時、体調を崩してしまった椿の父親に代わり、和巳の姿で椿とデートをすることになります。さてここで椿は何を思うのでしょうか。次巻にむけてますますドキドキが高まる展開です。
歳三と付き合っているのに、なぜか和巳にもドキドキしてしまう自分に混乱する椿。そんな時に、彼から誕生日プレゼントとして香水をもらってさらに胸が高鳴ります。そしてそのまま正直に自分の思いを彼に話すのです。
「どうしよう 和巳
胸が…ドキドキする…っ」
(『執事たちの沈黙』6巻より引用)
- 著者
- 桜田 雛
- 出版日
- 2018-05-25
しかし和巳はそれを受け止めつつも、お礼を言うだけではぐらかすのです。そしてそのあと、そのプレゼントを自分からではなく、椿の母親からだと言ってはぐらかしました。椿はそれが母親の好みではないことを感じ、なぜ嘘をついたのだろうと思うのですが……。
そこから和巳は、歳三としてフラれることで1人2役をしなくていいように画策するのですが、その計画によって窮地に陥ってしまうのでした。何と、椿が歳三から和巳に変わる場面を見てしまうのです。
この事件によって、2人の関係は急展開を迎えます。胸キュンな展開をお見逃しなく!いつもどおりちょっと天然な椿の様子も可愛いです。
わがままだけど、実は純情な乙女。真面目な執事だけど、実は中年クズ親父……お互いに両方の姿に惹かれていく恋。喜びも苦しみも2倍です。年の差な2人の前途多難な恋愛に、ぜひ一緒にときめいてみませんか?