華麗な見た目で命懸けのレースに挑む少女たちを描いた『Do race?』。可愛い女の子たちがスリリングな争いをくり広げるのが魅力になっています。今回は、そんな本作の魅力と各巻の見どころをご紹介しましょう。スマホの漫画アプリで無料で読むことができるので、ぜひチェックしてみてください。
まだあどけなさの残る少女たちが、危険なレースに身を投じていく本作。作者はokamaです。
少女たちは「ドレス」というレース用の衣装を身に纏い、空中でくり広げられる高速レースに挑みます。舞台設定はSF要素がたっぷりですが、少女たちはそれぞれレースに対しアツい想いを抱いているので、青春モノとして読むこともできるでしょう。
今回は、そんな本作の魅力と各巻の見どころをご紹介していきます。ネタバレを含むので未読の方はご注意ください。
- 著者
- okama
- 出版日
- 2017-02-28
まず本作の核となる「レース」についてご紹介します。
高速で空中を駆け巡りゴールまでの速さを競う、危険と隣合わせの競技なのですが、このレースに参加する際には「ドレス」と呼ばれる専用のマシンを身に纏う必要があります。ドレスは一見洋服のようですが、戦闘機のようなフォルムに変形し、空中を移動することができるのです。
試合の結果を左右するのは、もちろんレーサーの腕も大切ですが、ドレスそのものの性能も重要。F1のようなものを想像していただくとよいでしょう。
物語は、主人公のキュウがトップレーサーのミュラから「リリー」というドレスを譲りうけるところから始まります。キュウは難民で家が貧しく、レーサーとして飛びぬけた才能を持っていたものの、資金が無いため選手になることをあきらめていました。代表チームの入隊テストに圧倒的1位で合格したものの、辞退したのです。
その事実を知ったミュラが、「リリー」を手わたしてくれます。これまで使用していたものとは段違いの高い性能があるドレスですが、実は搭乗者がレースで負けた場合、爆発してしまうというとんでもないものでもありました。
キュウは困惑しながらも、レースに対する熱いを胸にレーサーになる道を選びます。
そんな彼女とミュラを中心に、登場する少女たちはそれぞれに悩みや葛藤を抱きながら戦いに挑みます。危険とわかっていつつも飛ぶことをやめられない彼女たちの姿は、常にどこか危うく、それゆえに輝いているのです。
主人公のキュウは、幼いころから貧しい暮らしをしてきたにも関わらず、相手が望んでいればなんでも譲ってしまう性格をしていました。優しいのももちろんですが、常に誰かに遠慮をしていたのです。
代表チームの入隊テストを受けた時のこと。キュウはトップで合格、幼馴染のロコは101番で不合格でした。
「101番だった!!あと1人ぬけたら合格だったって!!…あたしあきらめきれないよ!!」(『Do race?』1巻より引用)
友人の言葉を聞いたキュウ。お金が無いこともあり、代表選手となることをあきらめるのです。
その一方で、レースに対する想いやミュラに対する憧れは捨ててはいません。だからこそ、ミュラから「リリー」を譲り受けた際、彼女の目から涙がこぼれたのでしょう。ようやくチャンスを得ることができ、胸に秘めていた想いを爆発させて戦いに臨む姿はまっすぐで、力強いです。
物語が進むにつれ、キュウはレーサーとしてたびたび覚悟を迫られることになります。「リリー」は負ければ爆発する仕様のため、彼女はどんなレースでも勝ち続けなければなりません。そもそもレース自体も命がけなので、彼女は多大なるプレッシャーを感じながら勝負に向かいます。
遠慮して他者にゆずることばかりを選択していた少女が、1位を取るために奮闘し、一人前になっていく過程に胸が熱くなるでしょう。
- 著者
- okama
- 出版日
- 2017-02-28
主要なキャラクターが登場し、「リリー」を装着して初めてのレースが描かれる1巻です。
キュウはミュラからドレスを譲りうけたものの、その性能は他のレーサーも喉から手が出るほど欲しいもの。彼女からなんとか奪おうと、襲撃してくるのです。しかしどうしても渡したくないキュウは、「リリー」を賭けたレースを提案しました。
こうして初めてのレースに挑戦するのですが、勝手がわからないこともあり、キュウはさまざまなアクシデントに見舞われます。それでも持ち前のセンスで「リリー」の性能を引き出していき……クライマックスに差し掛かったころ、キュウと「リリー」は思いもよらない変化を遂げるのです。
さて勝負の行方は?
- 著者
- okama
- 出版日
- 2017-08-29
初めてのレースに勝利したキュウ。いよいよ本格的にレーサーとしての活動を始めることになります。2巻では、帝国のレーサーとチームを組んで大会に出ることになりました。前巻で対戦した、アヴリル、ギンザ、ミュラクロとともに挑戦します。
チームの誰かが勝利すればよいため、自分が1位になれなくても爆発することはないと、キュウは安心していました。
しかしいざレースが始まると、キュウがスタートできない、トップを走っていたアヴリルが負傷するなど、アクシデントの連続。不測の事態に陥りますが、チーム戦ならではのやりとりでピンチを脱していきます。
とくに口下手でうまく言葉を伝えることのできない、ミュラクロという少女とキュウの掛け合いは見どころ。言葉の足りない彼女をキュウが察してあげる良好な関係が築けていることがうかがえます。
果たして初めてのチーム戦で、勝利を収めることができるのでしょうか。