『サマータイムレンダ』の面白さネタバレ考察!スク水×ミステリー漫画が無料

更新:2021.11.28

「ジャンプ+」にて連載されているひと夏のサスペンスストーリー、『サマータイムレンダ』。幼馴染の死をきっかけに起こる、不可思議な現象、体験に思わず息を呑みます。 今回はそんな謎だらけの『サマータイムレンダ』の魅力をご紹介!スマホの漫画アプリで無料で読むこともできますので、ぜひこの機会にチェックしてみてください。

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『サマータイムレンダ』が面白い!考察したくなる、スク水×ミステリー漫画が無料で読める!

『サマータイムレンダ』は、集英社の公式マンガアプリ「ジャンプ+」で連載しているミステリー&サスペンスなコミックです。考察しがいのあるシリアスな展開、スク水姿の可愛い幼馴染が魅力的!

特に、日常に潜む非日常、という世界観が好きな方におススメな作品です。

主人公・慎平(しんぺい)と、幼馴染の潮(うしお)を中心にくり広げられるミステリーの謎を、今回は考察付きで大紹介しますので、ネタバレにご注意くださいね。

著者
田中 靖規
出版日
2018-02-02

『サマータイムレンダ』あらすじ

7月22日。主人公の慎平は、幼馴染・潮の死を知らされ、葬儀に参列するために故郷の島に帰ってきました。そこで「潮は他殺の可能性がある」という推測や、「影の病」、「影を見たものは死ぬ」、「潮に良く似た人を見た」という多くの情報が錯綜し、物語は急展開を迎えていきます。

真実を探るため、次の日から「影の病」を調べ始める慎平ですが、影に追い詰められ、殺されてしまうのです。が、気付けば見たことのある船の上に。

慌てて日付を確認すると、今日は「7月22日」……。あれ?時間が巻き戻ってる?

巻き戻った世界の中で、慎平は真実を見つけ出すことが出来るのでしょうか。

考察ポイント1:開始直後の潮の言葉の意味とは?タイムリープ?

「サマータイムレンダ」を考察するには、開始直後の主人公と潮の会話が重要になってきます。その第1話冒頭の台詞がこちら!

「なァ慎平……」
「ん?」
「ちょっと目ェつむって」
「うわっ!!ちょっ…何!?」
「もうええよ開けて」
「な…何した 今!?」
「プレゼントや!」
「イ…イミわからんわっ!」
「慎平さァ……実家帰るん何年ぶりか知ってる?」
「え?ああ…中学の卒業以来やから…2年ぶりか」
「ほんま…正月も帰って来ぇへんかったなァ~~」
「ご…ごめん…………」
「帰ったらみんなによろしくゆうといて!」
「…? どういうことよ…?潮…お前も一緒にー」
「私は行けやんよ ちゃんと私のこと 見つけてよ」
(「サマータイムレンダ」1巻より引用)

この後、慎平は何かに吸い込まれるような感覚を味わった後、気付けば船の上にいて、夢だと解釈します。しかし、この意味深な会話、ただの夢と片付けるのは早計な気がします。「サマータイムレンダ」の謎の1つがここにある……のかもしれません。

物語としては、死に戻りのループものですが、この会話の直後に慎平が死んだとは考えにくいですよね。また、潮が慎平にあげたプレゼントも気になります。

暗闇で「ピトッ」という表現がある事から、知らぬ間に何かを付けられたのだと推測できますが、その後すぐ慎平の身体に「ジジジ」とモザイクのようなものが広がっている(慎平は気付いていない)のが不穏……。

なにせ、敵対関係になる「影」に、このモザイクの表現が使われているので、もしかしてこの慎平と潮は影なのかと疑ってしまいます。

そして見逃せないのが、アプリ版での紹介文。

船上。幼馴染。これは夢のうちか。それとも、いつか見た(見る)光景か。
(『サマータイムレンダ』ジャンプ+1話より引用)

カッコ書きで、(見る)がついているのが重要そうですね。また、本編で、澪が慎平に「潮が最後につけていたネックレス」を遺品として渡すのですが、ここの潮はつけていないのです。しかし、後に出てくる潮にはネックレスがしっかりと!もしかすると未来の話なのかもしれませんね。

こうなってくると、どこからタイムリープしているのか頭がこんがらがりそうですが、それこそ本作の魅力です。ぜひとも自分ならではの考察を楽しんでみてください。

考察ポイント2:潮は他殺の可能性あり?

あらすじにも軽く書きましたが、潮は他殺の可能性が示唆されています。

作中では、潮は少女を助けるために海に飛び込み、死んでしまったと語られました。周りにも怪しい人物はいなかったと言うのもあり、他殺はあり得ないと事故死扱いになったようなのです。

しかし、昔からの友人に、首には絞められた跡があったと告げられ……。これは他殺の可能性を示す有力な情報ですね。

こうなると、注目するところはやはり、「誰が潮を殺したか」になります。

最有力候補は、やはり「影」だと思いますが、サスペンス&ミステリー系のストーリーなので、犯人がストレートにいくとも思えません(メタ推理ですが……)。

潮は、事故死か?他殺か?殺したのは、影か?人間か?

まだまだ謎だらけの「サマータイムレンダ」、今後の展開が楽しみですね。

日都ヶ島はモデルがある?そこで語られる「ヒルコ様」とは?

日都ヶ島(ひとがしま)とは、「サマータイムレンダ」に登場する架空の島です。慎平いわくこんな島だそう。

「和歌山県和歌山市 紀淡海峡に浮かぶ『日都ヶ島』
うしろに見えるのは淡路島だ
面積5.3km 人口はおよそ700人。特産品はよもぎ餅といかの塩辛
観光と漁業でなりたつ小さな離島」
(「サマータイムレンダ」第1話より引用)

この日都ヶ島は、島の形や立地等から、友ヶ島がモデルと囁かれています。実際に、友ヶ島の案内図と、作中に出てくる日都ヶ島の形を見ると、確かにそっくり!すぐ後ろに淡路島もありますし、ほぼ、間違いないといってもいいのではないでしょうか。

そうなると、モデルの島があるということは、作中の重要キーワード「ヒルコ様」もなにかモデルになった神様がいるのかもしれませんよね。実は、友ヶ島の離れ小島に「神島」という意味ありげな島があります。

これは、あの有名な神様、イザナギとイザナミが作った神様(島)の1つだと言われていて、その神様の名前がヒルコというのだそう……。

ヒルコは日る子(太陽の子)であり、
尊い「日の御子」であるがゆえに流された、とする貴種流離譚に基づく解釈もあり、
こちらでは日の御子を守り仕えたのがエビスであるとする
(「ウィキペディア」(ヒルコ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%AB%E3%82%B3
(2018/5/31閲覧))

確かに、エビス様は蛭子とも書きますし、蛭子はヒルコとも読めますよね。エビス様は漁業の神様として有名で、海から流れ着いたものすべてをエビス様として祀っていた風習もあるとか。それも、水死体でさえ祀っていたというのですから驚きです!

潮が死んだのも水場ですし、ヒルコ様とエビス様の逸話、日本神話と絡めると、少し違った見方ができるかもしれません。

目の前にいるのは、本物?偽物?「影の病」とは?

本作のメインどころである「影の病」。いわゆる島に伝わる風土病のようなものです。本作の説明によると……。

「影の病に罹ったら影をみるようになる……」
「!」
「影を見た者は死ぬ。影に殺されるんや。せやさけ病み人は、ヒルコ様にお祓いしてもろたとか」
(『サマータイムレンダ』1巻より引用)

影は間違いなく、見た目だけではわかりません。本作では色んな人の影が登場しますが、誰が本物で誰が偽者なのか、慎平には判別が付きません。

しかし、影の場合、なぜかモザイク処理のような表現がされるので、そこでやっと「この人は影だったのか!」と気付くことができます。また影の方は本物に比べると、多少物静かというか、妙に冷静な部分があるのも特徴でしょうか。

ただ、物語のメインである潮の影は、表情豊かで、誰かを殺そうなんて考えもしていない様子。やはり潮には例外的な何かがあるのでしょう。それとも影ではなく、本物の潮なのでしょうか。実は死んだ方が影、という可能性もありますよね!

ここで冒頭の「私を見つけてよ」がひっかかって来ますね。影が言ったのか、本物が言ったのか……。影だとしたら冒頭の後、慎平が殺されてループが始まった、とも考えられるかもしれません。

『サマータイムレンダ』のアニメ化とリアル脱出ゲーム化が決定!

2021年2月1日に「少年ジャンプ+」で『サマータイムレンダ』が最終回を迎えました。それと同時に、アニメ化とリアル脱出ゲーム化が決定。実写化企画も進行中と発表されました。

アニメ化記念企画としてリアル脱出ゲームが、物語の舞台のモデルとなった和歌山県・友ヶ島で2021年夏に開催されます。著者・田中靖規が和歌山県出身のため、和歌山市とのコラボが実現されました。

担当編集者は

離島サスペンス『サマータイムレンダ」の3年に渡る連載がついに完結、 そしてメディア化発表ができました! 応援してくださった読者の皆様のお陰です。

とコメントしています。

少年ジャンプ+では著者・田中靖規のコメントが掲載されています。また最新情報もそちらで更新予定だそうなので、あわせてご覧ください。

参照記事:離島タイムループサスペンス「サマータイムレンダ」完結! アニメ化&リアル脱出ゲーム化が決定! 


序盤から伏線だらけで、1話だけでも読みごたえがある本作。孤島で起こるサスペンスに終始ハラハラしっぱなしです。ちなみに、「ジャンプ+」にて、物語のヒントとなる「記録」が読めますので、興味がある方はぜひそちらもおすすめです。そんな『サマータイムレンダ』、読めば病み付きになること間違いなしです!

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