週間少年ジャンプで連載されていた、ハーレムもののラブコメディ『ニセコイ』。ドラマCDやアニメ、ゲーム、小説、実写など幅広くメディア化されている大人気作品です。 今回は、ヤクザの跡取り息子・楽とマフィアの1人娘・千棘を中心に巻き起こる、ちょっと甘酸っぱくも切ない、偽の恋人生活物語・『ニセコイ』の魅力を最終巻までご紹介します!
『ニセコイ』は、2011年に「週間少年ジャンプ」で連載されていた、まさに王道!なラブコメディ。ヤクザの跡取り息子ということ以外は普通の少年である楽、はねっかえりで不器用な少女・千棘を中心に、波乱のラブコメ展開が描かれます!
もちろん他にも、楽の片思い相手であり心優しい少女・小野寺小咲(おのでら こさき)や、楽の許嫁で病弱な橘万里花(たちばな まりか)等々、ストーリーを彩る魅力的なキャラクターがたくさん登場します。お気に入りの女の子を見つけるのも1つの楽しみ方かもしれませんね。
今回はそんな『ニセコイ』の魅力をあらためて大紹介です!ネタバレ込みなのでお気をつけください。
- 著者
- 古味 直志
- 出版日
今から10年前、主人公の一条楽(いちじょう らく)は1人の少女と、結婚の約束をします。その時に約束の証として、「錠」を楽が、「鍵」を少女が持つことになりました。
高校生になった楽は時を経ても、その約束を胸に秘め、再開を待っていました。そんな時、学校にとんでもないはねっかえり娘の桐崎千棘(きりさき ちとげ)が転校してきます。
千棘と楽はお互いに性格が合わず険悪だったものの、ヤクザの跡取りである楽とマフィアの一人娘である千棘は、2つの組織の平和のため、偽の恋人を演じることに!
こうして2人の、誰にもバレてはいけない、「ニセコイ」生活が始まるのでした。
1巻はまさに、タイトル通り、「ニセコイ」生活のスタートが描かれています。ヤクザの跡取り息子である楽と、マフィアの一人娘千棘ですが、2人の組織が同じ地域にいることで戦々恐々!今にもドンパチが始まってしまいそうな空気でした。
しかしその跡取り2人が恋人同士となれば、抗争なんてしている暇はありません。2人が末永く幸せになれるよう、家族たちは温かく見守ってくれる……だろうという事で2人は偽者の恋人同士を演じることになったのです。
けれどもこの2人、性格がまったく合わず、出会った初日から大喧嘩!さらに楽には想い人である小野寺小咲(おのでら こさき)の存在も大きく、初日から前途多難です。
果たして2人のニセコイ生活はうまくいくのでしょうか?
- 著者
- 古味 直志
- 出版日
その後、楽と千棘は組織の陰謀(大げさ?)により初デートをおこなうことになります。組織に見張られながら、時に命の危機も感じつつデートを遂行する楽ですが、千棘がチンピラに絡まれて……。
危うく千棘(と組員)がチンピラを亡き者にするかという時、楽はその間に立ち入り、千棘を連れ去ります。なぜ止めたのか、と機嫌が悪くなった千棘に、楽が言った言葉がこちら。
「勘違いすんなよ!あいつらをかばってんじゃねえ…!
ああいう殴る価値もねえ奴を殴るって事は
自分も同じ土俵の人間だって認める事になるんだよ!
ダセー事してんじゃねぇ!!」
(『ニセコイ』第1巻より引用)
今までロマンチストや女々しい部分を描かれていた楽が見せる、男らしいかっこよさと強い信念を感じる名言ですね。この後、手をつないでしまった事に気恥ずかしさを感じる2人の可愛さも見所です。
2巻では、楽の親友・舞子集(まいこ しゅう)、小咲の親友・宮本るり、千棘の構成員であり付き人でもある鶫誠士郎(つぐみ せいしろう)などなど、物語を動かしてくれる魅力的なキャラクターがどどどんっと登場です。
- 著者
- 古味 直志
- 出版日
- 2012-07-04
集とるりは勘が鋭く、楽と小咲が想いあっているのを知っているので、急に楽が千棘と付き合いだしたことを不審に思っているよう。しかし2人が付き合っていると信じている小咲は、すっかり気落ちしていました。 それを見かねたるりは、小咲を励ました時の言葉がこちらです。
「相手に好きな人がいるからって
アタックしちゃいけない決まりなんてないんだよ?小咲…」
(『ニセコイ』第2巻より引用)
ここから、小咲は勇気をもって楽に告白しに行きますがその結果はどうなるのか、ぜひ確認してみてくださいね。
3巻では、前回で登場した鶫の注目回です。誠士郎という名前もあり、男だと思われていた鶫ですが、実は女の子!なんでも、千棘を守るために女性であることを捨てた、という経緯があるようです。
また、千棘が鶫に向かって、「どうしてそんな服を着ているのか」と突っ込むシーンがありますが、これは「どうしてこの学校の制服を着ていないのか」ということではなく、「どうして男の子の服をきているのか」という事だったのですね。
また、風邪を引いた楽に、千棘と小咲がおじやを作りに来てくれたり、林間学校回で温泉シーンや肝試しなど、ラブコメには必須なイベントも盛りだくさん!でもあります。
- 著者
- 古味 直志
- 出版日
- 2012-08-03
そんななかでも、林間学校・肝試し回の楽&小咲をご紹介。2人は互いに思いあっているので、彼らが一緒にいるだけでニヤニヤしてしまうくらい可愛いのです!
肝試しのペアはくじ引きで、2人がうまくペアになれるかは運しだいなのですが、るりと集のたくらみもありつつ、無事にペアを組めることになります。そのときの上目遣い小咲ちゃんももちろん最高に可愛いのですが、次の台詞で楽も、読者も止めを刺されます。
「…そっか 良かった
嫌われちゃったのかと思った」
(『ニセコイ』第4巻より引用)
温泉回で少々やましい展開になったのもあり、小咲の顔をみれず避けてしまっていた楽に対してのこの台詞と笑顔!小咲のいじらしさ、可愛さ、優しさが前面に押し出されている名シーンです。
林間学校から戻り、学校生活に戻った皆ですが、ここでさらに新キャラクターが登場します。その名も、橘万里花(たちばな まりか)。なんと彼女は楽の許嫁だと言うのですが……?
3巻でちらっとですが、楽の錠に対する鍵を、小咲の他に千棘も所有していることが描かれているのですが、今回の万理花も持っていることがわかります。
10年前の女の子らしき面影を感じる小咲、約束の言葉「ザクシャ・イン・ラブ」を知っている千棘、そして新たに鍵をもち親公認の許嫁を名乗る万理花と、約束の女の子候補が増えててんやわんやな第4巻ですね。
- 著者
- 古味 直志
- 出版日
- 2012-11-02
新キャラクターの万理花もなかなか濃いキャラクターですが、その前に、イヤイヤだった関係のはずである楽と千棘の間に進展が!
雨の日、濡れて帰ることになった千棘と相合傘をするのですが、やっぱりそこでも軽い口げんかが始まります。しかし、雷が鳴ると怖くて楽に擦り寄ってしまうという、またまた千棘のギャップがいい空気をつくってくれています。
「…まぁでも最近はこのニセモノの恋人ってのも
案外悪くないかもって気もしてるけど」
(『ニセコイ』第4巻より引用)
これはかなりいい雰囲気ではないでしょうか。……しかし次の瞬間に、なんてね、と茶化す千棘。普段がツンデレのツンしかみせないだけに、この台詞は破壊力抜群です。
楽の許嫁ということで登場した万理花。しかも父親同士が決めた許嫁というのですから、かなり信憑性は高いのかもしれません……。さらに万里花は10年前の鍵を持つ少女、かも知れないということで急展開!
他にも、楽が小咲の家にアルバイトしに行き、台風のおかげで帰れず、2人きりで夜を明かすことになるという展開もあり、見逃すことのできない巻となっています。
- 著者
- 古味 直志
- 出版日
- 2013-01-04
しかし新キャラの万理花、本当に楽が大好きで、いわゆる押せ押せタイプ!家でお勉強会を開いた時の、嘘発見器で遊ぶ万理花はこんな感じで……。
「私は楽様を愛しているか?答えはYES!」
「お前一人で何やってんの!?」
(『ニセコイ』第5巻より引用)
機械の意味も何もあったもんじゃありません。この一言で、万理花がどんなキャラクターか大体把握できてしまうのが凄いですよね。
6巻では、学園ものの定番でもある文化祭イベントが始まります。楽たちのクラスは演劇をやることになり、演目はロミオとジュリエット!これまた定番のラブストーリーものです。
くじ引きで、ロミオは楽、ジュリエットは小咲が演じることになりますが、本番直前で小咲が倒れてしまうのでした。しかし頼みの千棘は、楽とマジな大喧嘩中で、万理花も病気で寝込んでしまっています……。
果たして文化祭は成功をおさめることができるのでしょうか?
- 著者
- 古味 直志
- 出版日
- 2013-03-04
この話の鍵は、楽と大喧嘩中の千棘です。そもそもどうして喧嘩しているのかというと、実は千棘が本当に楽が好きになりかけていたから。そんな時に、楽の気持ちを探ろうとして彼に「ありえねえ」と言われてしまったのです。
もちろん、楽は軽い気持ちでしたし、今までなら笑い話で済んでいたのですが、このときの千棘には深く刺さるまさに「棘」となってしまったのでした。
そんな中文化祭で、倒れた小咲の変わりにジュリエットを演じた千棘は、ようやく自分の気持ちに気づくことができて……。
「…こいつにーー恋をしているんだと」
(『ニセコイ』第6巻より引用)
ジュリエットの台詞、「愛していますわ、ロミオ様」にかぶせてのモノローグなのがにくい演出です!ニセモノの恋が、ホンモノの恋に変わった瞬間で、ニセコイを語るにはずせない名シーンといえるでしょう。
文化祭も終えて、次のイベントはクリスマス!うきうきで恋人らしいシーズンかと思いきや、千棘は非常に暗い顔をしていました。
その理由を問うと、千棘の母・桐崎華(きりさき はな)が帰ってくるとの事。母に会えるのに暗い顔をしているのが謎ですが、恋人として挨拶に行った楽は、なぜか華の秘書として働くことになります。
ぎこちない様子の千棘と華、複雑な親子関係の真相は……?
- 著者
- 古味 直志
- 出版日
- 2013-06-04
華は千棘より仕事の方が大切で、怖くて厳格な性格……だと思われていましたが、実は娘が大好きだけれど「自分は嫌われている」と勘違いして身を引いているだけの、不器用な人でした。
千棘も相当な不器用さですが、親子でここは似てしまったということでしょう!そんな2人をなんとか再会させた楽。そこで華は「私のことがまだ好きか」と問いかけるのです。その答えがこちら。
「全然私の事見てくれないし…!
何考えてるか全然分からないし…!
ついでに言えば超怖いけど…!!
でも 好きだよ…!!」
(『ニセコイ』第7巻より引用)
そして2人はお互い抱きしめあいながら大泣き。このシーンは、感動せざるを得ませんよね!
クリスマスを終えて次は新年イベント&バレンタインデーが待っています!ラブコメの王道イベントであるバレンタインデーがニセコイだとどうなるのか、とワクワクが止まりません。
思い思いの方法でチョコを渡そうと画策する女の子たちですが、無事に渡すことができるのでしょうか?
- 著者
- 古味 直志
- 出版日
- 2013-09-04
小咲は見た目は満点味は落第、という料理が上手いのか下手なのかよくわからないスキルの持ち主。しかし、バレンタインは珍しく(本人曰く100万回に1回)、見た目も味もパーフェクトなチョコを渡すことができました。
その時の台詞がこちら!
「…も、もしかしてこのチョコ 本命…」
「!! 義理です!!!
……でも……
…ちょっとだけ 特別な義理です」
(『ニセコイ』第8巻より引用)
あわてて敬語になっているのも、恥ずかしくて伏し目がちになっているのも、すべていいです。まさに「恋している」といった様子で非常にかわいらしいシーンですね!
9巻では新しい女の子がまたまた登場します。小咲の妹・春(はる)と、いつぞやにちょっと登場した、鶫の同僚ポーラ。マラソン大会が解されるなど、日常回がつまったほのぼのとした回が多いです。
ちなみに、春は小咲と顔こそそっくりですが、性格は少々活発な女の子。でもやけに生真面目なところや、好きな人話をすると慌ててドジ化してしまうところなどは小咲似ですね。気難しい性格のポーラと仲良くできることからも、千棘と小咲の関係を思い出してちょっとニヤニヤしてしまいます……。
- 著者
- 古味 直志
- 出版日
- 2013-11-01
ちなみに春は、楽に出会い頭パンツを見られたことで、毛嫌いしています。が、少女マンガのお約束展開が続き、トラブルに巻き込まれ助けてくれた楽に心惹かれていくのです。お約束展開だからか、楽の王子様なようなイケメン台詞が連発されているので、ぜひここら辺も注目してみてください。
その時のオススメ台詞がこちら。
「あーいいよそれでも オレは君にケガされる方が困る」
(『ニセコイ』第9巻より引用)
毛嫌いしている楽に助けられ、それを不快に思い抵抗していた春に向けて放たれた台詞です。楽の自分より他人精神が良く表現されていていいシーンです!
まあ、春ちゃんが楽を見直す日はまだまだ遠いようですが……。
巻数2桁に突入した記念すべき巻です。今回は楽の友人・集がMVP!
その日、楽たちの担任・キョーコ先生が寿退社することが決まり、沸き立つ面々。しかし集はいつも以上にはしゃいでいたり、と思えば神妙な顔つきになったりと何か様子がおかしいのです。
気になった楽は集に話しかけますが……?
- 著者
- 古味 直志
- 出版日
- 2014-01-04
なんと集はキョーコ先生にずっと片思いをしていたのでした。とはいえ、伝えるなんてできないと初めから諦めていた様子。
たしかに先生と生徒な上に、相手はもう結婚が決まっているという状況ですから、静かに身を引くのが正解なのでしょう。そういう点で集は大人かもしれません。しかし集は子供なのです。ここで、今、大人にならなくてもいい!
その時の、相談に乗っていた楽が言った台詞がじん、とくるもの。
「1回くらい メシおごらせろよ」
(『ニセコイ』第10巻より引用)
まさに男の友情。胸があたたかくなりますね。
11巻では、楽が記憶喪失になった話から始まります。懸命に試行錯誤しつつ、記憶をなんとか取り戻すために奮闘する千棘たちですが、どうなるのでしょうか?
そして新しいキャラ、万里花の友人・御影(みかげ)も登場し、また楽にトラブルが……。
- 著者
- 古味 直志
- 出版日
- 2014-03-04
この巻で、楽は今までのことをすっかり忘れ別人のようになっているのですが、ここで明かされる千棘の本音に心打たれます。
「去年…あんたと昔会った事があるって分かって私…嬉しかった…!
運命みたいな物を感じてドキドキしてた…!
でも…そんな事はもういいの…!
私が約束の女の子じゃなくったっていいから…!
ちゃんと私の事 思い出せ!!!バカもやし…!!!
(中略)私の名前は桐崎千棘…!
あんたのニセモノの恋人で、あんたの大嫌いな女の子…!
そして…私はあんたにとってなんだったの…」
(『ニセコイ』11巻より引用)
千棘が楽に対して、悩んでいたすべてがここに詰まっているような気がします。名言として紹介するには長いかもしれませんが、名シーンとして外せないところですので、ぜひ続けて読んでみてくださいね。
12巻は、季節が一周して2回目の夏がやってきました。千棘が楽に告白しようとしたり、皆で花火大会に行ったり、七夕回があったりと、1話完結ものが多い印象です。
しかし去年と比べると違う距離感にニヤニヤしてしまいますね。
また、組織のお茶目騒動も相変わらずで、今回は「力を弱める抑制剤」を開発した様子。見た目や味はただの金平糖で、鶫はそれを知らず食べてしまうのでした……。
- 著者
- 古味 直志
- 出版日
- 2014-05-02
すっかり力が出なくなり、クラス1の運動オンチ万理花と同レベルにまで落ちてしまった鶫は、千棘を守れないと落ち込んでしまいました。たった1キロの銃も満足に持てない姿も可愛いのですが、ヒットマンである彼女の役割を考えれば、確かに大問題!
その時の、千棘の台詞がこちら。
「私があんたをただの便利なボディーガードとして側に置いてると思ってるつもり!?
二度とそんな事言うんじゃない!!
あんたがいなきゃ寂しいでしょ バカ!!!」
(『ニセコイ』第12巻より引用)
千棘と鶫の友情の強さ、2人の絆の再認識ができるいいシーンです。
13巻では、とうとう春が楽と千棘の関係を知ってしまうお話があります。花火大会で迷子になってしまった楽と春は、2人で夜店をまわりますが、大嫌いだったはずの彼と楽しくお祭りを回ることで、春は段々と自分の気持ちに気づき始めます。
それと同時に、前に自分を助けてくれた王子様が楽なのではないかと感づく春。彼女の気持ちはどう動くのか、先が気になる13巻です。
- 著者
- 古味 直志
- 出版日
- 2014-08-04
「…私は不服じゃないですよ先輩と一緒でも…」
「え?スマン今なんて?花火でよく聞こえな…」
「…先輩 私が探してる王子様って 先輩なんですか?」
(『ニセコイ』第13巻より引用)
1人の少女の物語が動きそうな予感のする名シーンです。隠し続けようとした楽=春の王子様という事実は、暴かれるのでしょうか。
この巻では、またまた新たな女の子が登場!楽が姉と慕う幼なじみ・羽(ゆい)と再会します。なんと羽はチャイニーズマフィアの首領!さらに楽の高校の担任に就任&楽の家に居候が決定して……?
しかも羽も鍵をもっており、10年前の約束の女の子候補だということがわかります。さらに増えてしまい、楽はまたも頭を抱えます。早く思い出して!とついつい焦っちゃいますね。
- 著者
- 古味 直志
- 出版日
- 2014-10-03
また、進路相談イベントもあり、小咲が自分の行く道を考えます。その時のモノローグが刺さり内容です。
「私 小野寺小咲 高校二年生は今 悩んでいます
将来の夢ってなんだろう 私のしたい事ってなんだろう
お母さんは家を継げって言うけれど
私には私が本当にやりたい 私にしかできない仕事というのが
この世のどこかにあるんじゃないか なんて
甘い夢を見てしまうのです…」
(『ニセコイ』第14巻より引用)
誰もがこの時期、こんなふうに悩んだことがあるのではないでしょうか。数あるエピソードのなかでも、かなり印象的な台詞です。
15巻は、新キャラの羽が光ります。いわゆる、「ライバル宣言」という回なのですが、嫌味は一切なく、さわやかに描かれるのが、彼女の怖さというか、純真さを表現していて凄いです。
万理花も同じようにライバル宣言をしているはずなのですが、負けない!という気持ちより、凄い!という気持ちが勝ってしまうのが不思議。
羽が登場したことによって、10年前の出来事がぐっと進む、重要な巻です。
- 著者
- 古味 直志
- 出版日
しかし小咲も負けてはいません。その宣言を偶然聞いていた時の返しがかっこいいのです!
「…負けないよ
…どんなに凄い人が相手だって私…負けないから…!
だって…私だって一条君の事すっ…好きだから…!!
諦めることなんてできないもん…!!
先生がその気なら私も戦うから…!
きっと一条君の事振り向かせてみせるから…!!」
(『ニセコイ』15巻より引用)
大きな恋敵が現れて、いつもなら小咲は動揺して落ち込み、千棘は戦うのでしょうが、今回に限ってはそれが逆になっているのが面白いです。小咲の成長も感じられていいシーンですね!
16巻では、羽のオンチを治そうとしたり、千棘にそっくりなとある王国の王女と出会ったり、またまた組織のお騒がせ発明品に振り回されたり、万理花が動物嫌いを克服しようとしたり等々盛りだくさん!
数話をまたいでの長編、王女様のお話は特に面白いのでオススメです。
- 著者
- 古味 直志
- 出版日
千棘にそっくりな顔立ちの少女、マルーシャはとある王国の王女様。千棘がスケープゴートになることで、楽と日本を回ります。
その後のスピーチがこちら。
「日本ノ事ガ好キデス
ソシテ コノ国ニ住ンデイル方ノ事モーー大好キデス」
(『ニセコイ』第16巻より引用)
文章では伝わりにくいかもしれませんが、「この国に住んでいる方の事」のときに、楽を思い浮かべている王女様。それに大好きを重ねているのが心憎い演出ですね!
17巻では前回を跨いで、小咲と楽の2人きり旅行回です!といっても、名目はアルバイトで、そのお礼として一泊していけ、という事なのですが、年頃の男女が2人きりで同じ部屋にお泊り、と考えただけでも悶えますね。
そして楽が、小咲の「ハツコイの相手」が自分だということに気づいて…!?
- 著者
- 古味 直志
- 出版日
「どうして初コイの相手がオレだといいなって思ったんだ…?」
「え…そ…それは……」
(『ニセコイ』第17巻より引用)
言ってしまうのか、気づいてしまうのか!?とドキドキなシーンです。小咲のかわいさも溢れて止まりませんので、ぜひ確認してみてくださいね。
18巻は前巻から続いて、修学旅行・京都編です。楽はパワースポットとして人気のお寺に行くことにしますが、そこには、当たれば恋愛成就の弓矢が…!?千棘や万里花や小咲から、矢をあててやろうと狙われ…?
楽に矢を当てられるのは誰なのでしょうか。
- 著者
- 古味 直志
- 出版日
ようやく弓矢騒動もおさまり、楽と千棘は2人で休憩を取っていました。そのときの台詞がこちら。
「私は今は恋人のフリだって悪くないって思ってるけど…」
「はぁ!?バ…バカ言えもう騙されねぇぞ!?
前にもそう言ってオレをからかって…」
「……ううん ホントだけど?
(『ニセコイ』第18巻より引用)
最初のほうで言っていた台詞のオマージュを使ってくるのがずるい!こんなのここまで読んできた読者ならば誰でもニヤニヤしちゃいますよね。
「もう恋人のふりをしなくていい」……。
突然そう告げられた2人は戸惑います。その理由は、千棘が引越しをすることになったからなのでした。千棘は1人でも残ると言い出しますが家に監禁され……。
しかしその引越しも取りやめになり、何とか残れることになります。その時、楽は引越しを止めるため奮闘してくれたのですが、どうしてそこまでしてくれたのかと迫り、その答えに…?
- 著者
- 古味 直志
- 出版日
「それはオレがお前の事を…親友だと思ってるって事か?」
(『ニセコイ』19巻より引用)
鈍感すぎるでしょ楽ー!と叫びたくなるシーンです。千棘の恋愛ロードはまだ遠い、と認識しつつ、嫌いから始まった関係だと思うとここまで仲良くなった、とも思えるシーンですね。
19巻は書ききれないくらい名場面が多いので、ぜひ確認してみてください!
孤島で遭難した万里花と楽からスタートする20巻!しかし途中で、万里花が体調を崩してしまいます。無理はできないと、初日の出を見る計画を止める楽ですが、あまりの気迫に折れることにします。
- 著者
- 古味 直志
- 出版日
その時、万理花は楽に、自分の思いを語り……。
「楽様が楽様でいてくれた
ただそれだけで私は救われたんです…
今の私があるのは楽様のおかげです だから…私…」
(『ニセコイ』第20巻より引用)
他のヒロインとは違い、まっすぐに自分の思いをぶつけてくれる万理花。楽は、自分はこのままでいいのかと悩みます。この後、楽はどんな答えを出すのでしょうか?
物語が急速に進んでいく予感がしますね。
前巻と続いて、万理花に視点が当てられていく21巻です。バレンタインのイベントですが、なにやらいやな予感が……。
今年は無事、素直に渡せた面々ですが、万理花は病気で学校を休んでしまいました。しかし何とかやってきた万理花は、楽に「覚悟」を決めてこう告げます。
- 著者
- 古味 直志
- 出版日
「…ねぇ楽様 やっぱり私ではダメですか?
私…楽様のこと一生大切にします
一生愛し続けます
何があっても裏切りません……
だから…どうか…」
(『ニセコイ』21巻より引用)
万理花が楽に告白するのは今回に限ったことではありません。しかし、今回は本当に本当の「覚悟」を持っての告白でした。それに気づいた楽は……。
20、21巻と名言1つでは語りつくせないほど、濃密な回が続きます。ぜひとも直接読んでみてくださいね!
ついに万里花と親が決めた相手との結婚式が執り行われようとしています。誓いのキス目前…といったところで、楽が乱入!結婚式をぶち壊し、彼女を助けようと動く面々の中、万理花は……!?
- 著者
- 古味 直志
- 出版日
しかし万理花の事が大切、力になりたい、でもそれは恋人としてではなく「友達」だからと告げる楽。それに対して万理花がどう気持ちにケリをつけたのかはわかりません。楽が自分を選ばないということは、彼女が一番よくわかっているようにも思います。
彼女を選ばないのならば、この結婚式をぶち壊すということは、本当に、万理花のためになるのでしょうか。そんな疑問が浮かびますが……。
「…私の事 さらって下さいますか」
(『ニセコイ』22巻より引用)
この台詞と涙と笑顔を見たら、そんなグダグダした考えは吹っ飛ぶでしょう。もう、なんでもいいから万理花をこの地獄から救って!と楽を応援しちゃいますね。
最終回に向けて、色んな風呂敷がたたまれ、フラグが回収されていくのが分かる23巻。楽が最終的に選ぶヒロインは誰なのか、というのを感じて、日常、デート回も切なく感じますね。
そしてとうとう、楽が千棘への思いを認識して……?
- 著者
- 古味 直志
- 出版日
「こいつといるのを心地よく感じて楽しいって思って
一緒にいたいと思うーー…
小野寺とも橘とも羽姉とも違う
千棘といる時だけ感じてる心地よさ…
…そうだ”コレ”が
"コレ"が "好き"って事なんだ」
(『ニセコイ』第23巻より引用)
これから、好きな人が2人いる、という状況で、楽が何をどう選択するのか……。ドキドキ期待しつつこのままうまくいくのか、ハラハラもとまりません。
この巻で、小咲と千棘は楽に告白することを決めます。しかし、小咲の独り言を聞いて、小咲の好きな人も楽だということを知ってしまう千棘。大切な友達の好きな人、という事で身を引くことにした千棘は、皆の前から消します。
なんとか居所を掴んだ楽は、小咲とともにニューヨークへ向かいますが、ようやく見つけた千棘は逃げ回り……。
- 著者
- 古味 直志
- 出版日
その時小咲は、千棘に「楽が好きだ」と叫びます。その言葉を聞いて立ち止まる千棘。本当は楽が好きなのではないかと問う小咲に、千棘は「違う」とウソをつきます。
「…逃げないでよ」
(『ニセコイ』第24巻より引用)
この言葉は、千棘にどう響くのでしょうか。ここから物語はノンストップで最終巻へ続き、「約束の地」へ!
ぜひこのまま続けて読んでみてください!
約束の地へ足を向ける楽、千棘、小咲。お互いが誰かに思いを伝えるために集まります。そこで、千棘は、楽の「約束の少女」が誰だったかを知るのでした。
大切な友達の好きな人。それを奪うような真似はできず、ただ泣き続ける千棘に、そこで出会った万理花が思いをぶつけます。
「ウチは伝えたとよ!?なんべんも なんべんも…!
どんなに結果がわかっとっても
言葉にして…声に出して…こん口で伝えたとよ…!?
本当に本気で好いとっとなら
そいをなかったことにするんやなか…!!」
(『ニセコイ』25巻より引用)
- 著者
- 古味 直志
- 出版日
この言葉に走り出す千棘。間に合うのでしょうか、思いを伝えられるのでしょうか。そして楽は、彼女を選べるのでしょうか。
そして、とある人からの昔の手紙に書かれた言葉が描かれます。
「私はずっとらくくんのことが好きだと思います
らくくんは いまも わたしのこと すきですか?」
(『ニセコイ』25巻より引用)
これを書いた人物は……?
表紙が1巻と同じ、そしてタイトルも同じ「ヤクソク」と、にくい演出です。24巻から25巻はクライマックスへと止まらない、怒涛の展開。ぜひその手にとって楽の決断を見届けてくださいね。
偽の恋と本物の恋、昔好きだった人と今好きな人……。どちらをとるのか、ハラハラしつつもすれ違う思いにヤキモキしてしまうラブコメディ『ニセコイ』。楽が選ぶのは誰なのか、最後まで気が抜けない1作となっています。
ちなみに、番外編で、小野寺が主人公の魔法少女(!?)コメディも発刊されていますので、気になる方はそちらもぜひチェックしてみてくださいね。