プログラマー・飯田好実が愛してやまないもの。それは……お取り寄せグルメ!しかも、それらは実在するのです!そんな美味しいグルメの魅力はもちろん、主人公を取り巻くヒューマンドラマに笑ったり、時には感動したりできる漫画が本作『おとりよせ王子 飯田好実』なのです。 今回は全7巻分の魅力を、注目のお取り寄せグルメと合わせてご紹介。スマホアプリから無料で読むこともできるので、そちらからもどうぞ!
2011年から「月刊コミックゼノン」で連載が開始。タイトル通り、主人公・飯田好実がお取り寄せグルメを楽しむという内容となっています。
そんな本作最大の特徴は、作品に登場するお取り寄せが、すべて実際に存在するものだということです。
- 著者
- 高瀬 志帆
- 出版日
- 2011-11-19
お取り寄せが美味しそうなことはもちろん、好実を始めとした個性的なキャラクターもインパクト抜群。2013年には、名古屋テレビでテレビドラマ化もされました。
コミック全7巻の他、「WEBコミックぜにょん」でスピンオフ作品『飯田くんの休日』も連載されるなど人気を博しています。
この記事では、そんな人気作品の見所を全巻分ご紹介!さらに、作品のなかから厳選した商品もご紹介するので、お見逃しなく!
プログラマーとして働く飯田好実の、密かな楽しみ。それは週に1度、ノー残業デーで早く帰れるその日に、全国各地のお取り寄せグルメを食べることでした。
人付き合いが苦手で、職場では態度が悪いと言われつつも、彼は自分だけの大切なお取り寄せ趣味に邁進するのです。
しかし、そんな彼のお取り寄せが周りの人間を助けたり、反対に助けられたりとするきっかけにも……?好実の溢れるお取り寄せ愛と、そんな彼を取り巻く人々を描いたグルメ漫画です。
おすすめのグルメ漫画を紹介した<飯テロ注意!グルメ・料理漫画タイプ別おすすめ30選!>もあわせてご覧ください。
本作では実際に販売している食品が多数登場。そのすべてが魅力的で、読んでいたら思わずお腹が空いてきてしまいます。今回はそんななかからいくつかご紹介。独断と偏見で、ランキング形式で発表します。
食べたくなったら、実際に取り寄せてみちゃいましょう!
作中では山ウニ豆腐を焼きおにぎりで頂いているのですが、とても美味しそう!ちょうど夜中に読んでいたのですがお腹が空いてしまいました。なんて飯テロ!けしからん。
あまり聞きなじみのない食品かもしれませんが、この機会にぜひお取り寄せしてみてはいかがでしょうか。
壱岐もの屋の商品。ご飯+具材+お湯というインスタントならではの気軽さで味わえるこちらですが、味はなんとも本格的。しかも、具材はタイとイカという豪華さです!セットで付いてくる梅干しも、相性抜群。
その豪華さからか、お茶漬けが輝いて見えます……。
小田原みのや吉兵衛の商品。ご飯のお供にも、お酒のお供にもなる最強の商品ですよね。こちらの商品、名前からなんとなくわかるとおり、酒粕に漬けて作られています。しかも、なんと大吟醸の酒粕……!贅沢です。
イカの塩辛の味の奥に感じる、酒粕の風味も楽しい一品です。
こちらの商品をご存知でしょうか。作中で飯田は、トーストにバターを塗って頂いていたのですが、曰くスイーツのようでフワフワらしいです。他にも烏骨鶏シフォンケーキなんかもあります。
栄養価が高いというのも、嬉しいポイントでしょう!
この名前を初めて耳したという方も多いのではないでしょうか。半澤鶏卵が販売している、燻製卵となっています。
外のスモーキー具合と、中の半熟加減が最高!柔らかい食感は、この商品ならではです。
飛騨にあるキュルノンチュエが、本場フランスの味を再現した「ソオスィソン・セック フルール・ブランシュ」という商品。真っ白なソーセージです。
その白さの正体は……カビ!しかし、これで引いて食べないのは勿体無い。このカビがあることにとってソーセージから余分なものを取り除き、結果旨味だけを残してくれるのです。まさに絶品の一品。
なんともかっこいい名前ですが、その正体はチーズケーキです。北海道の「洋菓子アリス」の商品になります。
好実はこのチーズケーキ1つ1つに、ワイン、ブランデー、コーヒーなど異なる液体をかけて食べていました(最高!)。ぜひ皆さんもお取り寄せした際には、試してみてはいかがでしょうか。
豊味館の商品。絵でもわかるとおり、角煮が豪快に3切れも入っています。しかも、その肉はトロットロ。食べ応え満点です。
ちなみに、この角煮を崩しながら食べるのだとか。
こちらは但熊(たんくま)という、兵庫県にある卵かけご飯を取り扱っているお店の商品です。やっぱり、みんな大好きTKG!本作に初めて登場したお取り寄せグルメでもあります。
卵、米、さらには醤油までセットになったこちらの商品は、最高の卵かけご飯を味わうことができるのです。「たまごかけごはんしょうゆ」と「かき醤油」、異なる風味の2つの種類を楽しめます!
これは、群馬県の伊香保の水沢うどんと、老舗カレー店「DELHI(デリー)」のコラボ商品。
一般的にカレーうどんは、キーマカレーですることは少ないと思います。しかし、しこしこのうどんとスパイスの効いたキーマカレーの相性は抜群。飯田が美味しそうに食べていたので、思わずお取り寄せしてしまいました。
このように『おとりよせ王子』では、あまり世間に知られていない美味しい食べ物がたくさん出てきます。それを知れるのも、本作の1つの魅力かもしれませんね。
今日は、待ちに待ったノー残業デー。しかし、システムエンジニア班で働くプログラマーには、突発的なトラブルが付きものでした。その日も社員達がいざ帰ろうとした時にトラブルの連絡が入り、今日は早く帰ろうとウキウキしていた社員達もガッカリ。
そんななか、飯田好実はなんとしてでも9時までに帰るべく、本気モードにスイッチが入り……!
- 著者
- 高瀬 志帆
- 出版日
- 2011-11-19
主人公・飯田好実は、常に多忙なシステムエンジニア班で働くプログラマー。納期の間際には職場で同僚とともに徹夜をして死にかけてしまうような職場ですが、毎週水曜日はノー残業デー。
彼は、その日を毎週楽しみにしていました。なぜならその日は、早く帰れるため宅配業者から直接荷物を受け取れる日……そう、お取り寄せしたものを食べられる日だったからです。
トラブルで早く帰るのを諦める中、彼だけはなんとしてでも配達受け取り時間の9時までに帰るため、本気モードでトラブルを解決して帰宅。彼の趣味を知らない同僚達は付き合いの悪いヤツだと思っていますが、そんなことも気にせず、ただひたすらお取り寄せ趣味に邁進するのです。
本巻の1話で取り上げられたお取り寄せ商品は但熊の「卵かけご飯セット」。卵はもちろん、お米と醤油もセットになっている商品です。醤油は「たまごかけごはんしょうゆ」と広島産の牡蠣エキスが詰まった「かき醤油」の2つが入っていて、その濃厚な味には好実もすっかり感動していました。
その他にも、そのまま食べても、パスタにしてもおいしい「花瑠&華星(オイル&オイスター)」も要注目です!
さらに、好実流のアレンジ「オレオリ(オレオリジナル)」も本作の特徴。ちょっとだけ手を加えるアレンジは家にあるものだけで出来ることが多いので、真似してみたくなるものも多いですね。
また、好実は本名でSNSをやっており、お取り寄せ情報を発信しています。これが後にちょっとした事件にもなったりするので、ぜひこの辺りもチェックしてみてください。
昼休憩に、和食気分だった好実は、ふらりとなんとなく目に止まった定食者に入りました。しかし、そこで出てきたのは、ボリュームたっぷりな山盛りご飯と、大きいもの大好きなしゃべり続ける店主の親父。
彼のペースに巻き込まれた好実が、食べきれない量のご飯を前に取った行動とは……?
- 著者
- 高瀬 志帆
- 出版日
- 2012-11-20
お取り寄せに並々ならぬこだわりを見せる好実ですが、意外にも小食であまり量は食べられないよう。しかし、食べることにこだわりのある彼には食事に対しての流儀もあるようで、本巻では食べ物を残すことに抵抗を示す場面も描かれていました。
そんな彼は何の気なしに入った定食屋で、まさかの大盛りご飯を出されてしまい、すっかり胃もたれ状態に。夜になっても、ご飯を食べる気になりません。しかし、その日はノー残業デー。届いたものは、京都かむらの「とうがらしおじゃこ」でした。
半年待ちのこのお取り寄せに、彼の食欲もすっかり回復。さっそく食べることにしますが、彼のすごいところはやっぱり普通に食べて終わらないところ。おじゃこを混ぜたご飯を潰して作った「とうがらしおじゃこせんべい」は、紙面で読むだけでもおいしそうです。
人付き合いが苦手で、店主にもそんなに食べられないと告げることもできずにご飯を食べ続けた好実ですが、食に対するこだわりと探究心はすごいもの。好きなものがあるっていいなあ、なんて感じる方も多いかもしれませんね。
他にも、魚介の味が特徴的な明太子にも注目です!
中途採用で好実の会社に入ってきたイケメン・盛田。彼が来てから、職場は何となくソワソワした空気になっていました。なぜなら盛田は、イケメンでリア充な男だったからです。
人付き合いが苦手で、キラキラしたことやリア充なことがもっとも苦手な好実にとっては、まさに天敵ともいっていい存在でしたが……!?
- 著者
- 高瀬 志帆
- 出版日
- 2013-05-20
本巻では、中途採用で入社してきた盛田が登場。彼は、好実のいる職場では珍しいキラキラしたリア充タイプの男です。
好実はもちろんのこと、職場の同僚からも浮いた存在のようでしたが、本人はそんなことに気が付いていないのか、あるいは気にしていないのか、同僚をランチに誘います。その日は逃げ遅れた好実が捕まってしまいました。
上司からの無言の圧力もあって、結局、好実は盛田とオシャレなカフェでランチをすることになります。そこでランチをしながら、盛田にSNSをやっていないのかと聞かれた好実は、咄嗟にやっていないとごまかしたのですが……本名でやっていたために呆気なくバレてしまいました。
もっともバレたことを好実は知らないので、この展開が今後どうなっていくのか、また彼のSNSのフォロワー数の多さを見た盛田が何を思っているのかなど、お取り寄せ以外にも気になるポイントです。
本巻で注目のお取り寄せは、キュルノンチュエの「ソオスィソン・セック フルール・ブランシュ」。怪しい呪文のような名前ですが、白カビに包まれた真白なソーセージのことです。
「キュルノンチュエ」には「美味しいもので貴方を困らせてなぜいけないの?」という意味がこめられているそうで、この商品もその名前のとおり、大変味わい深いソーセージだそう。ぜひワインと合わせて食べてみてください。
納期に追われて完全徹夜コースを突っ走る好実と、その同僚達。死ぬ気で仕事をするなか、好実は上司命令で盛田とともに夕食の買い出しに行くことになっていました。
買い出しに行く途中、デートをドタキャンされて機嫌を損ねているという彼女と盛田の電話のやり取りを間近で聴いていた好実は……。
- 著者
- 高瀬志帆
- 出版日
基本的には好実がお取り寄せしたグルメを楽しむ姿を描いた本作ですが、巻数も4巻目となり、彼の周りにもいろいろなキャラクターが登場してきました。
好実が苦手としている盛田をはじめ、職場には派遣社員でシングルマザーの遠藤や、好実の数少ない友人の1人である松木など、人付き合いの苦手な好実も、自身の希望はともかくとしても少しずつ交流が広がっていくのを感じることができるでしょう。
苦手意識を持っている盛田に対しても、到底理解のできない相手だと思いつつ、それほど拒絶反応を起こしていないようにも見えます。
本巻で注目したいお取り寄せは、昭ちゃんコロッケ株式会社の「昭ちゃんコロッケ」です。コロッケというと揚げたてが美味しいイメージもありますし、お取り寄せにあるなんて少し驚く方もいるかもいるのではないでしょうか。
パック入りされて届けられるこの商品は、ボリューム感のあるメークインと国産牛の旨みがぎゅっと詰まった美味しいコロッケ。おかずの定番であるコロッケも、お取り寄せとなると非日常的な高級感を覚えることができます。それもお取り寄せならではの魅力かもしれません。
人付き合いが苦手で、特に飲み会のような場は嫌いな好実ですが、この日の新年会は自ら期待してやってきました。なぜなら新年会をおこなうお店が、焼き鳥の名店だったから!
期待に胸を膨らませて行った彼でしたが、そこで待っていた上司の仕打ちとは……!?
- 著者
- 高瀬 志帆
- 出版日
人付き合いが苦手な好実にとっては、会社の飲み会は社会人の義務以外で参加することはない場でしたが、今回に限っては名店の焼き鳥を食べたいあまりにやってきました。
焼き鳥を前にワクワクが止まらない彼でしたが、そんな前で上司は、みんなが食べられるようにと焼き鳥を串から全部バラバラに外してしまいます。食に並々ならぬこだわりを見せる好実は、それに大きなショックを受けてしまい、飲み会の席を後にしました。
焼き鳥を串から外すのは、大人数の席ではよくあることですね。しかし、彼の感想はこう。
焼き鳥は串から抜いたらただの鶏肉じゃないかぁぁぁ
(『おとりよせ王子 飯田好実』5巻より引用)
この言葉を聞くと、そのとおりかも……とも思えます。串からワイルドに食べる焼き鳥は、確かに美味しいです。
しかし、店を飛び出したものの、トラブル続きで美味しい焼き鳥にありつけなかった彼が家でやっとご対面できたのが、鶏肉の部位すべてを1本の串に刺して食べられるという、水郷のとりやさんの「水郷どりまるごと一本」でした。
定番のモモや軟骨を始め、首の肉であるきりん、お尻の先の肉のボンボチなど珍しい部位まで味わえる他にはない焼き鳥です。珍しい部位の知識をちょっとだけ得られるのも面白いところですね。
また、好実が飲み会の席からいなくなったことにすぐ気が付いたり、SNSをマメにチェックしている様子だったりと、何かと彼にライバル心を燃やしているような盛田の動向も気になります。この2人の関係性にも注目です。
寒さも本格的になった頃、家にコタツを出した好実。出不精の彼にとっては最高のアイテムであるコタツで、もらったばかりのボーナスの明細を眺めて至福の時間を過ごしていました。
一方、何かと彼を他の同僚と関わらせようとする上司は、どうやら家庭に問題を抱えているようで……。
- 著者
- 高瀬志帆
- 出版日
今回も美味しそうなお取り寄せにお腹が減る一方、気になるストーリーも盛りだくさんの第6巻。水餃子だったりウニだったりと見るだけでも美味しそうなお取り寄せが並ぶなか、老若男女問わず喜ばれそうなのは、ベルファームの「生搾りメロンジュース」です。
茨城の生メロンを搾って作ったジュースは、添加物はもちろん水も使っていない100%メロンのジュース。冷凍状態で届くので解凍してジュースとして飲むのはもちろん、半解凍のシャーベット状で食べるのも美味しい商品。どんな人も思わず笑顔になってしまうこと間違いなしです。
ところで、何かと引きこもりがちで人と関わりたくないと思っている好実ですが、案外、彼の行動が周りの人間を助けることもあります。もちろんすべてお取り寄せが関わってくるわけですが、ひょんなところから同僚との交流が生まれたり問題を解決したり……。
相当の変わり者である彼は、同僚の間でも仕事はできるが態度は悪いという評価を得ているので、そうやって結果的に周りを助けることになっている姿を見られるのは面白いですね。お取り寄せから生まれる人間関係にも、ぜひ注目してみてください。
人の「美味しい」を鵜呑みにはしないと決めている好実でしたが、同僚達があまりにも美味しそうに食べているものを見て、思わずその場でお取り寄せ。
さらに、人付き合いはもちろんアウトドアの経験も皆無な彼が、歓迎会バーベキューの幹事に指名されてしまい……!?
- 著者
- 高瀬志帆
- 出版日
週に1度、ノー残業デーにおこなわれる、ささやかなお楽しみであるお取り寄せ。実在するお取り寄せはもちろん、好実流の「オレオリ(俺オリジナル)」も楽しい「おとりよせ王子」ですが、それも本巻が最終巻です。
最後とばかりに好実の家族が勢ぞろいしたり、好実がまさかの歓迎会バーベキューの幹事を任されたりと、いろいろなことがバタバタと起こります。なかでも気になるのは、やっぱり彼が幹事を務めるバーベキューの回でしょう。
これまで散々人付き合いが苦手で、職場でも気を許す相手のほとんどいない好実が描かれてきました。しかし本質こそ一貫しているものの、経験のないアウトドアを何とか成功させるべく、友人にアドバイスを求めたり、食材を探したりと準備に奔走する姿は、これまでにないアクティブさが感じられます。
もちろんお取り寄せも注目で、彼がバーベキュー用に用意した肉は、ヤンバオの「マンガ肉」。名前のとおり、マンガに出てきそうな骨付き肉です。こんなお肉を用意してくれる幹事って、けっこうすごいのではないでしょうか。
その他にも、黒豚のハツ・タン・ガツのアヒージョや、レンジで温めるだけでおいしいジンギスカンも登場。ぜひチェックしてみてください!
また、とうとう好実のSNSがバレてしまうなどの波乱もありつつ、確実に同僚との距離感が縮まっている様子。最終回では、彼の成長を感じる方も多いはずです。どのような結末を迎えるかは、ぜひご自身でご確認ください。
また、これまで作中で取り上げられたお取り寄せリストも掲載されているので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
いかがでしたか?作中に取り上げられるお取り寄せは、すべて実際にあるものばかりであることも特徴の本作『おとりよせ王子 飯田好実』。これ食べたい!と思ったらすぐに検索して注文できるのも嬉しいですね。漫画としてはもちろん面白いですが、お取り寄せ入門書としても役に立つかもしれません。