クールなサラリーマンが他の男と遠距離恋愛中のOLを奪い取ろうとする、禁断の恋愛を描いた『うそつきパラドクス』。濡れ場満載で予測のできない恋愛関係が人気を博し、2013年には実写映画化もされています。 そんな本作の魅力を、コミックス全巻の内容とともにご紹介します。ネタバレにご注意ください!スマホのマンガアプリで無料で読むこともできますので、ぜひチェックしてみてください!
会社員の八日堂俊介(ようかどうしゅんすけ)はある日、同僚の栖佑日菜子(せいゆうひなこ)の頼みで会社に残ってパソコンの修理をすることに。眠気覚ましに他愛のない話をするうちに、話題はエッチな妄想の話になってしまいます。
そして自制のきかなくなった彼が、彼女の服をムリヤリ脱がせはじめて……。
- 著者
- ["きづき あきら", "サトウ ナンキ"]
- 出版日
- 2009-09-29
1巻では、2人の恋愛がスタートします。
入社して間もない頃から、彼女に密かな想いを寄せていた八日堂は、ともに残業した夜に彼女にアプローチ。それをきっかけに、交際を始めることになります。しかし彼女には、遠距離恋愛中の彼氏が名古屋にいました。
そのことを知ったうえで、お互いが彼氏・彼女を見つめるまでの「代用品」になるということに決めたのです。
肉体関係こそ持たないとしながらも、2人はそれ以外のエロいことをしまくります。自宅だけでなく社内や公園、挙句の果てにはレンタルビデオショップのアダルトコーナーと、場所を選ばない大胆ぶり。特に普段は冷静沈着な八日堂が、Sっ気たっぷりに彼女を振り回し、彼女の体を求める姿が印象的です。
とはいえ、これは許されない関係であり、絶対に周囲に知られてはいけないこと。会社の同僚にバレそうになったり、彼女が付き合ってる男から電話がかかってきたりとハラハラしてしまうシーンもあります。そんな緊張感あふれるオトナの恋愛関係に注目です!
栖佑と仲のよい同僚・大栄知代(だいえいともよ)に彼女との関係を知られていた八日堂。名古屋の彼氏から彼女を奪い取る決意を表明し、協力してもらえることになりました。
その日は栖佑の誕生日。名古屋の彼氏と過ごすだろうと、彼は祝うのをあきらめます。ところが、彼女は名古屋に行かず、会社で残業しているとのこと。
ケーキを片手に彼女のもとに向かいます。そして気持ちが高ぶり、ケーキを使ってとんでもないことを始めてしまい……。
- 著者
- ["きづき あきら", "サトウ ナンキ"]
- 出版日
- 2010-01-29
2巻では、彼に思わぬチャンスが訪れます。
同期のみんなで海水浴に行った際に、大栄から、栖佑と名古屋の彼氏がケンカをしているという情報を得たのです。しかもケンカの原因は、彼氏の浮気とのこと。このことにより、彼は彼女に対するアプローチを強めて、一気に奪い取ろうとします。
ところが、実際にはケンカどころか結婚の話が出ているほどの順調ぶりだと、本人の口から言われてしまいます。それでも彼は諦めずにアプローチするものの、彼女にもそれまでに彼氏と築き上げてきたものがあり、なかなか思うようにはいきません。ついには、彼女から強く拒絶されてしまい、チャンスが一転ピンチに陥ってしまいます。
息つく間もない怒濤の展開から目が離せません!
こじれた末、もう1度だけ一緒に過ごすことになった2人。お互いの想いを確かめたら、今後一切それを表に出さないようにし、友達以前の関係に戻ることを約束します。
そして2人は遂に、最後の一線を越えるのでした。
- 著者
- ["きづき あきら", "サトウ ナンキ"]
- 出版日
- 2010-05-28
3巻の見どころはやはり、2人で過ごす最後の時間です。
最後ということで、付き合うときに決めた「本気にならない」というルールを破ることに。そして2人は最後の一線を越え、激しく愛し合います。それは最高のひと時であるといっても過言ではありません。
八日堂にとっては、栖佑への想いに終止符を打つための選択でした。しかし彼女と濃密な時間を過ごすうちに、彼の彼女に対する愛情はますます膨らんでいきます。
「この後引き返すのは、今までより辛くなりますよ?」
(『うそつきパラドクス』2巻より引用)
という彼女の言葉が、現実のものとなるのです。最後の1回と決め、諦めようとていたはずの彼でしたがが、押さえのきかない状態になってしまいます。
大きくなりすぎた想いに苦しむ彼の姿に、切なさが感じられることでしょう。
八日堂のもとを去り、悲しい気持ちを振り切りながら名古屋に向かった栖佑。駅に迎えに来た彼氏・大桑和樹(おおくわかずき)はいつもと変わらない様子。
しかし彼女の浮気を知っている彼の内心は、怒りに満ちていました。自分も浮気をしたということもあり、当てつけだとも捉えます。
それでも大桑の愛情は、変わってはいなかったのでした。
- 著者
- ["きづき あきら", "サトウ ナンキ"]
- 出版日
- 2010-09-29
4巻は、2人の大学時代のエピソードです。ここで初めて、大桑が登場します。
男を知らず、警戒心が強かった当時の彼女を口説き続け、付き合うことになった彼。彼女のことを理解するにつれ愛情を深め、よりいっそう大切にするようになっていきました。それまで浮気者だと思われていた彼の印象とはまるで違います。
では、そんな彼がなぜ浮気に走ってしまったのか。その経緯も、4巻の終盤で描かれていますので、ぜひ注目してみてください。
また、大学生時代の彼女の現在よりもウブな様子も魅力的なので、お見逃しなく!
栖佑の親友・猪狩との浮気から3年。社会人になった大桑はそのことを忘れ、彼女とも一切会うことなく、多忙な日々を過ごします。
休日に名古屋に会いに来てくれる栖佑と過ごす時間を何よりの楽しみにしながら、充実した生活を送っていました。
ところがそんなある日、彼の携帯電話に再び猪狩からの連絡がきて……。
- 著者
- ["サトウナンキ", "きづきあきら"]
- 出版日
- 2010-12-24
5巻では、猪狩が大桑に再び接近してきます。
その関係を清算しようとする彼。しかし猪狩にはまるでそのつもりはなく、あの手この手で彼の心を惑わせます。その影響は栖佑との関係にもおよび、ギクシャクしてしまうのです。
そこで彼は、かねてより思い描いていた栖佑との結婚を決意。猪狩とも決着をつけます。ところが、そのころすでに栖佑は八日堂との交際を始めていたのでした。
複雑化していく双方の恋愛事情にハラハラが止まりません。
栖佑と別れてから、初めて出社する八日堂。彼女の様子が気になって仕方がありません。ところがいざ顔を合わせると、彼女は何もなかったかのように振る舞います。
ショックを受けた彼の前に現れたのは大桑。ある事情により、彼は彼女とともに東京にやって来ていたのでした。
- 著者
- ["サトウナンキ", "きづきあきら"]
- 出版日
- 2011-05-27
6巻では、八日堂と同じ部署の同僚・丸悦実生(まるえつみお)が彼に対する恋心を精いっぱいぶつけます。
思いどおりにならない恋愛に振り回されて損をする女性たちを見てきた彼女は、恋愛に対してもクールな見方をするところがありました。2巻で、八日堂たちが「代用品」にしあう恋愛関係であると知ったときも、
「なにそれ…気持ち悪い…」
(『うそつきパラドクス』2巻より引用)
と否定的だったのです。
しかし別れてショックを受けている八日堂を励まそうとするうちに、彼が未練を断ち切れていないことに気づき、
「私を見て!! 私じゃ、あの子の代わりになれないかな」
「栖佑を好きでいい。代用品だって…」
(ともに『うそつきパラドクス』6巻より引用)
と、かつて否定した「代用品」になってでも、彼と結ばれようとします。彼女が生まれた初めて本気の恋をしたという証といっても過言ではありません。
丸悦の全身全霊の恋心に、きっと心を打たれることでしょう!
「終われる…? 栖佑が彼氏と別れたって聞いても…?」
(『うそつきパラドクス』7巻より引用)
丸悦から告げられた思いもよらぬ事実。それでも八日堂は「俺は丸悦を選んだ」と言い張ります。そんな彼の姿を見て、辛くなった彼女は別れを切り出すのでした。
彼女の言葉により、自分の気持ちに嘘をつくのをやめ、彼はもう1度栖佑に会いにいくことを決意します。ところが彼女は大桑とよりを戻し、なんとプロポーズを受け入れてしまっていたのでした。
- 著者
- ["サトウナンキ", "きづきあきら"]
- 出版日
- 2011-09-29
7巻では、栖佑を巡る激しい争いが勃発します。
彼女にプロポーズした大桑は、一緒に新居を探したりウエディングドレスを見に行ったりと、結婚に向けて着々と準備を進めていきます。彼女を会社まで迎えに行くことで、八日堂が手を出そうとするのをガードする徹底ぶりです。状況的には彼のほうが有利といえます。
一方の八日堂も負けてはいません。彼女が担当する仕事でトラブルが発生し、その解消に協力したことをきっかけに慎重かつ積極的に彼女にアプローチを仕掛けていきます。そして、最終的にはとんでもないことを彼女に提案してしまうのです。
一進一退の緊迫感あふれる攻防に、手に汗握ること間違いなしです。また両方を大切に思うがゆえに、どちらかを決めきれない栖佑の葛藤する姿にもぜひ注目してください。
三角関係を終わらせようとするなか、突如大桑から提案された栖佑の「共有」。2人が婚約者のままでいると同時に、八日堂も彼女の恋人としてふるまっていいということになります。
最初は戸惑う彼でしたが、彼氏として彼女と一緒にいられることに喜びを感じ、徐々に共有関係を受け入れていくのでした。
- 著者
- ["きづき あきら", "サトウ ナンキ"]
- 出版日
- 2012-02-29
一見「代用品」から前進したかのようですが、それだけではありません。なぜなら共有するにあたって、大桑たちが今までどれほど愛し合っていたのかを知らなければならないからです。
しかし、それさえも乗り越えた彼は共有関係を受け入れて、それなりに充実した生活を送ります。大桑のほうも彼女との結婚の準備を進めることに迷いを見せません。
3人で趣味を共有し、3人で旅行に行き、そして3人でセックスをする……。傍から見れば異常としか言いようのない関係性です。もちろん、本人たちもそのことは理解しています。
ではなぜ、そんな異常な関係を続けるのか。やはり「彼女と離れ離れになりたくない」という思いが、男2人にあるからです。
安定しているようで、どこか不安定。そんな彼らの不思議な関係に、思わずハラハラしてしまうことでしょう!
共有関係に慣れつつあった八日堂。しかし、どこか無理をしているような感覚も拭い去ることができません。そんな彼の前に突然、猪狩が姿を現し、栖佑を諦めさせようと手を尽くします。
もちろん彼は断りますが、それをきっかけに栖佑が何を望んでいるのかを考えるようになります。彼女が本当に幸せになるためにはどうすればいいか。考え抜いた末、彼はある結論にたどり着くのでした……。
- 著者
- ["サトウナンキ", "きづきあきら"]
- 出版日
- 2012-06-29
9巻で本編が完結します。
栖佑にとっての1番の幸せとは何かを考える八日堂。猪狩や大栄たちに彼女のことを聞いたり、それまでのことを振り返ったりして考え、自らが身を引くことを決断します。
栖佑は八日堂と大桑を同時に好きになったことに罪悪感を抱き、共有関係に同意。普通の幸せを犠牲にすることによって罪を償おうとしたのだと気づきます。
同時に彼女を諦めたくないこと一心になってしまい、自分たちが頑張れば頑張るほど、彼女が幸せになるための時間を奪っているということにも気づきました。これが、彼が身を引くことにした理由です。そして、その意図を理解した大桑たちも、全てを終わらせることを決意するのでした。
それから2年が経過し、物語は結末を迎えます。嘘と本気がぶつかり合った末にたどり着く、感動のラストをぜひ見届けてください!
栖佑が八日堂と付き合って間もない頃のこと。会社帰りに大栄たちと一緒に女子会を楽しむ彼女は、女子会メンバーたちの恋愛事情を聞くことに。途中、大栄に彼とのことをバラされそうになりつつも、それぞれの悩みや楽しさを分かち合います。
しかし、仲のよい友達にも言えないことはあるものです。彼女は酔った勢いで会社に戻り、残業していた彼と秘密の時間を過ごすのでした。
- 著者
- ["サトウナンキ", "きづきあきら"]
- 出版日
最終巻となる10巻は、番外編のオムニバスとなっています。
メインキャラクターのエピソードのほかにも、ほとんど語られていなかった大栄や、「井瀬タン」こと井瀬愛美(いせまなみ)などの恋愛事情を詳しく描いたエピソードが見られます。また本編ではほぼ出番が無かったキャラにもスポットライトが当てられているので、「こんなキャラいたっけ?」と本編を読み返してみるという楽しみ方がオススメです。さらに最終回の後日談となるエピソードもありますので、お見逃しなく!
笑ったり胸キュンしたりの十人十色な恋愛事情を、ぜひご堪能ください!
浮気や不倫をテーマにした青年漫画を紹介する<浮気、不倫を扱った青年漫画おすすめ5選!>の記事もおすすめです。
ありがとうございました!