『忘却のサチコ』の見所を全巻ネタバレ紹介!実際に行きたい実在店も紹介!

更新:2018.7.27

本作はアラサーの敏腕編集者・サチコが、傷心を癒やすべく美食の道に邁進するコメディタッチのグルメ漫画。彼女が忘我の境地に至る数々の料理は、本当に美味しそうだと評判です。 先行する実写のスペシャルドラマに続いて、連続ドラマの放送も決まった本作の見所と、モデルとなったお店を厳選してご紹介しましょう。

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『忘却のサチコ』1巻:長崎県のトルコライス【ネタバレ注意】

 

サチコこと佐々木幸子。職業は文芸誌編集者で、29歳の独身です。ほんの少し前に既婚者になりかけましたが……。

編集部内で彼女は「鉄の女」と思われていました。なんでもテキパキとこなし、やることなすこと全てが理詰め。機械のように正確な女性だったのです。

そんな彼女が2年の交際の果てに、年の差彼氏とゴールイン……するはずが、披露宴の最中にパートナーの俊吾(しゅんご)が蒸発。動じなかったのは彼女ただ1人で、めでたい祝いの席は事務的に婚姻関係を破棄すると発表してお開きになるのです。

 

著者
阿部 潤
出版日
2014-12-26

翌日からの彼女は、不思議とそれまでと変わりないように思われました。ですがもちろんそんなことはなく、俊吾の喪失は、彼女に途方もない心労をもたらしたのです。
 

鉄の女が見せた、か弱い女性の一面。悲しみに暮れる彼女でしたが、それでもお腹は減ります。

そして不意に入った定食屋で、彼女は運命の出会いを遂げました。何気なく注文したサバ味噌定食。美味しさに夢中になって食べる間に、俊吾のことはすっかり忘れていたのです。

こうして彼女の傷心を癒やす、美食の道が始まります。

恋愛の傷を食べ物で癒す。きっと誰もが経験したことがあり、共感できるエピソードなのではないでしょうか。しかし、それでも恋愛によるショックはなかなか消えないもの。そんな深い傷を忘れられるほど美味しいって、どんな味!?と、読んでいてつい気になってしまいますね。

それほどに美味しい記念すべき最初のメニュー、彼女に仏のごとき顔を出させたサバ味噌の店をご紹介したいのはやまやまですが、実は作中において数少ない実店舗不明のエピソードなのです。ちなみに参考までに、ドラマ版で登場したのは、東京都東府中「三宝食堂」でした。

代わりにご紹介したいのが長崎県のご当地グルメ、トルコライスです。長崎県長崎市の「ツル茶ん」がモデル。料理はもちろんですが、店内の様子やメニュー、店員さんまでもが、実際のお店と瓜二つ!

登場したお店をどれだけ再現しているのか、そして漫画とはどこが違うのかを実際に確認できるのも、本作の面白さの1つです。機会があれば、ぜひお店に足を運んでみてください。

『忘却のサチコ』2巻:香川の讃岐うどん【ネタバレ注意】

 

披露宴の最中に婚約者が書き置きを残して行方不明となり、それがトラウマとなったサチコ。彼女は美味しい食事を食べている間だけは、夢中になっているおかげでショックが和らぐと気付き、美食の探求を始めるのでした。

編集員である彼女は、お抱え作家・美酒乱(みしゅらん)と大阪へ取材旅行に出かけます。下心ありの彼に対して、彼女は真面目一徹。噛み合わない凸凹コンビの小旅行のなか、彼女はやっぱり俊吾の影を追ってしまって……。

鉄の女サチコの純情やいかに。

 

著者
阿部 潤
出版日
2015-04-30

 

その後、彼女は香川県高松へと飛びます。それというのも、従姉妹の歩美の結婚式に出席するためでした。ところが(歩美も承知のうえでしたが)彼女には例のトラウマがあって、素直に祝辞を述べることが出来ません。もはや「結婚」というワードが言えないほどの重症ぶり。

悩んだ彼女は香川名物「おうどんタクシー」に乗り込んで、讃岐うどんの名店食べ歩きツアーにくり出しました。

そのなかでも特にご紹介したいのは、彼女に感動を与えたいくつものうどん店のトップバッター、香川県坂出市にある「讃岐うどん がもう」です。130円(劇中)という激安の値段でも彼女を驚かせました。

それほどまでに美味しいうどんを食べたのにも関わらず、やはり「結婚」の2文字が言えない彼女。果たして、このトラウマを克服することができるのでしょうか。

 

『忘却のサチコ』3巻:飛騨高山の朴葉味噌焼き【ネタバレ注意】

今回のサチコは美酒乱とは別の作家・姫村の新刊のために、京都の書店へとやって来ていました。苦心して手がけた販促ポスターに宣伝用ポップ、そして同行を申し出た姫村本人とともに各書店を巡っていきます。

著者
阿部 潤
出版日
2015-08-28

 

彼女の熱意もあって(若干引かれ気味なものの)書店の反応はおおむね好評でした。しかし誤算だったのは、良かれと思って引き連れてきた姫村の行動です。書店への挨拶回りは完全に頭からすっぽ抜けて、自分の趣味に没頭。鉄の女も困惑のド天然ぶりなのです。

ペースを崩されたサチコは疲弊しきって……。

そんな彼女が忙しい合間を縫って得た、束の間の休日。大学時代に日本に留学していた友人・ジョゼを出迎えて、おもてなし旅行に出かけます。

そのおもてなしで使われたのが、本巻でご紹介したい岐阜県高山市にある「花のれん」の朴葉味噌(ほおばみそ)焼きです。大きな朴の木の葉に味噌を敷いて焼く郷土料理。何を焼いても美味しいですが、朴葉味噌で味わう飛騨牛は抜群です。

そんな彼女の最高のおもてなしですが、ジョゼからは「予想通り」と言われてしまいます(もちろん褒め言葉です)。予想を上回っていないのならダメなのでは、と悩む彼女は、やはり真面目といえるでしょう。

 

『忘却のサチコ』4巻:東京の和風スパゲッティ【ネタバレ注意】

 

サチコは初の沖縄上陸を果たします。それというのも、終戦70周年を記念した特集で沖縄の作家・金城昌吉に原稿を依頼するためでした。

編集長の名代ということもあって、いつもより気合いの入る彼女。

ところが待ち合わせ場所となっている国際通りに程近い、第1牧志公設市場のアーケード街が曲者でした。人混みでごった返す1階市場および2階食堂スペースに、彼女は翻弄されます。

 

著者
阿部 潤
出版日
2015-11-30

 

結局金城とは会うことが出来ず、彼女は彼の助手を名乗る比嘉という青年に連れられて、沖縄を一巡りすることに。

いろいろあった沖縄から戻っても、東京編集部では異変が起こっていました。小林心一という新入社員が入ったきたのですが、彼の言動が、彼女を極限まで苛立たせるのです。

そして精神安定を求めて彼女が立ち寄ったのが、4巻でご紹介したい気さくなレストラン「ジャポネ」です。東京都中央区銀座にあるこの店は、立地から受ける印象より遥かに庶民的で、ひたすらにボリューミーな和風スパゲッティが名物。そんな料理が、圧倒的なパワーでサチコのストレスを吹き飛ばしました。

そんな彼女が会社に戻ると、小林からなにやら置き手紙があり……。彼の予想外の行動に、彼女も思わず頰を緩めるのでした。

 

『忘却のサチコ』5巻:福岡の豚骨ラーメン【ネタバレ注意】

 

サチコは新人付き教育係として、小林を伴って新刊の宣伝周りに出かけました。そこでまたしても問題行動を起こす小林。

先方にも事情があるにも関わらずアポイントの時間に遅れたことを指摘し、そのうえPR活動とは無関係な話に興じ、かと思えば無神経な発言をくり返し、サチコを冷や冷やさせます。

その全てが対外的には彼女の責任として跳ね返ってきて、やるせない気持ちが募っていくのでした。

 

著者
阿部 潤
出版日
2016-02-12

 

小林も悪い人間ではないようなのですが、どうしても引っかかってしまいます。

さて、そんな本巻で注目したいお店は、福岡県福岡市の「元祖長浜屋」。青ネギたっぷり細麺の豚骨ラーメンが、作家・姫村に振り回されるサチコの胃を満たしました。ところでこの「元祖長浜屋」ですが、近隣に何件も元祖を掲げる「長浜屋」が存在するため、食べに行く際にはご注意ください。いっそ食べ比べてみるのも面白いかも?

ちなみに予想通り(?)姫村は行方をくらまして、またしてもサチコの辛労を重ねさせました。

美味しい料理の他に、仕事の忙しさも合間って、俊吾のことをあまり思い出さなくなってきた彼女。そんな彼女の周りでは、新たな男性の影が……!?ますます目が離せません!

 

『忘却のサチコ』6巻:岩手の盛岡冷麺【ネタバレ注意】

 

わけあって長野県を訪れたサチコ。今回の事情は、社会学者である時田カノンの依頼です。母校の大学で編集者を集めて登壇してもらい、講演会をおこないたいという話でした。そこで文芸編集部内から抜擢されたのが彼女だったというわけです。

時田は編集者としての彼女を買っており、非常にいい人なのですが……問題は集められた他の文芸編集者でした。

 

著者
阿部 潤
出版日
2016-05-30

 

他社の美人編集者・尾野真由美。美貌を鼻にかけて人脈を作ろうとする彼女には、生真面目なサチコが目障りだったのです。そしてまた2人の間には、サチコが覚えていない因縁があり……。

後半では美酒乱の取材旅行の代理として、サチコが岩手県盛岡に向かいます。そこで出会ったのが、付け合わせのスイカがなんとも不思議な「盛楼閣」の盛岡冷麺です。麺はしっかりコシがあって、透明感のあるスープ、キムチとの相性も完璧な一品。岩手県盛岡市にお越しの際は、ぜひお試しください。

さて、岩手の湯治場に宿泊したサチコは、そこで思わぬ出会いを果たします。披露宴のあの日に消えた、俊吾が湯治場にいたのです。果たしてこれが、どのような結果になるのでしょうか。

 

『忘却のサチコ』7巻:富山の白エビ刺身丼【ネタバレ注意】

 

湯治場で出会った男は、やはり式からいなくなった俊吾本人でした。サチコに問い詰められて口ごもる彼は、ついに真相を明かすと宣言し、待ち合わせの時間と場所を指定して仕事に戻るのです。

 

著者
阿部 潤
出版日
2016-08-30

 

しかし、待てど暮らせど彼は現れません。彼女はまたしても、すっぽかされてしまったのです。悲しみに暮れる彼女は、取材に専念しようと思うも、やはり手が付けられません。そんな打ちのめされた彼女を掬い上げたのは、やはり人の人情(と美味しい食べ物)でした。

再び仕事に戻った彼女に、今度は大口の仕事――正確にはその行方を握る任務が与えられました。ノーベル賞作家の村島が、富山の春の風物詩「ホタルイカの身投げ」の写真を撮ってくることを条件として、新作書き下ろしを約束したのです。

早速富山に向かった彼女……が入ったのが、おすめのお店、富山県富山市にある「白えび亭」です。彼女の食べた「白えび刺身丼スペシャル定食」はエビ尽くしの贅沢な逸品でした。

 

『忘却のサチコ』8巻:山形の金華豚の厚切りロースカツ膳【ネタバレ注意】

 

相も変わらず作家の美酒乱は次回作の構想を語りつつ、私情を挟んで函館にサチコを誘いました。いつも通りに突っ走る彼女は、姫村の売り上げがよいことでご褒美として提案されていた、北海道新幹線の搭乗ルポを思い出して、一石二鳥と飛び出します。

 

著者
阿部 潤
出版日
2016-11-30

 

なぜ、これがご褒美なのか。それは新幹線におけるファーストクラスともいえる、高級グランクラスの取材だからです。想像以上にゆったり豪華な気分を味わった彼女ですが、掲載誌の都合で、急遽ルポを仕上げなければいけなくなります。半分慰安を兼ねた取材旅行だったのが、急に忙しくなっていくのです。
 

それでもめげない美酒乱は、今度こそと2人きりを狙って山形の取材旅行を提案。今回は旅の指針をまとめ上げた「美酒乱ガイド」なるお手製冊子まで作る念の入れようです。しかし当然、目論見通りにはいきません。

ガイドを頼りに山形を回ったサチコは、山形県酒田市の「平田牧場 とんや」(作中では「とんた」)を訪れました。平田牧場直営店だからこそ楽しめる、新鮮な金華豚を用いた贅沢な「厚切りロースカツ膳」は、見た目も味も大満足間違いなし!

 

『忘却のサチコ』9巻:鹿児島の六白黒豚の桜島溶岩焼き【ネタバレ注意】

 

関西の大物作家・西岡とのアポイントを取り付けたサチコは、なぜか兵庫県での野球場で打ち合わせに入りました。実はこの西岡、かなりの偏屈者で賭事好き。彼女にも賭け勝負に勝ったら執筆する、と言い出しました。

一発勝負かと思いきや、彼女がことごとく賭けに勝つため、彼はなんだかんだ難癖を付けて一晩で計11回もの勝負に及んでしまいました。しかし最終的には彼も折れたので、彼女的には万々歳。

 

著者
阿部 潤
出版日
2017-03-30

 

こうして仕事が順調な彼女は、大学時代の親友2人と鹿児島旅行を計画します。ところが遠隔地に住む2人は悪天候のせいで合流出来ず、彼女は1人で鹿児島に行くこととなりました。

そこで彼女が立ち寄ったのが、鹿児島県鹿児島市にあるアーケード街にある、天文館です。かの有名なかき氷「白くま」も現地で堪能しますが、ガッツリめでおすすめなのが、天文館にある「吾愛人(わかな)」。「六白黒豚の桜島溶岩焼き」は溶岩プレートで熱する珍しさもあって、他ではちょっと味わえません。

大満足の彼女がホテルに戻ろうとしていると、なんと前から俊吾に似た男性がやって来ます。しかも、なにやらオネエ系の格好をしており、そのうえ彼女のことを呼び止めてくるのです!一体何事!?と、先の展開がきになる9巻です。

 

『忘却のサチコ』10巻:北海道のラムしゃぶ【ネタバレ注意】

 

札幌でおこなわれる、ジーニアス黒田の初サイン会。サチコは例の小林を引き連れて同行していました。黒田は引きこもり体質で、顔出しNGの作家です。しかも1日に2箇所でサイン会を開くという、スケジュール的な問題もありました。

そこで彼女はある策を練って、黒田のサイン会に挑みます。想定外もありましたが最終的には帳尻があって、仕事は予定通りに終わるのです。

 

著者
阿部 潤
出版日
2017-06-30

 

そこまでは良かったのですが……彼女は札幌で思わぬトラブルに巻き込まれます。その後もいつかのノーベル賞作家の気まぐれや、彼女を敵視する女編集者の影もちらついて、万事順調とはいきません。

そんな彼女が札幌で堪能したのはラム肉です。北海道といえばジンギスカンが有名ですが、今回はちょっと変わり種。北海道札幌市にある「北海道しゃぶしゃぶ ポッケ」では、ラム肉を使ったしゃぶしゃぶが楽しめるのです。

塩ダレと黒ごまたっぷりの特製「黒いスープ」はテレビでも紹介されたことのある、この店の名物。ジンギスカンとはまた違った、ラム肉の魅力が引き出されています。

小林と彼女がホテルに戻ると、なんとここでも思わぬアクシデントが。ホテル側の手違いで、2人1部屋しか用意できないというのです。そして2人で一緒の部屋に泊まることとなります。淡々とした様子の彼女とは裏腹に、なにやら小林の様子がおかしく……。

何か起こるのか、それとも起こらないのか。一体どうなってしまうのでしょうか。

 

いかがでしたか?嫌なことも吹き飛ぶくらい、美味しいグルメが目白押し。見て読んで食べたくなってしまったら、本作片手にグルメ旅行にくり出すのもおすすめです。