漫画『真夜中のオカルト公務員』の見所を全巻ネタバレ紹介!8巻も面白い!

更新:2021.12.11

妖怪が登場する、この現代ファンタジー作品が人気を集めています。本作では妖怪だけでなく、天使や悪魔など、人外のものまで登場。お堅いイメージの公務員が、どう関わっていくのかにご注目ください。2019年のアニメ化が決定している本作の見どころを全巻ご紹介します!

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『真夜中のオカルト公務員』のあらすじを紹介!公務員が人外問題に対処?

舞台は東京新宿区。区役所の新人職員として、宮古新が配属されたのは「夜間地域交流課」という、謎の部署。区役所では妖怪や天使、悪魔などの人外の存在を「アナザー」と称しており、彼らと人との交流や共生を推進し、問題解決に努めています。

新は「砂の耳」という、人外の者の言葉も聞くことができる特殊な能力の持ち主。個性的な先輩たちとともに、大都会に暮らす人外の者たちの問題解決へ尽力します。

2019年にアニメ化も決定している本作。ちょっと身近な街で展開される、日常ファンタジーを楽しむことができます。

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『真夜中のオカルト公務員』1巻の見所をネタバレ紹介!公務員のお仕事はオカルト対策!?

 

宮古新は、東京都新宿区役所に勤務することになった新人社会人。配属された「夜間地域交流課」は基本的には夜勤で、しかも外回りの仕事が多いという、公務員としては珍しい勤務形態の職場でした。

初出勤日、元ホストで女たらしの榊京一と、一見すると女性のような外見の姫塚セオとともに業務に向かった新。特殊な薬を使用することで、妖怪や天使、妖精といった人外の存在を視認できるようになります。

 

著者
たもつ 葉子
出版日
2015-12-26

 

夜間地域交流課は、人外の存在「アナザー」との交流推進、共生のための問題解決をおこなう部署。試験により、素質を見抜かれて配属された新でしたが、実は「アナザー」達の言葉を理解できる特殊な能力の持ち主だったことが判明します。

彼の能力「砂の耳」は、1度も聞いたことがない他言語でもヒアリングできてしまうという、高度な言語習得能力のこと。新はアナザーの言葉を理解し、会話することができます。

亡くなった祖父曰く、宮古家は平安時代の有名な陰陽師・安倍晴明の家系であるそう。自身のルーツや能力をあらためて知ることになった新は、文字通り新たな環境で社会人としての一歩を踏み出すのでした。

見えるけれども会話はできないという設定が、本作の特殊な点のひとつ。言葉を交わすことができないからこそ、新の言葉がわかって会話ができるという能力の特殊さが際立ちます。

「アナザー」達は怖いという要素は少ないので、怖いものが苦手という方もご安心ください。宮古家の蔵に住むネコマタ・ユキとの再会にほっこり心が温まります。

 

『真夜中のオカルト公務員』2巻の見所をネタバレ紹介!先祖の因縁?お話の通じない新キャラ登場!

 

新宿区夜間地域交流課に、他地区からの応援依頼がくるというのが、2巻最初の事件の始まりです。実は東京23区の区役所全てに夜間地域交流課が設置されており、それぞれアナザー問題に取り組み、対処をしていました。

千代田区の狩野一茜は、古くは陰陽師の家系を持ち、和洋折衷の技術をもってモノ作りをする名の知れた魔術職人一族の家系。対アナザー対策のアイテムなども作成しています。そんな茜からの依頼は、盗難現場を目撃していた屋敷神の通訳でした。

 

著者
たもつ 葉子
出版日
2016-01-26

 

時を同じくして、遠く愛知県で飯綱の尾が大量に切られる事件が発生。災いを呼ぶ怪鳥・鬼車が東京上空で目撃されるなど、不穏な空気が漂います。戸山公園の箱根山に、謎の火の目撃現象を調査しに来た新たちの前に、一連の事件のカギを握る黒髪のアナザーが現れるのでした。

2巻では、アナザーの目的を探ったり、バトルのような要素があったりと、ファンタジー色が強め。新のルーツである安倍晴明の友達であり、琥珀という名前を貰ったアステカの神が一連の事件の首謀者として登場するのですが、さすが神様といえる横暴さや、話の通じなさにうっすらと恐ろしさが感じられます。

先輩の榊の過去も垣間見られるエピソードや、他の区の職員が登場するなど、新宿区内に話が収まりません。新の、アナザーとの軽妙なやりとりにも注目です。

 

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『真夜中のオカルト公務員』3巻の見所をネタバレ紹介!榊の過去が明らかに!

 

無事に事件を解決させ、アステカの神・ウェウェコヨトルこと琥珀に懐かれた新は、自身のルーツなどを知る傍ら、新たな事件に遭遇。戸山公園の箱根山で女子高生が救出されたことから、過去数十年にもおよぶ女子高生誘拐事件の解決に挑みます。

前巻でも少しだけ登場したエピソードですが、実は新の先輩である榊の姉・詩織も事件の被害者。17年間も行方不明になっています。事件には悪魔が絡んでおり、新の幼馴染である泉美も失踪。

はたして10年以上も未解決だった事件を解決することができるのでしょうか。

 

著者
たもつ 葉子
出版日
2016-06-25

 

琥珀がアナザー側のガイド兼トラブルメーカーのような存在として、新の傍にいることになりました。行動理念が、面白い事なら善悪無しで何でもする、というものであるため、少々危ういところもあり、振り回される場面も多くなりそうです。

国外のアナザーも登場していますが、今回は悪魔・アザゼルが問題に関わってきており、今までよりもホラータッチ。「人間と悪魔の幸せな結婚の証明」という目的が涙を誘いますが、榊の姉の失踪事件が関わっていることもあり、常に緊迫した空気がありました。

新の能力を持つからこそアナザーに同情的になりすぎるという、危うい部分も見えてきており、事件は解決しても、どこか胸がざわつくような感覚が残ります。

 

『真夜中のオカルト公務員』4巻の見所をネタバレ紹介!アナザーとの共存は難しい?

 

今まではアナザーの起こした騒動を解決するという話が中心でしたが、今回から別の視点が加わりました。今までもちょっと掴みどころがない存在だった課長・仙田の、上司らしいところが垣間見られるエピソードでもあります。

事の始まりは、道に迷っていた新が、和装の女性に家に招かれるところから始まります。彼は早々にアナザーであると気が付くのですが、家にいたのは人に化けた狐。彼は解放してもらう代わりに、セオのお使いで頼まれた葛餅を渡してしまいます。

 

著者
たもつ 葉子
出版日
2016-11-26

 

ひとつ願いを叶えてもらえば、より多くの願いを叶えてほしいと思ってしまうのは、人でも神様でも同じこと。新の狐に化かされた事件に端を発した仙田の過去のエピソードは、アナザーに友好的な新だけでなく、読者のアナザーに対する親しみにも注意喚起を促します。

それでも会話をできるという事は、事件を解決するには有効な手立てのひとつといえるでしょう。しかし、都庁の夜間文化環境局に勤務する新キャラクター・狩野一悟は、新とはまったく違った手法で仕事をまっとうしていく人物。温和な新との衝突が、見どころのひとつです。

 

『真夜中のオカルト公務員』5巻の見所をネタバレ紹介!人間関係に思い悩み、迷走!

 

アナザーに対処する場面が多かった本作ですが、4巻からは組織内の人間関係などが中心となっており、5巻でも新は悟の事をどう捉えればよいのか、自身の能力をどう生かすかなど、さまざまな事に思い悩み、迷走します。

そんな時、国立競技場にたくさんの繭が出現するという事件が発生。慎重に問題解決を図ろうとする新に対し、強硬策に出てしまう悟。繭を育て、神無月に出雲へ出向いて献上する絹糸を作っていた、御蚕様の怒りをかってしまうのでした。

 

著者
たもつ 葉子
出版日
2017-04-24

 

国外の神様や悪魔、妖精などは登場しているのに、日本由来のアナザーが少なすぎるのでは、と思っていた読者の方に朗報です。今回登場するアナザーは、蚕の神様。日本由来の神様の登場に、アナザーの和洋折衷っぷりをあらためて感じたのではないでしょうか。

新と悟の問題を中心としたエピソードの、一応の解決篇という事になりますが、悟がなぜアナザーに攻撃的なのかといった過去も判明。ただの嫌なやつという印象は多少拭うことができます。

巻を追うごとに、アナザーとの価値観の違いも見せつけられ、共生というのは、互いに理解が必要なのだと実感させられます。

 

『真夜中のオカルト公務員』6巻の見所をネタバレ紹介!セオのエピソードが登場する新章開始!

 

本巻では全巻から続くエピソードと、ムードメーカーでもあり頼れる先輩ではあるものの、謎が多かったセオを中心とした新章の幕が上がります。

前巻では、神様を怒らせるという展開があったため、天使や天狗など、他のアナザーの力を借りて、事件の解決を図りました。手を貸した代わりに、とあるものを探してほしいと天使から依頼されます。

今までの流れからも緊張感が漂いますが、かなりのほのぼのエピソード。事件の前の、静かで和やかな空気を堪能してください。

 

著者
たもつ 葉子
出版日
2017-09-23

 

そして、ついに開始するセオを主体とした新章は、吸血鬼が関わるお話です。彼は元イギリス人のオカルトオタクで、女扱いされるのを嫌がります。課内ではムードメーカー的な存在ですが、今まで詳しい背景が描かれることはありませんでした。

新宿区で血を抜かれた死体が発見されたことがきっかけで、彼が絶滅したといわれていた日本固有の吸血鬼の種族の生き残りを、見守っていたことが判明。この生き残りの吸血鬼が事件に関わっているのですが、ただ生きて、死を待つだけの存在が、吸血欲という欲望を抑えきれずに苦悩する悲痛な姿に、胸が締め付けられます。

錬金術師として名の知られていたセオですが、母の実家が西の魔女とも呼ばれる御三家のひとつであることが判明。事件解決に乗り出した西の魔女がどう関わっていくのか、目が離せません。

 

『真夜中のオカルト公務員』7巻の見所をネタバレ紹介!緊迫した吸血鬼編解決!まさかの男同士デート?

 

セオに恨みを抱く冴島洋介の企みにより、吸血欲を抑えきれずに人を襲うようになってしまった、吸血鬼。人を殺してしまったことで区役所の管轄からは外れてしまいますが、それでもセオや新は事件を解決させようと奔走します。

結果的に吸血鬼を救うことはできないのですが、新の力により「サクラ」という名前をセオは口にすることができ、辛く悲しいながらも若干の救いのある最後となりました。

事件の発端となった冴島に対して、読者も怒り心頭となること間違いありませんが、こちらはきちんと制裁が加えられるので問題ありません。恐ろしさとともに、スカッとした気分を味わうことができます。

 

著者
たもつ 葉子
出版日
2018-02-24

 

重く悲しいエピソードの後は、なんと男2人のデートという、とんでもエピソードが登場。狩野一茜と座敷童の鈴鹿の画策で、新と悟が再び顔を合わせることになります。アナザーへの対処の仕方で、どこかわかり合えないまま別れてしまったままでしたが、互いの本心を知ることで、和解へ向かうのでした。

悟のアナザーと対峙するときの覚悟が見えるエピソードですが、アナザーを祓うことで生じるデメリットや対処法など、お仕事ものらしい技術的な面の解説が多い点にも注目。

心温まるエピソードのなかにも、仕事に対する真摯な姿勢を垣間見ることができます。

 

『真夜中のオカルト公務員』8巻の見所をネタバレ紹介!ついに新の力のルーツが明らかに!

 

序盤で新のルーツが安倍晴明にあることは証明されました。さまざまなアナザーから「晴明」と言われているように、とにかくよく似ているため、先祖返りなのではないか、という考察がなされます。しかし、その後は大きな進展はなく、事件解決に奔走して時間が過ぎていきました。

本巻では、アステカの神であるウェウェコヨトルが、なぜ晴明と出会い、琥珀という名前を貰うに至ったかという千年前の出来事が語られます。そのなかで、なぜ新が砂の耳を継承することになったのか、という核心に触れるエピソードが明かされました。

 

著者
たもつ 葉子
出版日
2018-06-23

 

琥珀の命を狙う兄・ケツッアルコヨトルとの対峙、そして晴明が琥珀のために未来に残した砂の耳をもつ新という存在が、晴明と琥珀の絆がとても強いものであると証明してくれます。千年も昔から他国の神との交流があったという展開には驚かされますが、国や種族を越えた友情に胸が熱くなりました。

今後は晴明ではなく、現代の砂の耳を持つ公務員、新がケツッアルコヨトルと対峙していくことになるのでしょう。

日ノ本を守る神との約定のおかげで退けられた強大な存在と、新や夜間地域交流課のメンバーがどう立ち向かっていくのか、今後の展開から目が離せません。

 

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人外が登場する現代ファンタジー作品ですが、ほのぼのとバトル、ミステリーやホラーといったさまざまな要素が絶妙に配分されており、飽きさせません。事件が起きるのが身近な場所という事もあり、本当に公務員はこうやって仕事をしているのかも、と想像が膨らみます。

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