『金田一37歳の事件簿』魅力と見所をネタバレ考察!もう謎を解きたくない?

更新:2021.12.9

漫画『金田一37歳の事件簿』をネタバレ紹介! 金田一一(はじめ)が37歳会社員になって帰ってきました。高校生にして数々の難事件を解決に導き、警察関係者からも一目置かれていた金田一一ですが、「もう謎は解きたくない」!? 美雪との関係も気になるところです。 本記事では高校生の頃とは一味違う『金田一37歳の事件簿』の魅力を紐解いていきます。

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漫画『金田一37歳の事件簿』あらすじ

2018年から連載がスタートした『金田一37歳の事件簿』。本作は1992年から2001年まで連載された本格ミステリー漫画の代表『金田一少年の事件簿』の20年後が舞台となっています。高校生ながら大人顔負けの推理力を発揮していた金田一一の20年後とは……。

37歳になった金田一はどう変わったのか、馴染みの登場人物たちはどうなっているのか。金田一が解き明かすあっと驚かされるトリックも気になるところです。

著者
さとう ふみや
出版日
2018-06-15

「じっちゃんの名に懸けて」のセリフとともに数々の名推理を披露してきた金田一一も37歳。現在はPR会社に勤務し、主任として働く毎日です。

高校時代の友人たち、佐木や草太も大人になり、それぞれ会社勤めをしています。そして、幼馴染の七瀬美雪も。まだ現在の彼らについて詳しくは明かされていませんが、一番の変化は金田一。

「もう謎は解きたくないんだあああ~~~!!」
(『金田一37歳の事件簿』1巻から引用)

20年の間に何があったのか。旅行・バイト・部活・予備校、あらゆる場所で事件に巻き込まれていた彼ですが、相変わらず事件を呼び寄せてしまうのでしょうか。

 

『金田一37歳の事件簿』自分たちと同じように歳を取っている様子に親近感が湧く!

自分たちと同じように歳を取っている様子に親近感が湧く!
「」出典:『金田一37歳の事件簿』1巻

 

『金田一少年の事件簿』連載当時金田一と同じ年頃だった世代は、現在は30代後半~40代あたりでしょうか。当時17歳だった金田一も、今作では20年の時を経て37歳になっています。高校生の金田一たちは、なかなか経験できないバイトをしたりアイドルとお近づきになったりと、どこか自分たちとはかけ離れた存在でした。

しかし『金田一37歳の事件簿』は違います。きらきらした高校生の時とは違って、自分たちと同じように働いており時には上司からダメ出しもされるリアルな姿は、私たちにとってぐっと身近な存在になりました。

金田一はPR会社の主任になって登場します。働いている金田一メンバーなんてなかなかイメージできませんが、おなじみのメンバーもそれぞれ会社に勤めています。いつもカメラを携えていた佐木は映像制作会社の課長、元クラスメートの草太は地元信用金庫の課長です。

金田一、佐木、草太の飲み会シーンは、思わず心の中で自分も参加してしまうのではないでしょうか。金田一が仕事の愚痴をこぼしていますが、「佐木や草太なんて中間管理職だもんね、いろいろあるよね」と自分と重ねながら見てしまいます。漫画のキャラといえど、彼らにだって愚痴の1つや2つはあるのです。

 自分たちとは違う世界で活躍していた面々が、同じように働いてお酒を飲む姿には親近感を覚えます。みんなも歳をとってるんだね!!! 仕事終わりに友人とお酒を飲みながら愚痴を言い合うなんて、私と一緒だよ!!!と読者としてはなんだか勇気づけられるのではないでしょうか。

 

『金田一37歳の事件簿』原作と変わらない、懐かしい雰囲気!

原作と変わらない、懐かしい雰囲気!
出典:『金田一37歳の事件簿』1巻

 

金田一が37歳になったことにより、原作とは全然別物になっているんでしょ?と思う方もいるかもしれません。 しかし、がっかりすることはありません。本作でも、あの「金田一」の雰囲気はそのまま生きています。なぜなら、原作は天樹征丸、漫画はさとうふみやの黄金コンビなのです。

なんと金田一の容姿も老け知らずで、あの頃と変わりません。美しい女性にデレッとした態度をとってしまうところも変わっていません。きっと何かが起こるぞと予感させる少し不気味な雰囲気や、金田一のちょっととぼけたキャラによるギャグシーンも健在です。

事件が起こるに違いない。だけど彼がいるからどうにかしてくれるはず。誰もがそんな気持ちを思い出すはずです。こうなってくると、謎解きのシーンや思わず唸ってしまうようなトリックへの期待も高まります。

 

『金田一37歳の事件簿』もう謎は解きたくない?美雪がなかなか登場しない?当時と違う設定も面白い!

もう謎は解きたくない?美雪がなかなか登場しない?当時と違う設定も面白い!
出典:『金田一37歳の事件簿』1巻

 

金田一といえば祖父が有名な名探偵で、彼自身も事件が起きればどんな時でも謎を解く。むしろ謎を解きたがっているかのようにも見えます。しかし今度の金田一はもう謎を解きたくないというのです!

彼は自分の同級生、信頼していた人、どんな人が犯人だろうと真実を暴いてきました。そんな彼に20年の間に何があったのでしょう。私たちが知らない間に、つらい出来事があったのだろうと予想できますが、その理由はまだ明かされていません。

「もう謎は解きたくないんだ……
お前なら分かってくれるよな?美雪……」
(『金田一37歳の事件簿』1巻から引用)

幼馴染の美雪はわけを知っているのでしょうが、金田一と必ずと言っていいほどセットで登場していた彼女がなかなか登場しません。七瀬美雪は、金田一とは対照的な優等生でマドンナ的存在でした。2人はいずれお付き合いして、そのまま結婚するんだろうと考えていた人は少なくないと思います。

それなのに彼女が出てこない!!!

名前だけは登場して、現在は大手航空会社でCAのチーフをやっていることは分かるのですが、金田一との関係がいまいち分からないのです。

また、これまで推理をする時には美雪が助手のような役割を果たしていました。今回その役目を務めるのは、金田一の会社の後輩の葉山まりんです。まりんは彼を慕っているようにも見えるのですが、今後も彼女がヒロインポジションとなるのでしょうか。

新しいコンビにも期待したいですが、金田一の謎解き嫌いの理由を知っているであろう美雪の登場も非常に待ち遠しいです。

 

 

『金田一37歳の事件簿』1巻をネタバレ紹介!またしても歌島へ

金田一は一人暮らしをするアパートで、遅刻ぎりぎりに目覚めるような生活を送っています。隣の部屋にはシングルマザーの森下桃香と生意気な小学生の走野が住んでおり、「いってらっしゃい」等と会話を交わす関係性です。

出社すればレポートのダメだしを受け、仕事があまり出来ないというよりは、そもそも熱心ではない様子。やはり金田一には事件解決の推理をするのが向いているんだよ!と言いたくなります。

そんな職務態度が災いして、彼は会社の企画「歌島リゾート夢の縁結びツアー」に同行することに。彼にとって因縁の地といえる歌島へ向かいます。

著者
さとう ふみや
出版日
2018-06-15

「何人死んだと思ってんだあの島で!!」
(『金田一37歳の事件簿』1巻から引用)

歌島といえば、オペラ座館を舞台にファントムを名乗る犯人によって3度も殺人事件が起きた場所。何を隠そう、その事件を解決したのが金田一です。もう謎を解きたくないと思っている彼にとってはトラウマとも呼べる因縁の地なのです。

そんないわくつきの島に嫌々やって来た金田一と、過去の事件のことなど知らず自ら立候補してやって来た後輩の葉山まりん。しかし、いくら殺人事件が起きた場所といってももう20年も前の話です。すでにオペラ座館もありません。それに金田一が行く先々で事件に巻き込まれていたのは高校生の時の話です。

心配しながらも着々と縁結びの企画を進行していく金田一とアシスタントのまりん。イベントは参加者たち同士の探り合いから、肝試しへと進んでいきます。

最初からもう謎は解きたくない、何も起こらないでくれと戦々恐々の金田一です。しかしそんな彼をしり目に、ついに事件は起きてしまいます。事件が彼を呼ぶのか彼が事件を呼ぶのか、37歳になっても事件につきまとわれる金田一は、無事に事件解決できるのでしょうか。あなたもぜひ事件の目撃者になって、最後まで見届けてみてください。

『金田一少年の事件簿』連載当時から、ずいぶん大人になりました。同じく年齢を重ねた金田一に再び会うことができる、そしてあのミステリーをまた味わえるのです。懐かしさと新しさに、ワクワクが止まらないことでしょう。

金田一が抱える問題や美雪との関係など、今後どのように明かされるのか。ライバルや警察関係者の登場にも期待したいものです。今後の展開が気になりますが、まずは何より、金田一の推理が披露されるのを待ちましょう。

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