師匠の病を治すため、魔王のツノを入手することになった魔女のベティと、その下僕・アルセニオ。魔王城に囚われた少女を救ったことで、複雑な恋愛模様に巻き込まれることになったアルセニオの、成長と葛藤を描いた作品です。 そんな本作は、男性が女体化するTSのオンパレード!また、そんな特徴的な設定以外にもさまざまな魅力のある本作の見所をご紹介します。スマホのアプリからは無料で読めるので、そちらもぜひご利用ください!
魔女・ビビアンの病気を受けて、それを治す薬を作ることになった弟子の魔女・ベティと、その下僕・アルセニオ。
材料調達はアルセニオがおこなうことになったものの、そのリストのなかには、なんと「魔王のツノ」が……。それを取るため魔王城に乗り込んだアルセニオは、そこで少女・レイと出会うのです。
- 著者
- もち
- 出版日
- 2014-10-27
本巻の見所は、やはり魔王の正体と、魔王とレイのやりとりではないでしょうか。彼女は少女でありながら非常に魅惑的な体つきをしていて、下僕としてベティに忠誠を誓っているアルセニオもドキドキするほど。
しかも彼女にはとある秘密があり、そのことから危機感も非常に足りないのです。その危機感の無さゆえ、魔王にオッパイを狙われ続けるように……。魔王もとんだ変態ですね。もはや潔さすら感じます。
魔王はただオッパイを望むだけではなく、赤ちゃんプレイも要求してくるのですから、レベルもハードル高いです。おそらく、威厳ある魔王らしい現在の姿でなければ、部下さえついてこないようにも思えます。やはり見た目は大事ですね。
彼はその名のとおり力も強く、魔物の王と名乗るにふさわしい人物なのですが、どこかかわいらしさも感じさせます。あの姿が魔王本来の姿なのか、もしくはなんらかの形でああなってしまったのかはわかりませんが、なかなかなプリティフェイスなので、本作を読む際にはそちらも注目です。
レイの幼馴染の少年で、彼女に結婚を迫っているロイドと、フクロウの体を借りてロイドに同行してきたレイの兄・エリック。レイを連れ去った2人を追ったアルセニオは、森の中で1人座っていた彼女を回収、連れ帰ることに成功します。
しかし、執念深いロイドに家を探され、帰ってきたレイは風邪にうなされることに。
魔女の下僕と魔王のツノ(2) (ガンガンコミックス)
2015年04月27日
本巻の見所は、レイ・ロイド・エリックの過去、アルセニオとレイのやりとりではないでしょうか。まず、本巻はエリックが魔女になった経緯、ロイドがエリックに弟子入りした経緯、レイに魔法がかかってしまった経緯がそれぞれ明かされます。
ロイドは登場してから、バトルシーン以外あまりかっこいい場面はなかったのですが、過去シーンでは好青年ぶりを発揮。エリックの病気を心配する様子は、レイに結婚を迫る姿とはまるで違って見えます。
また、もうひとつの見所であるアルセニオとレイのやりとりですが、まるで互いを異性として意識しているような描写が出てきます。「もしかして……」というドキドキ感が、読んでいる側にも移ってくるような展開が楽しいですね。
本巻の最後でアルセニオがあらためて、レイの性別を確認するあたりも注目したいところ。やはり口で説明するより、過去の出来事を教えられた方が納得感が上がるよう。それでも戸惑う彼の態度を見ると、彼がどれだけレ彼女……ではなく彼(レイ)を意識しているかがわかりますね。
レイをめぐり対立していた面々ですが、一緒に過ごすうちに徐々に打ち解けるように。そして、魔王のツノを手に入れるため、アルセニオ・レイ・ロイドの3人であらためて魔王城に乗り込むことになりました。
最強民族のエースでもあるロイドの活躍で、手下たちは簡単に倒せました。しかし魔王の部下のなかでも相当の手練れだと思われる少女・ブレンダの登場で、一気に劣勢に立たされてしまうのです。
- 著者
- もち
- 出版日
- 2015-10-27
魔女側だけでなく、魔王側にも新キャラが登場してくる3巻。ブレンダはサソリのような尾を持ち、それで攻撃してくるのですが、さらに頭から生えた触手から生き血を吸うという能力を持っています。
彼女の触手はなかなか気持ち悪いですが、全体的な姿が魔王と違ってかわいいのがいいところ。ほぼ人型というのもいいですね。魔王側の敵はマスコットみたいなキャラも多いので、珍しい設定です。
また本巻では、それぞれの恋愛模様が少々ごちゃついてきます。アルセニオは変わらずレイを気にしている様子で、レイもアルセニオに特別な感情を抱いているそう。
そしてロイドも、レイを妻にと思う反面、女性となったエリックがアルセニオと仲良くなるのは面白くない様子。そんななか、エリックがアルセニオに交際を申し込み……。
見事な四角関係が出来上がってしまうのです。
だいぶややこしくなったアルセニオ・レイ・ロイド・エリックの関係。ややこしくなりながらも、ビビアンの病を治すための薬を集めた一行は、道中でさらに互いへの気持ちをややこしくしていくのです。
材料をひとつゲットしたエリックは、しばらく帰らない旨を両親に伝えるため1度国に戻ると言い出すのですが、それにはアルセニオも同行させたいとのことでした。
- 著者
- もち
- 出版日
- 2016-04-22
アルセニオが気になって仕方ないレイと、なんだかんだエリックがアルセニオと仲がいいと気にくわないロイドは、それぞれ心に小さなわだかまりが生まれたようで……。
アルセニオは、その優しさからどんどん人たらしになっていきますね。もしかしたらモテ期がきたのかもしれませんが、元男性の美女2人に言い寄られるとは、なかなか複雑なところです。
本巻では4人のややこしい気持ちのあり方に注目したいところですが、今まで謎だったアルセニオの習慣や、国の違いもたくさん登場し、この世界がどういうものかがよくわかります。そういった情報もしっかり見ておきたいところです。
のんびりとした和やかな雰囲気が続くなか、アルセニオがエリックの故郷の霊媒師に捕まってしまうという展開も。そしてついに、彼に憑く悪魔の正体が明かされるのです。
エリックのお願いを受けて、アルセニオの救助へと向かったロイドとレイ。ロイドの活躍により、エリックは無事に魔力を取り戻し、あらためて魔物として生きていく覚悟を決めます。しかし、そんななか、アルセニオに再び不穏な影が近寄ろうとしていました。
アルセニオたちはビビアンの家へと戻り、魔王と戦いながらも再び平和なときを過ごすように。しかし、一見平和に見えても、ベティ以外の人間の心は、決して平和ではなかったのです。
魔女の下僕と魔王のツノ (5) (ガンガンコミックス)
2016年10月22日
アルセニオはしばらく女性のまま過ごすことになったエリックに誘惑され、ロイドは変わらずレイを気にしています。男性陣は2人揃って、美人兄弟に翻弄されてフラフラしていますね。
エリックはというと、ハッキリとアルセニオを友人呼ばわりしつつ、探究心から誘惑をやめない様子。ただこれが恋心かといわれると疑問で、レイとロイドをくっつけたいからか、もしくはロイドに何かしら気持ちがあってそれを誤魔化したいのか、その真相はわかりません。しかし、純粋な恋でなさそうなのは確かです。
そしてレイですが、彼はついにアルセニオへの恋心を自覚します。BLなのかNLなのか難しいところですね。ただ、今は少女姿の彼ですが、どうもアルセニオの彼女になりたいわけではないよう。
「お嫁さんにしたいかもしれません」
(『魔女の下僕と魔王のツノ』5巻より引用)
心はやはり男の子のままなようですね。はたして、この恋はどのような進展を迎えるのでしょうか。
エリックの本格加入により、よりスムーズな材料集めができるようになりました。そんなある日、魔王城に、薬に必要なマンドラゴラが大量にあることを知った一行。今度は魔王のツノを狩るためではなく、マンドラゴラの葉を狩るために魔王場へと潜入します。
ただ、マンドラゴラの成分を知っているエリック・ベティは、葉以外の部分も収集しようと考えるように。魔女たちは探究心が強いですね。また、このマンドラゴラの話で久々の登場となった魔王は、いつもとは違う、フォーマルな格好でレイたちを出迎えて……。
- 著者
- もち
- 出版日
- 2017-06-27
本巻では、やはりレイとアルセニオの進展が見所ではないでしょうか。レイは女の子の服を着たり、かわいいと言われること自体はとても嬉しいようですが、男性としての心は残っている様子。
「やっぱりお嫁さんにしたい…
優しいアルセニョを 僕が守ってあげたい」
(『魔女の下僕と魔王のツノ』6巻より引用)
かっこいいですね。彼は非常に男前な性格をしています。少々女々しいところも多いアルセニオとは、相性がいいかもしれませんね。しかし彼の気持ちが完全に固まったところで、ロイドは確実に失恋が決定。ロイドも早く、エリックとのことに決着をつけてほしいですね。
本巻ラストでは、レイがついに直球勝負に出ることに。このときの彼はとてもかわいくかっこよく、彼本来の魅力が現れているようにも感じます。
魔法でついに、アルセニオまで女性になってしまいました。しかも普通の魔法解除では戻すことができず、エリックとベティは2人で街に買い物に行くことに。
そこはアルセニオの故郷であるイスパニアの兵が大勢おり、美しいエリックは、魔法でも使っているのでは?というようなナンパをされてしまいます。
イスパニアでは、魔女と魔物は粛清の対象。気絶している間に2人が街へ出たと聞いたアルセニオは、慌てて彼女たちの元へ駆けつけ……。
- 著者
- もち
- 出版日
- 2017-12-22
本巻ではいつもと違う、男らしいレイを見ることができます。このイスパニアの兵のなかに、かつてアルセニオの親友だったサウロという男性がいるのですが、彼は自らの顔半分に火傷を負わせた男をずっと探していたようでした。
そんななか、ニアミスをしたかつての親友2人は、すぐに再会することになってしまいます。なんとサウロたちは、魔王城にいる魔王たちを殲滅しにやってきたのです。魔王のツノを取るチャンスだと、この攻撃に乗じたアルセニオたちも城に乗り込みますが、アルセニオはサウロの猛攻にあい、瀕死の重傷に。
サウロが親友であったはずのアルセニオを襲うのには、とある理由があるのです。それを知ると、ただ恐ろしい印象の強かったサウロに好印象を抱きますね。しかし、その理由を知らないレイたちは、彼と対立。レイは彼からアルセニオを守るため、その剣を振るうのでした。
サウロの傷を治すため、再び女性となったアルセニオ。レイ・ロイド・エリックは、狩猟民族ということ、サウロにアルセニオが手酷くやられたことを受け、サウロにトドメを刺そうとします。しかし、アルセニオは死なせたくないと、ベティの薬を持ってサウロの元を訪ねるのです。
サウロに名を聞かれた彼は、とっさにアルマと答えますが、サウロはその容姿からすぐに女体となったアルセニオであることに気づきます。長い間の誤解が解け始めた2人は、再び距離を縮めるようになりました。
- 著者
- もち
- 出版日
- 2018-06-22
魔王城が崩壊し、魔王組がバラバラになったこと、魔物が街までやってくるようになったこと以外はわりと平和になったアルセニオたち。しかし、ここにきて再び恋愛模様がこじれてきます。
アルマがアルセニオだと気づきつつ、アルマという少女として接するサウロは、しだいにアルセニオに友愛以上の情を抱き始めたのです。アルセニオもアルセニオで、サウロの顔が好みで、体のフィット感などがぴったりくることに気づき、ときめくことも。
まさかのサウロ参戦には驚きが隠せませんね。女性になっても、男性になっても、モテモテなアルセニオ。彼の抱える苦しみを知ったサウロは、少なからず自分が彼を「愛している」ことを受け入れ、アルマにプロポーズをするのでした。
再び複雑になってきた恋模様、アルセニオを最終的に射留めるのは誰なのでしょうか。
メイン登場人物の男性ほとんどが女体化するという、驚きの展開を見せる『魔女の下僕と魔王のツノ』。あと女体化していないのはロイドのみとなりましたが、今後彼が女性になる機会はあるのでしょうか。気になるところですね。