富士見ファンタジア文庫より刊行されている、人気ライトノベルシリーズ、『デート・ア・ライブ』。これまで2期にわたりアニメ化されてきましたが、2019年冬に、3期が放送されることが決定。ますます注目度が上がっている作品です。 今回は、そんな人気ラノベシリーズの見所を最新19巻までご紹介します。
2011年に第1巻が刊行されて以降、アニメやゲームなどさまざまなメディアに展開されるなど、人気の高い本作。まずは、あらすじをご紹介します。
物語の舞台は、天宮市(てんぐうし)という町。主人公の五河士道(いつか しどう)は、この町にある高校に通う男子高校生です。
この世界では、30年程前に謎の生命体である「精霊」が現れたことにより、空間震という災害が頻発するようになっています。そのため人類は、この災害を引き起こす精霊に対抗するためさまざまな組織を結成していますが、そのなかの1つにあるのが「ラタトスク」という組織です。
本作の日本では、陸上自衛隊に精霊のせん滅を目的とした組織「AST」というものが存在します。ASTと違いラタトスクは、精霊を倒すのではなく精霊と対話し、その力を封印することを目的としているのです。
主人公の士道は、精霊を封印することができるという特殊能力の持ち主。そのためにラタトスクにスカウトされ、この仕事に従事することになりました。
- 著者
- ["橘 公司", "つなこ"]
- 出版日
その封印方法というのが、デート。
なんと、精霊達とデートをし、デレさせてキスをするというのが、封印方法なのです。
物語の基本は、士道がさまざまな精霊の女の子と、デートという名の「戦争」をくり広げるラブコメディになっています。
基本設定からしてドタバタ系のラブコメを期待させるものですが、その期待はやはり裏切られず、人間や精霊問わず、いろいろなかわいい女の子に囲まれる主人公を中心に、ハーレム系のラブコメを楽しむことができます。
一方で、特殊能力を持つ主人公の過去や、そもそも精霊とは何なのかなど、世界の謎が徐々に紐解かれていくのも見所。ですので、ファンタジー感あふれる骨太な物語も楽しむことができるでしょう。
ちなみに本作のコンセプトは、「秘密組織のメンバーが大真面目にギャルゲーをやっていたら」というもの。ギャルゲー好きなら、きっと手に取って損はないはずです。
ここではそれぞれの登場人物についてご紹介します。
・五河士道(いつか しどう)
天宮市にある来禅高校に通う2年生。多忙の両親に代わり家事全般をこなす、しっかり者です。
口が悪く、クラスの女子からはあまり人気がありませんが、ある理由から他人の暗い感情に敏感になっており、傷ついたり困っている人を放っておくことができないタイプ。それを知っている女子、特に美少女に扮した精霊から好意を寄せられるようになります。
キスをすることで精霊の力を封印することができるという特殊能力を持っており、そのことからラタトスクで交渉役として活動することになりました。
また、封印した精霊の能力を自身で使うことも可能。それらの力を使う彼の活躍も、本作の見所ポイントの1つといえるでしょう。
もっとも本人の恋愛経験は皆無。それゆえに精霊達をデレさせてキスをするというミッションをこなすため、妹でありラタトスクの司令官である琴里から理不尽な特訓を課せられてしまうことに……。
・五河琴里(いつか ことり)
士道の義理の妹で、14歳の少女。赤毛のツインテールが特徴です。
兄とは血の繋がりこそないものの、幼い頃からずっと一緒で、強い信頼関係で結ばれています。明るく無邪気なツンデレタイプですが、実はラタトスクの司令官という、もう1つの顔も持っています。
普段、ツインテールには白いリボンをつけているのですが、司令官の時はこれが黒いリボンになり、「司令官モード」が発動。白いリボンをつけている時とはまったく違う、クールで毒舌な性格へと変貌します。
彼女にも士道と同様にある過去があり、そのことがラタトスクで活動する原動力になっているようです。
白いリボンのツンデレなかわいい妹モードの琴里と、黒いリボンのクール系毒舌キャラの司令官モードの琴里。両極端な2つの顔に、面白さと魅力を感じる方も多いでしょう。
・夜刀神十香(やとがみ とおか)
本作のメインヒロインとなる、精霊の少女。士道と初めて出会った日が4月10日であったことから、十香(とおか)と名付けられました。士道が、交渉役として初めてデートした相手でもあります。夜色の髪と水晶の瞳、古風な言葉使いが特徴で、士道に心を許してからは彼に好意を抱くようになりました。
最初は人間に対して敵意を抱き、士道にも牙を剥きます。しかし、偶然の再会もあって彼とデートをすることになり、彼との交流を経て、霊力を封印されることになりました。力を封印されてからは、人間の姿で士道達と同じ学校へ通うことになります。
士道達のいる世界へやってきたばかりのため、現世での常識や知識は皆無。そのためか、無邪気な性格のまま士道に対しても積極的な行為を取ったり、喜怒哀楽の感情を素直に出したり、周囲を振り回すこともしばしばでした。
また、度を越えた食いしん坊で、特に現世で初めて買ってもらったきな粉パンは大好物。食べ物に目がない子で、夢中で食べる姿に微笑ましさを感じる読者も少なくないでしょう。
他にも、見た目は大人しそうなのに士道に対しては肉食、精霊に強い憎しみを抱く優等生の少女・鳶一折紙(とびいち おりがみ)や、ウサギのパペットを肌身離さず持ち、内気な性格と明るい性格の2つの人格を持つ精霊の少女・四糸乃(よしの)など、個性豊かでかわいい女の子がたくさん登場します。
ぜひ、自分のお気に入りを見つけてみてください。
上記でご紹介したように、本作の魅力の1つはまず、その個性的なキャラクター達にあります。士道を取り巻く少女達はそれぞれ個性豊かで、その可愛さにキュンとしてしまう読者も多いはず。
ですが、彼女達の魅力は、その可愛さだけではありません。そもそも精霊とは、現世へ現れるだけで空間震という災害を起こしてしまうほど、圧倒的な力を持った存在。彼女達がその気になれば、町の1つや2つはあっさり壊滅してしまうこともあるかもしれないのです。
たとえば、十香が激高してくり出した攻撃は、剣をひと振りしただけで建物が壊れてしまうほどのもの。他にも氷や火、果ては時間までも操るなど、人類の想像を超えた力が備わっているのです。
そんな精霊達同士がぶつかり合う戦闘シーンはとても迫力があり、引き込まれてしまうこと間違いなし。
一方、主人公の士道は、これらの強力な精霊の力を封印するだけではなく、なんと吸収する能力も持っています。本家の精霊ほどではありませんが、吸収した力を操る彼の戦闘にも、ぜひ注目してみてください。
本作のコンセプトは「秘密組織のメンバーが大真面目にギャルゲーをやっていたら」。士道が精霊達を説得させるための方法は、デートです。
人類に甚大な被害を与える彼女達の力を封印させるためのそれは、この世界にとってはいわば戦争と同じ位置づけ。しかし、デートはデートです。十香をはじめ、さまざまな精霊、時には人間の少女とのデートは、本作のメインであり見所です。
デートの際は、士道はインカムで司令官の琴里から、次に取る行動の指示をされます。それはまさに、対象を攻略するギャルゲーそのもの。
琴里のとんでもない指示と、それに従う士道の挙動不審な動き、さらにそれらを受けるヒロイン達の動きと、それぞれに笑えるポイントがあり、面白みたっぷりに読むことができるでしょう。
人類の生死をかけた精霊との戦いとは思えない、なんともお気楽な雰囲気に注目です。
可愛いヒロイン達に囲まれた、ハーレム系ラブコメディである本作。キャラクターの魅力や手に汗握る戦闘シーンには目を引かれますが、それを支える世界観にもぜひ注目してみてください。
物語の舞台となるのは、謎の生命体である精霊が突如現れたことにより、人類の生活が脅かされている世界です。
この精霊がどういう存在でなのかについては、物語が進むにつれてしだいに明かされていくことになるわけですが、その存在の説明や、彼女達を中心に巻き起こる空間震のような現象、現れた後の現世の歴史や人類の動きなど、さまざまなところが作りこまれており、物語に奥行きを与えています。
また、それらが主人公の隠された過去に絡んでくるなど、物語の一本筋となっていることから、長いシリーズでも矛盾なく、ドキドキしながら読むことができるのです。
ラブコメ好きな方にはもちろんですが、SFやファンタジーが好きな方にも楽しく読むことができる、そんな本作の世界観にもぜひ注目してみてください。
世界のため、人類に多大なる被害を与える精霊達と、デートという名の戦争をすることになった士道。スピンオフ作品なども発表されていますが、本編はまだ完結していません。
18巻までの間、士道はさまざまなタイプの精霊とデートをしたり、新たに現れた強大な敵と戦ったりすることになります。第3、第4と次々に現れる精霊のなかでも、時埼狂三(ときさき くるみ)は要チェックの1人です。
彼女は「最悪の精霊」と呼ばれ、人類に甚大な被害を与える存在。士道も彼女との戦いにはずいぶんと苦しめられることになるのですが、物語が進み、新たな敵が出現した際には互いの利害が一致。そうなった時にはともに戦うということで、心躍るエピソードの多いキャラクターでもあります。
- 著者
- 橘 公司
- 出版日
- 2018-03-20
また、士道の実の妹・祟宮真那(たかみや まな)という少女も現れ、物語はどんどん複雑になっていくことに。
そんななかでも、DEM社という会社は特に重要な存在。DEM社は、表向きは軍事産業にその名を轟かせる大企業ですが、裏ではその技術のために人の命を軽々しく扱ったり、非合法なことをおこなったりする真っ黒な会社です。
そんな会社の目的が明かされていくにつれ、士道達にとっては手ごわい敵となっていきます。
一方、士道達には、修学旅行や学園祭など学園らしいイベントも発生し、どんどん増えていく精霊少女達とのワチャワチャも、さまざまなシチュエーションで楽しむことができるでしょう。
世界に隠された謎と、ほのぼのとした士道達の日常。どちらもいろいろな展開があり、マンネリになることもないので、どの巻も楽しんで読むことができるはずです。
これまで士道達とさまざまな因縁で結ばれていたDEM社と、遂に最終決着を迎える本巻。タイトルも「これが最終巻かな?」と思わせるものになっていますが、本巻ではまだ終わりません。
本巻で士道がデートをするのは、村雨令音(むらさめ れいね)という女性。彼女はラタトスクの解析官として登場しますが、後に精霊の存在に深く関わる人物であったことが判明します。
謎に満ちた存在でしたが、その謎も本巻までですべてが明かされ、士道とデートをする運びになるのでした。
- 著者
- 橘 公司
- 出版日
- 2018-08-18
最終決戦では他の精霊達も参戦して、まさに総力戦となっていきます。ド迫力の戦闘シーンが魅力の本シリーズですが、まさにクライマックスに相応しい派手なものとなっているので、ぜひ注目してみてください。
タイトルが「トゥルーエンド」であるため、最後は明るく終わるのかと思わせつつ、意外な展開に。十香に関わるラストなのですが、彼女が一体どうなってしまうのか、ぜひ実際に手に取って確認してみてください。
いかがでしたか?本シリーズは、小説の他に漫画やアニメなど、幅広いメディア展開をしていてどれもオススメなのですが、ぜひ注目してもらいたいのはゲームです。本シリーズのコンセプトがギャルゲーということもあり、ゲーム化には、まさにもってこい。ゲームに興味のある方は、そちらも遊んでみてはいかがでしょうか。