大手アダルトメーカーの事務所に拾われたアイドルグループが、1年後までに成功しなければAV女優にさせられてしまうというストーリーの漫画『バックステージ』。可愛いキャラにフォーカスしたものが多いなかで、異色のアイドル漫画です。 この記事ではそんな本作の見所をご紹介!スマホのアプリで無料で読むことも出来るので、気になった方はそちらからお試しください。
4人組のアイドルグループ「マイルストーン」、通称・マイストの少女達は、マネージャーと二人三脚でこつこつ活動する、売れないアイドルでした。
容姿も性格も、歌もダンスもそこそこのレベル止まりで鳴かず飛ばず。結成3年目にして、所属プロダクション「マイプロ」が倒産し、解散の危機に陥ります。
そんな彼女達を拾ったのが、新興芸能プロダクション「あすなろ」でした。マネージャーも含めて移籍したところまではよかったのですが、あすなろの親会社は、なんと大手AVメーカー「DSD」だったのです。
- 著者
- ["ニイマルユウ", "オクショウ"]
- 出版日
- 2017-02-20
DSD社長・鬼頭龍平は、残忍かつ狡猾な人物として知られており、マイストを拾ったのもアイドルグループを丸ごとAV女優デビューさせるという思惑からでした。移籍時の契約と1億5千万という違約金を盾に、彼はマイスト全員にAV転向を迫ります。
そこで、この時点でマイストの唯一の味方であるマネージャー・井上カスミが立ち上がるのです。メンバー全員が18歳を迎える1年後までの猶予を取り付け、東京ドームを満員にするという目標を立てて、マイスト再始動に動くのでした。
アイドルを主人公として、その成功までを描いた、いわゆるシンデレラストーリーというのは特に珍しくもありません。『バックステージ!』にもそういった要素があるのは確かですが、本作と他の作品を決定的に違うものにしているのは、売れなければAV転向というショッキングな設定です。
AV転向は、正統派アイドルとしては致命的といえるので、この設定によって本編にはある種のデスゲームにも似た危機感が漂っています。華やかで煌びやかなアイドルの表舞台が輝けば輝くほど、1年後に条件を満たせなかった時の絶望感が際立っていくのです。
設定がいささか突飛ですが、本作もアイドル漫画だけあって、メインとなるアイドルグループのキャラクター達には魅力がたくさんあります。
リーダーの雨宮楓は、ショートカットで活発な印象があり、中学時代にはバスケ部で全国大会出場経験もある、運動出来るアイドルです。メンバーのなかではしっかり者として引っ張るポジションですが、意外と抜けてるところもある天然キャラ。隠れ巨乳なところもポイントです。
次に柊夢乃。幼いルックスに反してFカップであり、メンバー随一の巨乳。社交的で誰とも親しみやすい性格をしていて、そのうえで重度のアニメオタクなのが特徴となっています。
松木由加里はクール系のキャラです。気の強いツンデレ的なところがありますが、実は恐がりというギャップが魅力的。性格的に相反する夢乃とは、喧嘩友達のようなかけ合いが見られます。
そして静真由は、内向的で大人しい少女です。気弱でいじめられっ子体質なせいか、夢乃にからかわれることもしばしば。メンバーのなかでは妹的存在です。もっとも起伏の少ないスタイルも相まって、妹感に拍車がかかっています。
最後に忘れてはいけないのが、マイストの4人を支える裏方の井上カスミです。未成年のマイストを守るため、彼女達をトップアイドルにするために奔走します。ちなみに彼女も鬼頭のターゲットになっており、1年後に目標未達成だった場合は、単独AVデビューとされている人物です。
こうした彼女達の行方を左右するのが、三間坂祐介(みまさかゆうすけ)。かつて、わずか数年で無名アイドルをトップアイドルに導いた敏腕プロデューサーで、売れないマイストを彼が手助けしていくことになります。
あらすじでも触れたように、マイストのメンバーは全員が1年後の目標を達成出来なければ、即座にAV女優に転向するということになっています。これはアイドル志望者、それもうら若き乙女にとっては死活問題です。
この話はもちろんフィクションですし、現実にこんなことはあり得ません。ただ、それでも設定にどこかリアルさがあるというか、奇妙な説得力のあるシーンなどが出てきます。
それもそのはず。本作の原作と原案を兼ねるオクショウは放送作家でもあり、演出家でもあり、プロデューサーでもある人物。現実で有名なアイドルグループAKB48や乃木坂46にも携わる、本物の芸能関係者なのです。
そういう原作者だからこそ出来る、ギリギリの芸能描写が『バックステージ!』のもう1つの魅力となっています。
鬼頭の策略で、窮地に立たされたマイスト。マネージャーのカスミはそのピンチを逆手にとって、AV出演のかかった史上初のアイドルとして売り出すのですが……。
無名時代に比べると知名度は上がったものの、それはあくまでも新奇さ、物珍しさからでしかありません。ネットでも言いたい放題書かれ、しだいに状況は悪化していきます。
- 著者
- ["ニイマルユウ", "オクショウ"]
- 出版日
- 2017-02-20
行き詰まったカスミは状況の好転を狙って、かつての敏腕プロデューサー・三間坂に接触を試みるのでした。
実は彼もまた、鬼頭の犠牲になった男だったのです。カスミに引き入れられた三間坂はマイストのアドバイザーとなって、硬軟織り交ぜた手法を見せていきます。
そこでアイドルは歌が下手でもいい、という理屈が非常に説得力あるものとして語られます。ファンに応援される存在、愛でられるものだからというのです。
無料ライブで観客を集め、とある方法で集金する方法にも驚かされます。思わず「なるほど!」と言ってしまうかもしれません。
アドバイザー・三間坂の機転で、ようやく東京ドーム満員というゴールに光が見えてきました。しかしその矢先、マイストにとんでもないことが起こります。
松木由加里のプライベートセックス動画が、何者かの手によって流出されたのです。
- 著者
- ニイマルユウ
- 出版日
- 2017-10-20
由加里は男性が苦手なツンデレアイドルで、当然身に覚えはありません。さらには、彼女の周辺にストーカーの影がちらついて……。窮地を乗り越えたと思ったら、また窮地。
マイストの新たな試練は、スキャンダルとストーカー被害です。
いずれも人気芸能人には付いて回る、避けられない厄介な問題。犯人の手口や、それを突き止めた手腕も、毎回ながら驚かされます。
またここでは、渦中の人となった由加里が、人間としてもアイドルとしても大きく成長。どのように一皮剥けるのか、実際にご覧ください。
アイドルグループ、マイストの苦難の道はまだ続きます。
季節は夏となり、彼女達は三間坂の発案で海辺のイベント「アイドルフェス」に出ることに。売れなかったらAV転向という衝撃の記者会見から3ヶ月、人気は順調に上がってきていました。
フェスの新人アイドルステージでも、その人気で優勝を目指そうとするのですが……。
- 著者
- ニイマルユウ
- 出版日
- 2018-06-20
ここに来て、まさかの新展開が起こります。新人アイドルステージの出演者のなかに、「売れたらAVデビューする」というキャッチコピーの「デーモンヘッズ」が参戦してきたのです。
マイストとは逆のコンセプトのアイドルグループ。これを仕掛けてきたのは、あの鬼頭龍平でした。
まさかのライバル登場にマイストは動揺しますが、対称的にフェスは大盛り上がりします。もちろん、他のアイドルだって負けてません。
人気も経験も上の相手に対し、彼女達がどう立ち回るのか。鬼頭の悪巧みで大荒れになるフェスの行方が見所です。
いかがでしたか?頑張る姿がまぶしいアイドル達。その今後がどうなってしまうのか、ハラハラしつつも楽しみな作品となっています。本作はスマホの漫画アプリからも読むことが出来るので、ぜひこの機会にご利用ください。