乙女ゲームの悪役令嬢キャラクターに転生!? 待ち受けるエンドは破滅のみなんて嘘でしょ!!? そんな衝撃の事実を知った主人公の、奮闘と恋愛を描くラブコメ『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった』。本作は多くの人気を得て、ラノベからコミカライズ、アニメ化とさまざまなメディア展開がされています。 今回はそんな本作の魅力を、既刊10巻分をご紹介しましょう。
ある日、突然、前世の記憶を取り戻した8歳の少女・カタリナ。公爵家の一人娘として大切に育てられ、わがままま放題のお嬢様だった彼女は、今の自分のいる世界が、前世で自分がプレイしていた乙女ゲームの世界であることに気が付きます。
しかもカタリナというキャラクターは、ゲーム内で主人公にいじわるばかりして、最後は死亡か国外追放という2択の破滅エンドしかない悪役令嬢でした。
- 著者
- 山口 悟
- 出版日
- 2015-08-20
このままでは、破滅する未来しかない!と悟った彼女は、なんとか破滅エンドを回避するべくさまざまな努力を始めて……という内容の本作。
悪役令嬢という立ち位置のはずの主人公がさまざまな行動を経て、本来であればカタリナを追放する立場だったり追い詰めたりするキャラクターが、恋愛相手になったり親友になったりしていく様子に思わず笑ったり納得したりしながら楽しむことができます。
またエンドを回避したと思ったら、さらなるエンドが現れたりなど、予想外の展開もアップテンポで描かれるのでサクサクと読み進めることができるでしょう。ノベルのみならずコミカライズ、さらにアニメ化も決まっており、これからますます目が離せない作品です。
カタリナ・クラエス、8歳。クラエス公爵の一人娘である彼女は、ある日、頭をぶつけた拍子に前世の記憶を取り戻しました。
それは女子高生の自分が、自転車で事故を起こしてしまったという記憶で……。
- 著者
- 山口 悟
- 出版日
- 2015-08-20
8歳のカタリナは一人娘ということもあり、蝶よ花よと育てられ、結果わがまま放題の典型的なお嬢様に育っていました。そんな彼女が前世の記憶を取り戻したところから、物語は始まります。
その記憶は、自分がかつて女子高生で事故で死んでしまったこと。そして今の自分が、前世の自分がプレイしていた乙女ゲームの悪役令嬢であるという事実でした。彼女は、後にバッドエンドしか存在しない悪役令嬢・カタリナに転生してしまっていたのです。
悪役令嬢である彼女のエンドには、国外追放か死亡かの二択しかありません。そのことを確認した彼女は、なんとかそのエンドを避けるため、どうにかしようといろいろなことに取り組み始めます。
それまでわがまま放題のお嬢様でしたが、国外追放されても生き残れるようにと農業を学び、剣や魔法にも真面目に取り組むようになるのです。
しかし、剣や魔法はからきしダメ。それでもコツコツと努力する姿に、周りもしだいに心惹かれていくように……。
前世の記憶があるといっても特別なことはなく、むしろ努力を積み重ねていくタイプの主人公に、1巻を読み終わる頃には読者もすっかり惹かれてしまうこと間違いなしです。
前世の記憶を取り戻してから7年。15歳になったカタリナは、魔法學園へ入学することになりました。
しかし学園に入学すれば、いよいよ本格的に乙女ゲームがスタートします。それは彼女にとって、破滅エンドへの始まりでもあって……!?
- 著者
- 山口 悟
- 出版日
- 2015-09-19
1巻で前世の記憶を取り戻したカタリナでしたが、2巻ではいよいよ乙女ゲームの始まる15歳へとなります。1巻では8歳で、主人公が前世でプレイしていた乙女ゲームが始まる前のことでした。
ゲームの世界は彼女が15歳になり、魔法学園へ入学したところから始まります。2巻は、そんな魔法学園へ入学したところから、乙女ゲーム上でのエンディングまで一気に進むのです。2巻でエンディングまで進むとは、読者にとっては少し予想外かもしれません。
破滅エンドを避けるためにいろいろな努力を重ねているカタリナですが、その努力が実を結んでいるのか、序盤からゲームとは違うことが少しずつ起こっています。
たとえば、本来なら自分のことを嫌っていたはずのライバルキャラのメアリ・ハントやソフィア・アスカルトなどの美少女が親友になっていたり、いずれ自分を追い詰めることになる義弟のキースと仲良くなったりと、着実にゲームとは事実が異なっていくのです。
そして、それは本巻の見所の1つ、カタリナの断罪イベントでも起こります。名前のとおり、ゲーム上では彼女が断罪されてしまうイベントですが、これがどのように変わっていくのか……それはぜひ本編を手に取って確認してみてください。
破滅エンドしかないはずの結末も、地道な努力が実り、なんとか回避することに成功したカタリナ。
破滅への恐怖から解放された彼女は、2年に1度おこなわれるという学園祭の話を聞いてすっかりワクワク気分でしたが、そんな彼女にとんでもない出来事が降りかかり……!?
- 著者
- 山口 悟
- 出版日
- 2016-02-20
国外追放か死亡という破滅エンドを全力で回避するべく、努力していたカタリナ。前巻ではその努力が実を結び、どうにか破滅エンドを回避することができました。
そして手に入れたのは、ゲームでの主人公であるマリア・キャンベルを含め、全員が誰とも結ばれないという友情エンドと、マリアや婚約者のジオルド・スティアート、義弟のキースなどの多くの友人達でした。
いずれにしても、これで破滅エンドはもうないはずと、すっかり気も緩みはしゃいでいたカタリナですが、本巻ではなんと誘拐事件に巻き込まれてしまいます。しかし、記憶を取り戻してからはすっかり誰からも愛されるキャラクターになっている彼女は、誘拐犯の心もきっちりと掴んでしまいました。
ジオルドやマリアをはじめとした友人達が必死で誘拐されたカタリナを探している一方、彼女は学園以上の快適な生活を保障されて、悠々と暮らしているあたりは思わず笑ってしまうでしょう。
3巻は、誘拐事件がメインで、他のエピソードはありません。この事件がこれからの物語にどう関わってくるのかも気になるところです。
誘拐事件も解決し、魔法学園生活も残りわずか。
破滅エンドをなんとか回避しなければと思っていた入学式の時のことを思い返し、今の幸せを噛み締めていたカタリナでしたが、今度は義弟のキースが行方不明になってしまい……!?
- 著者
- 山口 悟
- 出版日
- 2016-07-20
破滅エンドを回避し、代わりに友情エンドを手に入れたカタリナは、ゲームであればマリアと結ばれるはずのジオルドとはまだ婚約者のままの関係です。そのジオルドも、彼女への恋心をいよいよ強めてきて、けっこうなアタックを仕掛けていきます。
しかし、そんな時に、義弟キースが行方不明になってしまうという事態が発生。ジオルドのアタックもさらりとスルーしてしまうカタリナに、思わずツッコミを入れてしまう読者も多いのではないでしょうか。
そして4巻は、キース攻略の巻です。最初は、カタリナが彼に迷惑ばかりかけているから家出してしまったのだと思っていたのですが、実は攫われてしまっていたのです。
それを救うというのが、メインイベント。カタリナを巡る恋愛イベントがいろいろと盛り上がってきている雰囲気も高まってきて、彼女もすっかり悪役令嬢というよりも、乙女ゲームの主人公になりつつあります。
また、4巻には書き下ろし短編も収録されているので、そちらも忘れずにチェックしてみてください。
キースの誘拐事件も無事に解決したカタリナには、もう1つ気がかりなことがありました。それは、ジオルドとの婚約がまだ続いていること。
いつでも身を引く覚悟をしている彼女ですが、そんななかジオルドの婚約者になろうとする令嬢が現れて……!?
- 著者
- 山口 悟
- 出版日
- 2017-05-20
破滅エンドどころか、さまざまなキャラクターと恋愛イベントが起こっているカタリナ。ジオルドとの婚約も継続されていることを気にしている彼女ですが、今回はそんな彼女の前に、ジオルドの婚約者ポジションを狙う令嬢が現れます。
5巻は、そんな彼を巡るドタバタを始め、キースやカタリナの母親などをメインキャラにした話を複数収録した短編集になります。
時系列も主人公もバラバラで、子供の頃の話だったり魔法学園1年生の時の話だったり、卒業間近の頃だったり、キャラクターも、これまでモブキャラだったカタリナの母親などにもスポットが当てられ、物語の奥行をさらに感じることができるでしょう。
なかには同じシーンを違うキャラの視点から描くというものもあり、さまざまな角度から物語を楽しむことができます。これまでとはまた少し違う楽しみ方のできる、第5巻です。
魔法学園の卒業式。2年の学園生活を振り返りながら、いろいろあったとしみじみ思うカタリナ。盛大な卒業パーティーもあって、すっかり浮かれ気分でいました。それもこれも、これで破滅エンドを完全に回避したことになるからです。
しかし、ゲームには続編があったことが発覚して……!?
- 著者
- 山口 悟
- 出版日
- 2018-03-20
いろいろあった学園生活が終わりを告げる6巻。シリーズ当初の目的である破滅エンドの回避も、卒業と同時に完璧になるはずでした。が、ひょんなことから、乙女ゲームには続編が存在しており、そこでのカタリナは国外追放や死亡の破滅エンドよりも、さらにひどいエンドがあるらしいとわかるのです。
それが発覚するのは、謎のメモをカタリナが見つけたからでした。乙女ゲームの続編の存在、さらにその設定としてカタリナに用意されたエンドなどが書かれたメモ。しかも、それはなぜか日本語で書かれており、彼女以外にも前世の記憶を持ち、さらに日本人であった者がいることを示唆していました。
誰がそんなメモを残したのかが気になるところですが、一方でカタリナは魔法省に就職することになります。新しい物語の舞台となる魔法省では、同僚のデューイ・パーシーという存在がキーパーソンとなるのです。
地道な努力を積み重ねてきたデューイと、公爵家の一人娘として恵まれた環境に生まれたカタリナとが衝突し合いながらも、ともに仕事をしていくエピソードは、お仕事成長ものとしても面白く読むことができるでしょう。
そして、これらの仕事をとおし、カタリナは自分のなかでジオルドについても考えるようになるのです。
新たな舞台に身を置くようになった彼女が、これからどのような道を選ぶのかがとても気になる第6巻です。
魔法省に就職し、魔法道具研究室に配属となったカタリナ。社会人になったことを感慨深く思いながらも、それは新たな破滅エンドへの道が始まったことも意味していました。
再び破滅エンドを回避するべく奮闘を始める彼女でしたが、しだいに状況はまずい方向に向かっていて……!?
- 著者
- 山口 悟
- 出版日
- 2018-10-20
魔法省に入省し、魔法道具研究室へと配属になったカタリナでしたが、一方で破滅エンドへ続く道をどうにか回避するようにと再び動き出しました。
しかし、これまでは彼女が前世でプレイしたことのあるゲームだったために、キャラクターがこれからどう動くのかがわかり、だったらそれを避けるために自分はこうしよう、という流れである程度対抗策を練りながら動くことができましたが、今回からは、違います。
プレイしたことのないゲームであるために、それができません。ますます難易度の上がる回避作戦に、ハラハラ度も増してきていくでしょう。
一方、7巻からはマリア・キャンベルがストーリーのメインとして、大きく関わってくることになります。彼女はもともとゲームでの主人公なので、彼女とのストーリーがカタリナにどういう影響を与えていくのかも気になるところです。
新しくなった舞台はもちろんのこと、前世の記憶すらもあまり破滅エンド回避のためには頼りにならなくなってきて、まさに新しい章の始まりといった物語にワクワク感も高まります。
王宮で開かれる会合のために、マナーや知識を事前準備する必要があるカタリナ。勉強が苦手な彼女に、ジオルドが提案して、彼のお城でのお泊まり勉強会に参加することになりました。
ついに彼とカタリナの甘酸っぱい展開があるのかと思いきや、もちろんそうはいきません。カタリナに好意を寄せるキースやメアリも参加すると言い出し、みんなで楽しいお泊まり会になり……。
- 著者
- ["山口 悟", "ひだか なみ"]
- 出版日
8巻でも存分にカタリナの人たらしっぷりが発揮されます。ここ数巻で出番の少なかったメアリやソフィアなどが登場し、平和で可愛らしい時間が流れます。
特にメアリがついにカタリナと一緒のお風呂に入れるかも!?ともくろむ展開は面白いもの。メアリは嬉しいと思いつつ刺激が強すぎたようで、鼻血を出してしまい、結局その姿を拝むことはできず……。
さて、そんな楽しいお泊まり会が前半で描かれた後、後半ではセザールという新しい王子キャラが登場します。ここでもカタリナが人たらしっぷりを発揮。もちろん彼もカタリナに惚れこんでしまうのです。
しかし彼はここで終わりのキャラではなく、今後も登場してきそうな伏線が張られているところが気になります。
その詳しい内容はぜひ作品でご覧ください!
9巻では、子供の誘拐事件に闇の魔法が関わっていることがわかり、法省からカタリナ、ソラ、マリアと上司のラーナが捜調査に向かいます。潜入捜査のため港街の食堂で給仕係として働くところから始まります。
- 著者
- ["山口 悟", "ひだか なみ"]
- 出版日
カタリナが買い出しに出かけたとき、ソラの幼いころの知り合いであるアルノーと出会います。しかし、アルノーは汚れ仕事に手を染めていることがわかり、さらには今回の人身売買に関わっていることがわかるのです。そして、カタリナとソラは捕まってしまいます。
大ピンチな2人を助けたのは、潜入捜査をしていたセザールと光の魔法を発動させたマリアでした。人身売買のグループを捕まえることができ、無事に男爵令嬢も救えましたが、背後の黒幕だと想定ができる闇の魔法使い手サラの行方についてはまだ明かされていません。
まだ明かされていない謎も残っているので、次巻からの展開も見ものです!
本作はアニメ化されており、MBS、TOKYO MX、BS11などで放送されました。
カタリナに声を吹き込むのは人気声優の内田真礼。『ご注文はうさぎですか?』のシャロ役や『約束のネバーランド』のノーマン役でおなじみです。本人によると、カタリナのコロコロ変わる表情に注目してほしいとのこと。
幼少期のジオルドを演じるのは瀬戸麻沙美。成長後を演じる蒼井翔太は、エンディング主題歌も担当しています。
TVアニメ『乙女ゲームの破滅フラグしか無い悪役令嬢に転生してしまった…』公式サイトでは、原作者・原口悟とキャラクター原案とコミック担当・ひだかなみによるTVアニメ化記念イラスト&コメントも公開されています。
登場人物たちの微妙な関係性もわかるPVも見ることができるので、いち早くアニメの世界観をチェックしてみてください。
いかがでしたか?行く先は破滅エンドしかない悪役キャラが、なんとかしようと頑張って、それによって周りのキャラクターが変化していく本作。もとは悪役であることをつい忘れてしまうくらい主人公の可愛さが際立っているので、楽しくて笑えて可愛い話を読みたい方は、ぜひ手に取ってみてください。