不器用だけどまっすぐな少年と個性の強い美少女たちの織り成すラブコメを得意とする新木伸。さくさくと読み終えてしまえるけれど、同時に不思議と心に残る世界観を構築しています。 そんな新木伸の作品のおすすめを5作ご紹介します。
新木伸は1968年、東京都生まれの小説家です。おもにファンタジー、SF、キャラクター小説のジャンルで執筆しており、Web小説サイト「小説家になろう」「カクヨム」などでも積極的に作品を発表しています。
ジークは4人のスペシャリストたちに支えられて「星間万業SSS」を営んでいます。経験豊富で、美女、美少女揃いの彼女たちにジークは押されっぱなし。
ですが、危機のときには、ジークの指揮のもと、固い信頼で結ばれたチームワークで解決してしまうのです。そんな彼らにお姫さまが助けを求めてやってきて……。
- 著者
- 新木 伸
- 出版日
- 2014-05-03
意志の力があれば、物理法則もねじ曲げて超人的な活躍する「ヒーロー」がひしめき合っている世界を舞台に物語が展開していきます。
不器用でまっすぐな少年社長の周辺を癖のある美女や美少女たちが固める「ハーレムもの」に類される作品ですが、そればかりでなく、可愛い女の子との関係にどぎまぎする等身大の年頃の少年の描き方がうまいなぁと感心してしまうことと思います。
スペースオペラが好き、ハーレムもの好き、ラブコメ好きな人たちはもちろん、日常を離れた冒険とアクションを楽しみたい人たちにおすすめです。爽快ですよ!
クラスメイトたちから「神カップル」と公認を受ける、まるで夫婦のような関係の幼なじみの新城拓真と神崎美奈。
ある日、拓真の家に大きなタマゴが届き、説明書の指示を受けて温めてみたら生まれてきたのはなんと美少女で……。
- 著者
- 新木 伸
- 出版日
- 2008-06-30
主人公が苦悩する典型的なラブコメです。周囲がひやかしても幼なじみ同士として以上の意識がなかったふたりが、タマゴから生まれた美少女の存在によって互いを意識しはじめて、物語が動き出すあたりも、まさに典型的といえると思います。
この作品でも、主人公の少年は青くて不器用で、それでいて一生懸命でまっすぐで、つい応援したくなってしまうキャラクターで、美少女たちが世話を焼いたり、好きになったりするのも仕方ないのかなと感じさせてくれます。新木のキャラクター作りがうまいのでしょうね。そのキャラクターたちのおかげでとても読みやすいのです。
THEラブコメともいうべき作品、ぜひお楽しみください!
放課後や昼休み、四ノ宮京夜が所属するGJ部(グッジョぶ)という活動内容不明の部の部室の扉を開けて展開していく4ページ完結のゆるふわショートショート小説集です。まさに4コマ小説。各巻36話が収録されています。
- 著者
- 新木 伸
- 出版日
- 2010-03-18
登場するのは、ちっちゃくて噛みまくりの部長・真央。ゲームの天才で博識だというのに、常識はまったく知らない紫音。お肉大好きで無口でミステリアスな綺羅々。ティータイムマスターの恵。マイペースでモエモエな環。
ちょっと珍しい形の小説ですので、最初は戸惑うかもしれませんが、読みはじめるとキャラクターたちとゆるふわを楽しむような不思議な感覚に陥ります。それがとても心地よくて、気が付くと「大好き」になってしまうかも。
肩をはらずに読めますし、小説や活字に少し抵抗がある人にもすんなり入れる作品だと思います。気負わずに、GJ部を覗いてみませんか?
エロマンガ好きを公言する高校生の紫東陸は、エロマンガ専門店「マーベラス」で、時給エロマンガ1冊でアルバイトをしています。その店は、男子に人気あるクラスメイト・朝倉綾乃が、ぎっくり腰でダウンした父の代わりで店長を務めているのですが、いろいろ個性的なお客さんが集まる「マーベラス」で、綾乃はエロマンガに耐久がない上にセクハラを受けて鼻血を出してばかりで……。
- 著者
- 新木伸
- 出版日
- 2012-02-29
エロマンガ専門店という特殊な舞台設定で、店長代理もアルバイトも高校生だったりするので、まず1巻冒頭で「成人指定なるものがない世界」との但し書きがしてあります。そこのひっかかりを突破してしまえば、鼻血を出しまくるヒロインというのも可愛らしくて魅力的ですから、ちょっとHなどたばたラブコメものとして楽しめる作品です。
可愛らしい女の子がいて、お互いなんとなく好意を抱き合い、それでちょっとだけHな展開があって、というのはラブコメの定番のひとつ。元気になれる楽しさがあふれています。表紙のポップなレイアウトともども楽しんでほしいと思います。
俺=「店主」は、ある路地を曲がった途端、異世界に紛れ込んでしまいます。突然現れた俺に親切にしてくれた異世界の人たちに恩返しをするために、エルフ娘を店番に雇って小さな商店を開くことに……。
- 著者
- 新木 伸
- 出版日
- 2015-12-22
異世界と現代社会を行き来できる「店主」の店に置いているのは現代文明の品ばかりで、毎日よく売れて、大繁盛。お客さんたちも実に個性的で楽しくなってしまいますが、そればかりでなく、現実的な問題や世知辛い部分も登場したりして、作品のテーマとしておいている笑顔のスローライフな点だけではありません。
ファンタジーながら「現実」が見えてしまう箇所も登場しますが、それも主人公が「ま。いっか」と流しているので、こちらも「いっか」と思えてしまうんです。そんな不思議な感覚を味わえる作品。疲れているときにこそおすすめです。