本作は「週刊少年ジャンプ」で連載されている、堀越耕平の作品。少年少女がプロヒーロ―を目指して日夜努力し、ヴィランと呼ばれる悪役と戦うアクション漫画です。 多彩なキャラとそれぞれ固有の能力「個性」が魅力的な本作において、謎の多い特異な立ち位置の人物。それが今回ご紹介する、青山優雅です。そんな彼の魅力や名言をお伝えしましょう。
青山優雅は『僕のヒーローアカデミア』(以下、ヒロアカ)に登場する、主人公のクラスメイトです。
ヒロアカの世界は、世界総人口の約8割がなんらかの特殊能力「個性」を持つ超人社会で、そこには社会秩序を保つための職業「ヒーロー」が公然と存在します。
そんな未来のプロヒーローを育成する機関、雄英高校の1年A組に、デクこと主人公・緑谷出久(みどりや いずく)と青山は所属しているのです。
- 著者
- 堀越 耕平
- 出版日
- 2014-11-04
青山は5月30日生まれの年齢15歳で、身長は168cm。目を引く金髪と、紫がかった碧眼に特徴があります。個性は、ヘソからビームを出す「ネビルレーザー」。サプライズが大好きという、自称フランス出身の少年です。あだ名は特にありません。
ヒーロー名は「Can't stop twinkling.(キラキラが止められないよ☆)」。コスチュームはマントを羽織った騎士風で、おそらく白馬の王子様がイメージなのでしょう。
1-Aの生徒にはかっこいい、あるいはかわいいキャラが多いですが、彼はウザキャラ。それなのに不思議な魅力があり、作者にいたっては描いていて面白いと語っています。
個性は両親から受け継ぐものですが、今のところ彼の家族の描写はなく、いろいろと謎に包まれています。後述しますが、個性は幼少期から持て余していたようです。
アニメ版での声優は、桑野晃輔。
彼は語尾に「☆」を付けたり、振る舞いがいちいちキザったらしく、周囲からウザがられているキャラです。学力テストでは1-A20人中18位と、気取っている割りにはイマイチ。さらに1-Aには何かと派手な個性持ちが多いので、本来目立つ個性であるネビルレーターもパッとしません。
そんな彼ですが、先天的に個性が体に合っておらず、ベルトがなければビームが勝手に出てしまっていたとか(「漏れちゃう」と発言)。殺傷力の高い力ということもあり、制御出来るようになるまでは本人も周囲もかなり苦労したはずです。
個性を活かせるヒーローの道に進んだのですが、1-Aには目的意識の強い生徒が多く、彼は密かに壁を感じていました。
厳しい仮免試験の場では、みんなと違うとこぼし、対等になりたいと吐露する場面も。強い力で一般社会にいられなかったのに、雄英高校でも居場所がないと感じていたのです。
人より優れているのに、普通の感覚を持っているのが彼の魅力といえるでしょう。
ヒロアカの本筋には、ヒーローと敵対するヴィラン連合という悪の暗躍があります。ヴィラン連合は多数のヒーローを輩出する名門・雄英高校にも何度となく攻撃を加えており、その経緯から雄英に内通者がいるかもしれないことが示唆されています。
青山は最初期から登場している割りに、あやしいフランス語を駆使して本性が掴めないなど、謎多きキャラです。そのため裏切り者の正体、1-Aを危機に陥れているのは彼なのでは、とも考察されています。
そのキャラクター性以外にも、彼の怪しい場面は多々ありました。窓に張り付いて寝ているデクを見下ろしていたり、必殺技を披露した際に、レーザーで「大人しいやつには気を付けろ」とフランス語で書いたり……。
デクを見ていた件に関してはサプライズだったと後に言っていますが、どうしても怪しさを感じてしまう描写でしょう。
しかし、林間合宿で怖いと震えながらもヴィランに一矢報いたり、仮免試験での言動からすると、黒幕という可能性には疑問が浮かんできてしまいます。
青山の個性「ネビルレーザー」は高威力、大射程の遠距離ビーム攻撃が強みです。雄英高校の入試時点で、10数メートル先の標的を一撃で粉砕する威力がありました。
誘導性能に乏しく、本人が立ち止まった状態でないとまともに当てることは出来ませんが、ビーム発射の反動で一時的に空中移動するという芸当も可能です。
しかし、ベルトがなければビームのコントロールが難しく、さらには1秒以上照射すると腹痛を起こすという副作用があります。
一見くだらないデメリットですが、生理反応であるため抑えることは困難で、人気商売であるヒーローとして考えても、決して無視出来ない深刻な問題なのです。
個性強化の一環としてコスチュームに改良が加えられ、ベルト以外にも両肩と両膝にヘソからのレーザーを伝達する発射口が設定されたことで、ネビルレーザーの攻撃方法に応用の幅が出来ました。
そうして考案されたのが、両肩とベルトから断続的に撃つ「ネビルブュッフェ☆レーザー」です。両肩と両膝を姿勢制御に使えるようになれば、空中移動が自在に出来るようになるかもしれません。
彼の印象的な名言・名シーンをご紹介したいと思います。本編にはあまり絡まないキャラなのですが、その分、スポットが当たった時には奇妙な存在感を示します。なかでも印象的なシーンを3つ選びました。
ノンノン
まぶしいじゃなくて
ま・ば・ゆ・い!
(『僕のヒーローアカデミア』11巻より引用)
活発化するヴィランの行動に対して雄英高校は全寮制となり、1-Aは全員、学生寮「ハイツアライアンス」に入寮します。その際、キラキラ輝く私室を「まぶしい」と評された青山は、このように返したのです。
常にキラメキを重んじる、彼らしい言動と部屋のセンスでした。このブレなさに関しては、誰よりも一貫しているといえるでしょう。
- 著者
- 堀越 耕平
- 出版日
- 2018-07-04
サプライズは嬉しいだろう!?☆
僕はサプライズが何よりも嬉しいのさ!
僕が嬉しいと思うことをしたのさ
(『僕のヒーローアカデミア』19巻より引用)
デクに対して、ストーキングとも思える行為をしていた青山。実は彼なりに入学以来デクに注目しており、一方的にではありますが、親近感を抱いていたことを告白するのです。
インターン以来、デクが焦って本調子でないことを見抜いており、励ますつもりでストーキングまがいの行動を取っていたのでした。
ちなみに、先述した窓に張り付いていたシーンでのサプライズは、ここにつながります(それでも、あの描写は怪しすぎる)。ややズレているものの、人柄のよさがうかがい知れます。
- 著者
- 堀越 耕平
- 出版日
- 2017-02-03
僕はずっと対等になりたかったのさ
(『僕のヒーローアカデミア』12巻より引用)
仮免試験で青山らしくない弱音と、自己犠牲の精神を見せたシーンです。いつもの高飛車キャラが虚飾で、本当は彼も足掻いていたことがわかります。特に、目標に向かってヒロイックに行動するデクや飯田には、憧れの気持ちすらあったようです。
彼の等身大の人間くささが感じられる、名シーンでした。
いかがでしたか?青山優雅は一見ギャグ要員に思えるものの、地味だけれど光る活躍が目立ちます。彼が今後どのような活躍をしていくのか、期待大です。