普段は女子高生の主人公達が学食のカフェを切り盛りしつつ、生徒のお悩みを調査して解決したりもする、ゆる~い日常のコメディ漫画。ラブ展開や、百合展開も楽しめる5人の女子高生たちの学園生活を描いた作品です。 無料のスマホアプリでも読めるので、気になった方はそちらからどうぞ!
主人公の都幾川えみな(ときがわ えみな)は、女子校である私立つばめヶ丘学園に入学したばかりの新入生です。つばめヶ丘学園は部活動が盛んで、生徒が新しい部を立ち上げることにも寛容な学校。推理小説好きのえみなは、趣味と実益を兼ねた「探偵部」を作ろうと意気込んでいまいした。
しかし、乱立しすぎた部活数を抑制するための措置で、その年に設立できる部活は1つだけという事態に。料理をやりたい者、服を作りたい者など、部を作りたい新入生がえみなを含めて5人いました。彼女達は設立条件を満たすため、部員を集め始めました。
- 著者
- 藤代 健
- 出版日
- 2010-07-22
部活数が多いこともあり、新入部員の獲得に苦戦する面々。そこでえみなは、全員の希望を叶える方法を提案しました。それが、おのおのの得意分野を活かすカフェ部の設立。みんなが納得し、念願の新しい部が設立することになりました。
発起人権限として、えみなは探偵部がメインとなる「かへたんていぶ」が結成されました。
5人はそれぞれの個性を活かしてカフェを運営しながら、ゆる~い学園生活を謳歌していきます。他愛ないやりとりばかりですが、時々探偵部らしいことも。依頼者からの相談は、恋愛関係であったり、ミステリーのイベントに参加したり……「かへたんていぶ」の日常はとても平和です。
読みやすいショートギャグ形式なので、最後まで飽きることなく読むことができます。
藤代健(ふじしろたけし)は埼玉県出身の漫画家、イラストレーターです。詳しい経歴は非公開となっていますが、漫画家になる以前(1990年代ごろ)にはアニメ製作会社AICのアニメーターを勤めたり、TKS名義でPCゲームのキャラクターデザインを手がけていました。
2000年に森高夕次(漫画家コージィ城倉の別名)原作の『トンネル抜けたら三宅坂』コミカライズで漫画家デビュー。
読み切りを経て、2002年から「月刊少年ガンガン」で連載開始した『ながされて藍蘭島』がヒットし、代表作となりました。同作は小説、アニメなどのメディアミックスが行われています。
- 著者
- 藤代 健
- 出版日
- 2003-01-22
『ながされて藍蘭島』は唯一の男の主人公と、多数の女性が無人島で暮らすという恋愛ハーレムモノで、ライトタッチのコメディ作品です。本作も学園コメディ作品ですので、明るく楽しい展開が作者の作品の特長といえるでしょう。
また明言こそありませんが、『かへたんていぶ』と『ながされて藍蘭島』の世界は繋がっているらしく、見覚えのあるキャラや名前がちらほら登場します。『ながされて藍蘭島』ファンにとっても楽しめる作品となっています。
主人公はえみなですが、必ずしも彼女が中心となるわけではないので、実質的かへたんていぶの5人が主人公格といえるでしょう。
都幾川えみな(ときがわ えみな)
小柄な体格に反してグラマラスな少女で、2つに分けたおさげ髪が特徴です。親族に推理作家がいる影響で探偵小説家を目指しており、成績も優秀で悪知恵の働く頭脳派。その反面、なぜか舌足らずで幼いところがあるのも魅力です(カフェではなく「かへ」なのもこのため)。
瑞穂なな(みずほ なな)
「大食い大魔王」という異名のある料理が得意な関西弁少女。背丈はそこそこですが、メンバーでは1、2を争う残念体型です。えみなの弟とは当人同士に自覚はないものの両想いで、劇中での甘酸っぱい恋愛描写の一端を担います。
鳩山美由(はとやま みゆ)
新入生でトップ5に入るといわれている美少女。しかし、特撮オタクをこじらせているところが玉に瑕。特撮ネタに絡めた話が多く見られます。女子校育ちのため、羞恥の基準が他人と異なりパンチラを連発します。後述するサービスシーン要員。
花園静(はなぞの しずか)
身長176cmの長身と黒髪が目立つ控えめな少女です。洋服を作るのが得意で、カフェの衣装や内装を担当します。小柄な可愛いものに憧れを抱いており、えみなに対して若干百合的な感情がありそう……。彼女の暴走(?)も見所でしょう。
名栗理沙(なぐり りさ)
レトロゲームが大好きな腐女子。えみなに次いで背が低く、男言葉で話すところが特徴です。ゲームは典型的な下手の横好きで、意外と語学が堪能な様子。ななと同レベルの残念体型の持ち主。
そして影は薄いですが、5人には欠かせない存在部活の顧問、宮代巴(みやしろ ともえ)がいます。これ以外にも「かへたんていぶ」に後から加入する下級生、他部活のクラスメイトなど様々なキャラが登場します。全員が個性被りしていないのが凄いところ。
伝統レシピや旧カフェ部が残した機材とななの料理の腕前もあって、かへたんていぶが運営するカフェはすぐさま評判となります。そこに静のお手製衣装を作り、理沙が自前のテーブル筐体(レトロゲーム)を持ち込み、見た目も味も本物の喫茶店に勝るとも劣らないものに。
ここまで本格的なカフェを運営していることからわかるように、カフェでの日常コメディが基本な本作。もちろん「探偵部」としての依頼は随時受け付けていますが、さすが女子高生、来る依頼は人捜しや恋愛相談ばかりです。平和な高校生活ならではの日常が、テンポよく描かれています。
時折、合宿で泊まり込みのミステリーイベントに行くこともあります。イベントではちょっと凝った推理を披露することも。素人女子高生ながら、なかなか侮れません。ぜひ彼女たちと一緒に、推理してみてはいかがでしょうか。
かへたんていぶの部員は、全員可愛い女子高生。学校の制服もカフェの制服もどちらも魅力的ですが、彼女たちの私服も毎回変わりますので、ぜひ注目してみてください。5人の個性が感じられるファッションは、実際の女子高生感があります。
また、衣装によるサービスシーンも見過ごせません。ローアングルでのパンチラや、体操服に着替えるシーンもしっかり描かれています。
なかでも美由は「下着は大事なところを隠す布」という認識のせいで、局部さえ出てなければ平気という清々しいパンチらを見せます。特撮好きならではの性格で、恥ずかしいポーズも平気で見せてくれます。彼女の動きには目が離せません。
ゆるゆるした日常を描く「かへたんていぶ」。みんなでテスト勉強をしたり、スポーツ大会があったり……楽しく学園生活を送っている彼女たち。
最終巻ではさらに、本格ミステリーイベント「ミステリーナイト」の2回目が開催されて、最終回に向けてますます盛り上がりをみせていきます。
- 著者
- 藤代 健
- 出版日
- 2019-04-12
これらの内容と並行して、ななとえみなの弟・都幾川トウマの恋愛模様に進展が見えるところも注目です。2人の気持ちは端から見ているとバレバレなのに、当人たちはまったく自覚がない様子。お互い好き合っている彼らがついに急接近して……。
また、最終回に向けてサービスシーンもてんこ盛りとなっています。女子高生による学園生活の青春が余さず描かれており、今までにないお色気展開も楽しめます。
最後までマイペースな「かへたんていぶ」なので、しんみりすることがありません。ゆる~い学園コメディの最後、そしてななとトウマの恋の行方をお楽しみください。
いかがでしたか?あくまでも女子高生の日常がメインの本作。気楽に読めるのが魅力です。