『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』(通称「俺ガイル」)は、渡航による大人気ラノベ。千葉の市立高校を舞台に、「青春とは嘘であり、悪である」と考えるぼっちの主人公と、才媛の美女、心優しいギャルの3人を中心にくり広げられる、学園ラブコメディです。すでにアニメ化もされており、2019年3月には、第3期の制作が発表されました。 この記事では、各巻のあらすじと見どころを紹介していきます。ネタバレも含まれますので、未読の方はご注意ください。
『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』、通称「俺ガイル」は、作者・渡航によるラノベ作品で、全世界累計発行部数は1000万部を超えているヒット作品です。
さらに、『このライトノベルがすごい! 』では、2014年と翌15年、さらに16年に作品部門で第1位を獲得し、殿堂入りを果たしています。
また、好きな男性キャラクター部門では、主人公・比企谷八幡(ひきがやはちまん)が2014年に第1位を獲ると、翌15年には同じく男性キャラ部門で比企谷はもちろん、好きな女性キャラクター部門でも雪ノ下雪乃が、そして好きなイラストレーター部門では、イラストを担当しているぽんかん⑧が1位を獲得するという快挙を遂げました。
- 著者
- ["渡 航", "ぽんかん8"]
- 出版日
主人公・比企谷八幡は、変にひねくれた性格の持ち主で、友達を作ろうとはせず一貫してぼっちで高校生活を送っていましたが、それを見ていた生活指導の教師に目をつけられ、「奉仕部」と呼ばれている部活に入れられてしまいました。
そこで様々な人とぶつかったり打ち解けたりしながら、いつの間にか青春のようなものを送っていき…?
2013年に第1期が放送されると、第2期「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続」が2014年に、第3期「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。完」は2019年に放送されました。
江口拓也や早見沙織など、超人気声優が名を連ねている本作。
詳しくは、「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。完」テレビアニメ公式サイトをチェックしてみてください。
主人公の比企谷八幡(ひきがやはちまん)は、千葉市立総武高校の2年生。
「ぼっちを貫いた1年生を振り返った、リア充への恨み満載の作文」を提出した罰として、国語教師の平塚静が顧問を務める奉仕部入部を命じられます。
奉仕部は、総武高校の正式な部活動。依頼者の自己変革を促しながら、悩みを解決することを目的としています。部員は、部長の雪ノ下雪乃(ゆきのしたゆきの)ひとり。2年生になっても存在感が希薄なひねくれ者の八幡と違い、彼女は学校一の秀才で、大人びた美少女でした。
2人しかいない奉仕部。しかし価値観が相い入れず、互いに貶しあい、意見を譲りません。いがみ合う二人に、平塚先生は「どちらが正しいか、奉仕部への依頼の解決で証明しろ」と告げます。波乱を予感させる奉仕部の活動がスタートします。
- 著者
- ["渡 航", "ぽんかん8"]
- 出版日
本作の見所は、奉仕部に持ち込まれる依頼を2人が解決していく姿です。
八幡と同じクラスながら、スクールカースト上位グループのギャル・由比ヶ浜結衣(ゆいがはまゆい)、ラノベ作家を目指す材木座義輝(ざいもくざよしてる)、外見は美少女の男子・戸塚彩加(とつかさいか)などが依頼に訪れます。しかし八幡と雪乃は、衝突を繰り返すばかり……。
八幡の考え方の腐れぶりと、雪乃の気持ちいいほどの口の悪さが冴え渡ります。さらにそこへ必要以上にからんでくる由比ヶ浜など個性的な人物が次々に登場し、何とも賑やかな第1巻です。
今回、奉仕部に依頼を持って現れたのは、八幡と同じクラスで、スクールカーストの最上位に位置する葉山隼人(はやまはやと)。
その依頼内容は、最近出回っているチェーンメールのせいで、クラスの雰囲気が悪くなっているのを何とかしたいというもの。しかし犯人を捜すのではなく、事を丸く収めることを彼は希望していました。
八幡はぼっちならではの観察眼で問題の原因を見抜き、その原因を取り除けばいいと提案をします。
- 著者
- 渡 航
- 出版日
- 2011-07-20
2巻はなかば強引に奉仕部に入部してきた由比ヶ浜に注目です。人と群れることを厭う雪乃にも懐き、八幡のことをヒッキーと呼び、「キモい」などと言いつつ八幡への愛着さえ覗かせています。
実は入学式の日、八幡は交通事故に巻き込まれたのです。それに関わっていたのが由比ヶ浜。八幡がぼっち生活を送ることになったのは、その事故のせいで高校生活のスタートからつまずいたため。彼女はそれを気にしていたのです。
しかし、そんなことで優しくする必要はないという八幡。人の優しさを素直に受け止められないのはぼっちの性でしょうか。八幡と雪乃、そこに由比ヶ浜を加えた関係は、果たしてどんな風に発展していくのか、期待が高まります。
八幡に突き放され、結衣は部活に顔を出さなくなってしまいます。
そんな奉仕部に、顧問の平塚先生は活動が活性化するよう部員の補充を命じます。雪乃は、結衣を奉仕部に戻そうと手を打ちます。
奉仕部には、将来の夢をラノベ作家からゲームシナリオライターへとあっさり変えた材木座が再び依頼にやって来ます。彼は、自分の夢にケチをつけた遊戯部の部員をゲームでやり込めたいので助けてほしいようです。
- 著者
- 渡 航
- 出版日
- 2011-11-18
3巻では、雪乃の姉・陽乃が登場します。
総武高校の卒業生で、国立理工系大学に通う彼女は、雪乃ですら敵わない強烈なオーラの持ち主。外面のよさと底の見えない腹黒さで周囲をひっかき回し、八幡と雪乃の関係にも今後大きくかかわってきます。
そして、遊戯部とのトランプゲーム対決も見逃せません。それは「中2病で何が悪い」を争う勝負にもなりました。雪乃と結衣も加わりながら、脱衣ルールありのゲーム対決になります。しかし、勝負を決めたのは、頭の良さでもずる賢さでもありませんでした。勝敗の結果は、ぜひ本編から確認してみてください。
夏休み。八幡たちは平塚先生から、地域の小学生たちの林間学校をサポートするよう命じられます。家でぼっち生活を満喫していた八幡でしたが、可愛い妹・小町に連れ出され、協力する羽目に。
そこで小学生のぼっち・鶴見留美(つるみるみ)と出会います。奉仕部として、その子が周囲と協調し、ぼっちから脱せられるように手伝います。同じくサポートに来ていた葉山は、みんなで仲良くできる方法を考えます。しかし雪乃は、うわべだけ取り繕っても解決にならないと葉山の考えを全否定します。
- 著者
- 渡 航
- 出版日
- 2012-03-16
今回の依頼は、八幡らしい提案にご注目ください。みんなで仲良くできないなら、みんながぼっちになれば争いも起きないと、肝試しの場でその案を実行。
作戦成功かと思えた寸前、鶴見たち小学生は八幡たちが予想もしなかった行動に出ます。「本人たちが自分自身で問題を解決する」ことは、この先の展開でも大きなカギを握ります。
また、4巻では葉山が好きな子のイニシャルだけ明かします。だれを指しているのかも気になるところです。
夏休みももうすぐ終わり。結衣に誘われて花火大会に出かける八幡ですが、浴衣姿の可愛らしさにうっかり好きにならないよう自制します。忘れがちですが、彼女はスクールカースト最上位のメンバーなのだから。
花火大会の会場では、雪乃の姉・陽乃とばったり。妙に気に入られている八幡は、雪乃の弱みを知ることになります。
陽乃によれば、雪ノ下姉妹の母親は、陽乃でさえ怖いと思うほど。雪乃は、自分と違って、母と折り合いをつけるのが苦手だと。学校では見えない、雪乃の家庭事情を知ることになります。
- 著者
- 渡 航
- 出版日
- 2012-07-18
また、高校の入学式の日、八幡をはねた車に雪乃が乗っていたことが明らかになります。ただ、自分のスタイルを崩せない八幡は、事故についても、雪乃が抱えている問題も、踏み込んで知ろうとはしません。
八幡は、雪乃が事故のことを黙っていたことから、雪乃の理想像を勝手に作り上げていたことに気づきます。そしてそこに生まれる「ぼっち」らしからぬ感情。一方、事故がなくても奉仕部のふたりに出会っていたと思いたい結衣。彼女が気持ちを吐露する場面も……。
3人それぞれの「距離感」が変わっていく様子は、本作の重要な要素となっていきます。
季節は秋になり、文化祭が近づいてきました。HRに出ていなかった八幡は文化祭の実行委員に選ばれてしまいます。もう1人は、クラスの二番手グループのリーダー・相模南(さがみみなみ)。
肩書き欲しさに実行委員長にまで立候補した相模ですが、奉仕部にサポートしてほしいと虫のいい依頼をしてきます。珍しく怒る結衣ですが、雪乃は副委員長に就任。相模の存在がかすむほどの活躍で実行委員会を回します。
本番も大成功のままエンディングへ。ところが、文化祭の締めくくりを務めるはずの相模の姿が見当たりません。
- 著者
- 渡 航
- 出版日
- 2012-11-20
八幡が悪目立ちする6巻。相模のせいで活動が停滞した実行委員会では独特な嫌味を言ったり、文化祭最終日にやっと見つけ出した相模へ辛辣な態度を取ったりします。
しかし、これには理由がありました。平塚先生は、八幡の成果を認めつつも「誰かを助けることは、君自身を傷つけていいことにならないよ」といいます。真意を知れば知るほど、八幡の行動には胸が痛みます。
そして、入学式の日の事故に関して、八幡と雪乃がついに直接語るときが来ます。半年かけてようやく互いの存在を認めるふたり。こちらの展開も見逃せません。
文化祭以来、クラスの中で八幡の立場はさらに危ういものになってしまいました。しかし、「ぼっちとはこういうもの」と本人は涼しい顔です。
修学旅行を前に、奉仕部に恋に関する依頼が舞い込みます。依頼主は、葉山グループの戸部翔(とべかける)。同じグループの腐女子・海老名姫菜(えびなひな)に告白したいが、ふられたくはないという、これまた都合のよい依頼です。
良策も見つからぬまま、舞台は修学旅行先の京都へ。何かを感じ取った女子グループのリーダー三浦は、「海老名に変なちょっかいを出すな」と奉仕部にくぎをさすのでした。
- 著者
- 渡 航
- 出版日
- 2013-03-19
戸部から海老名への告白の場で、だれも傷つかないように八幡がとんでもない手を打ちます。自分の流儀を貫く八幡。しかしその事に、雪乃はきっぱり「嫌いだ」と言い切ります。そしてこの行動によって、結衣の心も傷つけることに。
しかし八幡の選んだ方法は、うわべの楽しさと揶揄されても、得ることより失わないことを選ぶ葉山グループの願いをかなえたのです。八幡たちがいつか同じ選択を迫られたらどうするのか、いやでも想像させられます。
1年生の一色いろは(いっしきいろは)が、平塚先生と生徒会長の城廻めぐり(しろめぐりめぐり)先輩とともに、奉仕部を訪れます。
彼女の依頼は、「周りの悪ノリで生徒会の会長選に出る羽目になったが、当選しないようにしてほしい」というものでした。
八幡は、応援演説を自分がおこない、それが原因で不信任になれば一色は傷つかないと考えます。しかし修学旅行のときのこともあり、部長である雪乃はそれを認めません。
そして、奉仕部の3人はそれぞれの方法で選挙戦に臨むことにします。
- 著者
- 渡 航
- 出版日
- 2013-11-19
選挙は、一色の望む本来の形で幕を閉じました。ここでは、雪乃の「わかるものだとばかり、思っていたのね」という言葉が大きなポイントとなります。いったい何を「わかる」のか、だれが「思っていた」のか。
一方八幡は、自分が大きな失敗を犯したのかもしれないと考え直します。「わたしたち、間違えてないよね」と、3人の関係が元通りになることを切望する結衣のいじらしさ。その願いはかなうのでしょうか?
何が正解なのか、もしくはどうすることが間違えないことなのか、読者も考えさせられます。
生徒会長選挙が終わってから、雪乃は変わってしまいました。しかしそれに気づかないように、うわべだけのなれ合いを続ける奉仕部の3人。
これまで積み上げてきた関係も、終わりが近いのかもしれません。
閉塞感を破るように、近隣の海浜総合高校との合同クリスマスイベントをサポートしてほしいと、生徒会長に就任した一色が依頼を持ち込みます。自分の行動により、生徒会長になった一色と、生徒会長にならなかった雪乃。両方に責任を感じ、八幡は依頼を個人的に受けようと考えます。
- 著者
- 渡 航
- 出版日
- 2014-04-18
奉仕部の3人が少しずつ自分をさらけ出しながら、理解し合おうとする場面は見どころです。そんなとき、平塚先生が八幡にヒントをくれます。「傷つけたくないから遠ざけるのではなく、なぜ傷つけたくないのかを考えろ」と。
その言葉を受けて八幡が絞り出す心の声は見逃せません。3人の思いのぶつけ合いが胸に迫る、シリーズ最長の第9巻です。
年が明け、八幡のクラスでは「葉山と雪乃が付き合っているのでは」という噂が流れます。
さらに、葉山が進路を明らかにしないこともあり、葉山の真意を知りたいと、クラスの中心的存在の三浦優美子(みうらゆみこ)が奉仕部に依頼を持ってきます。
いつもは傲慢さが目立つ三浦ですが、今回は素直な一面がうかがえます。葉山が何を考えているのか、八幡はマラソン大会を使って、お得意の挑発を仕掛けます。
- 著者
- 渡 航
- 出版日
- 2014-11-18
注目したいのは、単なるイケメンではない葉山の人間像です。人を傷つけたくないから、人の期待に応え続ける。そんな彼は、人を傷つけたくないという八幡の姿勢を以前から意識し、高く評価していました。葉山を通して、八幡の個性がより露わになるといえるエピソードです。
また、雪乃の変化も見逃せません。
誤解されても、「近しい人が理解してくれるならいい」と、考え方も優しく柔らかくなっていきます。前巻での心のぶつけ合いが奏功したようですが……果たして。
また、10巻では八幡と由比ヶ浜、八幡と雪乃をふたりきりにするというよくできた妹・小町のはからいも見どころ。本作の影の仕掛人かもしれません。
バレンタインデー間近。奉仕部の部室にいろいろな女子生徒が相談に訪れます。生徒会主催の「手作りチョコ試食会」を仕切ることになった一色からは、奉仕部は見守ってくれるだけで大丈夫と言われます。
依頼人たちが去り、3人きりになった部室には懐かしささえ漂います。八幡は、1年ほどの間に大きく変わってしまった3人の関係や、周囲の状況を実感します。もはやぼっちではないのかもしれません。
- 著者
- 渡 航
- 出版日
- 2015-06-24
一色のイベントは大成功。総武高校内外、奉仕部のこれまでの依頼主もたくさん集まり、陽乃や平塚先生らも顔を見せ、思わず八幡は「楽しいな」とつぶやきます。
しかし陽乃は、うわべだけの関係を嫌っていた八幡が考える「本物」はこの程度のものだったのかと挑発。この発言は、まるで「こんな八幡でいいのか」と読者に問いを投げかけているかのようにも思えます。
そして自分の後ろを追ってきただけの雪乃に対しても、「雪乃ちゃんに自分なんてあるの?」と言い放つ陽乃。周囲に翻弄されつつ、決断のときが迫る3人から目が離せません。
生徒会長の一色が、卒業式でプロムをやりたいという話を持ってきます。雪乃は「自分ひとりで手伝いたい」と奉仕部の2人に告げました。「自分がひとりだちするために」と、理解を求めます。
プロムは準備段階から思った以上の反響を呼びます。しかしそれがあだとなり、雪乃の母親ら保護者の意向で中止に追い込まれそうに。さらに追い打ちをかけるように平塚先生の転任情報も飛び込んできて、おとなしく見守っているだけとはいかない八幡です。
- 著者
- 渡 航
- 出版日
- 2017-09-19
12巻では、雪乃と八幡の決断も描かれます。雪乃は一度はあきらめていた将来の夢を語り、八幡と結衣に自分のことを見届けてもらいたいと依頼します。
そして、八幡も決断します。以前、雪乃は「いつか私のことを助けてね」と言っていました。今は助けを求めていませんが、それでも手伝う理由があるのでしょうか。八幡は今度こそ「間違えない」方法を必死に探します。
正しいことと間違えないことの違いとは何でしょう。 八幡が出した結論は?そして、結衣の涙が止まらない事態に。その訳とは。12巻を読むと、3人のこれまでの言葉や行動を丹念に読み返したくなるでしょう。
プロム問題は解決していません。以前陽乃に指摘された「奉仕部3人の関係は、依存された側も悦びを感じてしまう共依存だ」という言葉を、八幡は引きずっています。
しかし、今回は雪乃に助けを求められていないとしても、関わらない選択肢はないと彼は考えました。少しだけでもいいから手伝わせてくれと雪乃に頼む八幡。それではまた最後は頼り切りになってしまうと、彼女は静かに断ります。
- 著者
- 渡 航
- 出版日
- 2018-11-20
見所は、八幡が見せる「男の意地」。
「雪乃が助けを必要としておらず、それでも自分が助けたいのなら、それは共依存じゃない」とプロム実現に向けて勝手に手伝うことを宣言します。陽乃の存在もそうでしたが、立ちはだかる大人の壁が若者の成長には必要なのかもしれません。雪乃の母親は手強いですが、八幡は一歩も引きません。
また、雪乃と結衣の関係からも目が離せません。「ゆきのんのお願いは叶わない」という結衣に、「わたしはあなたの願いが叶えばいいと思ってる」と優しく応える雪ノ下。
そして、ついに雪乃は八幡への気持ちを伝えます。クライマックスに向け、待っているのは切ない最後なのでしょうか?
八幡と雪乃のプロム勝負では雪乃が勝ち、八幡に最後のお願いをします。そのお願いは、結衣の願いを叶えることでした。
八幡は結衣の願いを聞き出しますが、「彼女は雪乃を手伝いたい」「どこに遊びに行きたい」と簡単なお願いばかりを口にして、本音を明かしません。
そんな結衣が最後に口にしたお願いは、「八幡のお願いを叶えること」でした。
- 著者
- 航, 渡
- 出版日
プロム勝負を最後に奉仕部の3人の関係は疎遠になっていきます。しかし、このまま3人のつながりが切れてしまえば、二度と関係を修復することはできそうにありません。
そんなとき、平塚先生が八幡にアドバイスを送ります。
「一言で済まないならいくらでも言葉を尽くせ。言葉さえ信頼ならないなら、行動も合わせればいい」
3人の関係性は一言で言い表せるほど簡単なものではありません。しかし、今の関係が偽りのものであることもまた疑いようがありませんでした。八幡は「本物」を見つけ出し、雪乃とつながりを切らさないために行動を開始します。
八幡と雪乃は、お互いに本当の気持ちを伝えることができるのでしょうか?また、結衣の想いはどうなるのでしょう?間違いだらけだったラブコメディの結末は、ぜひ作品で確かめてみてください。
本作の主人公で、総武高校の2年F組にいる比企谷八幡(ひきがやはちまん)。
幼いときから友達を作ることが苦手な上、裏切りにあったことなどからトラウマも抱えているので、人を容易に信用できない体質です。
「青春とは嘘であり、悪である」という旨の作文を書き上げ、自身の座右の銘「押してだめなら諦めろ」を唱えるなど、少しひねくれた性格。
2年J組という、普通科よりも頭のいい国際教養科にいる奉仕部の部長・雪ノ下雪乃(ゆきのしたゆきの)。
成績優秀で運動神経も抜群、大体のことはそれなりにできてしまう天才少女ではありますが、それ故、継続して何かに取り組んだことはありません。
かつては同性から疎まれ、いじめを受けていたこともありました。
2年F組のクラスで、葉山や優美子と共にカースト最上位にいる由比ヶ浜結衣(ゆいがはまゆい)。
奉仕部に依頼しに来たことがきっかけで、雪乃に興味を持ち、部活に顔を出すようになります。
ギャルのような見た目と言葉遣いとは裏腹に、意外にも男と付き合ったことはありません。
総武高校の国語教師で、生活指導と奉仕部の顧問も務める平塚静(ひらつかしずか)。
美人ではありますが、その中身はおっさん臭くかなりのヘビースモーカーで、結婚願望が強いわりに彼氏はいません。
2年F組のテニス部員・戸塚彩加(とつかさいか)。
性別は男ですが、小柄で肌も女子のように白く、言動などからも美少女にしか見えません。
2年F組、川崎沙希(かわさきさき)。
家族想いな反面、無愛想で口が悪く、学校ではいつも1人でいることが多い少女です。
2年C組、材木座義輝(ざいもくざよしてる)。
一見サラリーマンのような風貌ですが、れっきとした高校生です。中二病全開のイタさで話し、1人称が「我」。
たまたま体育の授業でぼっちでいた八幡とペアになってから、何かと絡んでいます。
葉山グループ…結衣も含むクラスのカースト最上位グループ。
2年F組でサッカー部のエース・葉山隼人(はやまはやと)。
その正義感と人情の厚さでクラス内外問わず人気が高く、よく優美子と奉仕部との争いの仲裁に入っています。
2年F組のクラスの女王的存在・三浦優美子(みうらゆみこ)。
端正な顔立ちをしたギャル風の生徒ですが、外見が良いか悪いかで友達を決めるなど、妙なこだわりを持っています。
また、プライドが高く自己中心的な発言も多く見受けられます。
2年F組の腐女子・海老名姫菜(えびなひな)。
学校の男子たちが登場するBL妄想をするのが趣味で、興奮して鼻血を出してしまうこともあります。
2年F組の戸部翔(とべかける)。
性根は悪くないものの、言葉遣いが軽薄なうえに無神経な行動を取りがちです。
相模グループ…葉山グループに次ぐカーストグループ
2年F組の相模南(さがみみなみ)。
クラスでトップに立つ優美子に対して、密かに対抗心を燃やしています。
グループには、他にゆっこや遥などがいます。
生徒会
1年C組にいる一色いろは(いっしきいろは)。
サッカー部のマネージャーを務めており、1年生ながら自分の意思に反して生徒会長候補にされてしまいました。
登場キャラの家族関係
八幡の妹で、中学3年生の比企谷小町(ひきがやこまち)。
要領がよく、八幡を利用して物事を解決することもしばしば。
雪乃の姉で、20歳の雪ノ下陽乃(ゆきのしたはるの)。
雪乃よりも遥かに頭がいいだけでなく、社交的な性格で友人も多い才色兼備の女子大生です。
『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』1~14巻を一気にご紹介しました。八幡、雪乃、結衣はもちろん、愛すべき登場人物たちはどのようなラストを飾るのでしょうか?その結末はご自身の目で確認してみてください。