主人公は、女子高生になったばかりの立川結沙。憧れの西崎先輩と、親友の杉緒奈々未が両想いなのに気づいた彼女は、クラスメイトの春田楓と付き合っていると嘘をつき、ニセの恋人を演じます。最初は彼氏のフリだったはずが、2人はだんだんと惹かれあい……。今回は、「理想とはほど遠い相手」と恋に落ちた少女の物語『理想的ボーイフレンド』の魅力を紹介します。 本作は、スマホの漫画アプリでも無料で読むことができるので、気になった方はそちらからもどうぞ!
オレ様タイプの男性が好みの女子高生・立川結沙は、バスケ部の西崎先輩に夢中。親友の奈々未に付き添ってもらい、よく部活を覗きに通っていました。
しかし西崎先輩と奈々未が両思いなことに気づいた彼女は、自分に遠慮することのないよう、クラスメイトの春田楓が好きになったと嘘をつきます。すぐに事情を察した春田が恋人のフリをしたことから、2人はニセのカップルを演じることになるのでした。
春田は飄々として物静かなタイプで、好みのタイプと正反対。けれど結沙は彼の優しさに触れ、どんどん惹かれていき……。
- 著者
- 綾瀬 羽美
- 出版日
- 2016-11-25
一方で、春田を狙う美人クラスメイト有永八重や、人気俳優の高坂絢人など、魅力的な恋のライバルも登場。春田の親友である谷や、妹の葵、結沙の父親など、脇を固めるキャラクターたちも個性的に生き生きと描かれています。
高校を舞台とした王道の学園ラブストーリー。ただ、主人公はごく普通ですが、恋人を含めちょっとかわった登場人物が固めています。また、エピソードのどれもがどこかコミカルで読んでて小気味好いのが特徴。ストーリー展開も先が読めずワクワクするでしょう。
ここから先は、本作の見所や胸キュンエピソードの一部を紹介します!ネタバレを含みますので、苦手な方はご注意ください。
すでに『理想的ボーイフレンド』が気になった方は、まずはスマホの漫画アプリで読むことをおすすめしています。下のボタンから簡単にインストールできるので、ぜひ利用してみてください。
綾瀬羽美は、2007年にデビューした、東京都出身の漫画家です。マーガレットコミックスで活動中です。デビュー作は『MY HEART FOR』。2019年9月現在『春と恋と君のこと』を連載中です。
- 著者
- 綾瀬 羽美
- 出版日
- 2019-07-25
高校を舞台とした学園ラブストーリーを得意とし、少女漫画らしい透明感、やわらかなタッチの絵柄は、女子中高生に高い人気を誇ります。
また、癖のある設定の相手役の男の子たちが独特の魅力を放ち、ちょっとコミカルなエピソードにクスリとさせられる作品を多数執筆する作家です。
結沙と恋人同士のフリをすることになった春田。普段は無口で無表情、飄々とした性格の持ち主。しかしニセ恋人を演じる時だけは、結沙の大好きな漫画のキャラクターである「オレキミ」の「玲サマ」のセリフや仕草をまねて、オレ様キャラとして振る舞うのです。
- 著者
- 綾瀬 羽美
- 出版日
- 2016-12-22
たとえば西崎先輩と付き合うことになったから、顔を見て報告したいと奈々未からの電話を受けたシーン。明るく振舞いつつもやはり失恋の痛手はあり、結沙は泣いてしまいます。
そこへちょうどやってきてしまった奈々未に涙を見せないために、春田はとっさに彼女を抱きしめて、顔を隠しこう伝えます。
「…ちょっと今こっちもいい所だから
ごめんね?」
(『理想的ボーイフレンド』1巻より引用)
2人の抱擁を見た奈々未は、普段からの豹変ぶりに、恐怖すら感じるのでした。
恋愛に疎いからこそ、恥ずかしげもなくキザなセリフも言い放ててしまう春田。「玲サマ」になりきった際の強引な抱擁や、Sっ気溢れる強気な発言は、結沙ならずともドキドキしてしまいます。普段とのギャップは必見です。
春田に恋するクラスメイトの有永八重は、スタイル抜群のクラス1番の美少女。長い髪と切れ長の瞳の持ち主で、学校の男子にモテモテです。そんな中でかわいいからと八重をチヤホヤしない春田に惹かれるのでした。
「ちやほやされんのも好きだけど
本当は”かわいいから”じゃなくて
“八重だから"大事にしてくれる
八重だけの王子様を見つけたいの」
(『理想的ボーイフレンド』2巻より引用)
- 著者
- 綾瀬 羽美
- 出版日
- 2017-04-25
『理想的ボーイフレンド』の魅力ひとつは、恋敵役も魅力的なところ。少女漫画の恋のライバルと言えば、美人だけど陰湿。好きな男性の前ではぶりっこな態度をとり、影では主人公に陰湿な嫌がらせをしてくるものと相場が決まっていますが、八重はとにかく清々しい。
自分が美人なことを自覚し、謙遜などしません。正々堂々と宣戦布告して、春田に積極的にアタックします。あまのじゃくな性格の持ち主なので、いじわるもしてきますが、実は結沙のことを気に入っており、ピンチには助けてくれる一面も。
2人が付き合い始めたことを知った時に「好きだったよ」と春田に過去形で気持ちを伝えるシーンは、この作品の最高の見所のひとつです。
本作は結沙と春田のドキドキするようなシーンがいっぱいあるのが魅力的。特に2人のキスシーンは本作最大の見所でしょう。
大人しいタイプで運動も苦手、奥手で恋をしたこともなかった春田が、結沙とファーストキスを交わしたのは、初詣デートの時でした。
- 著者
- 綾瀬 羽美
- 出版日
- 2017-08-25
甘酒に酔っ払った春田は、いつもの無表情ではなく、ニコニコを笑顔を見せ、あどけなさ全開。そんな子供っぽい様子がかわいくて、髪をくしゅくしゅした結沙に対し、子供じゃないと不意打ちのキスをします。
こういうカップルらしいことはしたくないのかと思った、と驚く彼女にこう言い放つのです。
「するよ、愛情表現でしょ
俺、恋愛感情わかったっていったのに
ちゃんと好きって言ったのに伝わってない?」
(『理想的ボーイフレンド』3巻より引用)
そしてまたおでこにキスをしてくるのでした。
ファーストキスは、ちょっと強引ながら、それも含めキュンキュンするシチュエーションを堪能できます。酔っ払って可愛い仕草で読者を油断させて、突然のキスからの強気の発言は誰しもドキドキしてしまうはず。甘酒を飲んだ、春田の表情も色っぽくて最高です。
このキスがきっかけで2人はケンカしてしまいます。酔いが醒めた後に突然キスしたことを猛反省する春田と、キスしたこと自体を否定された気がして傷ついてしまう結沙の気持ちのすれ違いがもどかしくて、そこがまたたまりません。
漫画『理想的ボーイフレンド』は、高校1年生の主人公立川結沙と、クラスメイトの春田楓の1年間のラブストーリーです。最初は恋人のフリから始まった2人ですが、いつしか恋に落ち、本当の恋人同士になります。
その後もいくつものすれ違いや、恋のライバル有永八重や高坂絢人の出現がありながらも、その度に愛を育てていくのでした。春田の妹である葵、結沙の父親など恋愛を邪魔してくる家族とのやりとりも見所です。
- 著者
- 綾瀬 羽美
- 出版日
- 2018-08-24
最終回では、2年生になった2人の新学期の様子が描かれます。最初はライバルだった八重は、春田の親友の谷と付き合うことに。結沙のことを邪険にしていた葵は結沙の弟の未智といい感じに。
最終回はこれからも幸せな日々が続くことを予感させる、ハッピーエンディング。登場人物誰もが希望に満ちていて、爽やかな読了感を与えてくれます。