『地獄先生ぬ~べ~』と聞くと懐かしい記憶がよみがえる方も多いのではないでしょうか。2014年には実写ドラマ化もされて、1999年の第一部終了後も注目が集まっている漫画ですが、実は人気キャラのスピンオフ漫画もあるのをご存知でしたか? それが『霊媒師いずな』です。この記事ではツンデレな彼女のサービスシーンがたっぷり詰まった本作の見所を結末までご紹介していきましょう。下のボタンのアプリから読むことができるので、気になった方はそちらもどうぞ。
葉月いずなというと『地獄先生ぬ~べ~』を読んでいたという方にはおなじみのキャラクターかもしれません。原作では中学2年生として登場しており、主人公の鵺野鳴介(ぬえのめいすけ)ともどもさまざまな妖怪にまつわる事件に立ち向かっていました。
今回ご紹介する『霊媒師いずな』では高校2年生になったいずなが主人公。イタコの孫娘である彼女は高校に通う傍ら、霊媒師として妖怪の仕業に困っている人々を救うために活動を続けていました。
たとえば第1話では痴漢冤罪に巻き込まれたサラリーマンを救おうとします。妖怪に濡れ衣を着せられた彼を、いずなはクダ狐を操りながら事件を解決していきます。
時には何話かにまたがるエピソードもありますが、基本的には一話完結式で読みやすいのも嬉しいところ。さまざまな事件から、いずなが立ち向かっていく様子を見ることができます。
- 著者
- 岡野 剛
- 出版日
- 2008-08-04
作者・真倉翔の代表作といえばなんといっても『地獄先生ぬ~べ~』でしょう。もとは成年雑誌でデビューしましたが、ストーリー作りのうまさを買われて「週刊少年ジャンプ」に移籍しました。
その後、岡野剛と出会い、ともに作り上げたのが『地獄先生ぬ~べ~』です。同作は6年にわたって連載され、アニメ化もされるほどの人気作となりました。
- 著者
- ["岡野 剛", "真倉 翔"]
- 出版日
その後は原作者として他の漫画家と組みつつ活動を続けていたのですが、2007年になってあらためて岡野剛とコンビを組み『霊媒師いずな』を手がけたというわけです。
『地獄先生ぬ~べ~』を読んだことのある方にはおなじみかもしれませんが、真倉は時にエロティックな描写を作中に盛り込みます。少年雑誌らしからぬ描写もあったので、当時の読者への衝撃は大きく、今でも昔を振り返る漫画好きの間では話題になることがあるくらいです。
『霊媒師いずな』は青年雑誌である「グランドジャンプ」で連載されていました。「週刊少年ジャンプ」に比べてエロティックな描写に制限がありません。その点では真倉の持ち味が全面に活かされている作品といえるでしょう。
『霊媒師いずな』の読者として想定されているのは、やはりかつて『地獄先生ぬ~べ~』の読者だった人でしょう。大団円で最終回を迎えた原作ですが、登場人物たちのその後が気になっていた読者も多かったのでしょう。彼らのご要望にこたえる形で、本作は生まれました。
- 著者
- 岡野 剛
- 出版日
- 2009-01-05
原作ではまだまだ未熟な霊能力だったいずなですが、3年後を描いた『霊媒師いずな』では立派な霊媒師として登場します。あらゆる事件をほぼ一人の力で解決する姿を見れば、かつての読者も成長したと認めるはずでしょう。
また、成長したのは霊能力だけではありません原作のファンにとっては、やはりお色気シーンも気になるところ。本作ではサービスシーンが満載。これでもかといずなのお色気シーンも多数盛り込まれています。
大人になった彼女ならではの妖艶な魅力がホラーの雰囲気とまじり、何とも言えない魅力があります。
- 著者
- 岡野 剛
- 出版日
- 2009-06-04
『地獄先生ぬ~べ~』ではさまざまな妖怪が現れ主人公たちを苦しめていました。『霊媒師いずな』でもそれは変わりありません。普通の人の目には見えない妖怪たちはさまざまな能力を使って人間たちに脅威を及ぼします。
時にはいずなの霊能力では太刀打ちできないほど凶悪な妖怪まで出てくる時の緊張感は、やはり大ヒット漫画を手がけた作者ならではの迫力があります。
そうした妖怪たちにどういずなは立ち向かっていくのか、ハラハラドキドキしながらページをめくっていくこととなるでしょう。
『霊媒師いずな』ではあまり『地獄先生ぬ~べ~』でおなじみだったキャラクターが出てくることはありません。その点は「」ぬ~べ~ファンにとっては少し残念かもしれませんが、代わりに魅力的な新キャラクターが多数用意されています。今回はそのなかから千佳羅を紹介しましょう。
- 著者
- 岡野 剛
- 出版日
- 2009-12-04
いずなが困っている人のために活動しているのに対して、千佳羅は時に復讐に加担するような悪事を働くこともあります。その際は相手を呪い殺すようなこともするので、冷酷な性格のキャラクターといえるでしょう。普段は人気者の可憐な少女といういでたちなだけに、裏の顔との対比がより引き立ち、不思議と惹きつけられる魅力を生み出しています。
彼女はいずなとは対立しながらおのおのの活動を続けていたのですが、最終的に和解。しかしその後の展開があまりにも切ないのです……。
冷酷なキャラでありつつも、もう一人の主人公ともいえる千佳羅。彼女に注目しつつこの作品を読んでみるのもいいでしょう。
ある日公園にやってきたいずなは男性2人が妖怪に襲われているのを目撃します。妖怪たちを追い払ったものの彼らはすでに息絶えていました。その男性たちは会社の悪事を暴くために逃げ出していたのですが、いずなを敵視する厳山という男に差し向けられた妖怪によって殺されてしまったのです。
しかし、いずなは妖怪を差し向けたのは千佳羅だと勘違いしてしまいました。結果、彼女羅と戦うことになったのですが、それは厳山の罠でした。リンという少女はそれに気づき、2人の間に割って入ろうとします。
- 著者
- 岡野 剛
- 出版日
- 2016-12-02
しかし、結局厳山によってリンは殺されてしまいました。真実を知り、厳山への怒りに震えるいずなは、復讐を遂げようとします。
本作は最終回で思いがけないキャラクターが死んでしまうという悲惨な結末です……。第1部から登場していたキャラクターなだけあり、思い入れのあるファンからすれば、これほど衝撃的な結末はなかったのではないでしょうか。しかし納得感のある結末で、余韻に切ないものが残りながらも満足感があります。
ちなみに、『霊媒師いずな』はこれが完全なる最終回というわけではありません。真倉翔は別の雑誌で『ぬ~べ~NEO』を連載することになったため、いったん本作の連載を終えざるを得なくなったのです。『ぬ~べ~NEO』の連載が終わったらまた新たないずなの物語が描かれるかもしれませんので注目しましょう。