転入先の学校に、なぜか猫の顔をした男子が……。しかも、それは「自分にしか見えていない」ようで……。そんな突飛な設定に戸惑いながらも、気づいたらハマってしまう不思議な物語です。今回は、普通の恋愛漫画とは一味違う『猫田のことが気になって仕方ない。』の魅力を、最終回まで紹介します。 本作は、スマホの漫画アプリでも無料で読むことができるので、気になった方はそちらからもどうぞ!
主人公の周未希子は、「みっきー」という可愛らしいあだ名に反して、人と深く関わらないドライな性格の女子。父親の仕事の都合で何度も転校を繰り返していて、また転校したら疎遠になるということを繰り返すうちにこのような性格になりました。
しかし、小学6年生になって新しく転入した学校で、彼女の性格を変える新しい出会いが待ち受けていました。なんとそこには顔が猫になった男子・猫田いたのです。
しかし、そのように見えているのはみっきーだけで、彼女以外のクラスメイトは、普通に接しています。
クラスメイトには深く関わらないと決めていた主人公が、猫にしか見えないこと猫田に強い興味を持つようになります。被り物ではないかと頭を引っ張ってみるなど、いろいろ試してみますが謎は解けないまま。果たして彼の本当の顔を見はれるときがくるのでしょうか……。
- 著者
- 大詩 りえ
- 出版日
- 2013-08-09
みっきーにしか猫に見えないという謎ですが、彼女視点で進むストーリーを追っている読者もそれは同じです。なぜほかの人には見えていないのに、自分には見えているのか。そんな疑問をみっきーとともに読者も追体験することができます。
クラスの中に一人だけ猫顔の男子がいるという設定だけでも面白いですが、正体を暴こうと試行錯誤を繰り返すみっきーと、それに対して困惑する猫田の表情が可愛いく、ついつい読み込んでしまうでしょう。
ここから先は、本作の胸キュンエピソードや名言の一部を紹介します!ネタバレを含みますので、苦手な方はご注意ください。
すでに『猫田のことが気になって仕方ない。』が気になった方は、まずはスマホの漫画アプリで読むことをおすすめしています。下のボタンから簡単にインストールできるので、ぜひ利用してみてください。
本作は大詩りえが作者です。1985年生まれの東京都出身で、2007年にりぼん新人漫画賞を受賞した「みちしるべ」でデビューしました。「りぼん」出身の漫画家、槙ようこや持田あきのアシスタントをしていた過去もあります。
読み切り作品も多いですが、本作や『表×裏ガール』『ぼくらのクロノスタシス』などの連載作品も人気です。
- 著者
- 大詩 りえ
- 出版日
- 2018-08-24
不思議な世界観が特徴の漫画家ですが、パッと思い浮かんだアイデアがそのままストーリーにになることも多いそう。だからこそ少女漫画というジャンルではありますが、男子でも楽しめるような個性的な作品が生まれるのでしょう。
しかしストーリーは突飛にならず、不思議な世界観ながらも多くの人が受け入れやすい作品を手がけています。
ちなみに本作が生まれたきっかけは、大詩りえがイケメンの男子を描くのが苦手ということでした。じゃあ猫でいいかと本作の猫田が生まれたそう。物語が生まれるきっかけからユニークな作品です。
ちなみに本作が生まれたきっかけは、大詩りえがイケメンの男子を描くのが苦手ということでした。じゃあ猫でいいかと本作の猫田が生まれたそう。物語が生まれるきっかけからユニークな作品です。
『猫田のことが気になって仕方ない。』の魅力1:ドライな少女が不思議な少年との出会いで成長する
- 著者
- 大詩 りえ
- 出版日
- 2014-01-15
本作は主人公が人と関わるようになっていく姿に成長を感じられるストーリーです。
先ほども少しご説明しましたが、みっきーは小学校を転々とすることが普通になっており、クラスメイトと深く関わっても仕方ないと思うようになっていました。しかし猫田の顔が自分にだけ猫に見えていると知ったことで、彼に興味を持ちます。
そして猫田のことが気になるのと同時に、みっきーはほかのクラスメイトにも興味を持ち、仲良くなりたいと感じていくようになるのです。
はじめは肝が据わっている、ドライな性格だという印象を持たれていましが、クラスメイトと関わり合いながら、年相応らしく笑ったり戸惑ったりするみっきーが変化していく様子に、少女が成長していく姿が見られます。
また、本作は顔が猫なのにイケメンに見えてしまう猫田が魅力的です。
クラスメイトいわく、猫田は顔もイケメン。さらに言動もイケメンなのですから、モテないわけがありません。
さらに猫顔で表情もわからないのですがグサリとくるセリフを言うことが多く、さりげなくみっきーをフォローしてくれることが多いのも魅力です。
- 著者
- 大詩 りえ
- 出版日
- 2014-04-15
たとえば転校してからすぐにドッジボール対戦をしたときのこと。そのときにみっきーばかり狙われてしまうことがありました。
そこで猫田が颯爽とこう言うのです。
「そのへんにしとけ」
(『猫田のことが気になって仕方ない。』1巻より引用)
顔は猫顔のままですが、行動とセリフがとてもかっこいいのです!
「転校生の女子に男子がよってたかって
本気出してかっこわりーと思わねーのかよ」
(『猫田のことが気になって仕方ない。』1巻より引用)
さらに猫田はみっきーが足をくじいたことに一人だけ気づいており、気遣ってくれるのです。イケメン、そして優しい!
みっきーと同じように読者も猫顔に見えているので素顔はわかりませんが、これだけ言動がかっこいいとどんな顔だろうかと、想像も膨らむものです。
- 著者
- 大詩 りえ
- 出版日
- 2014-09-12
成長したみっきーがその気持ちを行動に起こすところもストーリーの見所。
当初みっきーは今の小学校に卒業まではいられるだろう、と言われていました。彼女もいつものことだからと受け止めていましたが、猫田をはじめとしてクラスメイトと関わり合うようになり、転校したくないと思うようになります。
そしてある日、母親から転校の話をされるのですが、それに対して絶対いやだと伝えるのです。別れるのがつらい友達がいるのかと聞かれ、みっきーは素直にそうだと伝えます。
今までドライな性格だったみっきーを考えると、大きく成長したと感じられる展開です。
本作の最終回ですが、「告白」の展開がメインです。
猫田を監察しているうちに、彼の優しさに気づいたみっきー。徐々にその思いは恋心に膨らみ、とうとう告白します!しかしストレートに好きですというのではなく、こう伝えるのです。
「猫田のこと猫の顔に見てるの」
(『猫田のことが気になって仕方ない。』10巻より引用)
猫田はもちろん、ぽかーんとしてしまいます……。みっきーにしかそう見えていないので、それも当然。しかし彼女はそれを気にせず、こう続けるのです。
- 著者
- 大詩 りえ
- 出版日
- 2017-02-24
「私にはそれでもいいの
猫田がどんな顔してても私は猫田のことが一番大切なの」
(『猫田のことが気になって仕方ない。』10巻より引用)
猫顔に見えていること、さらに自分が彼に恋心を抱いていること、2重の意味での告白です。
猫田は「ありがとう」と返事をしますが、放課後見回りにきた先生に下校の時間だからと帰るように促されてしまい、会話の邪魔が入ってしまいました。
みっきーの告白に猫田はどうこたえたのでしょうか?そして魔法が解けたら?猫田の素顔をみっきーはとうとう見れたのでしょうか?
物語は、最終的にはハッピーエンド。コメディ要素が強いストーリーですが、読めば読むほど主人公の成長や恋愛展開など、いろいろな魅力があることに気づかされます。
ここまで読み進めると、みっきーと同じように、猫田の外見でなく中身にどんどん惹かれてしまうこと間違いなし。
単なる興味から恋心に発展していったとき、みっきーがいかに成長していったか。その結末はご自身でご覧ください。