『ジョジョの奇妙な冒険』はジョースター家に連なる各時代の主人公の因縁にまつわる、ホラー要素のある能力バトル漫画です。ディオ・ブランドー(DIO)は複数の部に登場するラスボスで、敵味方の思想に深く影響する重要人物。知的な野心家にして、高いカリスマ性を持った人気キャラです。 この記事ではそんなディオの名言3選をご紹介します。
肉体年齢20歳前後の美形青年・自称DIO(ディオ)。
貧民街出身の彼は父親の生前の縁でジョースター家の養子となり、密かに家督を乗っ取ろうとしましたが、紆余曲折を経て吸血鬼化して主人公ジョナサンと対立。一時は死亡したかと思われましたが、復活してスタンド能力を得ました。
スタンドは時間を止める「ザ・ワールド」。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
- 1988-04-01
ジョナサンに家督乗っ取りがバレたDIOは、石仮面の力で吸血鬼化して姿を眩まします。その際にかなりの大怪我を負っていましたが、再度現れた時には肉体が完全に元通りでした。吸血鬼になって不死身となったとはいえ、回復には多大なエネルギーを必要とするはずではずですが……。
ジョナサンの協力者であるツェペリ男爵が、一体何人犠牲にしたのかと訪ねたところ、DIOは答えました。
「おまえは
今まで食った
パンの枚数をおぼえているのか?」
(『ジョジョの奇妙な冒険』3巻より引用)
DIOが身も心も吸血鬼になったことを象徴する名言です。人間を餌としか思っていない怪物の思考。そこに恐怖を感じると同時に、瞬時にこう切り返せるDIOの知性に驚かされます。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
- 1988-01-08
野心をひた隠し、ジョースター家に馴染んだDIOは、当主のジョージに毒を飲ませて虎視眈々と財産乗っ取りを進めていました。ジョナサンはその暗殺計画に勘付き、貧民街の顔役スピードワゴンと協力してDIOの計画を暴きました。追い詰められたDIOは、ジャナサンが研究していた謎の石仮面を持ち出し、人間を越えた怪物である吸血鬼になったのです。
「おれは
人間をやめるぞ!
ジョジョーッ!!」
(『ジョジョの奇妙な冒険』2巻より引用)
これぞDIOの代名詞的名言。彼のこの行動が作品の連載で30年、作中時間にして1世紀以上にも渡る因縁に繋がるのですから、この台詞が「ジョジョ」の原点と言っても過言ではないでしょう。
ジョナサンの研究を盗み見ていたとはいえ、自分が吸血鬼になるのはDIOにとっても最後の手だったに違いありません。切羽詰まった状況で悪運に身を任せ、強大な悪のカリスマとなったDIOには感嘆する他ないでしょう。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
「おれは『恐怖』を克服することが
『生きる』ことだと思う
世界の頂点に立つ者は!
ほんのちっぽけな『恐怖』をも持たぬ者ッ!」(『ジョジョの奇妙な冒険』14巻より引用)
時代は移り変わって、時間軸は第3部の1987年エジプト。ジョナサンの自己犠牲で倒されたはずのDIOは、彼の肉体を乗っ取って100年の眠りから覚め、活動を再開していました。
ジョナサンの体を通して、空条承太郎やジョセフ・ジョースターの接近を感じ取ったDIOは、ジョースターの血縁者を排除すべきと考えます。それはジョナサンとの戦いで味わった挫折感、敗北感によるもの。
「恐怖」を克服するために、かつての敗北を払拭することで、DIOは本当の意味で「生き返ろう」としたのでしょう。これは怪物DIOにわずかながら残った人間性のように思えます。
DIOは名実ともに「ジョジョ」を代表する敵役であり、それは言い換えるなら日本の漫画作品でももっとも知られた悪役とも言えます。
正義のジョースターと悪のDIOは表裏一体。「ジョジョ」を未読の方は、ぜひDIOが出てくる第1部と第3部に注目して読んでみてください。
いかがでしたか? 3つの名言から、DIOが世代を超えてファンを魅了する理由がおわかりいただけたのではないでしょうか。