これほどまでに緊張感のあるおパンツ漫画はあっただろうか……! そんな風に心がアツくなってしまうのが『嫌な顔されながらおパンツ見せてもらいたい』。そんな趣味はないよ、という人にもその気持ちを目覚めさせてしまう危険性のある作品です。 この記事ではそんな本作の魅力を語ります。下のボタンからダウンロードできるスマホアプリでも読むことができます。
豪徳寺一声は、17歳。財閥の息子で、12歳で当主を継ぎ、広いお屋敷でメイドを使えさせながら悠々自適に暮らしています。そんな彼の心のなかに突如現れた言葉。
「おパンツが 見たい……」
(『嫌な顔されながらおパンツ見せてもらいたい』1巻より引用)
- 著者
- キドジロウ
- 出版日
- 2019-09-19
ここからストーリーは始まります。まさかのはじまり方です。
豪徳寺一声は超お金持ち、頭脳明晰、スポーツ万能と常人離れしており、誰もが憧れる若くしてかっこいい男の子。しかし本気で、しかも真顔で「余はパンツが見たいぞ」と女の子に挑むのです。
嫌な顔をされながらも、おパンツを見せてもらうシーンの感動は、言葉では言い表せません。一声が財力、頭脳をかけて本気で女の子のおパンツを見るんだと、意気込む姿が、バカバカしいのに何だか真に迫るストーリーです。
本作の醍醐味はやはり、なんといっても嫌な顔をしながら見せてくれるというところ。
たとえば1話では幼いころから一声に使えているメイド伊東ちとせに、「余はパンツが見たいぞ」としれっと持ちかけます。「お坊ちゃまもそういうことに興味を持つお歳になったのですね!」と、お茶を濁されるのですが彼は本気です。
マジで言ってるということがわかって紆余曲折あり、最終的におパンツを見せることになるのですが、「…本当にお坊ちゃまは どうしようもない人ですね…」と嫌な顔、そして罵倒しながら見せてくれるのです。
見た瞬間、立ち上がっていた一声はソファに倒れこみ、「よいものを…見た…」と窓から差し込む光の中、やり遂げた表情をしています。美形なことが、無駄に引き立ちます。
バカバカしいのですが、読者の気持ちを代弁してくれている瞬間。嫌な顔されながら見せられる心地よさが伝染してくる恐ろしい作品です。
本作はクライマックスの瞬間だけでなく、じわじわとパンツを見せられる、その経緯が楽しい作品でもあります。
女性たちはさっとおパンツを見せてくれるのではなく、それまでにはさまざまなやりとりが展開されます。じわりじわりとスカートを上げていく様子、おパンツが見えるまで、ワクワクドキドキしながらページをめくることになるのです。
1話ではこれでもかと迫真のモノローグが展開されます。
「苛立ち
イッセーはまたも自分自身に驚かされていた
感情をコントロールできないということは彼の人生で初めての経験だ
赤子の時さえ自制心を発揮して無駄に泣きわめいたりはしなかった
だが今は 早く見せろと
赤子のように大騒ぎしたい気分だ…!!!!(中略)
来るーー!
パンツまではもう少し あと ほんの数センチーー
おパンツ!! おパンツ!!!!」
(『嫌な顔されながらおパンツ見せてもらいたい』1巻より引用)
ギャンブル漫画やスポーツ漫画の勝敗が決まる瞬間にも似た緊張感。そしてパンツを見た瞬間に一気にその緊張がほどかれ、満足感が襲ってくるまでの流れ……。嫌な顔というメインディッシュの前に、この前菜があるからこそ楽しめる展開になっているのです。
- 著者
- キドジロウ
- 出版日
- 2019-09-19
本作品ではひとりの女性ではなく、さまざまな女性が登場し、彼女たちに一声がおパンツを見せてほしいと頑張るストーリーです。その女の子ごとに異なる反応が楽しめるのが魅力でしょう。
女の子が履いている下着が異なり、毎回どんな下着が見られるのだろうかと読者をワクワクさせてくれます。メイド姿の長いスカートから見せられる清純な白の下着、でもガーターベルトつき、看護師さんの白衣の下に隠されたパンスト越しのパンツなどなど……。
作者の40原は、通販サイトでどんな下着が売られているか実際確認し参考にしているとのことです。それゆえにリアルで美しいのですね……。合掌。
パンツを見せてもらうというただのセクハラをこれでもかと盛り上げて描くのが本作。気になった方は下のボタンからダウンロードできるスマホアプリで読めます。