非モテでひねくれ者の獅子丸のもとに現れたのは、事故死したイケメン同僚・犬養の幽霊!犬養と体を共有することになった獅子丸は、今まで避けてきた恋愛トラブルに巻き込まれていくことに。幽霊を交えた奇妙で複雑な関係を描きながら、「ただしイケメンに限る」という俗説の真実に迫ります。 『ボクはイケメン』は、スマホの漫画アプリでも無料で読めるので、気になった方はそちらからもどうぞ!
太った体で性格もひねくれ者の獅子丸(ししまる)と、イケメンで明るく、みんなの人気者の犬養(いぬかい)。ある日、交通事故で帰らぬ人となった犬養が、幽霊となって獅子丸のもとに現れます。
片思いの相手・熊谷(くまがい)ほのかへの告白が心残りだという彼は、獅子丸の体を借りて行動を起こそうとしますが……。
- 著者
- ["きづきあきら", "サトウナンキ"]
- 出版日
- 2017-06-29
イケメンの犬養が中身とはいえ、見た目は非モテな獅子丸の体です。果たして、恋愛はうまくいくのでしょうか。「ただしイケメンに限る」という俗説は本当なのか、という恋愛の真実に挑む作品です。
そして、犬養のせいで恋愛トラブルに巻き込まれていく獅子丸は、少しずつ他者との関わり方が変わり、人間として成長していく様子が描かれます。
複雑な恋愛関係は、どのような結末を迎えるのか?本作を読み進めるほどに、続きが気になってしまうでしょう。
きづきあきらは、2001年に『ぼくの幸せな生活』でデビュー。代表作は、『うそつきパラドクス』『ヨイコノミライ!』など。
2006年の作品『メイド諸君!』からは、夫・サトウナンキと共同で漫画製作をしています。
- 著者
- ["きづき あきら", "サトウ ナンキ"]
- 出版日
- 2013-03-09
作風は、柔らかな可愛らしさのある絵柄が特徴。また、登場人物たちの考えや感情のすれ違いから起こる、複雑な人間関係を巧みに描くところが魅力です。
キャラクターたちの関係がどうなっていくのかが気になり、夢中で読み進めてしまうでしょう。
獅子丸と、幽霊になった犬養。2人で1つの体を共有する、不思議な共同生活が始まります。
犬養はいつも自分がしていたのと同じように、明るい挨拶とともに同僚に話しかけますが、女性社員たちの反応は冷たく、刺々(とげとげ)しいものでした。獅子丸にとっては、それが当たり前の日常です。
しかし、自分が知っている彼女たちとはまったく違った反応に、犬養はショックを受けてしまいます。
一方で、非モテの容姿であるにもかかわらず、犬養の振る舞いが、周りから受け入れられていく様子を目にする獅子丸。世の中が必ずしも「ただしイケメンに限る」というわけではないことを、身をもって実感することになるのでした。
それぞれが自分1人では知らなかったことや、考えなかったことを新たに発見していく様子からは、2人が容姿も性格も正反対であることを強く感じられます。
対照的な2人が1つの体を共有することで、展開がより面白く感じられるでしょう。
獅子丸の体であるにもかかわらず、犬養は熊谷に告白し、交際がスタート。いくら中身がイケメンの犬養とはいえ、容姿は非モテの自分との交際を彼女が受け入れたことに、獅子丸は戸惑いを隠せません。
非モテと美女という意外な組み合わせに、職場も騒然となります。
そして、「獅子丸が付き合えたのだから、自分にもチャンスがある」と考える男性社員・蛇沢や、以前から犬養のことが好きだった女性社員・鮫島も割り込んできて、社内の人間関係はどんどん複雑になっていき……。
鮫島は、犬養と獅子丸が体を共有していることも突き止め、「たとえ体が獅子丸だとしても犬養と付き合いたい」と、さまざまな策略を巡らせます。
時には大っぴらに、時には影ながら遂行されていく作戦に、獅子丸(犬養)と熊谷の交際の状況は、目まぐるしく変化していくのです。
ただでさえ、熊谷と幽霊・犬養の関係に振り回されているのに、次から次へと事態がややこしくなっていく展開は、読者を飽きさせません。
ひねくれた性格で、人の好意も素直に受けとれなかった獅子丸。しかし、犬養が彼の体を使って行動することで、強制的に犬養と熊谷の恋愛に巻き込まれてしまいます。
誰に対しても、愛想悪く接していた獅子丸でしたが、恋愛という他者との深い関わりのなかで、ひねくれていた態度が少しずつ変わっていく様子が見所のひとつ。
獅子丸は、最初は自分に優しくしてくれる熊谷のことを「ブサイクにも優しいアピール」「誰にでもイイ顔をする八方美人」と思っていました。
しかし、交際を通じて彼女の優しい人柄や、本当は自分に自信を持てずに悩んでいることを知って、印象が変わっていきます。
また、自分とは正反対で、他人から好かれる犬養の行動や考え方を目の当たりにして、獅子丸は自信を失くすことも。しかし、その影響で、彼自身も人間として成長していくのです。
鮫島と蛇沢の策略により、とうとう獅子丸は鮫島と付き合うことに……。
デートの夜、犬養の霊体は2人から離れて過ごしていましたが、いきなり獅子丸の体に引き寄せられてしまいます。
気がつくと、獅子丸の気配がさっぱり感じられません。犬養は、彼の精神が消えてしまったのでは?と大きな不安に襲われます。
周りに怪しまれないよう、そしていつ獅子丸が戻ってきてもいいように、犬養は獅子丸として、彼の言動を真似しながら日々を過ごしていきますが……。
- 著者
- きづきあきら
- 出版日
- 2018-06-29
獅子丸の精神がいなくなってしまう、という危機的な状況。彼の精神は戻ってくるのか?それはいつなのか?という不安要素に、犬養だけでなく読者も一緒にハラハラする展開です。
そして「獅子丸の体を使ってもう一度生きればいい」という鮫島の言葉に、犬養は心が揺れ動いてしまいます。すでに肉体を失っている彼が、獅子丸の体で生きたいと望んでしまう様子には、思わず切ない気持ちになってしまうでしょう。
犬養は、このまま獅子丸として生きていくことになるのか?そして熊谷との関係はどうなってしまうのか?消えてしまった獅子丸の本心とは?すべての答えは、ぜひ本作を手に取って確かめてみてください。
非モテの獅子丸と、イケメンの犬養。2人の生死と幸せは、どのような結末を迎えるのでしょうか。