2020年にアニメ第3期の制作が発表された、大人気四コマ漫画『ご注文はうさぎですか?』。カフェで働く、個性豊かで可愛らしい女の子たちの日常を描いた作品です。今回は本作に登場する、9人の女の子たちをご紹介します。 ネタバレを含みますのでご注意ください!
『ご注文はうさぎですか?』略して「ごちうさ」は、萌え系の漫画を集めた雑誌「まんがタイムきららMAX」で、2011年から連載されている人気4コマ漫画です。
作者はKoi(こい)で、本作がデビュー作。才能を感じさせる人物です。
舞台は木組みの家と石畳の景色が広がる、可愛らしい街。そこに高校入学を機に引っ越してきたココアは下宿先を探している途中、喫茶ラビットハウスに入ります。しかし偶然入ったそのお店こそ、彼女が探していた下宿先だったのです。
そしてひょんなことから、ココアは下宿させてもらう代わりに、喫茶ラビットハウスで働くことになります。
そんな幕開けで始まる本作ですが、『ご注文はうさぎですか?』というタイトルの意味が気になる方も多いのではないでしょうか。これはココアの下宿先が喫茶ラビットハウスだから、ということだけが由来ではありません。
実はラビットハウスの元オーナーとココアが関係していもいます。2人は過去に一度だけ会ったことがありました。
かつて喫茶店の借金返済が追いつかず、途方にくれていた元オーナー。そこで思わず、うさぎになれたら楽だ……と呟きます。それを聞いた幼いころのココアは、彼にこう話すのです。
「おじいちゃんのごちゅうもんは
うさぎさんになることだね」
(『ご注文はうさぎですか?』2巻より引用)
このセリフこそが、「ごちうさ」タイトルの元なのです。
可愛らしい由来がタイトルの「ごちうさ」。今回はキャラについて熱く語らせていただきます……!それぞれキャラクターの個性が確立されていて、推しキャラを一人に絞れないほど、どの子も魅力的なのです。
ちなみにその人気は原作だけにとどまらず、アニメはもちろんのこと、多数の商品化もされてきました。一番くじや主要キャラをイメージした腕時計、作品に登場するうさぎのぬいぐるみなどなど、たくさんのコラボ商品がファンの心をつかんできました。
その勢いは止まらず、2017年にはスペシャルアニメ『ご注文はうさぎですか??〜Dear My Sister〜』が、劇場上映されました。内容はアニメ第2期の続編で、原作の5巻をもとに描かれています。
そんな本作ですが、作品の世界観を彩っている背景も魅力的です。細かい部分まで丁寧に描かれていて、読んでいると同じ世界に入り込んだ気分になります。
ちなみにそんな背景のモデルとなっているのは、実在の場所が多いのも特徴。聖地巡礼をしているファンもたくさんいます。
たとえばメインの背となる喫茶ラビットハウスのモデルになっているのは、東京都清瀬市にある「珈琲るぽ」という喫茶店。そのほかにも作中に出てくる建物やカフェは、実際フランスにあるお店や建物がもとになっているとのこと。
まだまだ魅力はたくさんありますが長くなってしまうので、割愛させていただきます……。
ここからは2期アニメ化も決定してますます盛り上がる本作に登場するメインキャラクター9人をピックアップしてご紹介!1人ずつエピソードとともに魅力をお伝えしていきます。
- 著者
- Koi
- 出版日
- 2012-02-27
本作の主人公ココアは高校1年生の15歳。高校入学と同時に石畳と木組みの風景が広がる街に引っ越し、喫茶ラビットハウスで下宿兼バイトを始めます。
アニメでは佐倉綾音が声を務めました。身長154cm、血液型B型、誕生日4月10日。保登心愛(ほとここあ)は「ホットココア」から名付けられています。
4人姉弟の末っ子として育ったため、お姉ちゃんになることに憧れていた彼女。そこで下宿先の一人娘のチノと出会い、妹のように可愛がるのですが、残念ながら相手にされません……。
ちょっと天然で残念なところがある彼女ですが、何があっても 天真爛漫で元気いっぱいなのが長所。いつも周囲を振り回していますが、それでもみんなから好かれているのは、やはりその明るさ。
誰とでも仲良くなれる人当たりの良さや、人の気持ちをくみ取ることができる優しさもあります。交友関係においては「出会って3秒で友だち」がモットーです。
そんなドジっ子の印象が強いココアですが、姉弟の影響で理系分野が得意という意外な一面もあります。
ココアは、お姉ちゃんに憧れているという可愛らしい一面が魅力的。しかしたいていはそれが空回りしてしまうのですが、頼られる存在としての成長が感じられたエピソードもあり、ここではその際の名言をご紹介させていただきます。
高校の進学先をココアが通っている学校に決めたチノ。自分で決めたこととはいえ、仲良しの友人、マヤとメグと離れ離れになることに不安を感じていました。
そんな彼女にココアはこう言うのです。
「不安な時は楽しみな事を考えるんだよ」
(『ご注文はうさぎですか?』7巻より引用)
いつもはふざけてばかりのココアですが、いざというときには親身になってくれるお姉さんらしい一面があるのです。チノもいつもは彼女のことをお姉さんとは呼びませんが、すごく頼りにしているのでしょうね。
ココアの下宿先・喫茶ラビットハウスのオーナーの孫娘であるチノ(香風智乃)は、中学2年生の13歳。
アニメでは水瀬いのりが声を務めました。名前の由来は「カプチーノ」。身長144㎝、血液型AB型、誕生日12月4日です。頭の上に乗っているアンゴラウサギのティッピーが特徴。その正体は亡くなった祖父のようで、チノの相談にいつも乗っています。
以前はオーナーである祖父と父の3人で暮らしていましたが、祖父が亡くなってからは父とチノ、居候のココア3人で同居生活を送っています。一人娘ということで、将来はラビットハウスを継いで、バリスタとして働きたいと考えているようです。
中学生のわりに落ち着いていて、あまり感情を表に出すことがないチノ。しかし、ココアやラビットハウスをとおして知り合った友人たちとの交流を経て、少しずつ表情豊かになっていきます。
特にココアへの甘えん坊っぷりは可愛いもの。彼女が自分の親友たちと仲良くしていると不機嫌になったり、帰省のために一週間の間ラビットハウスから離れていると寂しそうにしていたり……。
ちなみにそれでもデフォは無表情な彼女がめずらしく、感情を爆発させたシーンがあります。
それはココアが自分のもとを離れてしまうかもしれないとなった時。彼女が「自分が卒業しても、新たなお姉ちゃんがやってくるから安心して……」とふざけるのですが……。
「わ…わたしは…
ココアさんがこの街に来てよかったって思ってますが!!」
(『ご注文はうさぎですか?』4巻より引用)
自分の気持ちがうまく伝わっていないもどかしさからか、ココアにぬいぐるみを投げつけて拗ねてしまうのです。
チノはココアに出会えたからこそ素直になれた面があり、彼女のおかげで毎日楽しく過ごせているのですね。感情が爆発したときの、いつも以上に素直で積極的な様子は必見。本当に、良いお姉ちゃんに出会えたんだな、と微笑ましく思えるシーンです。
ラビットハウスでアルバイトをしているリゼ(天々座 理世)は、高校2年生の16歳。アニメでは種田梨沙が声を務めました。身長160㎝、血液型A型、誕生日2月14日。「テデザリゼ」というお茶から名付けられています。
父親が軍人という影響で護身術や訓練を積んでいるため、黒髪ツインテールという可愛らしい見た目なのに力持ちでどこまでもストイックな性格をしています。つねにモデルガンを持ち歩き、初登場シーンでは下着姿のままココアにモデルガンを突き付けるというインパクトを残しました。
記憶力が良くラビットハウスのメニューを一目で覚えてたり、手先も器用でかなり完成度の高いラテアートを披露、運動神経も抜群で成績も優秀です。ですが残念なことに、お嬢様高校に通っているのに軍人っぽい言動や行動が目立ってしまします……。
そんな彼女ですが、実は可愛いものが好きで普通の女の子っぽさに憧れている一面もあります。本人は、それが自分のキャラではないと思っているのでひた隠しにしている様子がいじらしいです。
いつもどちらかというと、ココアたちに振り回されがちなリゼ。しかし年上らしく面倒見の良さが際立ったエピソードがありました。
彼女は将来、小学校の先生になりたいと考えています。ひとりひとりに向き合おうとする性格は、彼女には密かに書き留めていた、あるものに表れていました。
それはココアたちや、喫茶ラビットハウスに来るお客さんの観察ノート。
ちゃんと自分たちのことを見ていたんだ……。ココアたちはこれまでも、リゼがいろんな場面で手を貸してくれていたことに気づきます。そして彼女たちは感謝を込めて、眠っているリゼにこう声をかけるのです。
「いつもありがと!リゼせんせー」
(『ご注文はうさぎですか?』6巻より引用)
じつは面倒見の良いリゼお姉ちゃん。きっと良い先生になることでしょう。
甘味処・甘兎庵(あまうさあん)の看板娘をしている千夜は、ココアの同級生です。黒髪ロングの和風美人な彼女の性格は、基本穏やかで面倒見の良い大和撫子といった趣。
アニメでは佐藤聡美が声を務めました。名前の由来は「宇治抹茶」。身長157㎝、血液型はO型、誕生日9月19日です。
和菓子つくりが趣味でお店のメニュー名も彼女が付けているのですが、かなり独特なネーミングセンス。ちょっと?ずれた感性を持った彼女ですがお店に対する思いは強く、将来は自分の力で甘兎庵を繁盛させたいと考えています。
幼馴染のシャロとは仲良しで、よく彼女の反応が可愛いからとからかってる場面も。しかし幼なじみの絆は強く、まっすぐに大切にしている場面もよく描かれています。
2人の絆が感じられるエピソードがあります。
ある日、図書館で勉強をするココア、千夜、シャロ、チノたち。楽しい時間を過ごすうちにシャロは、「私が千夜達と同じ学校だったら、どうなってたんだろ」と、少し後悔も感じ始めます。
そんな彼女に千夜はこう言うのです。
「シャロちゃんだってほんとは分かってるんでしょ?
学校以外だってこうして会えるんだもの
私たち大人になってもずっと一緒」
(『ご注文はうさぎですか?』1巻より引用)
それに対して照れくさそうに答えるシャロ。何だかんだいって2人は、お互いのことを理解しあい、とても仲の良い幼なじみなのです。
ちなみに着物を着ているため分かりにくいですが、リゼ同様にスタイル抜群。どうやら着やせするタイプらしいです。
千夜の幼なじみでリゼの学校の後輩であるシャロ(桐間 紗路)は、高校1年生の15歳。くせ毛でウェーブのかかった金髪が特徴の彼女は、ハーブティー専門の喫茶フルール・ド・ラパンでアルバイトをしています。
アニメでは内田真礼が声を務めました。プロフィールは身長151㎝、血液型A型、誕生日7月15日。名前の由来は「キリマンジャロ」です。
リゼと同じお嬢様高校に通っている彼女ですが、甘兎庵の隣にある物置で生活をしています。じつは家が貧乏で両親は出稼ぎに、自身もお金を稼ぐためにアルバイトを掛け持ちするという生活を送っていたのです。
ちなみに学校は学費免除ができる特待生枠で入学。成績優秀で勉強を教えるのが上手な彼女は、チノから尊敬されています。
そんな彼女は、実はツンデレキャラ。素直になれない自分に対し、老若男女問わず誰とでもすぐに仲良くなれるココアに憧れていました。
しかしどうにかしてお店に来る小さい子どもたちと距離を縮めたいと思い、ココアたちと一緒に子どもに大人気のアニメ「怪盗ラパン」を見て勉強します。キメポーズやセリフ、細かい部分まで何度も見て覚え込むシャロ。
それに対して幼なじみの千夜は、嬉しそうにこう話します。
「昔からずっと すごく頑張り屋さんだもの」
(『ご注文はうさぎですか?』5巻より引用)
じつは誰よりも努力家で、でもそれを人には見せないシャロ。それを知っているのは、幼なじみの千夜でした。
努力家でしっかりしている印象を受けるシャロですが、ある弱点があります。それはカフェイン酔い。カフェインを摂取するとなぜかハイテンションになってしまう体質の持ち主なのです。そのためバイト先も、コーヒーを扱わないお店を選んできました。
ちなみに、酔った時の姿は、これがまた堪らなく可愛いんです。本人はそうなりたくないようですが、普段は見せないシャロの可愛い魅力に、誰もが釘付けになるでしょう。
チノの友人で同級生のマヤ(条河麻耶)は、ボーイッシュな容姿でいつも元気で活発。サバサバした性格で、年上に対してもタメ口で話すという中学生です。
アニメでは徳井青空が務めました。名前の由来は「ジョガマヤ」というダージリンの茶葉ブランド。プロフィールは身長140㎝、血液型O型、誕生日8月8日。
CQC(近接格闘)が得意で、リゼからは軍の関係者のなのでは?と勘違いされています。同じようにマヤ自身もリゼのことを格闘マニアだと思い込んでいます。強い者同士、分かるものがあるようです。
元気いっぱいでココアのように周囲を振り回す彼女ですが、意外と勉強はできる方。
そんな彼女らしい名言をご紹介させていただきます。
ある日、学校見学でリゼとシャロが通う学校に来た中学生組。その途中でメグがはぐれてしまい、偶然出会ったシャロとともに学園中を探し回ります。
そこで学校の先輩たちと触れ合ううちにマヤは、あることに気づくのです。
「ねぇチノ
飛び込んでみないとわからない世界ってあるんだね」
(『ご注文はうさぎですか?』5巻より)
高校進学でどこに行こうか迷っていたマヤ。リゼたちが通う学校はお嬢様学校だから自分には合わない!と思い込んでいましたが、実際見てみるとそうではなかったと気づいたのです。
猪突猛進な性格の彼女。なんでもまずは楽しんでみるという性格が、進路選択では良い方向へといったのでした。
チノとマヤの友人でクラスメイトのメグ(奈津 恵)は、素直で優しい性格の女の子です。誰にでもタメ口なマヤとは違って礼儀正しく、ココア以外は「○○さん」と呼んでいます。メグにとって、ココアは特別。尊敬し、慕っている相手です。
アニメでは村川梨衣が声を務めました。プロフィールは身長145㎝、血液型A型、誕生日11月2日。「ナツメグ」から名付けられています。
なぜメグがココアに憧れているのか。その理由が分かるとともに、彼女の素直な性格が伝わってくるエピソードがあります。
ある日、スケート場に遊びに来ていたココアたち。そこでココアとメグは、転んで立ち上がれなくなった子供を見つけます。
とっさに助けにいったココアですが、そのまま壁に衝突して気絶。その後、失敗したことを落ち込んでしまいます……。
そんな彼女に、メグが次のように言葉をかけました。
「えっとね 私が憧れてるのは
何でも出来る完璧なお姉ちゃんじゃなくて
ココアちゃんみたいな 何でも楽しいに変えてくれる人なんだよ」
(『ご注文はうさぎですか?』7巻より引用)
自分に自信がなくて高校生組に憧れるメグ。しかし、このエピソードかも分かるように人の良いところを見つけ出せる才能があるのです。
たいていの場合、ついつい人はダメな部分ばかりを見がちではないでしょうか。バランスよくよいところも見つけられるメグの素直さが伝わってくるシーンです。きっと高校にいっても素敵な女性になれるでしょう。
女流小説家として活躍している青山ブルーマウンテン(青山翠)。学生時代にラビットハウスの常連だった彼女は、亡くなったオーナーの助言で小説家になった人物です。
アニメでは早見沙織が声を務めました。名前の由来は「ブルーマウンテン」。身長163㎝、血液型B型、誕生日10月27日です。
落ち着いた性格ですが、人見知りが激しく人と目を合わせることが苦手。変な行動もよくしており、観察と称してシャロのスカートを覗き込もうとすることも。
一時期、思い出の万年筆を失くしてスランプになったときがありましたが、ティッピーになった元オーナーのおかげで再復帰します。
ときにはココアたちの仲の良い友人として、ときには年上のお姉さんとして彼女たちの成長を見守っている青山。彼女の頼もしさが伝わるエピソードがあります。
ある日、中学生組であるチノ、マヤ、メグが高校受験の試験後、受からなかったら……と落ち込んでいました。そこに青山がひょっこり登場します。
そして自分も受験に落ちた経験があると告白。落ち込む彼女たちをこう励ますのです。
「どんな道を歩んだとしても
私はこの街で小説を書いていたと思います」
(『ご注文はうさぎですか?』7巻より引用)
将来の道は一つではない。もし、分かれていたとしても一つに繋がっている……かもしれない。たくさん悩んで小説家という厳しい道に進んだ青山だからこそ言える言葉ですね。
ココアの姉で重度のシスコンであるモカ(保登モカ)。ココアと同様に社交的で優しい彼女は、チノやリゼから「姉オーラ」がスゴイといわれています。
アニメでは茅野愛衣が声を務めました。名前の由来は「モカ」。プロフィールは誕生日3月13日、年齢は明らかにされていません。
実家ではパン屋をしていて、彼女が作ったパンはチノたちから大好評です。
姉らしく手本になるよう陰で努力している彼女。その努力をココアには知られたくないと必死になっています(どうやらココアは気づいているみたいですが)。もっと頼ってほしいと思いつつ、新しい場所での妹の成長に喜びも感じている、優しい女性です。
そんな彼女が普段どれだけココアに心を砕いているのかが伝わるココアの名言があります。
ある日、実家からチノたちのいる街に戻るため、ココアは駅までモコのバイクで送ってもらいます。そこで姉への想いを告白するのです。
「将来の夢はたくさんあるけど
一番の憧れはやっぱりお姉ちゃん!
お姉ちゃんみたいにみんなを楽しませられる人になりたいな」
(『ご注文はうさぎですか?』5巻より引用)
頼られる存在として、ココアの見えないところでたくさん失敗を重ねて努力してきたモカ。その努力を知っているからこそ、ココアは昔から彼女に憧れていたのです。
ココアのようにお茶目だけど、お姉ちゃんらしくみんなを包み込んでくれるモカ。シャロ同様に陰で努力する姿を見せないようにする彼女は、包容力といじらしさにキュンときてしまうキャラです。
彼女たちの可愛らしさは、ぜひ原作でもご覧になってみてくださいね!