戦記ファンタジーラノベおすすめランキングベスト10!

更新:2021.12.20

戦記小説とは、大軍と大軍がぶつかり、知略を巡らせる戦いが楽しめる歴史小説などで多く見られる形式の一つですが、ライトノベルにも戦記ものは存在します。主に異世界を取り扱った架空戦記物が多く、そこに剣と魔法が絡み合うのが魅力のジャンルです。

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10位:武勇と軍略で紡ぐファンタジー戦記

平民の母を持つクロード帝国皇子レオナートは、貴族から蔑まれる存在でした。母親の死後、レオナートは叔母の庇護下で兵法や武術を学び、強く生きることができるように育てられました。

15歳になったレオナートは敵国の侵略によって故郷と叔母を失います。それは貴族腐敗によって引き起こされていました。そこでレオナートは国内を平定し、失った故郷を取り戻すために立ち上がるのです!

 

著者
あわむら 赤光
出版日
2016-07-14


この作品の特徴は異世界ファンタジーでよく存在する魔法が使えないという点です。そのため戦争では軍略と個人の武勇を競うことになります。高い統率能力を持っているレオナートの下に天才軍師や名将が集まり、レオナート率いる軍は劣勢の戦況を覆していくのです。

そして本作の見所はやはり戦闘。レオナートは努力によって培った高い戦闘能力で熱い戦いを繰り広げます。金属製の鎧を切り裂いてしまうレオナートの武勇には爽快感があります。また美しい軍師シェーラによる軍略も見所です。風聞を用いて情報戦を持ち掛け、相手を罠にはめて勝利していきます。硬派な軍記ラノベが好きな方におすすめです。

9位:舞台は、ファンタジー世界になった日本?

舞台はとある事件により一夜でファンタジー世界に変わってしまった日本。人々には日本の記憶はなく、偽りの記憶が植え付けられていました。ゴブリンやオークなどの怪物が跋扈するその日本には、怪物と戦う軍事国家「新宿市国」が存在します。

新宿市国軍に所属している主人公御神楽零には、なぜか日本の記憶が残っています。ある日零は謎の少女火倶夜との出会い、「誉めたら伸びる能力」を授けられます。零はその能力と日本の記憶を使い、元の日本を取り戻す戦いを始め……。

 

著者
竹井 10日
出版日
2016-11-02


この作品で重要な要素は「誉めたら伸びる能力」です。この能力は人や物に関係なく使うことができ、物の効果を高めたり、人の才能を伸ばすことができます。便利な能力ですが、異性に使用した場合は零に対する恋心を強めるといった危険もあります。

零は手に入れた能力に身に余すのではないかと危惧の念を抱きますが、身に危険が迫り使ってしまいます。人の好意に疎い零はヒロインの恋心に気付かず能力を使ってしまい、ヒロインの恋心を強くしてしまうのです。零に誉められ、照れるヒロインを見ることができます。

『我が驍勇にふるえよ天地 ~アレクシス帝国興隆記~』と比べ、コメディーやミステリの要素が強い印象の本作。硬派な作品が苦手な方におすすめできる作品です。

8位:スマホ片手に戦国乱舞

戦乱の渦中にある異世界「ユグドラシル」に飛ばされてしまった主人公・周防勇斗。スマホという現代機器を武器に、彼が領主に昇り詰めるというストーリーです。

本作の舞台となる「ユグドラシル」は古代文明に似た世界でした。聖盃と呼ばれる神聖な儀式を行って作られた疑似家族は強い強制力を持っていて、裏切りは重罪にあたるようです。

右も左も分らない世界に飛ばされた勇斗は途方に暮れますが、氏族「狼」に救われます。現代の知識とスマホは大きな武器となって、勇斗は「狼」の領主に出世しました。

奴隷制度や戦争は現代人の勇斗には抵抗がありますが、仲間達はそんな彼を優しく支えてくれます。戦闘ばかりではなく家族間の交流がしっかりと描かれていて家族の大切さを再認識させられるラノベ作品です。

 

著者
鷹山 誠一
出版日
2013-07-31


ヒロインは勇斗を家族として支える女性たち、お兄様と呼び慕う副官はお色気抜群お姉さんのフェリシア、氏族一番の武人にしてお堅い義理の娘ジークルーネなど。癖も有りますが同時にキャラも立っています。家族を超えてしまうのでは?という禁断のスキンシップには要注目です。

本作は選び放題でよりどりみどりな家族系ハーレムを満喫できます。ですが時には家族を守る為、村を焼くなどという非情な選択に悩まされるでしょう。壮大なファンタジーも見所ですが、少しエッチな異世界生活を楽しみたい方にお勧めのラノベ作品です。

7位:「世界録」を求め、熱い冒険へ

世界の滅亡の危機が迫った終焉戦争は英勇エルラインと三大姫の4人の尽力により幕を引きました。それから300年、聖フィオラ旅学園に通うエルラインにそっくりな少年レンは、その容姿に対して実力が乏しく、馬鹿にされていました。

ある日レンは三大姫のひとり竜姫キリシェと出会います。キリシェは三大姫と共にエルラインが遺した手記「世界録」を探していました。レンは強くなるために、キリシェの旅に同行。そのため容貌もあいまってエルラインの再来として注目を浴びてしまいました。名声が高まる一方、これ故に戦いに巻き込まれていき……。

 

著者
細音 啓
出版日
2014-07-24


レンは自分の実力を馬鹿にされ、劣等感を持っていました。強くなるため旅に同行しますが、レンは三大姫との実力差が大きく、守られてばかりです。そのため劣等感がさらに深まり、強さへの固執と焦りを持つことになります。しかしながら、レンは旅に同行しているうちに、心身共に強くなっていくのです。そんなレンの成長と能力が開花したときの爽快感が見所です。

旅の目的である「世界録」は手に入れれば様々なことができると言われています。また「終焉戦争」についてもその実態は分かっていません。そんな謎を解くことも冒険の醍醐味ではないでしょうか。

レンはその容貌が原因で馬鹿にされながらも、エルラインに憧れを抱いている少年です。憧れを胸に冒険しているレンを是非見てみてください!

6位:本を片手に戦う英雄の戦記

主人公は軍人なのに剣も弓も苦手、とにかく本が好きな読書狂なレジスという青年です。

彼はとある敗戦の責任を取らされる形で辺境へと左遷されることになるのですが、そこで自分の運命に大きく影響する少女と出会うことになります。それは赤い髪と紅い瞳が特徴的な、覇者の大剣を携えた皇姫アルティーナでした。

 

覇剣の皇姫アルティーナ1<覇剣の皇姫アルティーナ>

むらさき ゆきや (著)、himesuz (イラスト)
ファミ通文庫


その出自ゆえに辺境軍の司令官に任じられていた彼女でしたが、その境遇に嘆くことなく帝国を変えたいという大望のため、レジスに軍師を頼むのです。数々な困難を乗り越え、二人は勝利をつかむことができるのか、辺境から始まる中世ヨーロッパでのファンタジー戦記作品になっています。

基本的には読書家の主人公が本に書かれた戦法を使い、軍師としてアルティーナの軍を勝利へと導くというストーリーです。どう考えても不利な状況を覆す姿は爽快で、どんな時でも前向きに問題を解決していく彼女の姿が目に浮かびます。毎度どう解決するのだろうかと胸踊ります。

また、皇帝になるべく邁進するアルティーナをメインヒロインに、サブヒロインも多数登場するハーレムものとしての側面もあります。なぜか主人公のパンチラがかなり多いところも面白い。かわいい女の子を見たいという方にもおすすめです。

5位:弓と剣と魔法と。捕虜になった主人公のファンタジー作品

舞台となる世界にはブリューヌ王国とジスタート王国という二つの王国が存在する場所です。その両国が国境にある平原で激突した「ディナントの戦い」から物語は始まります。

当初の予想ではブリューヌ王国の圧倒的な勝利で終わると思われていましたが、それを大きく覆しジスタート王国の七戦姫の一人エレオノーラ=ヴィルターリア(エレン)率いるジスタート軍の勝利で終戦を迎えます。

 

著者
川口 士
出版日
2011-04-20


そんな中、主人公であるブリューヌ王国で伯爵位の少年ティグルヴルムド=ヴォルン(ティグル)は、味方の逃亡を手助けするためにエレンを討ち取ろうとするも失敗し、彼女の捕虜となってしまうのです。

本来ならば直接出会うことのなかったティグルとエレンの二人ですが、彼らの出会いをきっかけに二つの大国のみならず周囲の国々までも巻き込んだ英雄譚に発展していく物語です。

主人公の少年が、美少女たちの力を借り、好意を寄せられながら成長していくストーリーを描いた戦記ものとしてより、美少女ものとしての側面が強い作品です。

この作品の特徴の一つは、主人公ティグルの扱う武器が弓であること。この作品では普通なら由緒正しい武器という位置づけは剣が多いところを弓にしてあるのです。

これに対してヒロインたちが扱うのは剣と魔法で、対比がなされています。その対比が見事!美しく強いヒロインたちが舞う姿、それに対して、弓くらいしか取り柄のない主人公がそれぞれのキャラクター性でストーリーを彩っています。

弓の腕には自信があるものの、ほかの面では無力な少年であるティグルのもとに集う幾人もの人を描き、中世ヨーロッパのような架空戦記とライトノベル的はハーレム要素を組み合わせた作品です。

4位:異邦者たちによって引き起こされた戦いの記録

主人公フェリオはアルセイフ王国の第4王子であり、今はフォルナム神殿に親善大使として滞在しています。ある日、フェリオは神殿で管理されている御柱(ピラー)から突如現れた少女リセリナと出会うことになるのです。王道のボーイミーツガールの展開です。

異なる文化の世界から来たと予想される彼女ではありましたが、幼馴染ウルクとともに変わりない神殿での生活に戻るだろうと思っていたフェリオ。しかし、そこでまた事件が起こります。

 

著者
渡瀬 草一郎
出版日


式典のために神殿に来ていた王と皇太子が、御柱から現れた新たな来訪者に殺害されてしまったのです。王と皇太子が死んだことで、フェリオの祖国アルセイフ王国は混乱に陥ります。

王としての素質に不安のある第二王子レージクか、まだ2歳の皇太子の息子のどちらを王位につけるのか。どちらにせよ一度国に戻らなくてはならなくなったフェリオは、そこでとある陰謀に巻き込まれていき……。

12巻の本編と1冊の外伝を合わせて構成されたライトノベルの中でも知名度の高い戦記ファタンジ―の作品です。キャラクターを焦点にあてた視点では、フェリオ、そしてリセリナ、ウルクのダブルヒロインで構成される三角関係の恋愛模様が楽しめます。

また、ストーリーとして舞台全体を見渡せば様々な人の陰謀や策略が渦巻くように出来上がっており、英雄物語としても群像劇としても楽しめるようになっています。戦記ものとしてしっかりと練り込まれたストーリーはただのラノベというくくりにしておくには惜しいほどのもの。王道ですが、展開に飽きさせない筆力を感じる名作です。
 

3位:怠け者の名将が知略を巡らせる戦記

四大精霊が実体として存在するファンタジー世界が舞台の作品です。

主人公の少年イクタ・ソロークは昼寝と徒食と女漁りが好きでなまけながら日々を過ごしている若者ですが、のちに彼は「常怠常勝の智将」と呼ばれるほどの軍事の才を発揮します。この物語はそんな彼の激動の人生を描いたものです。

 

著者
宇野朴人
出版日
2012-06-08


彼はヒロインとなる同期主席・ヤトリシノ・イグセムが高等士官試験で主席合格をする協力を求められます。見返りに図書館の司書のポストをもらうと約束をしますが、試験の最中移動用の船が沈没し二人は遭難してしまうのです。

彼らが流れ着いたのは敵国であるキオカ共和国。イクタの活躍もあってどうにか脱出を図るのですが、その行動が彼の人生を大いに変えることとなり……。

主人公イクタは本人も周囲も認める怠け者、そんな彼なのでこの作品の戦闘シーンでは彼は戦いに参加はしません。ではなにをしているのかというと頭を使って作戦を立てるのです。これこそ、彼が名将として成長していくきっかけなのです。

このシリーズはライトノベルでは珍しい、本格的な軍事ものバトルが楽しめる作品で、知略を駆使した頭脳バトルが好きな方におすすめしたい作品です。世界観、ストーリーともによく煉りこまれているため彼らがどうなっていくのか、期待が高まる骨太なシリーズになっています。

2位:優しき王子アルスラーンが紡ぐ成長と王道への物語

パルス王国の王子として生まれた主人公・アルスラーン。王子という立場ですが身分にはこだわらない優しい心を持っています。そんな彼が優秀な部下に支えられ、時には学びながら成長していくのが物語の大きな流れです。

幾度侵略されようとも跳ね除けるパルス王国にアルスラーンは王子として生まれました。しかし、国の敷いた奴隷制度や父の強硬政治には懐疑的です。理由はしっかりとあるのですが、どちらにしろ彼は心優しく大きな度量を持っています。彼は戦乱の世では稀有な存在だと感じました。

ストーリーは強者を率いるパルス王国の敗戦から始まります。父王アンドラゴラス三世が戦略を軽んじ、部下の裏切りに遭ったのです。この敗戦で王位継承権を持つアルスラーンは命を狙われる立場に追いやられました。

アルスラーンはとても優しい青年です。でもそれだけでは王にはなれないと囁かれていました。自分を磨き、王として着実に進んでいく姿に肩を並べる友と同じように、読んでいて感動出来るでしょう。

 

著者
田中 芳樹
出版日
2012-04-12


物語が進むにつれ、彼はパルス王家の正当な血統ではないことが分かります。父王夫妻と血の繋がりがないことから、両親の愛情を受けることはありませんでした。

ですが腹心ダリューンやその友ナルサスに支えられ、王に必要なのは王家の血統ではないとアルスラーンは考えるようになります。パルスをより良い国にするべく王位につく覚悟を決めたのです。そんなアルスラーンに部下は深い忠誠を誓い、仲間は増えていきました。

王都奪還が目前に見えた矢先、敗戦で捕虜となっていた父王アンドラゴラス三世は自力で牢から脱出します。すると父王の独断から、アルスラーンは集めた兵達を奪われ追放されてしまったのです。彼は不当な扱いにより窮地に立たされたのでした。読んでいて憤りにも似た感情が湧いてきます。


アルスラーンの味方は少ないですが、彼に付き従う仲間たちの彼への心酔ぶりには胸が熱くなります。その中でも「戦士の中の戦士」と呼ばれるダリューンの忠誠心は、ずば抜けて高いです。

初めは未来の王として心配の残る王子を不安に思う事もありました。しかし国王であったアンドラゴラス三世を前にしても、アルスラーンこそ自身の王だと思うようになっていきます。二人の信頼関係は主従を超えていて、他作品と比べても類を見るものは少ないでしょう。

本作は国同士の政治や戦争が色濃くピックアップされています。少し男臭いかもしれませんが、熱い友情と派手な騎兵戦は読み応え抜群でしょう。

戦乱の世だからこそ強いられる犠牲。苦渋を舐めながらでも自身を磨き配下を信じて王を目指すアルスラーンと共に王道を歩んでみませんか?

1位 :王と勝利の女神の出会いと戦いを描いた物語

妾の子であったが故に貴族の陰謀によって、王位と命を狙われて追われる立場となったデルフィニアの若き国王ウォル。彼の前に、異世界から来たという少女リィが落ちてくるところから物語は始まります。友人となった二人はかつての忠臣たちと共に奪われた玉座を取り戻すための協力し、戦いを始めることになるのです。

 

著者
茅田 砂胡
出版日


この作品は全部で18巻あり、作中では約6年の月日が経過する、戦記ものらしい大作になっています。主人公のウォルとリィの二人は恋愛関係に発展しそうですが、この作品はこれだけ長い期間が過ぎ去っていく間もずっと気の合う同盟者、友人として描かれているのが特徴です。

また、本の装丁やあらすじからとてもシリアスで硬派な印象を受けるかもしれませんが、登場人物たちの会話がとてもコミカルで、思わず声を出して笑ってしまうほどの軽やかさがあります。

あくまでも戦記ものというジャンルの上で成り立つキャラクター小説というべきものなので、「戦記」だと思って気負わずにさらっと読んでみるのがおすすめ。「戦記」の魅力が分かる、軽いのに読み応えのある1冊となっています。

いかがでしたでしょうか。巻数が多い作品ばかりですが、読めばその長さがあってよかった、と思えるくらいハマることのできるものばかりです。読み終わった時の感動と満足感を大きく感じられると思います。戦記ラノベはそれぞれの世界に生きている人々を感じることができる、壮大な魅力に満ちたジャンルです。

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