小学4年生になるとぐっと大人びて、サンタの正体に答えをだしているかもしれません。クリスマスのイルミネーションにわくわくする季節。カウントダウンのはじまりですね。クリスマスプレゼントは何にしようかな……。そんなクリスマスに心踊る季節、きらきらが大好きな女の子に贈りたいおすすめの本をご紹介します。楽しみながら世界を学んでほしいという願いをこめて。
両親を亡くし、叔父の家の階下の物置で暮らしていた孤独な少年・ハリー。しかしある日、11歳になったハリーのもとへ突然、魔法学校の入学許可証が届きました。そこでさまざまな真実を知らされたハリーは、魔法学校に入り、グリフィンドールの寮生活をスタートさせて、魔法使いとして生きることとなります。
- 著者
- J.K.ローリング
- 出版日
- 1999-12-01
かつてハリーの両親を殺したヴォルデモートの復活を阻止するために、壮大な冒険をはじめるハリー・ロン・ハーマイオニーの3人……。ハリーが生まれてから物語が完結するまでの20年間を描いています。
暖かい部屋の中で本の世界に浸るのにぴったりなこの時期はぜひとも長編の本を楽しんでもらいたいですね。このシリーズは発売から完結まで10年の歳月をかけた壮大な物語となっています。
おしゃれが大好きで活字が嫌いな女の子も、同年代のハリーと自分を重ねて、どんどん魔法の世界にひきこまれていくことでしょう。親子で読んでホグワーツを一緒に体験する冬休みも楽しいものですね。友情と正義を貫く姿は、ただのファンタジーで終わらない学びがあり、胸に残る作品になるはず。きっといつまでも記憶に残るクリスマスプレゼントになると思いますよ。ハリーたちと一緒に成長してほしいとの思いを込めてプレゼントしてみませんか。
美形で優男の天使プラプラと、ぼくの再挑戦までの道のりを描いた物語です。
「おめでとうございます。抽選に当たりました!」一度死んでしまった「ぼく」は抽選に当たり、もう一度人生をやり直すチャンスを与えられます。プラプラはそんなぼくを再挑戦の道へ導いていくのが任務だといいます。
- 著者
- 森 絵都
- 出版日
チビの中学生の小林真という少年は、ある日自殺を図っていました。前世で大きな過ちを犯した魂のぼくは、そんな小林真の体を借りてホームステイという修行に入ります。いじめにあい鬱気味だった小林真になったぼくは、周りの人々と日々を過ごしながら、再挑戦の道を歩んでいきます。
死という切り口で人と人との関係の難しさ、あたたかさをテーマにしたこの作品。死んで生まれ変わった彼は冷静に小林真の生活やもともとの性格を見つめます。疑問に思ったり、苛立ったりしながら修行としてこの男の子の中で生きます。見る角度によって、見える感じ方が変わることを、心地よく教えてくれます。
小学校高学年になると女の子も体が変化し、大人びてきたまわりとのつきあいかたに、戸惑うことも多くなってきます。そんな時、誰かがまってくれているんだという支えに気がつけるなら、たくさんのことを乗り越えていけるのではないでしょうか。やさしい言葉や思いのつまった記憶は、これからの心の成長を支えてくれるだろうという、人のあたたかさを感じられる作品です。
天使、かわいらしい手書き風の文字やイラストとカラフルな表紙も、かわいいが大好きな女の子へ贈りたい本です。
毎日、学校、塾、お稽古ごとと、その合間に友だちと遊び、忙しくしている子どもたち。今年のクリスマスプレゼントは、そんな忙しい生活の中でも心を大切にして過ごしてほしいという願いがこめられたこの物語を贈ってみませんか。
- 著者
- ミヒャエル・エンデ
- 出版日
- 2005-06-16
この物語の主人公・モモは背が低くやせっぽちで、野生児のような見た目をした、小学生ぐらいの女の子。大きな都会の南のはずれ、円形劇場から物語は始まります。町にやってきた時間貯蓄銀行からきた灰色の男たちによって時間が盗まれ、人々は人生を楽しむことを忘れて忙殺されます。時間どろぼうの灰色の男たちと時間の秘密に気づいたモモは、盗まれた時間を人々にとりかえすための闘いに挑みます。
モモをとりまく世界は、探偵小説のような、ファンタジーのような、童話のような、不思議で複雑な印象を与えられます。人と話すことで時間を盗まれた人々の心を優しく溶かしていくモモ。果たして彼女は時間を、余裕のある心を人々のもとに取り戻せるのでしょうか。
親子世代で読まれるロングセラーの本、扉の絵を目にしたことがある人も多いと思います。モノクロの奇妙に心惹かれるタッチで描かれたモモの挿絵も、作者ミヒャエル・エンデが描いたものです。おとぎ話が大好きだった女の子を、この世のどこにもない異国の風景のなか、人としての普遍的な事を描いたことを学びに時空の旅行にに連れていってあげませんか。
小さな女の子が書いているような金子みすゞの純粋な言葉が並んだ詩集です。きっと子どもたちも難しい詩としてではなく、身近な言葉として吸収してくれるのではないでしょうか。
- 著者
- 金子みすゞ
- 出版日
- 2011-06-17
自然の中の身近な植物や小さな動物に深い愛情のまなざしを感じさせてくれる、いつの時代にも心に残る詩となっています。
特に有名な「小鳥と私と鈴と」という詩は、これから思春期まっさかりになる女の子に読んで欲しいもの。お姉さんぶって背伸びをしたり、周りの目が気になりだした女の子に、そのままでも愛している、違ってもいいんだよという親の気持ちをそっとプレゼントしたくなります。
やわらかい心の今だからこそ読んでほしい、優しいまなざしの金子みすゞの詩を、クリスマスプレゼントに渡してみてはいかがですか。
100年に一度、「この世(サグ)」の人間に宿り新しく誕生する「異世界(ナユグ)」の精霊。そんな精霊が宿った短槍使いの女バルサは川に流されていたチャグム皇子を救います。しかし、水妖に宿られてしまったチャグム。水妖を退治したことを神の子孫の証とする父帝は、息子の命を秘密裏に狙ってきます。
- 著者
- 上橋 菜穂子
- 出版日
- 2007-03-28
妃の手助けで宮をあとにする皇子と短槍使いの用心棒バルサ。自らの運命をまだ受けとめきれないチャグム皇子の心の成長を示すように、守り人に選ばれたバルサもまた、精霊の卵の生きたいという思いを受けとめ、成長していきます。
12歳のチャグム皇子と女ながらに用心棒で短槍使いのバルサのすごした一年にもみたない物語は、出会いと別れ、本当の話と嘘の話、さみしい気持ちやつよい気持ちに織りなされ、チャグム皇子と心が重なって物語のなかへ引きこまれてしまうでしょう。
その旅の記述は心に迫ってくる、リアルで感情移入しやすいものです。その理由は細部にわたって世界観が作り込まれており、感情の描写も丁寧だから。これから辛いことや悲しいことなど一筋縄にはうまくいかない運命を乗り越える時、こんな二人の勇者の姿が目に浮かぶはずです。