累計270発行部数が300万部を越える「迷路絵本」シリーズ。何度見ても楽しめる細かな書き込みや、たくさんの仕掛けが人気の秘密です。この記事では、シリーズの魅力をお伝えしたうえで、人気ランキング順におすすめ絵本を紹介していきます。
絵本作家の香川元太郎が手掛ける「迷路絵本」シリーズ。最初の作品である『時の迷路』が2005年に刊行されるとしだいに評判となり、不動の人気を確立していきました。いつでも、何人でも遊べることから大型本やポケット判も発表され、さまざまな場面で活躍する絵本になっています。
作者の香川元太郎は、歴史の教科書や雑誌などの挿絵を多く手掛ける、日本画家でありイラストレーターでもあります。迷路を仕込んだイラストが息子に好評だったことが、「迷路絵本」シリーズを企画するきっかけとなりました。
歴史考証のノウハウを活かし、作品ごとに設けたテーマや舞台を丁寧に取材。細密なイラストはシリーズ最大の魅力といってもいいでしょう。
作中には、難易度の異なる2種類の迷路、さらに隠し絵やクイズなども入っています。じっくりとイラストを眺めて解いていくことで集中力が高まると、子どもだけでなく大人からも大人気です。誰かに教えたくなるようなとっておきの情報も盛り込まれ、細かい仕掛けの数々が読者の心を離しません。
流れ星が落ちたという山に子どもたちが行ってみると、不思議な模様が描かれた石がありました。どうやらそれは、遠い星からのメッセージだそう。10個すべてを見つけると、その星へと行けるみたいです。
子どもたちはさっそく、宇宙船クージラ号に乗り込み、冒険に出発します。
- 著者
- ["香川 元太郎", "縣秀彦", "香川元太郎"]
- 出版日
「迷路絵本」シリーズの8作目。2011年に刊行されました。
迷路をしながら宇宙を旅する壮大なスケールが大人気。宇宙ステーションにはじまり、月や星座、はるか遠くの銀河系まで、宇宙の仕組みを知ることができます。石が導いた謎の惑星を追う過程は、子どもたちをワクワクさせてくれるでしょう。
細かい書き込みがたくさんあるので、見返すたびに新しい発見ができるのもポイントのひとつ。迷路以外に隠し絵もたくさんあり、飽きずに楽しめる一冊です。
今日はお城でお祭りが開催される日。それなのに、演奏を担当する音楽隊がいなくなってしまいました。
どうやら音楽隊はいろいろな場所に散らばってしまったようです。演奏会の時間に間にあうよう、みんなを探しに行きましょう。
- 著者
- ["香川 元太郎", "香川 志織", "香川 元太郎"]
- 出版日
「迷路絵本」シリーズの14作目。2017年に刊行されました。香川元太郎の娘も制作に参加しています。
子どもたちが大好きなおもちゃがたくさん描かれた、にぎやかな作品。楽しそうに遊ぶぬいぐるみや人形たちを眺めているだけで、絵本の世界に惹きこまれていくでしょう。今にも倒れそうなドミノ倒しや、ぐるぐるとまわるサーキットの場面では、ドキドキしながら迷路に挑戦できます。
形を想像しながらパズルにぴったりとあうピースを探すなど、柔軟な発想が求められるクイズも秀逸。大人が手こずってしまうような問題もあるので、頭の体操にもおすすめです。
見慣れた街角にある道標。裏側に不思議なマークが描かれていることに気づき、じっと見つめていると、どこからか声が聞こえてきました。
クイズを解き、「時の石」を見つけて、扉を開けてみると……なんと目の前で、ティラノザウルスがガリミムスの群れを襲っています。恐竜時代にやって来ました。
時の石を集めて現代に戻る、時間旅行が始まります。
- 著者
- 香川 元太郎
- 出版日
2005年に刊行された「迷路絵本」シリーズの記念すべき1作目。作者の香川元太郎が得意とする歴史がテーマです。
恐竜時代にはじまり、縄文時代や弥生時代、平安時代、江戸時代など全部で12の時代を旅します。当時の状況をあらわす特徴的な建物や生活スタイルなどが描かれ、迷路を楽しみながら自然と知識をつけることができるでしょう。
明治時代以降を紹介する『続・時の迷路』もあわせて読みたい一冊です。
乗り物王国で事件が発生。新しく発明された乗り物が、スパイに盗まれてしまったのです。
バスや新幹線、豪華客船など、さまざまな乗り物の中を逃げ回るスパイ。迷路を解きながら、盗まれたパーツを回収していきましょう。
- 著者
- ["香川 元太郎", "香川 元太郎"]
- 出版日
「迷路絵本」シリーズの10作目。2013年に刊行されました。
乗り物好きの子どもにはたまらないであろう作品。知っている乗り物が登場すればワクワクし、知らない乗り物を見れば想像力を膨らませるはず。まだ迷路にチャレンジできない年齢の子どもでも、見ているだけで楽しめるでしょう。
サイズが小さい『ポケット版 乗り物の迷路』もあるので、実際のお出かけに持っていくのもおすすめです。
犬の散歩をしていた子どもたちが、不思議な扉を見つけました。扉の前にはたくさんの虫が集まっています。
アリが行列で作った文字を解読し、そのとおりに扉を開けてみると……そこは昆虫の国。侍のような恰好をしたカブト武者に驚いた犬が虫穴に落ちてしまい、大変です。虫穴に入ると体が小さくなってしまうんだとか。
子どもたちとカブト武者は、犬たちを探す旅に出ることになりました。
- 著者
- ["香川 元太郎", "小野 展嗣", "小野 展嗣"]
- 出版日
「迷路絵本」シリーズの7作目。2010年に刊行された大人気の作品です。
細かい書き込みは、小さな昆虫たちの形状や色を緻密に表現し、まるで生きているかのよう。迫力も満点です。生息地や成長過程、生態なども一目でわかるので、迷路で遊びながら図鑑のような役割も果たしてくれます。
カバーの裏にもクイズが書いてあるなど、絵本自体にも遊び心が満載。無事に最後の迷路を解いて、犬たちを見つけることができるでしょうか。