中学生の女の子へクリスマスプレゼントとして送りたい本5冊!

更新:2021.12.14

クリスマスのイベントも予定もたくさんのこの季節。家族の時間が作れるように工夫されていることでしょう。思いのこもったプレゼントを用意して、ゆっくりおしゃべりする時間が待ち遠しいですね。中学生の女の子に、クリスマスプレゼントとして送るのにぴったりなおすすめ本を5冊ご紹介します。

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赤毛のアンに学ぶ幸せの育て方

マシュウとマニラの老兄妹の暮らす緑のグリーン・ゲイブルズに、孤児院から11歳のやせっぽっちのアンはやってきます。空想豊かで赤毛を気にしているアンは、ロマンチックなことが大好きな女の子です。男の子を希望していたマシュウとマニラでしたが、感じやすいアンを理解しながら一緒に暮らし始めます。プリンス・エドワード島の四季をめぐりながら、アンの成長していく姿が描かれています。

著者
ルーシー・モード・モンゴメリ
出版日
2008-02-26


空想好きのアンは、マシュウとマニラだけではなく、読んでいる人も元気にしてくれます。2014年のNHK連続テレビ小説・花子とアンでも描かれた村岡花子訳の『赤毛のアン』は生き生きとしていて、きっと英語の辞書を片手に、原本に挑戦したくなりますよ。

勉強やクラブ活動、学校行事など日々忙しい中学生。毎日を楽しむということを忘れてはいないでしょうか。物事は楽しもうと思えば、楽しめるもの、という赤毛のアンに勇気づけられ一緒に成長していきたくなる作品は、幸せになる方法がつまった素敵なクリスマスプレゼントになることでしょう。

少女の日記が伝える思いとは

誕生日に日記帳をもらったアンネ・フランク。13歳になったアンネは、キティーと名付けたその日記帳に、手紙を書くようにして日記を書き始めます。好きと嫌い、思いやり、嫌悪や怒りが生き生きと綴られています。15歳の8月1日で、この日記は終わります。アンネは、最後の日記から7ヵ月後の1945年3月上旬に強制収容所で亡くなったといわれています。

著者
アンネ フランク
出版日
2003-04-08


第二次世界大戦中、ナチスによるユダヤ人迫害を避けるために過ごした、オランダのアムステルダムで書かれた『アンネの日記』。戦争が終わったら日記を発表しようと思って書き直したもう一つのアンネの日記も残されています。アンネ・フランクのその聡明さにも驚かされます。

今も世界のどこかで戦争が起こっています。歴史で勉強する戦争の話はどこか遠くのことの出来事だと感じているかもしれません。同年代の瑞々しいアンネのことばは、あの時どんなことを感じていたんだろうと、読み手の興味を深く掘り下げてくれるでしょう。日記を書くきっかけも作ってくれそうですね。

恋に憧れる中学生へ送りたい

紫式部が書いた『源氏物語』を現代のことばで描いた本です。田辺聖子の柔らかく美しい文章は、教科書のような難しさがありません。はじめて最後まで読みきることができる源氏物語と評判にもなるほどです。
 

著者
田辺 聖子
出版日


光君というあだなの通り、輝くばかり美しい源氏。平安時代の宮廷で繰り広げられる、妖しい揺らめきが放たれる源氏に、酔わされ、魅惑され、愛し愛される女人。愛を失い、愛を求め、多くの恋をし苦悩する光源氏のお話です。

恋に憧れる中学生の女の子は、これからどんな愛を見つけていくのでしょう。恋のかけひきが描かれる平安の愛の物語は、ちょっと背伸びしたい女の子への恋のアドバイスになるかもしれませんね。ロマンチックなクリスマスにぴったりの本です。

悩みの多い中学生は必読?

中学生になったまいは、喘息で休んでいた5月、もう学校へ行かない、学校は私に苦痛を与える場でしかないと真剣に母親に伝えます。そしてその夏の初め、田舎のおばあちゃんのところで生活することになった、まい。イギリスから来た西の魔女のおばあちゃんとの暮らしの中で、なにが自分を幸せにするのかを見つけるための修行が始まったのでした。

著者
梨木 香歩
出版日
2001-08-01


すっと心にしみる田舎の情景が想像力をふくらませてくれます。心がほっとできる場所があり、暮らしのなかにあたたかな感触を覚えていく。さまざまな生き方が認められる今、女の子たちはていねいに暮らす西の魔女の生き方に共感するかもしれません。

中学生の女の子は、周りの目を気にしすぎて、相手に合わせたり拒絶したり……自分に迷いながら大人になっていく途中です。この本は、そんな彼女たちにそっと寄り添ってくれるようなあったかい心がたくさんつまったクリスマスプレゼントとして、おすすめの1冊です。

小説が苦手な中学生にもおすすめしたい1冊

小さい女の子なっちゃんは、新しい街に引越しをします。そしてありのままの感情をぶつける女の子たちと原っぱで出会うのです。はじめてできたともだちと、はじめての猫のお葬式……。小学生、中学生、高校生と学校が違っても、ばか捨て山と呼ぶ原っぱに集まり、大人になっていく女の子たち。不安を抱えながらも、大好きは向こうから来てくれると信じていた女の子のものがたりです。

著者
西原 理恵子
出版日


今では見ることも少なくなった原っぱが描かれます。会うことも少なくなって思う、かつて原っぱで出会った大好きなきいちゃんとみさちゃんのお話は、ほろ苦い思いが残ります。

希望が見いだせない毎日は辛いはず。しかし小さなことでもなにか希望があれば、少しずつ未来は変わっていくのかもしれません。小説が苦手な女の子にもおすすめですよ。本書を手に取った方が、西原理恵子の『毎日かあさん』のように、愛にあふれたたくましさを、身につけられますようにと願わずにはいられません。

以上の5冊をご紹介しました。感受性の強い中学生のころに読んだ本は、女の子にとってずっと心に残る素敵なクリスマスプレゼントになると思います。

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