彩景でりこBLはクオリティとシコリティの暴騰ストップ高

更新:2016.12.24 作成:2016.12.24

作家によって得意なジャンルというのは、割とはっきりしていることが多いように思います。 純愛だったり、コメディだったり、シリアスだったり…。だいたいは1つ、2〜3個が混じったりしますが、まぁ多くて5個くらいかしら?というところでしょうか。 しかし、彩景でりこ先生に置いては、ジャンルの枠を縦横無尽に飛び回りつつ、いずれの作品もべらぼうに面白いという離れ業をやってのけてます。 まさに、BL界十種競技の金メダリスト。今回は、その輝きをご紹介します。

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ツンデレラがガラスの靴で殴りかかるBL『傷だらけの愛羅武勇』

著者
彩景でりこ
出版日
2015-04-24

好きと言おうと思ったのに、気がつけばアゴにキレイなハイキックを決め、「いーかげんもちっと強くなんねンすかね」とか言っちゃう、ハイレベルツンデレBLはいかがでしょうか。

表題作は高校が舞台のハイテンションラブコメディ。喧嘩上等のヤンキー神田(金髪のほう)は、喧嘩を吹っかけられては返り討ちにする毎日。今日も上級生がシメにきたから集団暴行かと思ったら、まさかの対マン勝負を持ちかけられて……。返り討ちにしたけど、懲りずに対マンを挑んでくる。こんな硬派なヤツ、見たこと無い!男気溢れる上坂サン(ヒゲ坊主)にぞっこんラブになっちゃった。だけど、好きと中々言えなくて、今日も拳と拳で語り合っちゃう。

とにかくセリフとモノローグの乖離具合がすごい。本当は拳と拳じゃなくて唇とかほかの部分をぶつけ合いたいんだよね……わかるよ……と、暴力を振るう神田に対して反抗期の息子を見るような気持ちで見てしまいます。しかも受けである上坂サンがその神田の幼さを包み込むような母性を備えていて「デートするぞ!!いいな!!」ですからね。色々なギャップに読者は翻弄されっぱなしです。

その他、オカマバーで働く神田の兄に反対されたり、その兄が恋に落ちたり、キレイな先輩を心配する後輩、教習所で憧れの人と出会うリーマンの勘違いラブ、アメリカ留学から帰ったら天使ショタの弟がデカい髭もじゃ男になっていた件、などなど盛りだくさん。彩景でりこ先生の初コミックスが新装版で登場。

もし幼馴染みが本気でBエロ作家を目指したなら最高だった『エロまん』

著者
彩景 でりこ
出版日
2012-09-29

BLエロコメディの決定版。

コンビでマンガを描いている佐市(原作)と虎鉄(作画)。極貧生活の中、「お金になるらしい」ということでエロ同人に挑戦。虎鉄はエロシーンの参考のために佐市にモデルをしてもらうが、どうも鼻息が荒く、雲行きも怪しく…。

「味もみておこう」「もうええやろ岸●露伴!!!」のやりとりなど、色々なパロディがしょっぱなにガンと詰め込まれていて、マンガ好きの人は更に楽しめます。もちろんエロシーンも盛りだくさん。虎鉄の妄想力もすごいけど、佐市もどっこい負けてません。牢屋での再会とか、普通は考えないよ!

その他にも、2人の編集担当・卯咲(年齢不詳)とその後輩・牛尾の職場エッチから始まるなりゆきBLの突き放すドライなお話、黒歴史の同級生と病院で再会してしまう話、高校の同級生同士のやることやってるのに初々しい話、など。

ふしだらじゃない3PがおいしすぎるBL『チョコストロベリー バニラ』

著者
彩景でりこ
出版日
2013-09-17

インモラルって言うけど、モラルって誰がなんで決めたんだっけ?と固定観念がグラグラするエロティカルシリアス。

拾(ひろい)は、“好きなモノ”は何でも幼なじみのタケと共有してきた。そう、恋人でさえも……。受け入れる人は少なく、恋人との別れはすぐにやってくる。しかしそこに、高校の時から拾に恋をしていたミネが現れ、二人の関係を受け入れる。奇妙な三角関係は、少しずつ変化していく———。

基本が3Pです。もう一度言います、きほんがさんぴーです。3Pっていうと単純に性的快楽の追求修行としてキャラクターの心情は二の次にされがちだったように思うのですが、こちら、なんと3人の心の動きがしっかり描かれています。行為中の主導権や、なぜその行為に及ぶのかなどが伝わって来て、切なさが倍増。

タイトルのチョコストロベリーバニラの通り、お互いが最高のあやういバランスを保っていて、目が離せませんでした。もちろんエロシーンも3倍増でトロトロのBLです。

お子様お断りの恋愛BL『犬も喰わない』

著者
彩景でりこ
出版日
2015-10-27

他人からは理解できない、アダルトな関係がたまらない。

探偵事務所の調査員、空木(うつぎ)は、依頼人の大学教授・山代に、彼の妻の浮気の報告をしていた。しかし、山代の表情にはどこか違和感が……。なんと山代は、愛した女性を同じ男性に寝取られることを繰り返していたのだ。そう、同じ大学に勤める教授・奥園に。

めんどくさい大人の絡まった糸が最高の布になっています。愛しているからこそ、相手の思考が分かりすぎるほど分かり、破滅的だけどもその道を選ばざるをえない、愛のために。あああ、ビター。ビターです彩景でりこ先生……。

探偵事務所の先輩・庄司と見習いバイトの椎名くんの年下攻め、山代と奥園の高校時代(ギムナジウムっぽい雰囲気。日本人だけど)も描かれています。

表題作以外にも、同じく大人ビターのアダルト関係な3人の話があります。交差しない思いの矢印が切ないです。

 

昭和の淫靡な雰囲気がたまらない『蟷螂の檻』

著者
彩景 でりこ
出版日
2016-11-25

使用人と名家の坊ちゃんという設定だけでもエロスを感じますが、本編は想像以上のエロさ。加えて鬱屈とした雰囲気が始終漂っていて昭和の映画を見ているようです。

育郎は地方名家・當間家の跡取りとして厳しく育てられてきた。しかし当主である父親の関心は座敷牢に匿われる謎の男である妾腹の兄・蘭蔵にしか注がれておらず、愛に飢えていた。そこを埋めるように手を差し伸べてきたのが年上の使用人・典彦。育郎の身体をねぶり、悦楽を教え込ませていく。

もうあらすじだけで団鬼六か渡辺淳一かと思うような迸るエロス……。育郎は普段は名家の坊ちゃんらしく四角四面でしっかりとした優等生の顔をしているのに、典彦の手にかかるとグズグズになるそのギャップがものすごい……。弱みを人に見せられない悲しみが育郎の美しさを倍増させています。

著者
彩景 でりこ
出版日
2016-11-25

方言BLに目覚める『純愛えろ期』『相愛えろ期』

著者
彩景 でりこ
出版日
2010-10-30

方言ってかわいいじゃないですか。ただでさえキュンとくるのに、それがセックスの最中もガンガンに言うとか、もはやこれは暴力ですよ……いいぞもっと殴ってくれ……。

小学校から一緒の幼馴染み4人の高校生を中心に、それぞれの恋愛模様をオムニバス形式で見せていく物語。作中の方言は阿波弁(徳島)をベースに若干関西訛りにしている(わかりにくいので……)とのことです。

「されるんばっかりいやや」「いややゆーとる!」「痛あない?」とかもう、本当にどうしたらいいのだ……と頭を抱えたくなるほど胸がぎゅっとなる方言でずーっとずーーーーーっと話すんですよ……。地方創世ってこういうことなのか??生で阿波弁の動画を見れないかと探したくなります。

もちろん、さわやかわいい男子高校生の姿にも、心が洗われます。

著者
彩景 でりこ
出版日
2014-09-30

ベタな話は一切なし、彩景でりこ先生のBLには、毎回驚かされっぱなしです。 
あらためてその振り幅の広さに衝撃を受けました。。。

自分でも知らないような新しい胸キュンポイントをピンポイントで打ち抜かれるので、十種競技に加えてアーチェリーやライフルの競技でも金メダル間違いなしです。