アニメ化された異世界ファンタジーライトノベルおすすめランキングベスト9!

更新:2021.11.10

本の中だけでは感じることのできないキャラクターたちの息遣い。想像の中だけだったキャラクターたちが、その姿に魂を吹き込まれ、画面の中で動き始めます。そんな物語もたくさんありますよ!

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9位:炎帝の剣をもつ姫と左遷軍師が挑む皇帝ロード!『覇剣の皇姫アルティーナ』

ベルガリア帝国軍の文官レジス・オーリックは剣も武術も苦手な文官です。彼は軍師として敗戦の責を負わされ、辺境の地へと左遷されました。同じく両親が平民であった皇姫アルティーナも辺境連隊司令官として左遷されていたのでした。

敗戦を理由に左遷されたレジス。しかしこの左遷は不当なものでした。実際には末席の参謀として参加したのであって、彼に指揮権は無かったのです。兵士を動かす権限もなかった人間を左遷させたことに対して、アルティーナも後に憤慨しています。

アルティーナは姫とは言ってもまだ子供。なぜベルガリア帝国は無意味な戦争をするのかと、レジスに問いました。答えは商売のため、つまり国のためでは無かったのです。私腹を肥やす上流階級の人間にレジスは不満を持っています。しかしこの時点では、口に出し行動出来る人間では無かったのでしょう。

詳しい理由などは知らなかったのでしょうが、アルティーナにも国に対する不信感はあったようです。本来辺境連隊を指揮していたバイルシュミット辺境伯と司令官の座を賭け決闘します。辺境伯は先の戦の英雄でした。しかし他貴族のやっかみから辺境に追いやられ、その心は腐敗していたのです。彼女は何とか勝利を収め、司令官として認められます。

アルティーナの困難にも真っすぐ立ち向かう姿が、レジスを動かしました。レジスはアルティーナの誘いを受け、軍師として彼女に協力するようになっていきます。二人の純粋に民を思う気持ちに胸が熱くなるでしょう。でも後ろ盾の少ない二人を心配する場面も多くあって先が気になってしまいます。

 

著者
むらさき ゆきや
出版日
2012-10-29


優れた才能や力に誰もが惹かれてしまうのは事実ですが、それ以上に大切なものがあると認識させてくれるラノベ作品です。レジスもアルティーナも才能以上に民を大切に思う気持ちを持っています。それは魅力であり、素晴らしいい志でしょう。二人の信頼関係は、現実の人間関係においても、そうであって欲しいと思わされます。

二人だけで国を治す事を決意しているのは客観的に見て無謀かもしれませんが、何故か応援したくなる二人です。力はまだ未熟、後ろ盾もありません。しかし腐敗した汚い貴族に立ち向かうことも覚悟は見事。才能や権力に負けること無い「人としての魅力」で戦う二人と国治しの旅にいざ出陣!

8位:愛らしい女神だけじゃないハーレムラノベ!『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』

本作は西洋風ファンタジー世界を舞台にした冒険者たちの物語。ラノベの王道でもある本作ですが、一風変わった世界でもあります。

それは、神の一部が外界に降りて、人間や亜人などと一緒に生活をしている世界という設定です。そのため、この世界における冒険者部隊に関しても、人間同士の部隊ではなく神が長となり、眷属(神との契約者)として冒険者が所属するという形になります。

著者
["大森 藤ノ", "ヤスダ スズヒト"]
出版日

この作品の主人公であるベル・クラネルも、女神ヘスティアの部隊に所属しています。少女形態であるせいもありますが、このヘスティアがとにかく愛らしい性格をしているのが、この作品の最大の魅力でしょう。

外界に降りてきたものの、知り合いの神の元で居候しながらグータラ生活を続けていたため、居候元を追い出されたという過去を持つヘスティア。しかし最初の眷属であるベルと出会って以降は変わります。

ファミリア(この世界におけるパーティーの通称)の運営費を稼ぐために、街でアルバイトに励んだり、新米冒険者なため上手くいかないことで落ち込むベルを励ましたりと、とにかく包容力のある女神へと変貌します。

作中のヘスティアは、ベルに片思いをしているため、その姿はより愛らしく映ります。これも恋の力が成せる技なのかもしれませんが、読んでいて思わず頬が緩んでしまうそのキャラクターには、ほんわかした気分にさせられます。

「ダンまち」の他のヒロインもみんな魅力的。

金髪金眼のアイズ・ヴァレンシュタインはその容貌から近づきがたい印象がありますが、実はちょっと抜けてる少女剣士。ギャップが萌える寡黙な美少女です。

エイナ・チュールは眼鏡っ娘のハーフエルフ。妹がいるせいか包容力があり、世話好きなギルドの受付係であり、冒険者たちにとっての頼れるアドバイザーです。

この他にも魅力的なヒロインがよりどりみどり。彼女たちを題材にした外伝も2作品が展開されているなど、ヒロイン目当てに見ても読み応えたっぷりで楽しめる作品です。

7位:たとえ君が忘れていても、俺は君を忘れない『Re:ゼロから始める異世界生活』

いきなり主人公であるスバルは死んでしまいます。

異世界に召喚されて、さぁこれから冒険の始まり!!というところで、主人公がまさかの死亡というこれまでにない、新しいスタイルの物語です。

スバルは異世界で「死に戻り」という能力を得ます。それは自分の死により時間を巻き戻すことができるタイムリープ能力です。スバルはこの力を駆使して、自身の死のループから抜け出し、冒険を始めていきます。

 

著者
長月 達平
出版日
2014-01-23


自分の窮地を救ってくれた美少女エミリアに協力するため、スバルは何度も死にながら運命に立ち向かっていきます。スバルはエミリアを助けることができるのか?二人の恋の行方も気になるファンタジーラノベです。

「死に戻り」という不思議な能力が出てくるこの物語。時間が戻ることで、少し進んだ二人の仲が元に戻ったり、「はじめまして」の関係になっていたりする。そんな切ない揺れ動く感情を長月達平のしっかりとした筆力が後押しした作品です。

苦悩しながらも前に進んでいく主人公の心理描写も力強い言葉で描かれており、勇者やヒーローものに憧れる者にはたまらないかっこよさがあります。ぜひ原作でその重厚感とライトノベルならではの読みやすさが合わさった作風を味わってみてください!

6位:勇者になれなかった俺の仕事観『勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました。』

この作品は、魔王を倒すための勇者が活躍している世界の物語です。主人公のラウル・チェイサーは、そんな勇者に憧れる勇者マニアな少年。しかし、成績優秀で憧れの勇者まであと一歩というところで、なんと当の魔王が倒されてしまいます。

魔王が倒されるまでの物語は数あれど、魔王が倒されたあとの世界の物語は、なかなかありません。現実と異世界が入り混じったようなファンタジー小説です。

勇者マニアで勇者になることだけを考えて頑張っていたラウルは、魔王が倒されたことで勇者になるという夢を叶えることができなくなってしまいます。しかし、世は就職氷河期。意に沿わぬ仕事をしなくてはいけない現実。

これは、現代社会で誰もが一度は感じることのある物語なのではないでしょうか。そんなラウルの前に現れたのは、なんと倒された魔王の娘・フェノで……。

 

著者
左京 潤
出版日
2012-01-20


勇者になりたかった少年と、魔王の娘が織り成すファンタジックドタバタコメディです。コメディですが、どこか考えさせられる物語でもあります。「働くとは」という大きなテーマについて考えさせられます。

この作品は最初のシーンから読者をそんな問いに引き込みます。マジックショップで働くラウルの前に現れるフェノ。勇者学校で首席だったのになぜ?と彼に迫る彼女に根負けして、ラウルは変わってしまった環境を言い募ります。

「それで諦めたっていうの!?」となおも迫るフェノにラウルは反論しようと苦い記憶を引き摺り出します。それは異世界の状況でありながらも就職活動をしたことのある者なら誰しも覚えのあるような痛みを感じます。そんな彼が反論しながらも次第に勢いを失っていく様子はやるせなくて悲しい。「仕事」というテーマについて考えざるを得ません。

夢が叶わなかったとき、夢をあきらめなくてはいけなくなったとき、人はどうやって立直っていけばいいのか、その参考になる物語です。

5位:流星さえ射落とす!百発百中の弓の達人が繰り広げる英雄譚『魔弾の王と戦姫』

主人公ティグルヴルムド=ヴォルンは辺境の領主です。狩りを好み、弓の腕は超一流。しかし母国、ブリューヌ王国では弓を臆病と蔑む風潮がありました。不当なまでに低い評価のなか、彼は隣国ジスタートで指揮官としての才能を開花します。そして率いる軍勢はこう謳われます。「銀の流星軍」と。

ティグルの放つ弓は威力、距離、精度どれをとっても常人を凌駕します。いち早くその彼の才能に気づいたのは、隣国ジスタートを守る戦姫エレオノーラ=ヴィルターリアでした。彼女はその力を高く評価し捕虜として手厚く迎えたのです。作中初めから突出している華麗な弓技は常人を超えてはいますが超能力や魔法といったものではない純粋な業です。

 

著者
川口 士
出版日
2011-04-20


恋愛色が強いわけではないのですが、ヒロインは隣国の戦姫と呼ばれる魅力的な女性たちです。どこか掴みどころがなく気分屋で楽天家のエレオノーラ=ヴィルターリア、冷たく見えるけど何かと面倒見の良いツンデレのリュミドラ=ルリエ、優しく包んでくれるオーラを纏うが国を守る戦姫としての威厳も併せ持つ美女ソフィーヤ=オベルタス。

戦姫は特殊な武器「竜具」を手に戦場で一騎当千の活躍を見せてくれます。しかし女性らしく弱い部分も持ち合わせていて、主人公ティグルを取り巻くライトなハーレム状態もこのラノベ作品の魅力です。

ストーリーが少し進むとティグルは先祖代々伝わる「黒弓」を手にします。この弓には特殊な力が宿っていて魔法のようにも感じました。ですが本作では意外と魔法色は薄く、純粋な軍略と政略が楽しめるでしょう。そしてティグルの「黒弓」、7人の戦姫が持つ「竜具」の持つ不思議な力が、物語に伝奇的なスパイスも加えてくれます。渦巻く謎に好奇心が膨らみます。

物語の随所に人間ではない「怪人」が現れるのですが、持つ武器と人物には何かしらの意味があるように思えました。題名にもなっている「魔弾の王」、これについては謎だらけですが、主人公との関わりを想像すること必須ですね。いにしえより伝わる謎多き武器と魅力的なヒロイン達と不思議な冒険を味わいたい方におすすめです。

4位:やる気ゼロの天才軍師が寝ながら進む出世物語『ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン』

主人公のイクタ・ソロークは昼寝と女を漁るのが趣味の怠け者です。彼が住まう世界は精霊が実体として存在し、人間のパートナーとして共生しています。物語は昔馴染みの赤髪の美女ヤトリシノと国立図書館司書のポストを交換条件に、イクタが高等士官試験に挑むところから始まります。

怠け者で女遊びが好きな彼ですが、軍師としての能力は傑出しています。眼には見えない敵軍と友軍の動きをイクタは想像と論理で補完します。敵から見れば恐ろしく、仲間から見れば預言者のように頼もしいですね。

彼が軍師として語る軍略の基礎は価値観を変えるでしょう。作中、各個撃破により少数でも大多数の軍勢に勝った戦略を士官学校で学ぶ場面があります。イクタ曰く本当に見るべきものは、戦略によって少人数でも大多数の敵を倒すことが出来るということ。それが歴史的に証明されたことが重要だと。

上記のような場面では、イクタの授業を受けているように思えて新鮮でした。

 

著者
宇野朴人
出版日
2012-06-08


そしてそんな彼を咎めるヤトリシノは帝国の皇族に忠誠を誓っている騎士です、二刀流剣術は凄まじく士官学生とは思えない程。イクタの言葉は間違ってはいない、理屈ではない忠誠心だけで動く彼女を理解しがたく思うこともあるでしょう。本作では皇族や英雄を嫌うイクタと、皇族に絶対の忠誠を抱くヤトリシノの関係に要注目です。

親友であるはずなのに立場が違う二人。無駄死にしか見えていない戦地に軍人を送る
カトヴァーナ帝国に、イクタは腐敗を指摘しました。そしてヤトリシノはイクタの無礼を力ずくで謝らせ、必要とあらば首を刎ねる覚悟もしているようでした。痛ましい気持ちにもなりますが、だからこそ続きが気になる作品でもあります。

国を治そうとする者、国にただ忠誠を誓う者、迷う者、従うだけの者。沢山の人間の思惑と感情が主人公を取り巻く本作は悲しみと苛立たしさを抱きます。しかし、それでもイクタと国を変えていきたい方におすすめです。

3位:広大な王国で繰り広げられる5人対1000人の戦い『王都炎上―アルスラーン戦記』

14歳の少年アルスラーンは王太子として栄華を極めた国パルス王国で暮らしていました。しかし、その穏やかな日々はある日突然破られます。巧妙に仕掛けられた罠と裏切り。アルスラーンは、わずかな味方で圧倒的な敵の前に立つのです。

 

著者
田中 芳樹
出版日
2012-04-12


父母からの愛情が薄い中、育ったアルスラーンでしたが、彼は心優しい少年へと育ちます。そんな彼の前に立ちはだかったのが、パルス万騎長カーラーンです。味方だったはずの者の裏切りにより味方は大敗します。

騎士・ダリューンに守られながら命からがら逃げるアルスラーンですが、敵の手は彼に伸びてきます。味方はたった5人。何倍もの兵力の差がある敵を前にして、アルスラーンは王都奪回することができるのでしょうか。

圧倒的勢力の前に苦戦する主人公というシーンはよく見受けられます。しかし、少人数といっても限度があるもの。

まさか味方の数が、片手で足りるほどなんて予想外のシーンです。たった5人で一体なにができるというのか。本を閉じるまで、飽きさせない展開が読めないストーリー内容となっています。

そんな手に汗握るシーンが史記のように力強く書かれています。広大な自然の様子や戦う人々の息遣い、言外に表された心理描写が魅力的な作品で、ライトノベル好き以外にもおすすめしたいものになっています。物語の最初から目の前に一気に広がるパルスの世界のイメージに引き込まれること間違いなしの名作です。

2位:勇敢な少女の成長を描いた異世界ファンタジー『西の善き魔女』

異端を禁じられた世界。母を亡くし、父は塔の中で弟子と研究に没頭する毎日。そんな生活がある日、一変してしまいます。たった1つの母の形見から運命の波に飲まれていくフィリエルの物語です。

北部の有力貴族のお屋敷で行われた舞踏会。ワクワクした気持ちで支度をするフィリエルにルーンが持ってきたのは、美しい青い石のペンダントでした。ペンダントを身につけて舞踏会に出席したフィリエルは、そのペンダントが失踪した王女のものであるということを知ります。

 

著者
荻原 規子
出版日


自らの出生の秘密を知ったとき、父の失踪、知人の死、幼馴染の誘拐と怒涛の展開が彼女を待ち受けます。数々の難題をフィリエルはどう解決していくのか、ハラハラする展開が待っています。

なんといってもこの作品はヒロインのフィリエルが魅力的です。物語冒頭、小さな屋根裏部屋で羊毛のふとんから飛び出すのは可愛らしいピンクの素足。寒さにしびれながらも勢いよく布団をはねのけるのはまだ幼さの残る15歳の少女です。

そんな可憐な印象の少女ですが、その目覚め方にも現れているように彼女はなかなかにじゃじゃ馬のような手に負えないところがあります。ダメだと言われていても、その理由にしっかり納得ができないと、素直に従うことができないフィリエルの姿は、自分勝手のようにも捉えてしまわれがち。

けれど、自分の考えを真っ直ぐ貫こうとする彼女の姿は、勇敢で、物語を追うごとに憧れのような気持ちを抱きます。こんな風に強くなりたい。そう感じる人もいることでしょう。

フィリエルは多くの困難にぶつかりながらも、迎合することなく自分の気持ちに素直なまま。その困難を超えていく少女の姿を目で追いながら、時にはもどかしく、時にはハラハラしながらページを進めていくことになるでしょう。

最後のページをめくったとき、フィリエルの成長を少し感じることができる。1冊ごとに新たな発見をすることができるシリーズになっています。

1位:やるべきことを選んでおけば、後悔が軽くて済む「十二国記」シリーズ

小野不由美の代表シリーズ作です。恐ろしい夢を繰り返しみていた女子高生の陽子。ある日彼女は異装の男・ケイキに月の影の向こうにある異世界へと連れて行かれます。

そこで意味もわからず命を狙われる陽子。頼れるのは己と与えられた剣のみ。人間不信に陥りながらも極限状態の陽子を救ったのは、同じ国であっても遠い過去の世界の住人だった男だった……。

 

著者
小野 不由美
出版日
2012-06-27


騙され、裏切られ、命を狙われる。そんな世界に突然連れてこられた陽子。彼女を迎えに来たケイキを探し、元の世界に戻るために陽子は旅を続けます。彼女が執拗に命を狙われる理由とは?

壮大な世界観を感じることができるシリーズです。しかし、細かなところまでしっかりと考えられているので、読んでいるうちに、自分もその世界に入り込んでいるような感覚になるでしょう。

まるでその場で見ているかのような、臨場感溢れる描写で途中で飽きてしまうことがありません。陽子が何を見て、何を感じて、どういう決断をするのか、すぐそばで見守っているような錯覚を覚えることでしょう。

陽子が最後に突きつけられる大きな選択。どんな選択をするのか、それをハラハラしながら先を急いで読んでしまう、最後までドキドキさせられる物語です。

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