さまざまな男女の恋愛模様を描いた『リビングの松永さん』は、女性漫画雑誌「デザート」に連載中のラブストーリーです。17歳の女子高生と10歳年上のデザイナーの恋を中心に、誰かを好きになることに懸命な男女を描いています。そんな人気の本作も、あとわずかで完結を迎えます。実写化を希望する声もささやかれる本作を、ネタバレ含みつつ紹介します。
タレントのファーストサマーウイカも「ミーコ!頼む!!そこのポジション代わってくれ!!」と大絶賛の漫画『リビングの松永さん』。女子高生のミーコこと園田美己(みこ)は、家族の事情で叔父が経営するシェアハウスで暮らすことになります。そんなミーコが、シェアハウスの住人で、10歳も年の離れたデザイナーの松永さんに恋をしていくという物語です。
コミックスはすでに10巻まで発売され、次巻で最終回を迎えます。ミーコと松永さんの恋の行方は当然のことながら、シェアハウス内の恋愛事情もいろいろと入り交じり、毎回、胸キュンな展開に悶絶する読者が続出です。
そんな『リビングの松永さん』は女性向け漫画誌「デザート」にて絶賛連載中。原作は岩下慶子。「デザート」を中心に活躍し、その美麗な絵柄には定評がある作者です。
ストーリーラインもしっかりと読みごたえがあり、本作にて初の2桁巻連載となりました。少女漫画の王子様キャラとは程遠い少年漫画キャラのような熱い男・松永さんに、主人公ミーコだけでなく女性読者はきっと魅了されることでしょう。
この記事では、リアルなキャラクターや物語が魅力的な『リビングの松永さん』の各巻ネタバレを含め紹介。現在恋をしている人、これから恋を始めようとしている人、恋を懐かしく思う人すべての人におすすめのラブストーリーを紹介していきます。
『リビングの松永さん』に登場するシェアハウスの住人を紹介します。ネタバレもあるので、ご注意ください。
主人公。17歳の高校生。両親が病気の祖母の介護をするため親元を離れ、叔父が経営するシェアハウスに住むことに。料理はカレーしか作れなかったが、そのほかの家事も含め練習中。シェアハウスでは大人ばかりで最年少のなか、徐々にみなと打ち解けていく。
シェアハウスで在宅のデザイナーをしている27歳。作中で28歳に。最初の出会いで、ミーコに変質者だと思われるほどの短気。口は悪いが、優しい年長者。ミーコと互いに惹かれ合っていく。
中性的魅力のバーテンダー。女の子好きで、シェアハウスにも関わらず、毎回いろいろな女の子を連れ込んでいる。松永のよき理解者。朝子に惹かれていく。
ミーコのお姉さん的な存在。職業はネイリスト。実はバツイチ。ネイリストとして独立を夢みている。健太郎と恋に発展。
非常に無口な医学生。サバコに愛され、いつも一緒。バイト先がミーコと同じになり、だんだんと仲良くなることに。ミーコが松永に片思いしている時から応援していたが、しだいにミーコに恋していく。
シェアハウスの古株だが、何をしている人かは謎。恋人との結婚が決まり、シェアハウスを卒業していくことに。ミーコのよき相談相手。旦那さんと念願のカレー屋をオープンする。
シェアハウスの元住人。ミーコの担任教師。松永の元彼女ではあるが、自分の夢のため別れて留学へ。日本に戻っても松永への思いは断ち切れずにいる。
ミーコの母方の弟で、シェアハウスのオーナー。仕事が忙しく、海外を飛び回っている。シェアハウスにはたまにしか顔を出さないが、ミーコを大切に思っている優しい叔父さん。
シェアハウスで飼われているペット。凌のことが大好き。凌もまた溺愛している。凌と仲のいいミーコを敵対視しているため、嫌がらせすることも。単行本の巻末には、サバコのお話が掲載されたりもする。
『リビングの松永さん』はラブストーリーです。昨今、テレビドラマでも流行りの胸キュンなラブストーリーにも負けない純愛が描かれています。
この物語に登場するシェアハウスを舞台に描かれる恋愛模様は、年代も性別もさまざま男女がくり広げていきます。共通しているのは、みなピュアな恋愛をしているというところ。
特に、ミーコが恋する松永さんの不器用ながらストレートな感情は、女子なら誰だってときめいてしまうことでしょう。ミーコのひたむきな思いと重なり合い、読者も2人の恋をつい応援したくなる。
そんな素敵なラブストーリーが描かれています。ぜひ実写化してほしいものです。
ここが『リビングの松永さん』が他のラブコメ漫画との1番の違いと言っても過言ではありません。本作の主人公・ミーコは高校2年生。17歳の女の子です。ミーコが恋する松永さんは10歳も年上の男性。ミーコは子供で松永さんは大人なわけですが、恋の悩みに年齢は関係ありません。
シェアハウスの住人は年代も性別もバラバラです。お姉さま的存在の朝子でもミーコでも、恋に悩み傷つきながらも人を愛する姿は同じ。スマートに恋愛する人は1人もいません。
自分ではどうしようもないくらい片思いをし、悩んだ末に幸せを選び、愛を信じて結婚する。自分の気持ちに答えを出すには、たくさん悩んで見つけていくしかありません。そんな当たり前のことを教えてくれる物語です。
『リビングの松永さん』では主人公ミーコの恋愛を中心に描きつつも、シェアハウスの住人のそれぞれの恋愛模様も同時に描かれていきます。それは、年齢も性別も違う男女の物語。
女性視点からも、男性視点からも描かれるラブストーリーは、読者ごとに共感する登場人物が存在しているはずです。自分自身の恋愛を重ね合わせることで、共感度もアップ。
さまざまな立場の読者が、自分の物語につい置き換えてしまうほど、男女問わず、幅広い年齢で楽しめる作品になっています。幅広い世代が見る、地上波でのテレビドラマとして実写化するのにもってこいだといえますね。
ここからは、各巻のあらすじをネタバレありで紹介していきます。
17歳の女子高生・園田美己は、両親が祖母の介護をするため、親元を離れることに。叔父が経営するシェアハウスで暮らすことになります。シェアハウスに向かう途中、不審者だと思った相手は、なんとシェアハウスの住人、松永さんでした。そして、いきなりのミーコ呼ばわりに。
シェアハウスでミーコは最年少。周りは大人ばかりで緊張していましたが、みんなが優しく接してくるおかげでしだいに打ち解けていきます。最初は怖いと思っていた松永さんもミーコに人一倍気遣ってくれるのでした。
そんな松永さんに徐々に惹かれていくミーコ。シェアハウス恒例のたこ焼きパーティーで、誤ってキスされてしまうと思いが溢れ出て、つい好きと告白してしまうミーコでしたが……。
シェアハウスの元住人の話で盛り上がるとき、朝子から「なっちゃん」の名が。その正体が徐々に明かされていきますが、ミーコが知るのは第5巻です。今後の展開に注目してください。
リビングの松永さん(1) (KC デザート)
コミックス1巻を読みたい方は、こちらからチェックできます。
たこ焼きパーティーの際に、思わず「好き」と告白してしまうミーコでしたが、松永さんには違う意味の「好き」と誤魔化します。松永さんにも自分がお母さん的な立場として見ている、と言われ不機嫌になるミーコ。それでも、家族のように大切にしてくれる松永さんにますます惹かれていくのでした。
そんなミーコでしたが、夏休み前のテストでなんと赤点を2つも取ってしまいます。心配した母が上京し連れ帰ろうとするも、松永さんの大人の対応で事なきを得ることに。
しかし、門限が決められてしまいます。そんななか、学校の友達のため、合コンに参加することになるミーコ。門限を守るため急いで帰る途中で、松永さんにもらった携帯ストラップを落としてしまいます。そこへ、心配した松永さんが駆けつけ抱きしめられるのでしたが……。
ミーコを保護者的に見ているといいつつも、合コンを心配したり、抱きしめたり。松永さんが本心を自覚するのは第7巻。それまで、ドキドキの展開が続きます。
- 著者
- 岩下 慶子
- 出版日
合コンで遅くなったミーコを心配した松永さんが迎えに。ミーコを抱きしめるも、泥酔していたことが発覚し、大人ってズルいと思うミーコでした。
シェアハウスでは、もうすぐ誕生日を迎える松永さんのため、みんなで誕生日パーティーを計画。ミーコも内緒でプレゼントを買うためにバイトを始めますが、偶然、凌と一緒のバイト先になります。
バイトだけでなく、松永さんのパーティーを屋上でやりたいと考えたミーコは、一人で片付けを始めるのでした。そんな彼女を見かねて、凌やあかりも手伝ってくれることに。
そして迎える松永さんのサプライズ誕生日パーティー。シェアハウスの仲間とともに大いに盛り上がり、ミーコの頑張りも報われます。そんな中、パーティー後、松永さんが自分の部屋にミーコを誘うのでした。
一方で、ミーコの頑張る姿が気になる様子の凌が描かれていますが、今後、その様子が意味するところが回収されていくところも注目してください。
- 著者
- 岩下 慶子
- 出版日
ドキドキしながらミーコが松永さんの部屋に行くと、新しい携帯ストラップを渡してくれます。以前もらったストラップを大事に使っているのを見ていてくれたのでした。だんだんと松永さんも自分のことを意識してくれているのかもと思うミーコ。
そんななか、ミーコは夏休みを利用して実家に帰ります。松永さんに早く会いたいと言われ、ウキウキしながら東京に戻るミーコでしたが、バイトのシフトを出し忘れ、凌と話しているところを松永さんに目撃されてしまいます。2人が付き合っていると勘違いされますが、凌がうまく取りなし誤解は解けました。
夏休みも終わり2学期が始まると、ミーコのクラスに新しく代替教員として小林夏未がやってきます。シェアハウスでは男同志で松永さんの元カノの話に。
偶然、小夏という名前を聞いてしまうミーコ。元カノも気になりつつ、寝ている松永さんに思わずキスしてしまうミーコなのでした。新しく登場した「小林夏未」と「小夏」の正体が徐々に明らかになっていきます。
- 著者
- 岩下 慶子
- 出版日
松永さんへの気持ちが溢れて、寝ているところをキスしてしまったミーコ。その直後、松永さんがいなくなります。どうやら自身をリセットしにいった様子。その間も、ミーコ以外のシェアハウスの人たちにミーコのことばかりメールしてきているようです。
突然ミーコの前に姿を現わした松永さんが、約束していたニャッキーランドへ連れて行ってくれます。しかし、帰る途中、車が故障し終電のなくなってしまった2人は、仕方なくラブホテルに泊まることに。
学校では文化祭の準備に追われます。互いに同じ人を思っているとは知らず、担任の小林夏未に恋愛相談をするミーコ。そんななか、小夏がシェアハウスにやってきます。
ミーコはようやく小夏が担任の小林夏未だと知ることに。思いきって、松永さんに小夏のことをたずねるのでした。一方、要所要所で凌のミーコへのちょっとした気遣いが少しずつ増えてく様子が描かれています。
- 著者
- 岩下 慶子
- 出版日
松永さんと凌が、ミーコの高校の文化祭にやってきます。女子高生に取り囲まれ、早くも脱落する凌。そして、ミーコは松永さんと2人、文化祭を見て回ることに。
人気のない教室でひと休みしていると、松永さんが先生になりきった即興コントが始まります。先生に質問する生徒のようにミーコが女子高生が恋愛対象となるか聞くと彼は、恋愛対象では「ない」けれども、卒業すればありだと。逆にミーコは年上の男性はどうかと聞かれ「アリ」と即答したのでした。
そこへ小夏も現れます。2人の仲のよさを見せつけられ、シェアハウスに遊びに行く約束をする小夏。
一方、家に戻ると、あかねから突然の結婚報告がありました。シェアハウスも卒業することに。結婚式はやらないというあかねでしたが、シェアハウスのみんなで、お祝いのサプライズ結婚式をおこなうのでした。
この日を機に、今度はついに凌がミーコへ急接近し、松永さんへも強気の発言を。小夏も松永さんへアプローチする様子をみせます。それぞれの思いが交差していく、今後の展開が気になりますね。
- 著者
- 岩下 慶子
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これまであまり人に関わってこなかった凌。しかしながら、ミーコのひたむきなところに惹かれ、自分の気持ちを伝えていくことに。ミーコの幸せを願って、松永さんとの恋路を応援する凌でしたが、それが恋だと指摘されようやく自覚します。
そんななか、祖母が急に手術することになり、心配するミーコを車で名古屋まで連れていく松永さん。彼もまたミーコへの気持ちに徐々に気付いていくのでした。
ミーコの母に頼まれ、三者面談に立ち会う松永さん。自分の立場をわきまえながらも、ミーコとイルミネーションを見に行く約束をすることに。
シェアハウスのみんなでクリスマスをお祝いすることになりますが、朝子が小夏を招待します。ミーコと小夏もまた互いに松永さんを好きであることを伝え合うのでした。
そして、迎えるクリスマス。小夏は松永さんに、凌はミーコに自分たちの気持ちを告白するのでした。
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- 岩下 慶子
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とうとうミーコに告白する凌。戸惑うミーコはその場から逃げ出してしまいます。一方、松永さんは小夏に告白されるも、ミーコを好きであることを伝えます。そして、いなくなってしまったミーコを探しにいく松永さん。
雪のなか、ミーコが一人公園のブランコにいるところを偶然あかねが通りかかります。あかねの家に連れていってもらったミーコは泣きながら、あかねに自分の気持ちを伝えるのでした。
そこへ、あかねから連絡をもらった松永さんが迎えに。シェアハウスでは、健太郎が朝子に急接近。軽くあしらわれてしまうのでした。
ミーコと松永さんは約束通り、イルミネーションを見に行くことに。そこで、いよいよ互いの気持ちを確かめ合う2人でした。シェアハウスでは、それぞれの思いが交差し、ギクシャクしてしまいます。それを払しょくするため、松永さんの提案で、みんなで旅行に行くことに。
ようやく元通りの仲のよい雰囲気に戻ります。その旅行で、あらためて卒業まではお付き合いはしないことを決める松永さんでした。今後のミーコと松永さんは……。
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- 岩下 慶子
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卒業までは付き合わないと決めた松永さんですが、おでこにキスしてしまいます。最初は保護者的な意味で心配していたミーコへの気持ちが徐々に恋心へと。そんな自分に1番驚いているのは他ならぬ松永さん自身なのでした。
そんな松永さんですが、大きな仕事を引き受け、新しい事務所を立ち上げることに。シェアハウスを卒業します。
一方、ミーコは朝子と健太郎がキスしている現場を目撃。互いに思い合いつつも、なかなか一歩を踏み出せない朝子でした。
シェアハウスのみんなで松永さんの送別会を行います。それぞれの恋心を抱えたまま、松永さんを送り出す住人たち。最後にミーコに優しくキスする松永さん。こうして、リビングから松永さんはいなくなりますが、新しい家の合い鍵をミーコに渡すのでした。
たとえ思いが繋がっていても、思いが一方通行でも、みな等しく思い通りにならないこともある。そんな本作の魅力がたっぷり詰まった第9巻でした。
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- 岩下 慶子
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松永さんから合い鍵をもらい、早速新居を訪れるミーコ。シェアハウスでは、あかねの妹・まつりが新しい住人として加わることに。凌はまつりから、ミーコをあきらめているように見えないと指摘されてしまいます。
朝子と健太郎も相変わらず、あと一歩を踏み出せずにいます。しかし、健太郎から自分のバーに来て気持ちを伝えたいと誘われる朝子。
悩んだ末に、朝子と健太郎は一緒にいることを選択し、彼らもまたシェアハウスを卒業していきます。そして、凌もまたようやくミーコへの思いをはっきり伝えるのでした。
ますます仕事が忙しい松永さんとミーコは思うように会えないまま、ミーコは3年生に。シェアハウスにも新しいメンバーが増え、日々は過ぎていきます。
そうして、5月5日のミーコの誕生日。ミーコは、松永さんと約束するも仕事が終わらず、待ち合わせになかなか現れません。雨の降るなか、傘もささずに佇むミーコのもとにやってきたのは凌でした。気になるミーコと松永さんと凌の三角関係の行方は⁉
- 著者
- 岩下 慶子
- 出版日
雨のなか、凌は1人松永さんを待つミーコのもとへ駆けつけると、再度の告白をします。この日はミーコの誕生日。シェアハウスに戻ると、凌が用意してくれていたケーキを2人で食べるのでした。
松永さんのオフィスではようやく仕事が終わり、ミーコのもとへ雨のなか自転車を走らせていると松永さん。しかし、車に轢かれてしまいます。そのことを微塵も知らぬミーコは、何日も連絡がとれない松永さんを健気に待っていました。
松永さんは事故にあったものの命に別状はありませんでしたが、携帯も眼鏡も粉々に。そんな松永さんは、ミーコに連絡したくともできません。そんななか、シェアハウスでは、凌がミーコにデートの誘いをしていました。
これまでのシェアハウスでは、凌はどちらかといえば年下キャラでしたが、新しい住人からすれば頼りになる先輩。ミーコも多少なりとも意識するのでは。
連載も残りわずかです。今後のミーコの選択はどうなるのでしょうか。
デザート 2021年 05 月号
2021/3/24
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『リビングの松永さん』は女性向け漫画雑誌「デザート」にて連載中です。最新刊2021年5月号でも告知されていますが、まもなく最終回を迎える予定です。
コミックスは10巻まで発売中。この続きが2021年5号で読めます。コミックス11巻は2021年9月頃発売予定です。
「デザート」の公式ページでは『リビングの松永さん』の1話が試し読みできます!
残すところあとわずかで完結を迎える『リビングの松永さん』。さまざまな男女の恋愛模様を描き、人を懸命に愛する幸せやせつなさをリアルに描いています。どんな結末が待っているのか。ドキドキしながら最後まで楽しんでください。