おハーブ生えますわ!お嬢様語録が絶妙な『ゲーミングお嬢様』全巻ネタバレ!

更新:2021.12.9

『ゲーミングお嬢様』格闘ゲームというニッチなジャンルを扱うギャグ漫画。個性的なお嬢様達による突拍子のない発言、マニアックなあるあるネタがSNSを中心に大ヒット!作中の言葉使いを真似して、お嬢様語録に染まる読者が続出しています。この記事ではそんな『ゲーミングお嬢様』のあらすじや魅力、見所についてネタバレありで紹介していきます。

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『ゲーミングお嬢様』をネタバレ紹介!読めば必ず真似したくなりましてよ

 

『ゲーミングお嬢様』は漫画アプリ「少年ジャンプ+」で連載されている、ゲームを題材としたギャグ漫画です。

ゲームが隆盛を極めた世界で、日本随一のゲーマーである「eお嬢様」達が主に格闘ゲーム(格ゲー)をプレイ。ゲームのあるあるネタがコミカルに描かれていきます。

単なるあるあるならさほど珍しくありませんが、あまりにもマニアックで尖ったネタが続出。しかもそれを本来ゲームのイメージとほど遠い令嬢が、お嬢様言葉で畳みかけてくるのが、『ゲーミングお嬢様』独自の面白さとなっています。

基本的に格ゲーメインですが、他ジャンルにも触れられます。2021年5月の連載の最新回ではストーリー進行をぶっちぎって、大流行中の『ウマ娘プリティーダービー』を突然取り上げるという暴挙……もとい、息抜き回が掲載されて大変な話題となりました。

メディアミックスなどはまだ予定されていませんが、1巻発売時にスペシャルPVが製作され、主人公・祥龍院隆子(しょうりゅういんりゅうこ)役に人気声優の上坂すみれが起用されました。ゲームを始めサブカルチャーに明るく、育ちのよさが振る舞いから伝わる彼女はまさに適任!アニメ化の暁には……と期待するファンも多数。

 

アニメも含めて、『ゲーミングお嬢様』の今後の展開から目が離せません。

 

『ゲーミングお嬢様』は女の園でおハーブが生い茂るギャグ漫画!【あらすじ】

 

全国からお嬢様が集まる精鋭ゲーマー高校、聖閣東芸夢学園(せいかくとうげいむがくえん)。各ゲームのジャンルで熾烈なしのぎを削るお嬢様の中のお嬢様、エリート中のエリートが学園最強の「全一お嬢様」こと祥龍院隆子です。

日本全国の羨望の的と言っても過言ではない祥龍院隆子ですが、上辺の丁寧さはともかく、内面的にはかなり激しい気性の持ち主。暴言スレスレの発言をお嬢様言葉という名のオブラートに包み込み、日夜パワーワードを連発していきます。

この物語はそんな祥龍院隆子が、ライバルのお嬢様達と熱きバトルをくり広げ、おハーブ(笑いを意味するネットスラング)が絶えないサイケデリックな格闘ゲーム漫画です。

著者
["吉緒 もこもこ丸 まさお", "大@nani"]
出版日

 

登場人物はほぼすべて個性豊かなお嬢様!キャラクター紹介

 

『ゲーミングお嬢様』最大の特徴は、執事などを除くほぼすべてのキャラがお嬢様という点にあります。それにもかかわらず、1人もキャラ被りしてないところが見事。

祥龍院隆子

まず主人公たる祥龍院隆子。圧倒的カリスマ性と愉快な顔芸、たぐいまれな口汚い語彙力を持つ本作の代名詞的存在です。名前の元ネタは『ストリートファイター』のリュウと昇龍拳。

二回堂転子

1年生全一お嬢様の二回堂転子は、初登場時でいきなり隆子に挑んだ強者。完敗してからは隆子に弟子入りし、理不尽な目に遭ったりツッコミ役をこなしたりしています。名前の由来はザンギエフに代表される、投げキャラのレバー2回転コマンド。

雷撃院蹴子

そして隆子のライバル、雷撃院蹴子(らいげきいんしゅうこ)。お嬢様にしてはフランクで活発な言動に特徴があり、面倒見のよい一面もあります。使用キャラは当初ユンでしたが、隆子と対比するためかのちにケンに変更されています。名前はユンの雷撃蹴、もしくはケンの疾風迅雷脚が元ネタでしょう。

他にも印象的なお嬢様が多数登場します。彼女達の言動や使用キャラから、元ネタを読み解くのも本作の醍醐味です。

 

『ゲーミングお嬢様』の魅力1:思わず使いたくなる⁉お嬢様語録

マニアの唸るネタが多数でてきますが、すべてお嬢様言葉になっているので、それらの意味がわからなくても思わず笑ってしまうパワーワードになっています。そういった台詞は、『ゲーミングお嬢様』語録として読者に親しまれています。

特に印象的なものをいくつかご紹介してきましょう。

 

「クソわよッッ!!
間違えたお排泄物ですわよッッ!!」
(『ゲーミングお嬢様』1巻より引用)

とってつけたお嬢様風の語尾「わよ」の場違い感、「クソ」を「排泄物」に言い換える語彙力、申し訳程度の接頭語「お」。最低限の丁寧語・尊敬語要素を含みつつ、まったく綺麗な言葉になっていないのが面白すぎます。

 

「私たちeお嬢様が叩いていいのは
ボタンとクソキャラと投げキャラだけですわ」
(『ゲーミングお嬢様』1巻より引用)

格ゲーに限らず、力が入るとボタンを連打するのは仕方ありません。しかしクソキャラや投げキャラに至っては、隆子というより作者の私怨が垣間見えてやはり笑ってしまいます。

 

「私は初めから正論なんて求めていませんわ!!
正論が人をキレさせることはいくらでもありますけれど
人を救った例は有史以来一度も存在しませんわ!!」
(『ゲーミングお嬢様』1巻より引用)

たしなめられた隆子が、完全に逆ギレしながら言った台詞も勢いがありました。正論より慰めの言葉が欲しい瞬間は確かにあるので、この台詞は言葉の強さと同時に読者の共感を呼びました。

各話に同レベルのパワーワードが2つ3つ登場するので、ぜひ注目してみてください。

 

『ゲーミングお嬢様』の魅力2:マニアックなゲームネタ

 

『ゲーミングお嬢様』は語録の親しみやすさのおかげでゲーマー以外にも支持されていますが、あるあるネタや専門用語を理解するとより一層楽しめます。

・全一

全国1位の略ですが、単純に強さを強調する修飾語となっています。本来は尊敬を込めて呼ばれるものの、自称するとちょっと痛い人に……。

・ベガ立ち

アーケード筐体の順番待ちや、ギャラリーが腕組みをして観賞してる体勢をこう言います。『ストリートファイター』のボス格・ベガが直立して腕組みしていることに由来。

・DOWNLOADED

プロゲーマーInfiltrationが大会で実際に言った台詞が元ネタ。対戦中に相手のクセを読み取り、勝ち方を導き出したことを意味しています。

・不思議な力場

ゲームセンター回で登場した現象。音ゲーのスゴ技を目撃した者が、なぜか首をかしげてしまうあるあるネタです。おそらく理解が追いつかなくて、呆気に取られてしまうせいでしょう。

こういった専門用語、あるあるネタは作中で一切解説されません。わからなくても、わからないなりに勢いで充分楽しめるというのも魅力の1つです。

 

『ゲーミングお嬢様』1巻あらすじ:戦うお嬢様の優雅なひととき

 

音ゲーお嬢様にFPSお嬢様、MOBAお嬢様……ゲームジャンルの栄枯盛衰とともに、ゲーマーお嬢様のカーストも変動していきます。各お嬢様が人気を争って熾烈な戦いをくり広げるなか、己の腕1つでゲームジャンルごとカースト最上位に君臨するのが格ゲー全一お嬢様の祥龍院隆子です。

彼女は日夜、ライバルとの対戦に明け暮れていますが、童心へ返って純粋にゲームを楽しむこともあります。たとえば1巻の第7話。

娯楽施設として訪れたゲームセンターで、甘ったるいジュースを飲みながら、クレーンゲームに興じる姿は年相応。いささか庶民的ではあるものの、普段と違った隆子の一面が見られます。

『孤独のグルメ』にも似た隠れ家スポットの紹介にもなっているのですが、オチがあまりにも秀逸。ぜひ本編で確かめてみてください。

著者
["吉緒 もこもこ丸 まさお", "大@nani"]
出版日

 

『ゲーミングお嬢様』2巻あらすじ:大会決着ゥ!からの畳みかけるマニアックネタ

 

お嬢様の格付けをおこなう格ゲー大会編。隆子の相手はかつて破れた強豪、東台院飛紀子(とうだいいんときこ)でした。リュウの上位互換とも言われる豪鬼を相手に、死力を尽くした隆子の戦いが描かれます。

2巻前半のテイストは1巻とは打って変わってシリアス寄り。迫力満点の本気対戦が見所です。当たり判定を見切った手に汗握る攻防に、本作が実はきちんとした格ゲー漫画だったという事実を思い出します。

しかしこの対戦が終われば一転、これまで以上のトンデモ展開が目白押しです。突如、武士道の残酷さを描いた漫画『シグルイ』画風になったかと思えば、DDR専用コントローラーで格ゲーを始めたり、集英社であることをいいことに『遊戯王』や『デスノート』のパロディでボードゲームに興じたり。

あらゆる意味で1巻を上回るネタの数々がたまりません。

著者
["吉緒 もこもこ丸 まさお", "大@nani"]
出版日

 

漫画家歴約40日で連載開始⁉『ゲーミングお嬢様』の作者は何者?

 

『ゲーミングお嬢様』は原作・大@nani、作画・吉緒もこもこ丸まさおの2人によって製作されています。

大@naniは元々漫画を描いていなかったものの、身内ゲーマーのお嬢様発言をSNSで公開したところ一躍大人気に。これを機に一念発起し、わずか40日ほどで読み切り版を描き上げました。

新人作家発掘サービス「ジャンプルーキー!」で公開された読み切り版は、お世辞にも上手い絵柄ではありませんでしたが、インパクトがあまりにも強すぎて即日Twitterトレンド入り(しかも1位)。2019年12月の月間ブロンズルーキー賞を受賞し、「少年ジャンプ+」の正式連載に至りました。

吉緒もこもこ丸まさおは、連載版開始と同時に作画担当に就任。これ以前は吉緒まさお名義で活動しており、4コマ漫画を中心としたギャグ漫画を発表していました。

両名とも『ゲーミングお嬢様』がメジャー作品の代表作で、今後の活躍に期待がかかっています。

大@nani Twitter

吉緒もこもこ丸まさお Twitter

 

まとめ『ゲーミングお嬢様』を読んでみよう!

『ゲーミングお嬢様』は格闘ゲームを知っていれば楽しめるし、知らなくてもノリが面白い希有な作品です。「少年ジャンプ+」からなら無料で読めるので、気になった方はぜひ読んでみてください。これを機に作中に出てくるゲームで遊んでみるのもオススメですよ。

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