『スキップとローファー』は、高校生のヒロインらのスクールライフを軽やかに描いた青春コメディ漫画。学生生活のあるあるや恋に友情に大忙しだった日々に懐かしさを感じます。 この記事では、『スキップとローファー』の魅力を紹介し、全巻のネタバレもしていきます。今後の展開や完結の時期などを考察するので、本作に人一倍詳しくなれちゃいますよ!
学生時代は楽しい、悲しい、悔しい、嬉しいなどいろいろな感情が鮮明に残る時期です。特に、高校生の頃がいちばん印象深いことも多いのではないでしょうか。『スキップとローファー』はそんなスクールライフの懐かしさとともに青春を再び楽しめる作品です。
高松美咲によるスクールライフコメディ漫画の『スキップとローファー』。マンガ大賞2020で第3位になった話題作です。ヒロインのみつみとクラスメイトたちの高校生活を通して、青春の楽しさと登場人物たちの成長が描かれています。
みつみの素朴なキャラクターや、それぞれのキャラへの親近感、そして軽やかな恋模様が魅力。同時にスクールライフへの懐かしさも感じられます。学生時代の経験、感じたことが蘇ってくるような心情描写たくさんあり、じっくり読むほど思春期の純粋さを思い出させてくれます。だからこそ、大人が読んで面白い青春漫画なのですね。
恋も友情も充実している一方で笑いもたくさんあるので、クスッと笑いたい方、日常系漫画が好きな方にもおすすめです。
岩倉美津未は石川からはるばると上京してきた15歳。都内の高校へ進学し、無事入学式の朝を迎えました。叔父のナオちゃんに見送ってもらい、電車に揺られながら学校へ向かいます。理想の人生プランを妄想し、高校生活初日も余裕な様子。
しかし、人酔いで気分が悪くなり入学式に遅刻してしまいます。挙句の果てに、代表のあいさつを終えてからもまさかの出来事が……。
友達いっぱいのい人気者になるような理想のシチュエーションとは程遠くなったみつみ。ところが落ち込んでもすぐに立ち直り、このハプニングもノーカウントにしようと前向きです。そのみつみのキャラクターにクラスメイトたちは影響されていきます。
果たして、みつみの理想の学生生活を送ることはできるのでしょうか。彼女たちのハッピースクールライフの始まりです。
みつみの周りにはたくさんの友達がいます。まずは、『スキップとローファー』に登場するキャラたちを紹介していきます!
本作のヒロイン。東京の進学校に通う高校生で、石川県の先端に位置する田舎町から上京しました。夢は東大に首席で卒業し、官僚として働き、故郷で活躍すること。真面目で素直な女の子ですが、ズレているところもたくさんあって周りを和やかにしてくれる愛されキャラです。クラスメイトの志摩くんを徐々に好きになっていきます。
みつみのクラスメイトで、自由奔放な性格でいつもニコニコな男子。学校中の女子から視線を集めるモテ男でもあります。子役として活躍していた過去がありますが、あまり知られたくないよう。みつみといちばん最初に仲良くなり、特別な存在へと変化します。
美津未の叔父で、東京で一緒に暮らしています。スタイリストの仕事をしていて、みつみとは昔から仲良し。トランスジェンダーで過去には苦労もありましたが、明るい性格でみつみにとっては頼れるお姉さん的存在。
みつみのクラスメイト。みつみに対して嫌味に接することも多かったのですが、彼女のまっすぐな姿勢に惹かれていき、友達になります。賢くてオシャレで運動神経も抜群に見えますが、誰よりも陰の努力家。みつみと同じく志摩くんに恋をしています。
クール美人なみつみのクラスメイト。スタイルも抜群で男子から人気ですが、モテるが故に恋愛に疲れてしまった経験があります。美術部に所属していて、愛犬の絵を描くのが大好きという可愛らしい一面も。
教室でも端っこにいる地味な女子。友達をつくるのが苦手ですが、みつみと仲良くなってクラスの輪に入ります。自分とは正反対の結月と親友になり、恋も応援してもらうことに。
みつみの高校生徒会に所属しており、1学年上の先輩です。秀才でスケジュールをビチビチに詰める無駄がない性格。しかし、美津未と接する機会が増えて、時間に余裕を持ち穏やかに。会長を目指し、生徒会の仕事を頑張っています。
次に、全巻のあらすじと名言を紹介していきます。実際に名言が登場するシーンを読めば、もっと心に響くはず。気になるセリフがあれば、ぜひ漫画でチェックしてみてください。
岩倉美津未(みつみ)は都内の進学校に通うことになり、田舎から上京してきた高校生。入学式当日から遅刻し、さらに全生徒を注目させる大ハプニングを起こしてしまいます。思い描いていた人気者とは程遠くなってしまったけれども、前向きに我が道を進もうとするみつみ。彼女とクラスメイトたちのハッピースクールライフが幕を開けます。
高校生活のワクワクが止まらない1巻。これは入学式当日の志摩くんの言葉です。彼はあまり学校が好きではありませんが、ちょっと変わっている美津未に出会い、これからに期待を寄せています。楽しい新生活を予感させる名言ですね。
- 著者
- 高松 美咲
- 出版日
新学期の始まりから少し経ち、みつみは少し高校生活のペースを掴み始めました。ある日、登校すると演劇部の兼近先輩に出くわします。部室に連れて行かれ、子役の頃の志摩くんが映った動画を見せられたみつみ。兼近先輩は志摩くんを演劇部に勧誘してほしいと強引に頼みます。仕方なく協力することになり、みつみは志摩くんに話しかけますが……?
みつみと志摩くんももちろんですが、ミカとの友情も深まる2巻。このセリフはギクシャクな雰囲気のなか、みつみがミカに話したときのものです。ミカが自分を嫌いながらも教えてくれたことを汲み取り、彼女の努力を褒めました。みつみの優しさがわかる名言です。
- 著者
- 高松 美咲
- 出版日
7月の期末テスト明け、みつみがいる生徒会では会議が行われていました。副会長の高嶺先輩は会長選に落ちて、ショックを受けているようです。どう声を掛けていいかわからないみつみ。相談を受けた兼近先輩は、高嶺先輩を部室に呼び出します。
3巻は高校生活初の夏休み編です。志摩くんとお出かけ、お泊り会、帰省と楽しいイベントばかりのみつみ。お泊り会ではミカが恋バナで気まずくなり、本心ではないのに嘘をついて帰ってしまいます。ところがそのミカとナオちゃんがバッタリ会い、ナオちゃんには彼女が後悔している様子がわかります。この名言は、ナオちゃんが彼女の背中を押した場面のものです。
- 著者
- 高松 美咲
- 出版日
秋に差し掛かり、文化祭がやってきました。みつみのクラスはミュージカルを上演することに。志摩くんが主役に決まり、準備は着々と進められていきます。みつみはというと、生徒会の仕事で大忙しでクラスメイトとすれ違ってしまいます。志摩くんも演技に対して何か悩んでいるようで……。
文化祭でみつみと志摩くんの心の距離が縮まる4巻。陰口を聞いてボロ泣きのみつみを志摩くんが慰めるシーンがあります。思わず自分の子どもの頃と重ね合わせてしまい、志摩くんは心配になります。しかしみつみの立ち直りは早く、その姿を見たときの彼のセリフです。みつみのポジティブシンキングは志摩くんにも伝わるほどなのですね。
- 著者
- 高松 美咲
- 出版日
文化祭も終わって冬景色に変わる頃、席替えでみつみと志摩くんは隣になりました。昼休みの女子会で恋バナも増え、ますます恋について考え始めるみつみ。志摩くんを眺めることも多くなり、恋心が芽生えているようです。2人の様子を伺うミカ、文芸部の先輩に好意を寄せる誠など、クラスメイトたちの恋も動き始めます。
恋と同時に女子たちがオシャレに目覚める5巻。みつみはクラスメイトに感化され、ナオちゃんにオシャレについて相談します。ナオちゃんは、周りと比べてしまうみつみにこのように声を掛けました。オシャレには切りがありませんが、この名言を聞くと無理をしなくてもいいのだと思えますね。
- 著者
- 高松 美咲
- 出版日
マンガ大賞2020で第3位になった『スキップとローファー』。なぜ人気なのか、全巻を通してわかるその秘密を紹介していきます。
まず、魅力として挙げたいのが本作のヒロイン・みつみのキャラクター。誰よりも素直で真面目で、天然発言やズレているところがある愛されキャラです。石川で生まれ育ち、東京の高校へと進学しました。
都会ライフに馴染んでキラキラ女子高生に変身するかと思いきや、そのままの自分を大切にする女の子。幼馴染からもらった動物のヘアピンをいつも身につけていたり、オシャレも無理をしません。
また、嬉しいことや悲しいことも素直に話します。それは友達と少し気まずくなってしまったとき、気になる男子に声を掛けるときなどの勇気がいる場面であっても。シンプルな言葉で気持ちを伝えようとします。このような素朴さが、他の登場キャラも私たち読者もみつみに魅了される理由なのではないでしょうか。
『スキップとローファー』は登場キャラのタイプも様々です。みつみだけではなくどのキャラも、どこかで会ったような気がするような親近感が湧きます。
モテ男の志摩、みつみと正反対だけどやがていちばんの友達になっていくミカ、クールで美女の結月、超地味で自信なさげな誠など、見た目も性格もそれぞれ。その分価値観や行動が違っていて、読んでいると一度は誰かに共感できます。
さらに、彼らの悩みも日常生活にありふれたようなことが多く、心情描写も注目したいところです。高校生は強がったり大人びたりしますが、同時に心が繊細な時期。登場キャラの心の内に秘めた思いや葛藤がじっくりと描かれています。読むときっと共感できたり、自分と似たキャラに出会えるはずです。
学生生活の思い出といえば、恋もそのうちの1つではないでしょうか。『スキップとローファー』もみつみと志摩くんの恋が醍醐味。その恋模様は軽いタッチで描かれており、爽やさがあります。
みつみと志摩くんは異性としてだけではなく、人間的にも惹かれ合う存在。お互いの長所短所を理解し、少しずつ距離を近づけていくところも自然な恋模様に繋がっているのです。
また、青春漫画は恋か友情かどちらかがメインになりがちですが、本作は両方のバランスがしっかりと取れています。学生生活あるあるをストーリーの基本とし、恋をスパイスに足しているような自然さが『スキップとローファー』の人気の秘密なのかもしれません。
5巻はみつみの高校生活も初めての冬を迎え、クラスメイトとの絆も深まっていく『スキップとローファー』。最後に、今後の展開や完結のタイミングを考察していきます。
いちばん知りたいのは、みつみと志摩くんの関係の行方です。みつみは志摩くんが好きだと気づき、一方彼もみつみを特別な女友だちだと感じています。お互いの存在を意識していて、芽生え始める恋。少しずつ近づいていき、結ばれてほしいものです!みつみと志摩くんそれぞれの気持ちの変化に注目しながら読むと、もっと充実するかもしれません。
また、ストーリーの完結はいつなのかも気になるところ。おそらく、みつみの高校卒業まで続くと予想できます。今まで学生生活ならではのイベントだったり、日常の小さな出来事をメインに描かれていますが、この先は進路選択のような少しシビアな内容も登場するでしょう。しかし、みつみのポジティブシンキングは変わらないでほしいですね。
「月刊アフタヌーン」で連載中の『スキップとローファー』。コミックも5巻まで刊行されています。読めば、まっすぐでちょっと天然なみつみに元気をもらえるはず。気になった方は、ぜひ手に取ってご覧ください。楽しかった学生時代を懐かしみながら、みつみたちの成長を見届けましょう。
アフタヌーン 2021年8月号
2021/6/24
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